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**アカシアの木蔭で**

流れていく時間と逆らわずに流れていく自分を、ゆっくりペースで書いて行こうと思います

穏やかな自殺

2005年06月30日 | 病棟
以前外来で 私を「鬼看護婦~!」と呼んだ富さんが
先月ショートステイに来ませんでした。
家族が富さんの前に立って手を引いた時に転倒、大腿骨骨折で大きな病院に入院したからです。
そのニュースを聞いたとき、病棟スタッフのだれもが
(ああ、もう逢えないかも知れない・・・)と、思ったのです。
それくらいお年寄りの大腿骨骨折は 重いんです。

富さんは95歳、家族は手術を望みませんでした。
その時点で 富さんに施す治療は無くなり、ただベッドに抑制され点滴を受けるだけ。
今の保険の点数計算によれば、三ヶ月を過ぎた患者は赤字生産者です。
そうした状況を分かってか、富さんが「いつもの病院に帰りたい」と言い始めたのでした。
「帰りたい」「帰りたい」・・・・日々繰り返すので、
家族がうちの病院に転院できないか 相談にみえました。

食事は全介助、トイレも同じ。
骨折部位は固定もしていなく、痴呆も進んだ様子。
気難しさはさらにレベルアップしているとなれば、うちの人手不足では対応出来ません。
・・・・・でも院長は、NOと言えませんでした。

戻ってきた富さんは、予想とかけ離れていました。
まるっきり生きる気力が無いのです。
水も飲まない。食事もとらない。
これだったら 毒舌全開・痴呆全開で手を煩わしてくれるほうが よっぽどまし。
スタッフみんなが燃えました。
スローガンは「 いつもの富さん、戻って来い!!」
「富さん、皺々でなんだかおばあちゃんみたいだよ」
「・・・もういいんだ。あの世に行くんだから」
   負け。
「富さん、梅干買って来たよ!これがあれば、ご飯美味しく食べられるんだよね?」
「・・食べても、なんにもならねぇ」
  ご奉仕作戦も負け。
「富さん、知ってる?水飲まなきゃ 人間はすぐ死んじゃうんだよ。」
「・・・ありがとよ。それでいい」
 ・・恐喝作戦失敗。

家族にこのままでは長く生きられないと
水すら飲めないなら 点滴が必要だと話しました。
「・・・本人も望んでないし、このまま看ててください。それでいいんです」
・・・ただ衰弱していくのを 見ていろ  と。
富さんは 敏感にそれを察して ハンストを選んだんじゃないのか?
これは看護なのか?
穏やかな自殺を 許すのか?
ただ見守ることは自殺幇助に値するのではないか?
心の中で
( ここは 姥捨て山じゃないんだ~~!!最後に見捨てるな~~!)
って 叫んでた。

肥料やり

2005年06月23日 | 日本の薔薇園より
遅くなってしまったけれど、やらないよりましかなと 薔薇に化成肥料と
応援中・エコヒイキ組には 薔薇用スティック肥料を打ち込みました。
これは2,3ヶ月じんわり効いてくれるので 手間要らず。
何グラムか 量る必要もなく、株の大きさで何本か決めるだけなのも
ずぼらな私向きだと思っています。
丁寧に糠を撒いたり 堆肥で覆ったり
活力剤を葉面散布すれば あおあおと葉が茂るのでしょうが、
今の私には時間がない。
「薬をまかない」これだけは譲らず
あとはお天道様と虫たちの営みに任せてしまいます。
化成肥料も 一握りを豆まきするだけ。
時々肥料やけの株も出てきちゃうけど 見なかったことに・・・。

こんなだから、薔薇園のようには咲かないんだねぇ。

足だけ金縛り

2005年06月23日 | Peter
・・・寝返りが打てない。
   どうにも寝苦しくて
   目は閉じたまま 
   重い 重いと 頭の中で繰り返す。
   誰かが私の足を押さえつけている。


朝になって 分かった。
ピーターが私の足の上で寝ていた。
足をどかしたので 彼はゴンと落ちたが
一瞬布団にすがるような素振りをしたあと
またこんな格好で夢の中に戻っていった。

 犬なんだから犬らしくしてくださいな。