青空ーすべてはバランス

エゴマ油、アマニ油、脂肪酸とは?

テレビを見ていたら、毎日小さじ1杯摂取するだけで減量できる、中性脂肪の数値が減る。さあ、謎の物は?ということで、番組の最後の最後で明らかになったのは、エゴマ油だった。な~んだ。もう常識でしょ!と少しガックリ。翌日スーパーに行ったら見事にエゴマ油とアマニ油の棚がすっからかん。笑ってしまったが、まだ知らない人がいるのだろうか?と思った。
エゴマはオメガ3という種類の油で、青魚の油も同じオメガ3という種類。血液の赤血球の動きをしなやかにして、細い毛細血管の中も柔軟に移動して体の先まで酸素を補給してくれる。心臓疾患になるリスクが減る。また、中性脂肪の合成を阻害するので、減量に効果がある。この油は、体が合成してくれないから、食物から摂取するほかない。項目4の多価不飽和脂肪酸(必須脂肪酸)だ。抗炎症性や免疫調節の特性を持つから、アトピー性皮膚炎などの皮膚炎や関節炎などに効果的だ。
また、この番組で知らなかったこともあった。子供の脳の成長に必要だから妊婦は摂取すると良いらしい。

この番組をきっかけに、一度、脂肪酸について整理してみようと思った。

 脂肪酸の化学式

脂肪酸は、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の3種類の原子で構成され、炭素原子が鎖状につながった一方の端にカルボキシル基(-COOH)がついています。

脂肪酸には、炭素の数や炭素と炭素のつながり方などの違いにより、様々な種類がある。

 飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

脂肪酸は、構造の違いにより「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類に分類できます。炭素と炭素の間に二重結合が全くない脂肪酸(下表の二重結合数欄がゼロの脂肪酸)を飽和脂肪酸、二重結合がある脂肪酸を不飽和脂肪酸といいます。

 一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸

さらに、不飽和脂肪酸のうち炭素の二重結合が一つのもの(例:オレイン酸など)を「一価不飽和脂肪酸」2つ以上あるもの(例:α-リノレン酸、リノール酸、EPA、DHAなど)を「多価不飽和脂肪酸」といい、炭素-炭素二重結合の位置によってさらに2種類に分類されています。

一般に、脂肪酸は炭素の数が多くなるほど融点(固体から液体に変化する温度)が高くなります。また、同じ炭素数の脂肪酸を比較した場合、二重結合の数が多くなるほど融点が低くなります。

*二重結合 について
原子は、他の原子と結合できる手を持ち、その数は原子毎に異なっています。炭素原子は、他の原子と結合できる手を4本持っています。炭素-炭素二重結合とは、2つの炭素原子どうしが互いに2本の手でつながっている状態のことをいい、「C=C」で表記します。

 多価不飽和脂肪酸(オメガ3、オメガ6)

多価不飽和脂肪酸の中でも鎖状に結合した
3個目の炭素に二重結合があるもの・・・α-リノレン酸、EPAなど、n-3系(エヌ・マイナス・サンケイ)脂肪酸
6個目の炭素に二重結合があるもの・・・リノール酸、γ-リノレン酸など、n-6系(エヌ・マイナス・ロクケイ)脂肪酸
n-3系脂肪酸はω3(オメガ・サン)脂肪酸、n-6系脂肪酸はω6(オメガ・ロク)脂肪酸とも呼ばれます。

また、一価不飽和脂肪酸のオリーブオイル等はω9(オメガ・キュウ)と呼ばれます。

 必須脂肪酸

上記4の多価不飽和脂肪酸(オメガ3、オメガ6)は、生命の維持に不可欠であるにも関わらず、体内で作ることができないため食事からとる必要があることから、「必須脂肪酸」と呼ばれています。

 注意

この世界は、全てがバランスによって成り立っているから、この油もそれだけ摂取すればよいわけではない。毎日小さじ1杯が適量らしい。飽和脂肪酸の摂りすぎに注意しながら、オメガ6やオメガ9なども大量に摂取すると逆効果であることを考慮に入れつつ、オメガ3を適量摂取すればいい。オメガ3は他の脂肪酸よりも一番少ない量でバランスがとれるようだ。エゴマ油やアマニ油を摂取しなくても、焼き魚を毎日食べればばっちりだ。また、摂取する場合は、熱に弱いから、サラダにかけたり、そのまま摂取してもいい。

           

食品中に含まれる主な脂肪酸の例

炭素数二重結合数略記注)名称と化学構造備考
20C2:0酢酸 CH3-COOH酢の酸味成分
40C4:0酪酸 CH3-(CH2)2-COOHバターやチーズなどに含まれる成分の一つ
160C16:0パルミチン酸
パルミチン酸
パーム油に多く含まれる成分
180C18:0ステアリン酸
ステアリン酸
ココアバターに多く含まれる成分
181C18:1オレイン酸
オレイン酸
オリーブオイルの主要成分、なたね油、米油
182C18:2リノール酸                                オメガ6
リノール酸
大豆油、コーン油、サフラワー油、ごま油など植物油の主要成分
183C18:3α-リノレン酸                               オメガ3 
α-リノレン酸
シソ油、エゴマ油、アマニ油、キャノーラ油などの主要成分
183C18:3γ-リノレン酸                                    オメガ6
γ-リノレン酸
月見草油など特殊な植物油に含まれる成分
204C20:4アラキドン酸              オメガ6
アラキドン酸
肉、卵、魚、肝油などに含まれる成分
205C20:5イコサペンタエン酸(又はエイコサペンタエン酸)〔EPA
イコサペンタエン酸(又はエイコサペンタエン酸)〔EPA〕オメガ3
魚油に含まれる成分
226C22:6ドコサヘキサエン酸DHA〕      オメガ3
ドコサヘキサエン酸〔DHA〕
魚油に含まれる成分

注) 炭素数がx個で炭素-炭素間の二重結合の数がy個ある脂肪酸をCx:yとも表記します。赤字は必須脂肪酸。

 

 


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