**アカシアの木蔭で**

流れていく時間と逆らわずに流れていく自分を、ゆっくりペースで書いて行こうと思います

取り敢えずの薔薇

2021年01月29日 | 病棟
引越しで掘り上げられた薔薇は 以下。

プチデテッレブランシェ
ラベンダーメイディランド
シュベルニー
フランチェスカクルーガー
ブラッシングノックアウト
ブルーフォーユー
オデッセイ
トーマスエイベケット
フランシスデブリュイ
スノーペイブメント
ハンスゲーネバイン

大きく育ち過ぎた薔薇は鉢に収まらず、
いくつかは掘ってそのまま貰われていき、
いくつかは解体時に潰されてしまった。

心が痛んだ。

救えた薔薇の半分は、綺麗に花が咲いている時期に
貰い手を探さなければ。

オデッセイというバラ

2020年06月02日 | 病棟



上はバラの家の商品写真です。
素晴らしい!


我が家のオデッセイも、今年初めて本来の姿を見せてくれました。

ちっとも成長しないな
弱っちいバラなのかな

失礼しました。
鉢の中に たくさんのコガネベビーを養ってました



取れるだけ取り除いて
オルトランを混ぜて
お詫びに陽当たり良好なお席を用意して

びっくりするほど好みの素敵な花が咲きました




バラの家の情報では 150センチに育つそう
大きくなってね

スイッチ

2019年08月31日 | 病棟
おボケレベル最上位のじいちゃん。
オネエさーん、オネエさーん、と叫んでました。



「どうしたの?ご用ですか?」

「スイッチを押してください」

「、、、、何のスイッチですか?」

「私のスイッチです」

「、、、スイッチ押すと何が起きますかねえ。」

「空を飛びます!」


寝たきりのSじいちゃんが自由に空を飛び回る姿を想像しました。
高齢の寝たきりで認知症でも
そんなスイッチを想ったじいちゃんの心の中を想って、
体交がてら一生懸命スイッチ探しましたよ。

いつか見つかるといいな。
医学や薬学で、そんなスイッチに代わるものが見つかるといいな。





バスの行き先は

2019年05月17日 | 病棟
施設には医者がいないので、
入居さんが受診する時には私達が付き添って連れて行きます。
高齢で訴えがはっきりしなかったり、持病のオンパレードだったり、
案外出番の多い仕事なんです。

昨日は2名、認知症ではなく身体的な理由で独り暮らしが出来なくなって
入所したおじいさまを連れて行きました。
車椅子ごと送迎車に乗せて走り出すと、
「混んでるなあ。マム、唄でも歌ってよ」とリクエストが来ました。

(ええ〜、ドライバーさんにも聞かれちゃうじゃん!
それは 流石に嫌!)

「えーー、音痴ですので唄は失礼いたします。
代わりに、本日はバスガイドを勤めさせていただきまーす!
皆様、左をご覧下さい。空き地に綺麗に咲いた貧乏草!
続いて、曰くありげなお墓でございまーす!」

「、、、なんだよ、あの世行きのツアーみてえじゃねえか」

「いいえお客様、このツアーはグレードアップされております。
あの世ではなく、天国か極楽浄土行きのツアーとなっておりまーす!」

喋りながら、(あ、話題的にアウト??いや、ギリセーフだよね?)と
汗をかきました。
じいちゃん達は笑っていたけどねー〜。
上司にはチクらないでねーー。


行き先は、、

2019年05月16日 | 病棟
今日は認知症の方達を検診に連れ出す日。
私は、案外しっかりしてる人のバス便担当です。

今日はよろしくお願いしまーす!

アンタは元気だなー。遠足だー!
唄でも歌えー!

ではバスガイドをいたしまーす!
右に見えますのは、草はらに一面に咲く野生のポピー。
うつくしいですねー。
そして、、、、、、次に見えますのは、お墓でございまーす!

、、なんだ!このバスはあの世行きか〜?

いいえお客様。このツアーはグレードアップツアーでございます
あの世ではなく、天国もしくは極楽にまいりまーす!!


大笑いが聞こえました。


笑うと寿命が伸びるんだよ!!
毎日一回は笑おうね!!!!

何故、TVついてるの?

2018年10月30日 | 病棟
怖かった話。

うちの病院 レトロなもんで、
病室のTVは壁のアンテナ端子に線を繋がないと映りません。
寝たままでも見やすいように、オーバーテーブルにTVを載せている為
どうかするとケア時に抜けてしまったり
接続部の線が切れちゃったりします。
その度に「テレビつかないんだけど〜〜」ってコールがあります。


ナースセンターの隣の病室は重症部屋。
でもちょうど空室でした。
昼休みをセンターで取っていると、隣室からTVの音が聞こえる。
「あれ?だれかTV付けたのかな?」
数人が確認に行こうとすると、助手さんが座ったまま
「、、、そんなはずない、、、」と固まっています。
不審に思いつつ部屋を除くと やはりTVが付いてる。
次の瞬間、みんながぎゃー〜って部屋を飛び出しました。

壁に繋がってないアンテナコードが丸めてか掛けてあったんです。
ど、どうして画面が映ってるの〜〜!

怖くて再確認も出来ないうちに、TVの音は突然やみました。

夜勤行くの嫌だ〜〜
誰か代わって〜〜




予後不良

2018年10月28日 | 病棟
まさ爺、軽い肺炎で入院して来ました。
高齢なのでバリッと認知症もあります。
が、雑談を楽しむ寂しがりさんです。

ナースコールで呼ばれて訪室すると、なにやら深刻な顔をしています。

「どうしましたか?」
「、、、あのな、ワシ大変な病らしい」
「肺炎では」
「それが、逆流性認知症らしい」
(ええ〜逆流性って一体、、、。
あ、否定はダメ。ナイチンゲール、ナイチンゲール、、、)
「そうなんですか?」
「不治の病で、最悪死に至るそうだ」

そりゃあね、死にも至るでしょうよ。
まさ爺、もう98歳でしょうよ!

テレビで逆流性食道炎の言葉を聞いて、混じっちゃったんだね、きっと。
治らなくても進行は止められると思うよって
合ってるとも間違ってるとも言えない励ましをして
部屋を出ました。

地雷

2017年04月05日 | 病棟
なかなかご縁に恵まれず30歳を過ぎてしまったAさん。
美人さんでお洒落なので、お化粧も睫毛エクステもばっちりキメてます。
なんでご縁が来ないのかなー。勿体ないなあ。

85歳の認知症のスマさんは、立てないのに動き回る危険があり
仕方なく車イスに乗せてナースセンターに保護していました。
スマさん、その日受持ちのAさんが記録している横顔をじっと眺め言いました。

「…それ、長い睫毛付けてるの?」

「スマさん、付け睫毛なんてよく知ってたねー!お洒落だね―」

「行き遅れると、色々大変なんだねえ」

「・・・(沈黙)・・・スマさん、よく知ってるね」

突然の核爆弾投下に、周りは一瞬凍りついた後 大爆笑でした。



そう言えばスマさん、他にもやらかしてました。
院長回診で、院長に 「この人は弱そうな男だね―」と言い放ったんでした。

病棟の怖い出来事

2017年03月02日 | 病棟
一番怖いのはインシデント・アクシデント系ですが
今回はそっちじゃなく。

二人部屋の片方で、個室を用意出来ないまま患者さんが亡くなりました。
しばらく入院もなく、ベッドは綺麗に整えられていたある日
助手さんが、キャ〜っと悲鳴を上げたんです。
申し送りに入ろうとしてた看護師全員飛び出しました。
そして見たのは、直角にギャッジアップした空きベッド。

・・・・えーっ、なんで?
だって10分前にオムツ交換に回った時には、平だったよ?
助手さん廊下にいたし、誰も来てないの確認してるよ?
ベッドのリモコンは押し続けないと直角まで上がらないよ?

こ、怖い!!!!忘れよう!!
何も無かったことに。