目指せ!ゼロウエイストな暮らし

モノを減らして、ゼロウエイスト。田舎でイラスト描いて暮らしています。

「ふぐの卵巣漬け」の取材にいってきました

2007年11月21日 | 佐渡だいすきネタ
「ふぐの卵巣?食べられるのそんなの?」と思われる方もいるかもしれません。
これが中々、摩訶不思議な食べ物なのです。
昨日、佐和田・沢根の「かすけ」という、ふぐの粕漬けを200年の長きにわたって
作り続けているお店を取材しにいきましたが、「知る人ぞ知る」食べ物なのでは?

私はずっと佐渡にいながら、このふぐの卵巣漬け、知りませんでした。
なんでも、日本の3大珍味の1つらしいのですが、存在さえ最近知ったばかりです。

当日、社長は、取材約束をしたことを忘れていて、
約束の時間に行ったら仕事の真っ最中でした。
正月用の鮭の塩漬けを従業員の方と一緒に作っていました(笑)
ものすごく社長らしい、というか佐渡らしいんですけどね、
まったく憎めない社長さんで「じゃあ仕事しながら話すから」と鮭の筋子をだしながら
ぺらぺらぺら~、とよどみなく話しだしました。
(その時の画像です)

ふぐの卵巣は身以上の猛毒で、そのまま食べたら成人男性を何人も死なせてしまうくらいの
猛毒なのだそうです。
その猛毒を、塩漬け2年、粕漬け2年(!)もの月日をかけて漬け込むことで
無毒化させ、珍味に仕上げる。この無毒化の技術を持っているのは
石川県と佐渡だけ、と言います。

「口でいうのは簡単だけど、本当に面倒なんですよ~」といかにも大変そうに
茶目っ気たっぷりに話してくれました。

今では高級品ですが、もともとは漁村の人達の食べ物だったらしく、
冬の間、魚がとれない時期の貴重なおかずだったそうです。
でも、作るまでにおそろしく時間がかかる保存食なので
今では、ここのかすけさんしか作っていないそうです。

「それでも60代くらいの方は、我が家のやり方で漬けたいから、といって
塩漬けの段階の卵巣を買って、自宅で漬け込む人もいる」のだそうです。

「五右衛門風呂の釜の中に新聞紙を濡らして入れて、朝になったらいい塩梅に
蒸しあがっている。それをご飯と一緒に食べる」のだそうです。

おいしそうだ。
試食させてもらいましたが、酒かすの味があまくて、日本酒にあいそうな、
珍味というより、魚介類の熟成された味がぷーんと香って「おいしい」です。

添加物なんてもちろん一切なし(その必要もないのです)
1箱2000円くらいからありますが、それもかかった年月からすれば安すぎるお値段です。

「なんでそんな面倒なことをきちんきちんとやるのか?」と聞くと、
照れて「酒を飲むため」と茶化すけどホントは違う。
佐渡の伝統の大切さを知りつくしているからこそ、今の佐渡を誰よりも憂ている、のです。

切ないほど、です。笑っているけど。
優しい佐渡人でした。

うまく伝えられたらいいなあ。

かすけさんのふぐの粕漬け、好き嫌いがあるかもしれませんが、私的にはかなりオススメです。
大八の前の魚センターで購入できます、
他に佐渡汽船でも購入できますよ。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (tomo)
2007-11-22 10:17:52
「美味しんぼ」にも載ったらいいなぁと思ってしまいました。
佐渡って、知れば知るほどすごい島なんだなぁと発見させられますね。
機会あったら、へんじんもっこの商品も一緒に注文したいで~す(財布と相談が必要だけど・・・)。

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Unknown (たけ)
2007-11-22 13:28:23
ここ家の近所です(笑)
ホントこの方しゃべり方は茶目っ気ありますよね。
前に頂いたんですが、ひと癖あって日本酒がすすみそうな味です。日本酒飲まないですが・・

焼きタラコみたいに焼いて、からすみパスタのようにふりかけて『ふぐの子パスタ』したら美味しかったです。
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Unknown (tomoさんへ)
2007-11-22 20:04:29
あはは、そうですね。
美味しんぼの都道府県味めぐり、みたいなやつで「新潟県版」としてでなく「佐渡版」だけで一冊やってほしいですね。かなり美味しんぼ的ネタだと思いますよ。買ってあまり損はないと思いますよ。
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Unknown (たけさんへ)
2007-11-22 21:42:36
ふぐの子パスタ、これホテルでもやっていて食べてみたのですがかなりいけます。カルボナーラの中にふぐの子が入っていてわずかな塩っけがまたよい感じでした。そうですか、ご近所なんですね。
沢根も「財産」的人材を持っていますね~。
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