写真は、ボブ・デュラン がノーベル文学賞受賞を伝える日刊スポーツ紙。
今年こそは村上春樹が受賞するかもと期待していたら、受賞したのはなんとボブ・デュラン。ボブ・デュラン?文学賞?と思ったけど記事などを読み考えてみればさもありなんと言ったところか。
そういえば、村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」のワンダーランドの終章は確かボブ・デュランの歌で閉じられていたはずだ。
本を引っ張り出して確認してみた。
「私も雨ふりのことを考えてみた。私の思いつく雨は降っているのかいないのかわからないような細かな雨だった。しかし雨は確かに降っているのだ。そしてそれはかたつみりを濡らし、垣根を濡らし、牛を濡らすのだ。誰にも雨を止めることはできない。誰も雨を免(まぬが)れることはできない。雨はいつも公正に降りつづけるのだ。
やがてその雨はぼんやりとした色の不透明なカーテンとなって私の意識を覆った。
眠りがやってきたのだ。
私はこれで私の失ったものをとり戻すことができるのだ、と思った。それは一度失われたにせよ、決して損なわれてはいないのだ。私は目を閉じて、その深い眠りに身をまかせた。ボブ・デュランは『激しい雨』を歌いつづけていた。」
私はこれで私の失ったものをとり戻すことができるのだ。
そろそろ 失ったものをとり戻す、その物語を書いてくれ 春樹よ!
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