楽々雑記

「楽しむ」と書いて「らく」と読むように日々の雑事を記録します。

フリッツの包み。

2007-09-03 00:01:00 | 食べもの。
昨日持ち帰ってきた「フリッツ」のヒレカツとメンチカツの残りを昼食に食べた。昨晩は飲みすぎてしまい、結局残してしまったカツを包んでもらったのだ。美味しくて楽しいからといって飲みすぎるのは良くないと何度となく反省しているのにもかかわらず、結局同じことの繰りかえりだと思いながら箸を持つ手を伸ばす。反省している最中であってもうまいものは旨い。反省しているのだから、美味しいと思う気持ちなど抑えなくてはと思いながらも、持ち帰ってきてよかったなと、まったく別のことを考えていることに気づき、また反省した。

昨日は銀座一丁目のギャラリー小柳で開かれている相方の友人の展覧会に足を運んだ。独特のタッチの絵、描いている本人を知っているので余計に興味深い。そして偶然一緒になった相方の会社の方と一緒に本人の説明付で全ての作品を見せてもらう。絵を眺めているだけではわからないことも説明が付くと違って見えてくる。同時に行われていた真っ暗な部屋で風に舞う花びらのインスタレーションも楽しい。そうして一通りの解説が終わった後は記念撮影会になっていた。周りから見たら不思議な集団に映っていただろう。楽しい展示を眺めた後にお茶を飲み、本屋に寄った。黒田維里の「something cool」が手に入り嬉しくなっていた時には、まだ酒が入っていなかったのだ。

赤坂で待ち合わせをしていたANKをフリッツに誘った。結局、途中で別の用事があったので店を出た相方をよそに飲み続けた。ビールも旨かったし、ワインも旨かった。勿論、いつものとおり前菜の盛り合わせも揚げ物も旨い。早めの閉店で店を出てから、もう一度飲み直した。何度か立ち寄ったことのある雑居ビルのバーでウイスキーソーダを飲んだ。これも旨い。既に何を飲んでも旨い状態になっていたのは間違えない。気付けば飲みすぎ、結局終電近くなった永田町で一緒になった相方に迷惑をかけた。朝になってから台所においてある「フリッツ」の包みを見て、昨日のことを反省する。しかし、うまいものは旨い。どうしようもないが、反省しているときの旨いものというはどうにも困る。

学士会館ビヤホール。

2007-09-02 10:31:37 | 食べもの。
棚の上においてあった相方の買ってきた東京案内の本をパラパラと捲っていると、自分は知らないが面白そうな場所が色々と紹介されている。東京生まれでも東京育ちでもないのだから知らないのも当然だけれども、自分が気に入りそうな店や場所がまだまだ沢山あるのは喜ぶ。勿論、そこには載っていない自分のお気に入りの場所も沢山あるから「なぜ載っていないのか」という気持ちと紹介されていないことを嬉しく思う気持ちが行ったりきたりする。そうして一喜一憂しながら眺めていると、学士会館別館のビアホールが紹介されていた。とても良さそうな場所だ。先日九段会館のビアホールに行ったばかりだから尚更気にかかる。詳しく読むと今年の夏で営業を終えるとある、それではと思いついて丸の内線に乗ることにした。

本郷三丁目で下車して本郷通りをしばらく行くと学士会館の建物が見えた、中庭のビアガーデンも見える。それでは早速入ろうとすると、東大構内が面白いので見に行こうと言われたので歩くことした。受験のときは周りを見回す余裕などなかったが、夏の夕方にゆっくりと歩くととても豊かな場所だと気付く。相方がイギリスみたいだと言う、そんな気もしてきた。そうして辿り着いたビアガーデンはまるで大きな屋敷の庭のようだ。小ぢんまりしているところも良い。昼に食べたハヤシライスとオムライスがお腹に残っていて食欲がない。しかしこんな良いところでさらりと一杯というのはどうにも惜しい。相方は鶏のから揚げが美味しそうだと言うが、そんな余裕はお腹のどこにもない。日が沈み、涼風が吹いてくるとさらに眠気も加わってきた。本で見た学士ワインも飲みたいし、ピクルスも食べたい。しかしどうにも眠い。ぼんやりしていると周りの客が入れ替っていた。独りで飲む客が数人いる。独りで飲めるビヤガーデンというのは良い。隣の老人も一人で大ジョッキを飲みながら枝豆をつまんでいる。流れてきた煙草の煙も気にならない。煙を追うと空が藍色になっているのが見えた。

かいじゅう屋のパン。

2007-09-01 11:33:05 | 食べもの。
髪を切りに毎月目白まで出かけるけれど、それ以外に目的もないのでフラフラしているうちに立ち寄る店も決まってきた。目白通り沿いのブックオフだったり、和菓子「志むら」だったり、その数は少しずつ増えている。先日寄り道をした「吉村順三ギャラリー」から次回の展示のお知らせが届いていた。会期はしばらく先のようなので、次に髪を切りに来る時にでも寄ろうと思う。何の予備知識も持たずに平面図と写真と立体模型を眺めて何が面白いのかとも思うけれども、きっと足を運ぶのだろうし、何かわかったような気になるはずだ。

夕方から開店する「かいじゅう屋」というパン屋は、目白通りから少し入った「古道具 坂田」の主人に教えていただいた。もともとパン屋を志していたのではなく美術畑からパン屋に転向したらしく、気に入ったパンができないと店を開かないという話も聞いている。話を聞く限り、どうも気難しいパン屋のようだが、夕方の開店にもかかわらず、すぐに近所の客で売切れてしまうというのは、ネットで調べて知った。開店には少し早いと思いながら店の前まで来たが、戸口には午後4時から店を開ける旨のメモが貼り付けてあった。それを見たらお腹が空いた。まだ時間があるので食べ逃した昼飯が猛烈に食べたくなり、少し遠い目白台の「カフェ水野」まで足を伸ばす。オムライスとハヤシライスを食べてからパン屋に戻ると既に人が並んでいる。こういう時になぜか焦ってしまうのは良くない癖だと思いながら足は速まる。日によって何が並ぶかわからないこのパン屋で何を買うかというのは大問題だし、今日は何があるのかというのは更に重大な問題だ。丸パンにくるみパン、とうもろこしクッキーまで買う。食べるよりも手に入れたことで満足してしまうのは、果たして正しいのかどうか。そんなパンに翻弄されている我々をあざ笑うかのように隣のスリランカジュエリーショップの開け放しの扉から居眠りをしているスリランカ人の店主の姿が見えた。眠っている人に眼を覚まされたような気がする。