NHKディレクターの石原大史さんの著作「原発事故 最悪のシナリオ」を読了しました。先日18日に福島第一原発を見学するにあたり、図書館から借りた3冊の本の中の最後の1冊です。本当は「3冊すべてを読み終えてから施設を見学する」予定だったのですが、この本を読んだほとんどの時間は、福島に行った18日の往復のバスの中でした。
福島第一原発事故発生後、東日本壊滅を想定した複数の極秘シナリオが書かれていた!
官邸、米軍、自衛隊、東電がそれぞれに準備していた「最悪のシナリオ」。未曽有の危機を前に、危機管理を担う当事者たちは何を考え、どう動いたのか? 関係者100余名への独自取材をもとに、日本危機管理の実像に迫る! 第64回JCJ賞受賞のNHK・ETV特集が書籍化!
さすがにNHKのディレクターが書いた本だけあって、さまざまな人たちへのインタビュー記録を豊富に交えながら、福島第一原発の事故が発生してからのリアルタイムを臨場感たっぷりに再現した、まるでドキュメンタリー番組を見ているかのような本でした。
【第一原発所員】「携帯に遺書のようなものを入力して、家内宛に『子どもを頼む』っていうようなことを記録したことは覚えてます」
【菅直人(総理大臣)】「ある種、超法規的なことだったと思います。しかし、私はそれはやらざるを得なかったと、国の責任としてやらざるを得なかったと、いまでも思っています」
【寺田学(首相補佐官)】「『もっと命かけてやれよ』ってことをいえるほど、仕組みもないし、政治としての胆力も持ちえてない」
【北澤俊美(防衛大臣)】「米軍側が、『日本は犠牲的な姿を見せないと、世界が安心しない』というようなことをいろいろなルートからいってきているんですよね」
【スティーブ・タウン(在日米軍)連絡将校】「アメリカの目には、日本が十分やっていないように映っていました」
日本の歴史上、未曾有の大災害となった東日本大震災、そして福島第一原発事故。今後40年間も我が国が解決に時間を労力をかけ続けなければならないこの問題について、現場を見学した直前と直後にこの本を読んだことは、ボクにとって非常に衝撃的な体験と内容でした。
ボクは今、「多くの人から目を背けずに福島第1原発の現状を見てほしい」「関連する書籍を読んで実態や問題を理解してほしい」と、切に思っています。