春の名のやどる視線に雪がふる行きつ戻りつさまよう春夢
背を伸ばし
差す朝日の光の黄が輝きを増せば
はらわたを揺すり夢が騒ぎ出し・・
覚めた夢が背伸びをする目に
また雪が降る。
鉛色の雲が追われるように広がり
春の名が消えて行く・・
花ひらく裾野につぼむうたひとつ春を奏でる視線の弦に
光射せば肌がさわぎ
花開けば視線が紅く染まり
歌が蕾めば
言の弦が春を奏でる
調べが鼓動を揺する。
花開く春は命肥える季節でなかろうか。
感動と興奮が体を襲う春を探して・・・
明日も流離う・・・
かくれんぼ冬と春との花視線春の夜の夢冷やす淡雪
昨日一輪咲いた椿の傍に
紅いつぼみが2つ3つ
明日の朝が楽しみ
そう想いながら
眼を覚ます・・・・
底冷えのする部屋の
温度がしんしんと冷える。
予報では晴れときどき曇り・・・
きっと晴れる・・・
カーテンを開けた庭には
粉雪が舞う・・・・
うたがわず濡れ肌浮かす亜麻色の土筆巣立ちぬあやうき野辺に
朝・・夕に・・・
開花の予報が花の夢を膨らすが・・・
冷たい風が枯葉を掻き立てる。
陽だまりの土が芽を覚ますのか・・・
危なげな土筆があちこちに芽を噴く・・・
春の兆しか雨・・・が降る
温もりを奪うように・・・
残り雨のしずくに濡れた土筆が並ぶ・・・
亜麻色の土筆が痛々しい・・・が
春のロマンを膨らましながら
亜麻色の可憐な土筆に酔う・・・