■よい遊びを (13 最終回)
3 どんな遊びが良い遊びなのか
(3)「ヒト」や「社会」などが体験できる遊び
前回、「家族などによる室内遊び」の例として、将棋と囲碁を紹介しましたが、実際は、室内、野外、車中でもできるし、場所はほとんど関係ありません。
そこで、最終回のまとめとして、《人と人が直接向き合い、交流できる遊び》、つまり、「ヒトや社会が体験できる遊び」の例をいくつかあげてみたいと思います。
家族などで遊ぶときは、まずは《昔から楽しまれ引き継がれている遊び》《自分がよく知っている遊び》を子供たちに伝えていきたいものです。長年親しまれている遊びはいわば《良さやおもしろさが証明済み》なのですから。
○「頭脳対戦ゲーム」系・・・将棋、囲碁、トランプ、花合わせ(花札使用)、すごろく、カルタ取り、マージャン、各種ゲーム盤、など・・・
※大人も子供も楽しめるように、「自分たちだけのルール」などを工夫するといいようです。
例えば、勝ち負けが固定化したらつまらなくなるので、「ハンディ」をつけると、勝ち負けが簡単には予想できなくなるのでおもしろくなります。その際、《どんなハンディをつけるかについて話し合う》と、その過程で、子供たちの「言語力」「思考力」「コミュニケーション力」がどんどん豊かになります。
○「言葉あそび」系・・・道具がいらないのでとてもかんたん。
・しりとり・・・普通の「最後の一文字しりとり」以外にもたくさんの種類があります。普通のしりとりにあきたらより難しいものに挑戦します。結果として、子供の語彙(ごい=言葉)がどんどん増えます。
「2文字や3文字しりとり」・・・最後に「ん」で終わる単語も使える。
※2文字の例・・・みち~みちくさ~くさもち~もちごめ~ごめん~めんどり~ドリームジャンボ で、終わり。
「ジャンルしりとり」・・・例えば、「食べ物」「生き物」など。成長して語彙数が増えればいくらでも設定できます。
※言語教育に使いたいときは、例えば「動詞しりとり」など(実際に娘が5歳ぐらいのときにしていました)。あそぶ~ぶつ~つく~くるしむ~むかつく~くう~
「1音節しりとり」・・・これも言語教育用しりとり。文字ではなく、単語の最後の[1音節の発音]でしりとりします。
※例・・・[アンコ]~[コショー]~[ショーガ]~[ガッコー]~[コーシャ」~「シャカイ」~「イチョー」~「チョーチョ」~「チョキン」で、終わり。
これらの種類を組み合わせれば、簡単なしりとりから、超難しいしりとりまで、いろいろ楽しめます。
・クイズ、だじゃれの言い合い、(遊びの)俳句作り(※例えば、父「白い雲」~子「綿菓子みたい」~母「食べたいな」)、など・・・
○「運動」系・・・相撲(すもう)・指相撲・足相撲、おはじき、お手玉、ビー玉遊び、なわとび、ゴムとび、組体操(※親子でするとけっこう楽しい)、テーブル卓球、キャッチボール、など・・・
すぐに思いつくものだけをあげてみましたが、ほかにもたくさんあると思います。
これらの遊びのほとんどが《あまりお金のかからない遊び》ですが、結果として(※目的は楽しむことですが)、子供が一人前の社会人として成長するのに必ず役に立つ要素をたくさん含んでいます。
一方、このごろ世の中にはやっている「電子的ゲーム」などの遊びは《企業が作って売っている、お金のかかる遊び》です。
しかも、それらには、子供の健全な成長にとっては害になる要素がかなり含まれていると思います。(このシリーズでもたくさん書きました。)
多くのご家庭で、善き日本人を育てられますようにお祈りしながら、この「よい遊びを」シリーズを終えたいと思います。
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