**アカシアの木蔭で**

流れていく時間と逆らわずに流れていく自分を、ゆっくりペースで書いて行こうと思います

さよなら 

2005年12月06日 | 病棟
和子さんが 自宅で亡くなりました。
訪問ヘルパーさんが発見して 連絡してきたのです。
和子さんは 何度かショートステイで預かりましたが
認知症なのに一見しっかりして見え
プライドも高い、その上歩き回ることの出来る
手のかかる患者さんでした。
頻回に鳴るナースコール・・・夜中に徘徊・・・

でも何より手強いのは ご家族でした。

どんな経緯があったか 知ることは出来ません。
家庭の事情には入り込ませないぞ、という目に見えない壁が
ピンと張り巡らされていましたから。
でも、カバーオムツに重ねるパットオムツ代わりに
ペット用おしっこシートを持たされ
豊かな白髪は 山姥のように乱れたままやってくる姿に
暗闇が見え隠れしているように思っていました。

それでも前々回のショートでは
帰る前に髪を梳いて綺麗に束ねると 
和子さんはうれしそうに笑いました。
「感じのいいあんたが当番でよかったよ」と 饒舌でした。
前回は 辛いところはどこもないと言うけれど
一日中ベッドで寝てばかりでした。
夜間徘徊は 看きれないので
次は預かれないと家族に説明すると
「絶対部屋から出ちゃダメなんだよ!!!」と怒鳴りつけられ
悲しそうに微笑んでいました。

今はもう終わってしまったことですが
どうすることも出来なかった状況を
切なく申し訳ない気持ちで 思い出しています。
看護・介護の限界、自分の限界です。

和子さん、天国では全て忘れて幸せにね。

アメリカでのびっくり!

2005年12月04日 | 生活
久しぶりに帰国組の友達とランチをしました。
美味しい料理を食べ、ちょっぴりのワインを楽しんでいた時の事。
アメリカでのびっくり体験が話題になりました。

いろいろな出来事に笑いあったけれど
ビックリ大賞は 
「我が子の通う小学校の校長が 夏休みが明けたら男から女になっていたこと」でした。
・・・・同一人物、性転換ってこと。

 「子供たちが目をまん丸にして帰ってきたんだよ。
  でも、性転換してもそれを理由に職を追われる事がないなんて
  アメリカって太っ腹だよねえ」

ほんとですね。
僕はバイだよ、なんて、平気でカミングアウトしてたもん。
日本じゃ まだありえない。

・・・で、でたぁ~~~!!

2005年12月04日 | 病棟
久しぶりに 出ました。
あの世の人です。
日勤と外来が終わり、掃除をしていたおばちゃんが
納戸のドアが半分開いていることに気付きました。

(・・あれ?全然使ってないのに 何でドアが開いてるんだろう?)

何気なくドアを開け、中を確認。
視線を感じてふと目を落とすと、
丁度ひざの辺りにぽっかりと顔が!!
表情のない目で じっと見上げていたんだそうです。

「怖すぎて声も出なかった。あんまりはっきりした顔だったから
 誰か子供が隠れてしゃがんでいるんだと思った」 そうです。

この納戸は、昔レントゲンの現像室として使われていた
一畳もないような小部屋です。
現像室なので窓もなく、水場があるのでじっとりと湿った
嫌な空気と’気’が澱んでいる場所なんです。
開かずの扉化していたはずなのに・・。

誰かがドアの前にイスを置いて、又開かなくしてありました。
病院では 時折不思議なことが起こります。