早起き梟のひとりごと

仕事に追われる日々を少しだけ立ち止まって見つめてみると・・・

バベル九朔(きゅうさく)

2016-04-07 05:26:24 | 買った本

写真は バベル九朔 万城目学 角川書店 1600円 税別。

2年半ぶりに万城目学が長編を上梓したので買ってみた。前作の「とっぴんぱらりんの風太郎」が抱腹絶倒だったのでかなり期待していたのだが、面白くなかった。万城目といえば荒唐無稽な設定を、その筆力で奇想天外な物語へと仕立てていくのが真骨頂のはずだが、今回は荒唐無稽な物語で終わっている。まず舞台が「バベル九朔」と名ずけられた5階建てのテナントビルに限られていて、縦横無尽に空間移動する万城目ワールドが封印されている。今までの作品は、日常と非日常のメリハリついていたが、ここでは混沌としてすべてが異空間の出来事のようで、感情移入が出来ない。万城目ワールド、新境地と言いたいところだが、破綻している。次回作に期待する。