目指せ!ゼロウエイストな暮らし

モノを減らして、ゼロウエイスト。田舎でイラスト描いて暮らしています。

百回以上読んだ絵本 ~絵本編パート2~

2010年11月10日 | 育児日記<絵本の棚>
2歳になった息子。
自分で2足歩行ができるようになった息子は、自分で行きたい所へ行くことができる!
という夢のような力を手にしました。
そう、それは息子本人にとっても、親である私にとっても夢のようなことです。


足で立つことも、ままならなかった頃は、
ただひたすらに、無限にあるかと思われる息子との時間を埋めるように、
絵本を読み続けていました。

そう、まるで苦行のように…。

そして、その苦行の末に行き着いた悟り。
それは「絵本はすごい!」という凡庸な理解でした。

絵本さえあれば、息子は生きるために必要なことのある程度は、
理解してくれるのではないか。
そこまではいかなくても、その一助を充分に果たしてくれるのではないか、と
感じさせてくれました。

そんな心境の変化を記念して(?)
今回は以前に続いて、息子と共に何百回と読み込んだ絵本をアップしたいと思います。


これから絵本を選ぶ方の参考になるかどうかわかりませんが、
「あ、知ってる知ってる」とか「へえ、そういうのもあるんだ」
くらいに思っていただけましたら幸いです。


まずは…●かんがえるカエルくん いわむらかずお 福音館書店


「こころってどこにあるの?」
「このみちは、どこにつながっているの?」

カエルくんとねずみくんが、考えて考えた末に答えを見つけたり、思いついたり…。
その答えは、子どもらしくもあり、大人のようでもあり、
とても自然で、全然むずかしくない、でもなんとなく納得できる答えなのです。



「こころってどこにあるの?」という問いかけに、カエルくんがねずみくんの
口の中をのぞくシーンは、とてもほほえましくて、
息子に「こころはどこにある?」と、カエルくんと
同じように口の中をのぞいたら、ウキャウキャ楽しそうに笑ってくれました。

実際の社会の中で、こんなことを考える子どもがいたら、
その子はきっと今の社会ではいじめられるんじゃないかな、とも思いました。

でも、この絵本の中では、カエルくんの疑問を一緒に考えてくれる友達、
ネズミくんがいる。このネズミくんの存在がすごく大きかったです。

願わくば、息子が大きくなった時、こんなネズミくんのような友達が
いたら、などと思ってしまいました。

大学生の頃、はじめて出会った衝撃的な絵本でした。



●十二支のおせち料理 川端誠 BL出版



十二支の動物が、それぞれ役割分担をして、おせち料理を作っていく物語。

日本の正月の清清しさが、版画という日本の絵画技術で描かれているっていう事実は
素敵です。
凛とした雪の美しさ、正月の静けさを、文字の力でなく、版画の絵の力だけで
作り出しています。

十二支物語って、色々と難しいものが多いのですが、
このストーリーは非常に単純にわかりやすく構成されています。
それだけでもすごいことです。

十二支の動物が、順番に登場して、それぞれがおせち料理を作っていくのですが、
息子が気に入っていると思われるのは、

この羊のページ。

下ごしらえしている素材の魚が、鮭であったり、鱈であったりするのですが、
「サケ!」「イカ!」と指差し、
しまいには台所に行って「ヒツジとおなじ」と言って、
出刃包丁を持ち出してくるので、ヒヤヒヤものです。

絵本の見て、触発され、自分で行動する、
そんな行動力はかいたいのですがね。



●よるくま 酒井駒子


小さなおとこのこが、小さなくまの子「よるくま」と一緒に、
よるくまのお母さんを探しにいく物語です。

どこを探してもみつからないよるくまのお母さん。
最後には、よるくまの涙で周りが真っ暗になってしまいます。
お母さんが見つかった時
「おかあさん、おかあさん、どこいっていたの?」と泣きつくのですが、
その表情がホントに切実な表情で胸をつかれます。

何度読んでも、おかあさんが見つかった時、息子は本当に嬉しそうににっこり笑います。

お母さんくまが、よるくまを抱いて帰る時
「ああ、あったかい。おまえはあったかいねえ。きょうはこのまま抱いてかえろう」
と言うのですが、
このセリフ、私自身すごく気に入っていて、たびたび息子に語りながら抱きしめます。
そうしたくなるような、あたたかいセリフだと思います。

わずかな文章で構成されていて、
それだけに一文一文、ものすごく推敲なされていることがわかる絵本です。


息子が、絵本の中の文章を、暗誦できたはじめての絵本です。
間違いなく次世代に伝わるであろう名作絵本だと思います。



●モーモーまきばのおきゃくさま



牧場なのに全ての背景がピンク(笑)
その意外性のあるカラーリングにひかれました。


牧場というシチュエーションの、絵本にはいつも魅かれ、どんな絵本でもまずは手にとってしまいます。
これもその絵本でした。
大抵の牧場物語は、牧場を運営する人間が主人公なのですが、
これは牧場の一員の「牛」が主人公。

お人よしでちょっと世間知らず。
そんな社会にでるまえの高校生くらい(?)な牛が主人公です。
魅力が一体どの部分にあるのかわかりにくいながらも、息子は痛く気に入ったそんな絵本のひとつです。




「絵本を読み聞かせた時間は宝物」という言葉を信じ、今日もモーレツに眠い目をおさえながら
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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
懐かしい絵本 (春休みのデッサン室)
2010-11-11 19:25:51
子どもが幼い頃絵本探ししました。
ハッと我に帰れば、絵本に見入っている自分に気づきました。

「アーコのお見舞い」安野光雅の絵
これは我が家の子どもが大好きでした。
呼んであげると子どもたちの眼は
生き生き、ワクワクでいっぱい!
楽しい、懐かしい思い出です。
お陰でみんな(3人)いい子に成長しました。
でもこの本、もう絶版かもしれません。

また絵本の積もるお話コメントします。
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Unknown (春休みのデッサン室)
2010-11-11 19:27:23
↑ですが、すいません、「呼んであげる」ではなく
「読んであげる」です。
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絵本っていい (たらい)
2010-11-11 21:40:53
サケやイカやひつじも絵本っていろいろ教えてくれますね
どんどん成長していくお子さん
とてもほほえましく読んでいます
今回紹介してくれた絵本探してみます
今までで僕が心に残った絵本って
泣いた赤鬼、シルバースタインの大きな木くらいなんですよ
もっと読んでみよっかな
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Unknown (春休みのデッサン室さんへ)
2010-11-12 20:53:39
安野さんの絵は私も大好きです。いいですよね。
よい絵本の世界は大人もひきこむ力を充分に持っているメディアだと思います。
読んできかせる子どもの表情は確かに素敵です。
たくさんの絵本、読んであげたいと思います。
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Unknown (たらいさんへ)
2010-11-12 20:56:10
やさしいコメントありがとうございます。
しかも今回の絵本を探してみてくださるなんて、嬉しいお言葉です。
大きな木、私も好きです。
結構シュールだなあ、と思って、まだ息子には読み聞かせていませんが、もう少し大きくなったら読んできかせたいと思っています。
私も母として、あの大きな木のようになれたらいいと思う反面、やっぱり見返りほしいなあ、などと思ってしまう修行が足りない母です。
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