写真は国会議事堂前を埋め尽くす人々。
眠れぬ夜、私は妄想する。平成27年12月23日皇居前広場の様を。
「おはようございます。古舘 伊知郎です。報道ステーション、特番でございます。まずは皇居前広場の辺見さん、辺見庸子レポーター、現状を伝えてください」
カメラは皇居前広場を埋め尽くす沢山の人々を映し出す。
「おはようございます。古舘さん、ご覧頂けます。皇居前広場を沢山の人々が埋め尽くしています。そして多くの人が(平和)とプリントあるいは手書きされた白地のTシャツを着ています。シプレヒコールなどは起きていません。ただ(平和)と書かれた白地のTシャツを着た人々が皇居前広場や皇居周辺に続々と集結しています」
「辺見さん、どおしてそのような事態になったのか説明してください」
「ハイ、古舘さん。(平和)のTシャツを着た人々が皇居周辺に集まり始めたのは10日ほど前かららしく、はじめは皇居をジョギングするだれかが(平和)とプリントされたTシャツを着ていたとされています。(平和)Tシャツを着て皇居を走る人々が増え始めそれがツッイターなどで広まり、走る人だけでなく、(平和)Tシャツを着た人々が皇居周辺に集い始めました。そして3日前の日曜日皇居周辺に沢山の人々が集結しました。その数12万人と言われています。そして天皇誕生日の今日、さらに多くの人々が皇居周辺に集まり始めています」
「辺見さん、ということはそこに集まっている人々は誰かの指示などであつまって居るのではなく自らの意思と言う事ですか」
「ハイ、少しお話を聞いてみましょう。今日は何故そのTシャツを着て皇居にいらっしゃたんですか」
「友達からメールが届いて、皇居に行こうと。せっかくだからTシャツに(平和)と書いてきました」と答える若い女性。
「古舘さん、どうやら自然発生的に起こったという事みたいです」
「辺見さん、今時刻は午前10時少し前ですがこの後10時20分頃から天皇陛下のお出ましが予定されていますが混乱はありませんか」
「ハイ、先ほど記帳所始まった模様です。なかにはお出ましの事を知らない人もいましてならばと記帳されている人もいました」
「辺見さん。いったんスタジオに戻します」
カメラはスタジオの古舘を映し出す。
「辺見さんのレポートでしたが、今ひとつ原因とかがよく分からないのですが、取材した佐高信子キャスター解説願いませんか」
「ハイ、まず背景としてあげられるのが(安保法制)ですね。9月に安保法制が国民の圧倒的反対を押し切って成立させた、その後も国会周辺ではデモが続いていましたが覆る術はありませんから徐々にその数も減り11月中旬にはデモも事実上収束しました。これで忘却の彼方なら政府与党もシメシメでしたが、今回は国民も憤懣やる方なく、抗議の意思を継続したかった。何か方法はないかと思いあぐねていたところに皇居に(平和)のTシャツを着た人が走っている。陛下の膝元である皇居に(平和)のTシャツを着て集う、まさに天皇陛下と共に(平和)を願う。そういった思いが皇居に集まった人々に在るのは間違いないと思います」
「政治ではなく、天皇陛下に直接(平和)を訴える。という事ですか」
「そういう事だと思います」
「辺見さん皇居の方はどうですか」
「ハイ先ほどから二重橋を渡って人々が続々と皇居内に入って行きます。皇居前広場は人で一杯です。日の丸の旗を振る人がいます。そして平和と書かれた旗を振る人が大勢います。皇居前広場を平和が埋め尽くしています」
「どうやら、お出ましが始まった模様です。皇族方がお出ましになっています。陛下のお言葉が始まる模様です」
今日はわたくしの誕生日を祝ってくれる事をうれしく思います。
またみなの平和への願い見て心ずよく思います。
ここで私の妄想は終わり、私は深い眠りにつく今度は見果てぬ夢を見ながら。