写真は南谷寺境内で咲いていた紫陽花。本郷動坂にある銀行の下見を終えて、その後何も予定がない、動坂下の交差点に佇み、私はあることに気がついた。この坂を登った右側に確か目赤不動の祠があったはずだ。私は坂を登り始めた。見覚えのある交番過ぎ確かこの辺にあったはずだが目赤不動は見当たらない。折良く交番のお巡りさんが出てきたので聞いてみると、もうだいぶ前にこの先の南谷寺の境内に移されたとのこと。さらに坂を登り本郷通りを左折してしばらく歩いたところに南谷寺はあった。
そして目赤不動尊。
東京には五色不動尊がある。
有名なのは、山手線の駅名にもなっている、目白と目黒、そしてここ目赤不動、この他に目青と目黄不動がある。
この御堂の中に目赤不動が祀られている。
中井英夫「虚無への供物」のなかで五色不動尊が殺人の謎をとく鍵として書かれていた。学生時代、私はこの500頁を越す大著を一晩で読んだ。アンチミステリーと銘打たれたその物語は私のこころを捉えて離さなかった。何度か読み返したりして、アリョーシャたちの会話など幾つかのシーンを覚えていたはずなのに今、目赤不動尊を前にしてほとんど何も思い出せない自分がいた。
あれ、殺人は誰が犯したんだっけ?
もう一度、読んでみよう。「虚無への供物」
ただし一晩では無理だけど。
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