Natural Mystic ~ナチュラルミスティック~

There's a natural mystic blowing through the air

ガイド付き集団登山とは?

2005-11-06 18:22:41 | 登山・アウトドア
甲武信岳山頂でのオバサン集団の話。

ガイドは連れてきたオバサン集団に15分休憩を告げると、目につかないように岩陰に身を隠し一服していた。

その間オバサン達は山頂を踏んだという証拠写真を撮りまくり落ち着くと山小屋で作ってもらった弁当を広げまた持参したお菓子を何故か居合わせた我々に配り凄い会話を始めた。

オバサンA「こっち側の雨は太平洋に流れて、こっち側は日本海よ。」
オバサンB「じゃあ、こっち側におしっこすると東京の飲み水だわ!」
オバサンC「じゃあ、私東京側にしてみようかしら。」
オバサン集団「ワハハハ!」

こんな会話で集団は独特の盛り上がりを見せていた。

【山頂からの眺め・中央左が奥多摩最高峰の北奥仙丈岳(2,601m)中央右が金峰山(2,531m)】

その後、疲れた様相のガイドが岩陰から現れ、
「一度しか説明しませんから2度も3度も同じ事を言わせないで下さいね。」
ともの凄い前置きをし、その場から見える山々の説明を始めた。

ここで思ったが、この軍団は日夜トレーニングをしているのだろうか?とてもじゃないがそうは思えなかった。前日早朝に関西をバスにて出発。毛木平から2時間程歩き、十文字小屋に一泊した後、4時間半かけてこの頂上。そして3時間半かけて西沢渓谷に下山して石和温泉に泊まるとのこと。結構なハードスケジュールである。

【毛木平近辺の紅葉】

その後、知人の健康運動指導士にきいてみたところ恐ろしい答えが返ってきた。

山岳会等の団体はしっかりトレーニングをしている人が集まっているらしいが、旅行会社主催のガイドを付けた中高年の集団はそうでもないらしい。この世代は当然のように筋肉痛を伴う疲れが出るのが早い人でも2~3日後、そのため山行がハードであってもそれ程疲れを感じない。だから下山後家に帰ってからぐったり来るらしい。5日~10日ほどぐったりした後、また翌月あたりに山行を行うのだそうだ。

集団で動くから勢いで登れるし、ガイドがついているため安心感もあり例え天気が悪くても本人達は楽しいらしい。これの繰り返しで健康のためとか言われると知人は仕事上、話にならないと呆れ顔で語っていた。

北アルプス、山小屋のヘルパーをやっていた別の知人が言っていたが、ガイド付きの団体は、自分が一体何という名前の山に登って何という小屋に泊まってどこへ下山するのかはっきり分からないという人が冗談抜きでいるそうだ。

中高年の登山ブームは結構だが全体の遭難事故の7割以上が40代以上というデータも出ている。

そら恐ろしい話である。