烏丸さんが「超万能薬」で書いてた、患者さんの情報網。
読んでいて思い出した事件があります。
うひひっ!
若かりし頃、わたしは都内の有名どころの 俗に言う大病院で働いていました。研修医・インターン、看護学生、ナースなどなど 大勢のスタッフ・患者を抱えて、病棟は毎日戦争状態。そんな中、医長先生はやっぱり貫禄と威厳で ちょっと畏れ多い雰囲気がありました。
毎週火曜日は、医長回診の日。ドラマで見るように、医長先生を先頭にドクターたちが後ろを歩き、ベッドサイドで受け持ち患者について説明します。その日私は医長回診のカルテ当番でしたが、最初の部屋で事件は始まったのです。
呼吸音を聴診したり 包交箇所を開けて見せるため、ベッドサイドはカーテンを閉めてありました。
「斉藤さ~ん、回診です」
・・・あれ、なんか違和感。斉藤さんは いつもと変わりないんだけれど・・・
「・・・・んっ?喉に貼ってある一円玉は 何ですか?」
医長先生が 口を開きました。
「ああ、これですか?喘息とか息が苦しいのによく効くって、一昨日の昼のテレビでやってたんだ~。先生の薬より良く効くって 病棟でも評判なんです」 ニコニコしながら無邪気に答える斉藤さん。
( ひいいい~~っ。)受持ち医が息を飲んでいます。医長先生の眉がぴくりとしましたが、お咎めの言葉は無し。そして次の患者さん。やっぱり喉元にはセロハンテープで貼られた一円玉が・・・。カーテンを開けるたびに出現する一円玉。初めは自分には関係ないとにやりとしていたドクターも無表情になりました。
(ああ、やられた!)
(ええっ、まさか!)
(な、なぜ・・?)
(俺の患者もか!)
(勘弁してくださいよ・・・)
次々顔に浮かぶのは、ドクターたちの心の声です。可笑しさを越えて もう気の毒で・・・。最後のベッドまでたどり着いた時、一円玉は八割九分の圧倒的勝利を収めていました。
「・・・一円玉療法は特効薬のようですね。わははははっ!!」
医長先生の寛大な笑い声で救われましたが、ナースステーションはこの事件でしばらく沸きましたよ!
患者さんたちは病気を治したい一心で いろんな情報にすがります。そして同じ立場の患者さん同士の情報網はとても濃く張り巡らされているのです。それが正しかろうとガセネタであろうと、一度情報網にのると とてつもない早さとディープさで広がっていくことを知った事件でした。
遊びに来たら、一日一回ここに足跡残してね♪
読んでいて思い出した事件があります。
うひひっ!
若かりし頃、わたしは都内の有名どころの 俗に言う大病院で働いていました。研修医・インターン、看護学生、ナースなどなど 大勢のスタッフ・患者を抱えて、病棟は毎日戦争状態。そんな中、医長先生はやっぱり貫禄と威厳で ちょっと畏れ多い雰囲気がありました。
毎週火曜日は、医長回診の日。ドラマで見るように、医長先生を先頭にドクターたちが後ろを歩き、ベッドサイドで受け持ち患者について説明します。その日私は医長回診のカルテ当番でしたが、最初の部屋で事件は始まったのです。
呼吸音を聴診したり 包交箇所を開けて見せるため、ベッドサイドはカーテンを閉めてありました。
「斉藤さ~ん、回診です」
・・・あれ、なんか違和感。斉藤さんは いつもと変わりないんだけれど・・・
「・・・・んっ?喉に貼ってある一円玉は 何ですか?」
医長先生が 口を開きました。
「ああ、これですか?喘息とか息が苦しいのによく効くって、一昨日の昼のテレビでやってたんだ~。先生の薬より良く効くって 病棟でも評判なんです」 ニコニコしながら無邪気に答える斉藤さん。
( ひいいい~~っ。)受持ち医が息を飲んでいます。医長先生の眉がぴくりとしましたが、お咎めの言葉は無し。そして次の患者さん。やっぱり喉元にはセロハンテープで貼られた一円玉が・・・。カーテンを開けるたびに出現する一円玉。初めは自分には関係ないとにやりとしていたドクターも無表情になりました。
(ああ、やられた!)
(ええっ、まさか!)
(な、なぜ・・?)
(俺の患者もか!)
(勘弁してくださいよ・・・)
次々顔に浮かぶのは、ドクターたちの心の声です。可笑しさを越えて もう気の毒で・・・。最後のベッドまでたどり着いた時、一円玉は八割九分の圧倒的勝利を収めていました。
「・・・一円玉療法は特効薬のようですね。わははははっ!!」
医長先生の寛大な笑い声で救われましたが、ナースステーションはこの事件でしばらく沸きましたよ!
患者さんたちは病気を治したい一心で いろんな情報にすがります。そして同じ立場の患者さん同士の情報網はとても濃く張り巡らされているのです。それが正しかろうとガセネタであろうと、一度情報網にのると とてつもない早さとディープさで広がっていくことを知った事件でした。
遊びに来たら、一日一回ここに足跡残してね♪