モービルにシャックを構築する上で最初に確かめたいことは、「現車で手持ちのアンテナが正常に動作するのか?」だ。これが叶わないと、他のことを先に進めても無駄になるからだ。逆にこれさえ叶えば、他は手間を掛ければ何とかなる作業ばかりとも言える。で、それを確かめるためには、アンテナを接続する同軸ケーブルが必要だ。
そこで何年も前から「一度きちんと経験しておくべき!」と思っていた“使用周波数に対応した長さの同軸ケーブル”を製作してみることにした。そのケーブル長さを求める計算式は、以下のとおりだ。
L=λ/2×速度係数×n
・L[m]:同軸ケーブルの長さ
・λ[m]:波長(300/f[MHz])
・速度係数:電波が空間(真空)を伝わる速さと同軸ケーブルを伝わる速さの比で、2V系は0.67。
→同軸ケーブルを伝わる速さは、誘電体の影響で減速するらしく、別名“波長短縮率”とも呼ばれる。
・n:任意の自然数
→とりあえず“1”で計算、その結果を踏まえて必要な自然数(1、2、3、…)で掛け算する。
要するに使用周波数に対応した同軸ケーブルは、“ケーブル内波長(=空間波長の速度係数倍)がn個分”となる。ただしこれは計算上の話で、実際にはこれより少し短くなる旨、教科書や同業者諸氏のサイトなどで報告されている。
このようなケーブルが必要とされている理由だが、固い表現は教科書に譲って実務面で見ると、SWRを始めとする各種測定時に同軸ケーブルの影響を限りなく無くす、つまり同軸ケーブルを介しているのにアンテナ直下で見ることに等しいためとのこと。併せてこのようなケーブルを用いて整合を終えたアンテナであれば、普段使いの同軸ケーブル長さは設置状況に応じて任意に決めてもよいとのこと。
おそらくそういう事情(普段は長さが任意のケーブルで可)などが有るから、このケーブルの必要性が浸透しないのかもしれない。つまり「そんなん必要無いやん!」って。実際にかつての私もそうだったし。行きつけのハムショップでも「無駄!」って言われたことも有ったし。
だけど最も不利な時(たぶん上記の式のn値を“x.5”とした時のL値の時。)に、どの程度NGな結果になるのかが分かっていなければ口先だけになっちゃうだろうし、仮にNGでも一度経験していれば話の仕方は変わってくるだろうし。と言うことで今回は「何でもいいから“引き出し”が1つ増えればOK!」としたい。まぁそうは言っても同軸ケーブルやコネクターを湯水のように使える状況じゃないので、今回はそこまでやる(意図的にn=x.5のケーブルを製作する)つもりはないが…。
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このまま書き続けると文字数が2000字超になりそうなので、つづき(製作作業)は次記事とさせていただく。
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