毎日が高地トレーニング

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野生のクマに襲われないための10カ条(襲われかけた私の経験をもとに考察)

2014-06-26 17:25:36 | スポーツ

2012年の秋に長野県の東信の山中で熊(クマ)と遭遇しました。一度離れた熊が私の8メートル前まで走り寄ってくる、という危険なニアミスでした。この原因として私のとった行動に大きな問題がありました。まずはこの時の状況について述べさせていただきます。                                                                               

2012年9月15日の夕刻、長野・群馬県境の尾根から鼻曲山を経て、昔の草軽鉄道跡の林道をトレイルランニングの練習として小瀬に向かってゆっくりと走っているときでした。約15メートル前方の林道の路肩に2頭のクマを発見。私とほぼ同時にクマたちも気がついたようで、直ちに藪の中を私と反対方向に2頭とも逃げだしました。山の中でクマと出会うことはそう滅多にありません。今回は私にとって2回目です。できれば会いたくないと思う一方、クマの姿を見られることはラッキーだ、という気持ちがあるもの事実です。自分から離れるクマに安堵し、「クマに勝った!」みたいな気分になり、思わず私は笑顔で「うぉー」と雄叫びをあげたのでした。しかしこれが大きな間違いでした・・・。クマの1頭が突然くるりと向きを変えてこちらに突進してきたのです。「やばい」顔が引きつります。人生最大のピンチ。と同時に、この地域の住民としての自覚もちゃんとあったようで、「このままケガをしてニュースになったら地域の観光にダメージだ。まずい!」との思いが脳裏をよぎります。続いて「どこを咬ませたら一番被害が少なく後遺症も残らないか?」と考えました。<o:p></o:p>

 

 クマの走力は素晴らしく、とても逃げ切れそうにないことはすぐにわかります。このとき私がとった行動は、たまたま手に持っていた空のペットボトルを振り上げて仁王立ちすることでした。クマに比べたらやせ細ってはいるものの、十分な高さになります(ちなみに私の身長は183cm)。つまりクマにしたら上から見下ろされている感覚になるはずです。口を開いて唸りながら8メートルまで接近したクマは、急に再び180度向きを変えて走り去っていきました。<o:p></o:p>

 

 きっとクマだって人に出会ってしまって怖かったのだと思います。2頭はおそらく親子グマでしょう。母グマが子供を守るために私に立ち向かったのだと考えると、クマに対しても大変申し訳なく、その母性本能に敬服したい気持ちにさえなります。もともと森はクマたちの住み家です。そこに私たち人がお邪魔させていただいているという感覚をもたなければいけません。<o:p></o:p>

 

 人を襲うとクマも殺されてしまいます。今回未遂に終わってお互いのためにも本当に良かったです。<o:p></o:p>

 

 以上の経験から、野生のクマに襲われないための10カ条を挙げさせていただきます。皆さんの参考になれば幸いです。

 

1.山に入るときはしっかり鳴るクマ除けベル(鈴)を携行する。(今回、クマ鈴は鳴らしていたものの、音が小さくてクマの耳に届かなかったようです。)<o:p></o:p>

 

2.雨の時は音が消えやすいのでなるべく山に入らない。<o:p></o:p>

 

3.ゴミは必ず持ち帰る(人の食べ物の味をクマに教えないため)<o:p></o:p>

 

4.沢沿いの道は音が消えるので要注意<o:p></o:p>

 

5.夕方~夜には山に入らない。(夕刻以降にクマの活動は活発になります。)<o:p></o:p>

 

6.クマに出会っても走って逃げない。(犬と同じでクマは追いかけてきます。)<o:p></o:p>

 

7.クマと出会っても大声を出さない。(クマも驚いて捨て身の行動に出ます。)<o:p></o:p>

 

8.クマが向かってきたら仁王立ちして身体を大きく見せる!<o:p></o:p>

 

9.クマが5メートルまで接近したら、亀のように丸くなり背中を見せる(被害を最小限に抑えるため)<o:p></o:p>

 

10. クマに対する畏敬の念を忘れない。(森はクマのものです。)



 以上、他の方の参考になればと思い、あるローカル雑誌に掲載された私の拙文を一部改変して、ここに載せさせていただきました。

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(上記画像)奥秩父雁峠近くにて撮影


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