はぁ～

施設から電話がかかってきました。
「お母さまの熱が下がらないので、入院することになります」
はぁ～、いよいよ来たかぁ。
体調も良くずっと過ごしてきたのに、と思いましたが。

なにせ高齢者ですから何が起きても不思議ではありません。
数日前から高熱が続き、下がらなかったらしい。

病院で入院の手続き、医療に関する同意書、入院用アメニティ、など。
でも慣れたものです。父親の時、母親も３回目ですもの。

ベッドに横たわっていて私を見ると、手招きをしている様子で意識ははっきりしています。
傍に行くと私の手を強く握って離そうとしません。
「大丈夫だよ、先生の言うことを聞くんだよ」と言って、母の手を離しました。
こういう風に、しがみついてくるのが私にはとても辛くなります。

今度はしばらくは病院への行き来は頻繁になりそうです。
下着、パジャマの洗濯をしなければいけません。
しょうがない、私の母親だ。頑張ろう！

息子さんですか？

「息子さんですか？」　施設から久しぶりの電話が架かってきました。　　ドキッ。
「お母さまが昨晩から微熱が続いています、今朝は３９℃まで上がりました。」
「病院に連れて行きます、たぶん入院になるかと思います。詳しくはのちほどご連絡いたします、」と。

春に電話かかかってきてしばらく入院したこともありました。
「あぁ、今度はしばらく病院との往復かぁ」とガッカリしていました。

仕事の合間での電話でしたので、落ち着かない時間が経過しました。

そして夕方電話が来て「今回は入院しないで、戻ってきました」と。
特に治療をしたわけでもなく、対症療法で薬を処方してもらったとのこと。「すこし様子をみてみます」と。

ひとまず安心はしました。こうして次第に体力は衰えていくんですね。
これからは、いく度となくこのようなことを繰り返すことになると思います。

辛い姿を見ることも、そして面倒と思える時もあると思いますが実の母親です、逃げることなく寄り添ってあげます。

しばらくぶりに母と面会 ２

母がトイレから出てくると、昼食に支度が出されてきた。変な取り合わせだ。
メニューは忘れてしまったが、ご飯とみそ汁とおかず。６点ほどあったと思う。
ご飯はおかゆのようなもの。ベターっとしている。
みそ汁はとろみがついて、たぶん健常者は無理だろう。

スプーンで器用に食べていた。
私がスプーンを取って、母の口まで食べさせてあげたら、うまく口を開け食べてくれた。うれしかった。

私がご飯をスプーンに乗せ母の手に渡そうとしたら、こぼれそうになると、
とっさに母は反応しこぼれないようにスプーンを操作した。
まだまだ反射神経は衰えていないことが分かった。
おなかの具合が悪くならない限り、しばらくは大丈夫だろう。

機嫌が良かったのか、「じゃ、また来るからね」と言ったら、ニコッとしてくれた。

しばらくぶりに母と面会 １

先月に施設では夏祭りが行われ、私も参加させていただきました。
と言っても、特に行われるアトラクショッはなく、車いすを押し、やぐらの周りを歌に合わせまわるというもの。
ほとんど施設の部屋にいる母にとっては、屋外で行われる祭りは特別な気持ちになったようだ。
やぐらの上では歌を歌っているので、私に伝えようとしている母の声は良く聞こえなかったが、
たぶん嬉しかったに違いない。
１時間半ほどの夏祭りでしたが、２回目の夏を楽しく過ごせました。
来年の３回目の夏も待ち遠しいです。

今日、久しぶりに施設を訪れました。
このあいだ、福島から岡山に移住された方から特上のブドウを頂き、
食べきれないのでおすそ分けに持っていこうと思ったからです。

あれ、母がいないぞ。
「今、お手洗いに行ってます」職員の方が知らせてくれました。
待っていると、車いすを押され出て来ました。
「あら～、」いつものポーズ。入れ歯を外していたせいか、口元はへこみ
やせて見えました。入れ歯をすると元通りになり安心しました。