Natural Mystic ~ナチュラルミスティック~

There's a natural mystic blowing through the air

2005-11-02 18:42:22 | Weblog
「先生これで全員終了です。」
看護師のその台詞と共に私を囲んだ3人は、緊張から解き放たれた顔をした。

私のいる職場は特殊事情が無い限り、インフルエンザの予防接種は強制である。私は先週までの接種日をまんまと逃げ切り不覚にも安心しきっていた。昼前机の電話が鳴り「ちょっと会議室まで来て!」という同僚の声に騙されたのである。会議室の扉を開けると、私の顔を見てほくそ笑む医者・看護師・同僚がいた。予備日が設定されていたのだ。

3年前異動してきたときはまんまと逃げ切った。2年前は予防接種出来ない体と言って煙に巻いた。しかし、去年はその策は効かず、医者の問診まで持ち込まれ一発見舞われた。今年は接種最終日に急な出張を思い出したと言って社外へ逃げた。

どうしても受けられなかった人々は個々で指定された病院で接種となるのだが、私はわざわざ痛い思いをしに出向く程善人ではない。

しかし今日の午前、本当に業務で接種できなかった人々が多かったために予備日が設定されていたらしい。全く迷惑な話である。

接種後医者は言った。
「なんでそんなに嫌がるんだい?」
「注射は大嫌いなんです。」
追随して看護師が言った。
「でもインフルエンザに罹患するともっと苦しい思いをしますよ。」
「罹患は可能性の問題なんで、注射を打つなら薬を飲んで家で寝込むことを選びます。」
私の答えに周りは完全に呆れていた。

余談だが、接種を逃れた一昨年とその前もインフルエンザには罹からなかった。

何が嫌なのか。簡単である。子供染みているが注射が大嫌いなのだ(そもそもあれが好きな人はいるのだろうか)。加えて、医者と看護師に個室で囲まれる独特のあの雰囲気が苦手なのだ。



最近、蚊の吸血をヒントに開発されたという、全く痛みを伴わない注射針があると聞いた。しかし、痛みを伴わなくてもあの診察室の雰囲気がある限り今後も私は予防接種から逃げ回ることだろう。