**アカシアの木蔭で**

流れていく時間と逆らわずに流れていく自分を、ゆっくりペースで書いて行こうと思います

ベビーフェイスの謎

2007年03月22日 | Peter
ピーターは今年の夏に6歳になります。
歳相応にひげに白いものが混じっていますが
顔はどんどん幼くなっていくなあ、と感じていました。
鼻筋が短く瞳がくりくりと大きいアメリカのポメの特徴かも知れないと
考えていたのです。

成長ホルモンの分泌不足が 原因のようです。
ポメラニアンの脱毛は 成長ホルモンの分泌異常が原因だといわれていますが
それが顔にも出てしまうのだそうです。
どんどんベビーフェイスになり、あちこちにマーキングが始まり
子犬のように感情の起伏が激しくなる。
疲れやすく、甘えん坊になる。
・・・・思い当たることばかりです。
脱毛が始まる前は 1時間のお散歩も苦も無く楽しみましたが
最近は30分も歩くと 座り込んで抱っこをせがみます。
お昼寝の時間も増えました。
私たちがちょっと横になろうものなら、胸の下に潜りこんで甘えます。
パパさんが仕事から帰ってくると 感情の抑えが利かず
抱いてもらうまで吠えてジャンプを繰り返します。
勿論しつけが出来ていない部分もあるのでしょうが
以前に出来ていたことが出来なくなっていると
薄々感じていたのでした。

どんなピーターでも ピーターに変わりありません。
パパさんも「子犬時代をたくさん楽しませてくれると思えば有難いじゃないか。
ピーターに痛みや辛さが無いなら 別に気にしないよ。」と言ってくれました。
TV観ながら「・・・退行って言うのは可哀想だな。長生き出来ないかもナ・・・」
と呟いていたので、彼なりにショックは受けているようです。

一番美味しいモツ煮は

2007年03月20日 | 生活
今日はお手抜き、簡単モツ煮です。

大根をやや厚のイチョウ切りにして下煮。
透明感がちょっと出てアクが浮いたら湯を捨てて水洗い。
多めの水と多めのほんだしを加えて再度火にかける。
煮立ったらこてっちゃんを汁ごと加えて更に弱火で煮る。
大根が味染みになったら ニラや葱を加える。

ちょっとピリッと辛くて柔らかいモツ煮の出来上がり。
私は大好きなんですが、モツ煮好きの花ちゃんがいつも言います。
「一番美味しいのは、おばあちゃんが作ってくれるモツ煮だよ。
 臭くなくて 柔らかくて 脂っこくなくて おだしが効いてて
 大根もこんにゃくも人参も ほんとに美味しい!!」

そりゃそうだ。
あたしは おばあちゃんのモツ煮が大好物の子供だった。
おばあちゃんはね、もつを綺麗に洗って何度も何度も茹でこぼして
臭みと脂を抜き、更に長い時間柔らかくなるまで煮込むんだもん。
安くて美味しくて栄養のあるものを おなかいっぱい食べられるように
大きな鍋でことこと煮るんだもん。
即席が敵う訳ないのよ。

いつか自分でお料理するようになったら
おばあちゃんに 美味しいモツ煮の秘密を訊ねてごらん。

今日の与ひょうさん

2007年03月15日 | 病棟
今日はずーっと寝ていました。
声をかけても返事もせず、御飯の時だけ食べさせてもらって。
大人しい一日でした・・・最終ラウンド(見回り)までは。

記録もあらかた終わって 
最後に熱の出ている患者さん(熱発者と呼んでいます)の再検や
吸引、点滴と尿のIN-OUTのチェックをするのが
最終ラウンドです。
穏やかな一日を終えようとしている私の視界の隅を
ナニモノかの影が横切りました。
(げげっ!誰・・・って、与ひょうさんしかいない!!)
慌てて駆け寄ると、与ひょうさんパジャマの上着に
オムツ一丁です。
それも よく見ると横チンはみ出ています!!!!
・・・あああ・・・・
とりあえず部屋に誘導。
モノをきちんとオムツ内に片付けてから他室を回ります。

「さっき、爺さんが見回りに来たよ。
 なんだか ぷらぷらさせながら 各部屋巡回したみたいだよ」
うちは皆さん高齢。人生経験も豊富。
横チン・はみ出しチンなんかにゃ、びくともしません。

でもね、あやちゃん、あなたはまだ23でしょ?
げらげら笑ってちゃ いけません。
顔赤らめて可愛く「キャ♪」位言わなくちゃ。
深く心配した おばさんのマムでした。

与ひょうさんの脱走

2007年03月13日 | 病棟
与ひょうさん 94歳。発熱と脱水で入院。
WBCは正常値だけどCRPが二ケタ、た、高い!
高齢なので、白血球の生産が炎症反応に追いつかないんだろう。

呼びかけにも反応が鈍く
御歳を考えると もしかしたら逝っちゃうかも・・状態。
点滴しても抗生剤使っても 意識レベルは変わらない。

それがやっと全介助で食事が取れるところまで回復。
口元に持っていくと口を開ける。
雛鳥の反射のように。 
でも、相変わらず発語もないし ただ天井を見てじっとしている。

その与ひょうさんが、夕食時ベッドにいない!!!
・・ド、ド、どういうこと?!
誘拐?まさか 神隠し?!
スタッフ一同パニックになり、捜索開始。
ここは2階、非常階段には重い鉄のドアがついている。
エレベーターは動いていない。
大体、歩けるはずが無い!!!

1階で厨房のおばちゃんが教えてくれた。
なんだか電気治療室に人影があった様な気がする、って。
慌てて走った私たちの見たものは・・・・。

おむつ一丁でマッサージベッドに横になってる 与ひょうさん。
私たちに気付くと 手を挙げて
「おう」だって。
初めて聞いたよ、与ひょうさんの肉声。
あまりのことに同僚の紀ちゃん、笑いが止まらず訊ねる。
「どうやってきたのよ、ここに」

「階段下りてきたぞ。
 いろいろボタン押したけど ちゃんと動かないぞ、このベッド」

ちゃんと回復のステップ順に踏んでよね。
一足飛びに健康になられると あたしたち附いていけないよ。