楽々雑記

「楽しむ」と書いて「らく」と読むように日々の雑事を記録します。

花婿の幸せ。

2007-03-13 12:13:43 | 出来事。
無事に終わりました。


先週の木曜日に誕生日を迎えたと思っていたら、あっという間に時間が過ぎていた。誕生日というと何か特別な日でなければならない気がしてしまうけれども、慌しく過ぎてしまえばいつもの一日と変わらない。自分のために何か欲しいものを手に入れる日でもなければ、ケーキを食べるための日でもないのだから、いつもと同じでも問題はない。部屋の片付けと皮膚科と床屋に行き、実家に戻ったのは夜の10時過ぎ。これでは祝ってくれと言うのも憚られる。いい歳をして「お誕生日」というのもどうかと思えば、そんなことも気にならない。もっと他に祝うことがあるだろう。

結婚式当日もあっという間に過ぎた。雨上がりの空の下、川越氷川神社で式を挙げた。何だかぎこちない親族紹介の後で、雅楽奏者と巫女の後に続いて本殿へと進む。決められたとおりに酒を飲み、祝いの詞を読みあげて、玉ぐしを納める。ひと通り終えたら社殿をバックに集合写真を撮る。何だか不思議な気持ちになるが、着々と進行していく。披露宴会場の料亭へ向かうため人力車に乗る。街を行くと皆が「おめでとう」と声を掛けてくれる。車の窓を開ける人、店の中から出てきてくれる人、観光の人、全く知らない人たちがお祝いを言って拍手してくれる。こんなことは二度とないだろう、いや、あっても良いか(もちろん別の機会で)。人力車の引き手が「こうしていると、世の中捨てたもんじゃないって気持ちになりますね」と言う。全くそのとおりだ。これだけ多くの見ず知らずの人たちが、他人の幸せを祝福してくれるのだ。

それにしても、多くの人の目はなぜ花嫁に向けられるのだろうか。白無垢に綿帽子を被った花嫁の衣装のおかげか、聞こえてくる町の人の声は花嫁に関することばかりだ。蔵作りの街を見学していた中学生の一団のひとりが「あ、花婿さんだ」と言っていたことだけが唯一か。しかし、その発言も何を評価してくれたのかは全くわからない。それでも何だか気分が良くなっていたのだから全く暢気な花婿だ。