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日本人は大丈夫か?⑤~食品ロス~

農林水産省食料産業局のデータを見た。

「食品ロス」とは、食べられるのに捨てられてしまう食品をいう。

平成29年度の「摂取カロリーから見た食料自給率」は38%(先進国最低水準)です。日本人が摂取しているカロリーの62%は国外から輸入した食料で補っていることになる。さらに、料理として食べられる状態にするために多くのエネルギーを消費しているが、それがゴミとなると、水分が多く含まれているので、運搬や焼却で余分なCO2を排出することになる。
市町村のごみ処理経費は平成28年度で19,606億円、一人当たり年15,300円かかっている。
一方、世界人口76億人(2017年)のうち、約8億人(9人に1人)が栄養不足に陥っている。

それなのに!それなのに!!食べられるのに捨てられてしまう食品が日本には沢山ある!

世界的にも関心が高まっている。2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェン ダ」において、食料の損失・廃棄の削減を目標に設定(17のゴール と169のターゲットを設定)。
例えば・・・ターゲット12.3では、2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の 一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。ターゲット12.5では、2030年までに廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。

平成28年度推計の食品廃棄物等の発生量について調べてみた。
食品仕向量は8,088万トン。食品廃棄量は2,759万トン (有価物や不可食部分も含む)。食品ロスは643万トン(売れ残り、規格外品、返品、食べ残し、直接廃棄)。
食品ロスの発生場所としては、食品の製造・卸売・小売・外食産業すべてあわせて352万トン、一般家庭が291万トンとなっている。
一般家庭の数字が見逃せない。理由としては
①作りすぎや好き嫌いによる「食べ残し」。
②忘れられたことにより手がつけられず賞味期限が過ぎて捨てられる「直接廃棄」。
③皮むきなどで食べられる部分まで大きく取り除き廃棄される「過剰除去」。
国民1人当たりの食品ロス量は1日約139g(茶碗約1杯のご飯の量に相当)、年間では約51kg(年間1人当たりの米の消費量約54kgに相当)になる。

日本人は大丈夫か?④~貧困率~を掲載した後にこんなデータを見て複雑な心境です。いかに社会構造が効率的でないか。いかに問題解決意欲が欠如しているか。いかに個々がばらばらで無関心か。こんなことを示していると感じてしまう。

食品ロス削減推進法が2019年5月24日、参院本会議で全会一致により可決、成立した。政府が食品ロス削減の基本方針を策定すると明記。自治体には具体的な推進計画を作る努力義務を課したようです。
「全国フードバンク推進協議会」は、自治体の遊休施設を食品の倉庫として活用することや、支援が必要な生活困窮者の情報収集を自治体と連携して進めたい考えを表明している。

食品仕向量とは・・・1年間に国内で消費に回された食料の量(国内市場に出回った食料の量)を表す量で、国内生産+輸入-輸出±在庫増減で計算されます。国内消費仕向量は、品目別自給率を計算する際の分母となる量です。

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