動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

虐待・劣悪な飼育環境・高額転売…コツメカワウソの「悲しすぎる現実」

2023-01-21 06:04:40 | 動物実験・動物虐待

虐待・劣悪な飼育環境・高額転売…
可愛さ重視で「おもちゃ」にされる、コツメカワウソの「悲しすぎる現実」

2023年1月7日(土)

人気のコツメカワウソ。
その愛くるしさで「可愛い」からと安易に購入され、飼い主から虐待されたり、劣悪な飼育環境に放り込まれるケースは少なくない。
前半記事『ポテトチップスの筒の中に入れて密輸…1匹300万円で売買される人気動物「コツメカワウソ」の深すぎる闇』から続けて紹介する。


Photo by iStock

◆本来は譲渡や売買も禁止されている
「キュッ、キュッ、キュ~」
その甲高い鳴き声はもちろん、つぶらな瞳と水かきのついた小さな手を器用に動かす姿が愛くるしい「コツメカワウソ」。
その姿を独り占めしたい、とペットとして購入を希望する人は後を絶たない。
だが、その生息状況はあまりにも悲惨だ。
環境破壊により住む場所を奪われ、毛皮やペット目的のために乱獲される。
生息数はこの30年で30%も減少し、今や絶滅の危機に瀕している。
そのため、2019年11月より「種の保存法」の「国際希少野生動物」に追加された。
現在では個体の譲渡、売買については原則禁止されており、日本国内でもペットとして譲渡、販売することは基本的にはできない。
加えて「種の保存法」では、無償の譲渡も禁止されているため、コツメカワウソに関する取引全般は基本的には禁止されているのだ。
ただ、1点だけ抜け道がある。
登録要件を満たし、登録をすることだ。
登録できるのは、「登録された個体同士で繁殖させた個体」「規制適用日前に合法的に国内で取得された個体」「関税の許可を受けて輸入された個体」のいずれかを満たす場合。登録し、マイクロチップ等を挿入すれば、合法的にコツメカワウソを売買、譲渡できるようになる。
「個人で飼育する場合には登録票はなくてもいいのですが、万が一飼えなくなって第三者に譲渡する場合には登録票が必要になります。個体ごとに合法的に入手されたことを証明し、登録票を申請しなければなりません。  ですが、現実的には手続きや審査は非常に曖昧。出身地や入手経路が不明な場合でも『規制前から飼っている』と言えば密輸されたコツメカワウソでも簡単に登録票が交付されます。そこまで細かく調べられていないのが現状です」
そう指摘するのは、動物販売業を営む横森博義さん(仮名)。
密輸されて日本に来たコツメカワウソたちは当然だが、登録票がない。
だが、ブローカーたちは実に巧妙に、国内で売買しているのだ。
「足がつかないように希少動物を好む愛好家に直接、持ち掛けたり、そのネットワークを使って欲しいという人に売りさばくのです。私のもとにも『コツメカワウソ、あるよ』と言ってきた同業者がいましたが、果たしてどのルートから手に入れたものなのか……。SNSやネットなどでやりとりをする人もいますが、それだとすぐに摘発されます」(横森さん)
登録されていないコツメカワウソを第三者に譲渡した場合、個人では5年以下の懲役、もしくは500万円以下の罰金が科せられる。
さまざまなルートを駆使して、非合法で手に入れたとしてもコツメカワウソは野生動物。
ペットとして飼うのは容易ではない。


原則としてコツメカワウソの取引は全般で禁止されている。写真はイメージ(Photo by iStock)

◆安易な飼育で虐待も
2022年9月、コツメカワウソを虐待したとして東京・渋谷区の38歳(当時)の女が動物愛護法違反の疑いで、警視庁に書類送検された。
女は飼育していたペットのコツメカワウソに対し、ガムテープで何重にも巻いた紙の棒で叩く、といった虐待を繰り返していたという。
「女は自宅マンションで2匹のコツメカワウソを飼育していました。しかし、メスがなつかず餌をやるときに噛まれるため、しつけのために叩いた、と供述していました」(全国紙社会部記者)
コツメカワウソほか、カワウソ類はそのかわいらしさとは裏腹に気性が荒い。
おまけにあごの力はザリガニをかみ砕くほどに強い。
そのため、ネコやイヌなど飼いならされた愛玩動物とは異なり、飼育は難しいのだ。
「飼育環境も本来、コツメカワウソが好む環境に適さない飼い方をしている人が多いんです。いわゆる『フェレット的な飼育』で、狭いケージに入れっぱなし、泳ぐための水場も用意せず、フェレットのように飼育しています。ふわふわの毛布やソファなどもコツメカワウソには向いていない環境。イヌやネコを飼うのとは違います」(前出の横森さん)
では、どのような環境が必要なのだろうか。
まず広さ。
コツメカワウソの運動量は多く、自由に遊びまわれて動けるだけのスペースが必要だ。
最低でも畳2畳分ほどの確保は必須。
そして環境。泳ぐための水場、湿気を好むため地面が湿ったエリア。
とはいえ、常に水に浸かっているわけではないため、完全に乾いた地面も必要だ。
それら3種類の場所を同じスペース内に用意する必要がある。
もちろん、熱帯からやってきたコツメカワウソのため、それに準じた室温もキープしなければならない。
「飼育環境が整っていなければ、コツメカワウソもストレスになります。それに体調面でも注意が必要な動物なんです。コツメカワウソは、同じカワウソ類の中でもとりわけ尿管に結石ができやすい傾向にある。寒さにも弱いので幼獣を冬場、温度の低い場所に置いたりすればたちまち死んでしまう。もし、なんらかの事情で体調を崩したとしても、診察してくれる獣医はあまりいないし、薬もないんです」(同)
環境の整備、かかりつけ医の確保は、コツメカワウソに限らず動物の飼い主として、あらかじめそろえておくことが最低限度の務めのはず。
だが、そのどれも整えずに安易に飼い始める人々も少なくない、と横森さんは憤る
「9月に逮捕された女のように、慣れないからと、しつけと称して虐待をする人もいます。愛玩動物と違って野生動物ですから人に慣れていないのは当然です。それに体調管理や環境整備を怠ったため、飼い始めてから1年も経たずに死なせてしまった人もいます。コツメカワウソの飼育を簡単に考えすぎなんです」
実は高額で購入したものの、飼い難くてすぐに飼えなくなってしまい、持て余すケースは決して珍しいことではないという。
だが、その一方で購入希望者は多く、高額で取引されるため、遺棄されることはまずない。
まるでおもちゃのレアアイテムのように、高額転売され、次々に新しい飼い主の元へと渡っていくことになるのだ――。
「ちゃんとした新しい飼い主に巡り合い、そこで大事に終生飼育してもらえればいいのですが……」
そう話す横森さんは顔はいつになく険しかった。

◆エキゾチックアニマルブームの末に……

写真はイメージ(Photo by iStock)

横森さんは今後、ペットブームはさらに加速していくと予想している。
近年の傾向として、ネコやイヌだけではなく、カワウソやサル、爬虫類などといった「エキゾチックアニマル」と区分される野生動物や希少動物に注目が集まる。
「あまり人が飼っていない珍しい生物を好む層も増えています。珍しい生き物を求めて金に糸目を付けない人も少なくないんです」
特にYouTubeやSNSなどでそれらの生物を扱った動画が人気。
「映え」目的だったり、表面的なかわいさばかりに目がいき、飼育方法や環境は二の次、という飼い主も増えているという。
前述のコツメカワウソ同様、飼いきれなくなり、次々に飼い主を変えるハメになったり、命を落とすケースもある。
さらに、このコロナ禍も落ち着いて、海外との行き来がしやすくなれば当然、密輸の数も増えるだろう。
「取り締まりが緩く、罰則の甘い日本は希少動物密輸の温床になっていく可能性が非常に高いと考えています。ある政治関係者は『登録票を導入したことで一定の効果がある』と言っていますが、現場はそんなことは誰も思っていない。  日本に入ってきているものなら登録票が交付されてしまうので、密輸入であろうとなかろうと、実はあまり重要視されていない。政治と現場で食い違いが多いんです」
横森さんが危惧しているのはそれだけではない。
「未知の感染症、寄生虫を保有している野生動物がいるかもしれないことです。正規ルートで輸入される動物は事前にすべて検査され、問題があれば日本に入ってくることはありません。ですが、密輸では当然すべてスルー。今後、さまざまな野生動物が日本には入ってくるでしょう」
コツメカワウソをはじめ、魅力的な野生動物はたくさんいる。
だが、その動物たちがどう生きたら幸せなのか。
野生動物に限らず、ネコやイヌも同様だ。
生き物を飼う以上、飼い主は肝に銘じなければならない。
動物はSNS映えを演出し、承認欲求を満たしてくれるアイテムでも、寂しさを紛らわせてくれる「おもちゃ」でもない。人間と同じように命があり、生きている。

週刊現代(講談社)

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動物の悲劇に終止符を!

2023-01-20 06:18:44 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

「動物の悲劇に終止符を」、女優・杉本彩さんの「使命」

2022年12月30日(金)  

女優の杉本彩(すぎもと・あや)さん(54)が2014年に設立した「動物環境・福祉協会Eva」。
「何の罪もない動物が命を搾取されているという現実から、目をそらすことはできない。動物福祉の向上は、私の使命」と杉本さん。
「動物は、人生の最大の伴侶」と話す杉本さんは、芸能活動を続けながら、今日も動物たちの悲惨な状況を変えるための挑戦を続けています。
(JAMMIN=山本 めぐみ)

◆「日本の動物福祉を向上したい」

お話をお伺いした杉本彩さん。自宅で大好きな家族と。左から、アストル、小梅、ベティ、でんじろう、きなこ(Photo:山村隆彦)

杉本さんが立ち上げた公益財団法人「動物環境・福祉協会Eva」は、動物福祉向上のための啓発活動を行う団体です。
これまで、国会や行政への働きかけ、全国各地での講演、子どもたちに命の大切さを伝える授業などを行ってきました。
「動物の保護については、本当に多くの団体さんが日々頑張ってくださっています。私はこれまでの芸能活動で多くの方に顔と名前を知っていただいているという強みを生かし、啓発活動を行うことが使命ではないかと思いました」と杉本さん。
啓発と同時に、劣悪な動物虐待の刑事告発も行っています。
「動物虐待は密室で行われ、人知れず痛ましい死に方をしている命がたくさんあります。それを明るみにするために、虐待現場への介入や捜査などの権限を持たない私たちができる唯一の手段として、刑事告発を行っています」


長野県松本市の劣悪繁殖業者の犬舎。山の中にあり、主に病気の犬や繁殖引退犬が収容されていた。エアコン等の空調設備はなく、暑い日は天井のブルーシートを上げ下げするのみ。犬舎には糞尿が堆積し、あふれていたという

最近で最も大きかったのは、2021年、長野県松本市で1,000頭の犬を飼育していた繁殖業者が、獣医師免許も持たず出産間近の犬を無麻酔で帝王切開していた事件。
「人の手が届かないほどに高く積み上げられたケージに、2~3頭の犬が入れられ、糞尿は上から垂れ流し、死体もそのまま放置されているような劣悪な飼育環境下で、出産時期が近づいた母犬の四肢を縛り、無麻酔でお腹を切り開いて子犬を取り出して、何もなかったかのように販売していたという残酷極まりない事件でした」
「劣悪な飼育環境を行政側も把握していましたが、指導はかたちだけで、約30年間放置されていました。元従業員から相談を受けた地元の動物病院の医師からEvaに通報があり、内容を詳しく聞き取った後、刑事告発しました。元代表は動物愛護法違反で逮捕され、現在公判中です」

◆虐待を明るみにするための刑事告発、証拠が揃わず、事件化できるのはごく一部

2022年3月、長野地方裁判所松本支部にて行われた、劣悪繁殖業者が起こした動物虐待事件の初公判後の記者会見の様子。現在も裁判は続いている

業者だけでなく、一般の飼い主による虐待も後を絶たないと杉本さんは指摘します。
京都では、飼い主が自宅で飼っていた猫の爪をすべて根っこから切り落とし、舌を切断し、胸部を壁に打ち付けて殺害するという事件があったといいます。
「ペットショップで購入すると生命補償があって、この飼い主が代替猫の提供を求めたことで犯罪が顕在化しました。この飼い主は、他の猫についてもヒゲを火で燃やす、尻尾を掴んで振り回すといった虐待をしたことを認めています」
大阪では、保護猫を迎え入れた飼い主が、医療用アルコールを浴びせて着火し、大火傷を負わせるという事件がありました。
「1日放置した後に獣医の元へ連れていき、様子がおかしいと感じた獣医が通報したことで事件が明るみになりました。犯罪が事実だったとしても、動物病院に連れて行ったことや深く反省していることなどを理由に、不起訴(起訴猶予)になることもあります」


2017年12月、埼玉県で起きた「元税理士による猫13匹虐待事件」の有罪判決後に行われた記者会見。この事件をきっかけに厳罰化の動きが加速し、実際に2019年改正にて厳罰化が実現した

「私たちが刑事告発のかたちをとるのは、不起訴処分になった場合、検察審査会に審査の申し立てができるからです。この事件の場合、私たちの不服申し立てを受けて、検察審査会で再度真偽が問われ、結果、飼い主に対して10万円の罰金の処分が下りました」
「たかだかそれだけの処分ではありますが、『罪に問われた』という点、前例を作ることで、今後のより厳正な処分につながっていくという点では、一歩前進したと考えています」と杉本さん。
さまざまな相談が寄せられる中、「『動物虐待は見逃さない』という思いで、必要と思えば可能なかぎり刑事告発しています」と話しますが、動物たちが虐待を受けて苦しんでいることは明らかでも、告発のための証拠や証言が十分に揃わず、悔しい思いで告発を断念せざるを得ないこともあるといいます。

◆「この悲劇に、終止符を打つこと。それが、私の使命」

2021年9月、動物愛護管理法の厳格な運用を求めるために小泉進次郎環境大臣(当時)を訪問。「法律や省令に基づいた適切な運用がなされていない現状についてお伝えをし、改善を要望しました」

「刑事告発のためには証拠や証言を集めるのですが、その内容は実に無残で、ふつうの精神状態ではいられません」と杉本さん。
虐待の状況を聞いたり見たりした人が、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になってしまうほど衝撃的な内容もあるといいます。
杉本さん自身、最初の頃は「精神が壊れていくような感覚になった」と振り返ります。
さらに顔と名前を出して告発するので、相手から逆恨みをされたり、動物愛護法の改正にも携わっているので、「自分たちの利益が奪われた」と思う業者から目の敵にされたりすることもあるといいます。
そのようなリスクを負ってまで、なぜ杉本さんは活動を続けるのでしょうか。
「私は、この状況を放っておけません。動物は、社会の中で最も弱い立場にあるからです。何の罪もない動物が命を搾取されているという現実から、目をそらすことはできません。残虐なことが起きているということを周知し、動物たちが置かれている状況を改善していくために、リスクを負ってでも、覚悟を持って活動しています」
「これが、私の使命。動物を保護すると同時に、このようなことが二度と起こらないようにするためには、物事の根本に着手して、根っこから改善していかなければならない。そうしなければ悲劇は終わりません」
「『リスクがあるから』『つらいから』と逃げていては、使命を全うできない。いつか自分が人生を終える時、『やりきった』と納得して終わりたいと思っています。この悲劇に、終止符を打つこと。それができると信じているし、私の使命感はそこにあります」

◆「思いやりは、想像」、動物から教えられたこと

2011年3月、東日本大震災の被災地からレスキューした猫たちが産んだ子猫と。「自宅も芸能事務所もシェルターにして、スタッフ総出でお世話をしました」

子どもの頃から動物が好きで、動物とは家族のように、我が子のように、一緒に生きてきたという杉本さん。
「言葉こそ持たないものの、人と同じように、あるいは人以上に、本当に豊かな感受性を持つ動物たちとの暮らしの中で、随分といろんなことを教えられ、救われてきました。ひたすら無償の愛を注いでくれる動物たちは、人生の最高の伴侶であり、大きな存在です」
「犬や猫は、人間よりもはるかに短い生涯の中で、老いや病を経験しながら、時にはかなく、時に力強い、限りある命の尊さや輝きを見せてくれます。一緒に暮らしていた動物の介護・看取りを通じて、『思いやりって想像力だな』と実感することがありました。寝たきりの状態の子に、床ずれを作ってしまったことがあったんです」

Evaでは毎年9月の動物愛護週間に向け、啓発ポスター・チラシを作成し、無償配布。2022年のテーマは「おもいやりは、想像」。
「動物の目線に立ち、気持ちを想像し、何が出来るのか考え行動する。動物と接する上での基本を、改めて問い直したいと考えました」

「動けない、話せない相手の立場になって考えることの大切さを、改めて感じました。相手の気持ち、痛みや苦しみを想像することがすごく大切。想像力が増していけば、思いやりはどんどん豊かになり、行動に移せることも増えていきます。私は介護を通じて、そのことを、はっきり実感として言葉にできるようになりました」
「人の幸せとは、自分以外の誰かを愛し、慈しむことにあるのではないでしょうか。一時的に、物質的な豊かさを求めることもあるかもしれません。だけどこの世を去る時に、そういったものは、あの世へは持っていけません。かたちのないものを豊かにしていくこと、その喜びや大切さを、私は動物たちとの暮らしの中で、彼らから教えてもらいました」
「動物との暮らしがなければ、私にとっての幸せは、ブレていたかもしれません。動物たちがくれる経験は感謝でしかなく、その存在の大きさを実感しているので、彼らの命を守っていきたいという思いがあります」

◆行政は権限を生かして、虐待の現場の改善を

2021年7月、吉村洋文大阪府知事との面談。「大阪府における地域猫活動・TNR推進の施策について要望致しました」

「虐待の相談や通報があった時、本来であればその権限を持っている行政が、改善の指導や保護をするべき」と杉本さん。
しかし「指導」とは名ばかりで、現場の改善につながっていない現実があるといいます。
「警察に相談しても『管轄外なので、行政に相談してください』と言われてしまう。私たちのところに寄せられるのは、他に打つ手がなく『最終的にどうしたらいいんでしょう』という相談がほとんどです。行政は『指導はした』という既成事実を作るだけ。『自分たちが介入して、状況を改善しなければならない』という姿勢は正直、全く感じられません」
「そんな行政の態度を知っているので、動物を取り扱う事業者側も、規則を守るのは表向きだけ。動物愛護法は5年に1度改正されているにもかかわらず、なかなか現場に反映されていかない現実があります」
「私たちのような団体は、行政のように虐待の現場に立ち入ったり指導したり、事業登録を取り消すといった権限は何ひとつありません。虐待の事実に対して、証拠を外から集めて告発する以外、手段を持たないのです」
「虐待をした人は、その後も同じように動物を飼育し、同じようにビジネスを続けるでしょう。行政が変わらない限り、動物の苦しみは終わりません。罪を問い、処分を下すということは、誰かを犯罪者にするということでもあります。行政がきちんと動いてくれれば、虐待を防ぎ、犯罪者を作ることも未然に防ぐことができます」
「命を救うために、行政が権限を行使しないのであれば、民間にその権限を付与してほしい。そう思います」

◆「自分のエゴを満たすために、動物が犠牲になっていないか」

2018年4月、法律の厳罰化の請願署名提出の準備中。「2019年改正で動愛法の厳罰化が実現したのも、皆さまから頂いた署名、民意の力だと実感しています」

「地道に忍耐強く活動していると、中には劇的に動くこともあって、そういうことが力になっています」と杉本さん。
「前回の動物愛護法の改正では、動物虐待に関する罰則や、不適正飼養に対する指導が強化されました。法改正のために、可能な限り議員会館にへばりつき、ロビー活動を行い、皆さまの署名を集められるだけ集め、ものすごく大きなエネルギーと意志を持って取り組みました。その思いが議員の方たちの心を動かし、法改正につながったと思います」
「目に見えて前進することもあれば、全然前に進まないように感じることもあります。でも何もしなければ、状況は悪くなる一方です。『何がなんでもやり遂げる』という信念を持ち続けていると、結果、振り返ってみた時に、ちゃんと好転しているんです」


2020年7月からYouTube配信をスタートした「Evaチャンネル」。「動物問題に興味がある方は勿論、興味のない方、難しそうだなと思っている方にも、分かりやすく、楽しみながら見ていただけるようなチャンネルを目指し配信しています」

「非力さを痛感することも多いですが、もっともっと力をつけて、人と動物が幸せに暮らせる社会のために、自分ができることをやっていきたい」と話す杉本さんに、読者の方たちに向けて、メッセージをお願いしました。
「動物を苦しめているのは、自称『動物好き』の人たちです。ペットショップで購入し、安易に飼って無責任に放置するのも、『動物に癒されたい』と触れ合えるカフェに行くのも、自称『動物好き』の人たちです」
「動物好きであることは良いことですが、自分が楽しむためだけに動物を利用するのではなく、『もしかしたら自分のエゴを満たすために、動物が犠牲になっていないか』ということに、思いを馳せていただきたいと思います」
「JAMMIN(ジャミン)」は京都発・チャリティー専門ファッションブランド。
「チャリティーをもっと身近に!」をテーマに、毎週さまざまな社会課題に取り組む団体と1週間限定でコラボしたデザインアイテムを販売、売り上げの一部(Tシャツ1枚につき700円)をコラボ団体へと寄付しています。
創業からコラボした団体の数は400超、チャリティー総額は7,500万円を突破しました。

 

杉本彩さんの活動については、いろんなメディアで多くの記事が取り上げられておりますが、どれもほんとうに奥深い内容であり、共感を持ち私どもも頑張ろう!という気持ちを持たせてくれます。
動物愛護社会も複雑であり、杉本彩さんがおっしゃるように、多くの動物愛護団体や活動家などが存在しますが「真の動物愛護活動」をやっているところはどれだけあるでしょうか・・・
ともすれば目先の事だけしか見ていない動物愛護活動が多いのではないでしょうか?
行政機関での「殺処分ゼロ達成!」とか一時いかにも目標を達成したかのようにPRする姿が目に入りました。
動物愛護センタなど行政機関の施設というのは「最後の砦」、そこに至るまでにどれだけの犬猫が不幸になっているか、数字では表せませんが行政機関での収容数とは桁違いの多くの犬猫が命を落としています。
人間が犯した大きな罪です。
我々人間はもっと自覚すべきであり、道からズレた私欲にかられないこと。
皆さんは、なぜ不幸な動物たちが無くならないんだろう?どうしたらなくなるんだろう?と自問自答したことはありますか。
みんながそのような感覚を持てば良い方向に向かっていくはずです。

ペット産業とブリーダーの問題
子犬や子猫の可愛さばかりがアピールされ、飼い主の責任や生涯飼育の大変さについてはあまり語られることがありません。
そのためペットショップで安易にペットを購入して、生活や住環境の変化により手放さざる終えなくなるケースが多くあります。
また、パピーミルといわれる、劣悪な環境で繁殖をさせる悪徳ブリーダーによる人気犬種の乱繁殖による遺伝的疾患の蔓延にも多くの問題があります。
多くの繁殖犬達は身動きが取れない程の狭いゲージに閉じ込め、最低限の餌と水しか与えず、何年も繁殖させられます。

飼い主の問題
安易に自家繁殖をし、飼育しきれない程の多頭飼いになって崩壊してしまう無責任な飼い主が多くいます。
 また、動物虐待、飼育放棄、ネグレクト、地域猫の餌やりによる繁殖増加も社会的な問題になっています。
更には、欧米先進国で既に問題視されている「アニマルホーダー」です。
私たちに最も身近な愛玩動物、不幸な犬・猫たちを無くすために、適正飼育と避妊・去勢手術の重要性を理解してください。

(byぬくもり)


動物環境・福祉協会Eva


獣医師が驚愕したヤバすぎる「モンスター飼い主」たち

2023-01-19 06:24:59 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

重症の野良猫を動物病院に連れてきて「タダで手術して」と言った猫好き女性…
愛犬の亡骸すら引き取りに来ない男性…
獣医師が驚愕したヤバすぎる「モンスター飼い主」たち

2022年12月29日(木)

「飼い主の体臭が猫のオシッコの10倍くらい臭い」
「犬の肥満について指摘したらビンタをされた」
「悪性腫瘍が見つかったのに『気功で治してもらう』と言ってきかない」
「治療方針に納得がいかなかったらしく、診察室を出るときにグレート・ムタばりの首切りポーズをされた」
これらは知り合いの獣医師たちから教えてもらった実話である。
動物病院では犬や猫でなく、飼い主に手を焼くことも少なくない。
時にはモラルが崩壊した輩もやって来る。とくに獣医師を困らせるのは、診療費の未払いや犬猫の置き去りだ。筆者が聞いた実例を3つ紹介する。


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◆「社会貢献をするべきじゃないですか」
「交通事故に遭ったみたいで瀕死なんです! 助けてください!!」
平田篤(仮名)さんが院長を務める埼玉県内の動物病院に、猫を抱えた親子が飛び込んで来たのは土曜日の11時ごろだった。
5、6名ほどの飼い主が待合室にいたものの緊急性が高いと判断し、優先的に診察をすることにした。
猫は内臓にこそ損傷が見られなかったが、骨盤を粉砕骨折しており、手術が必要な状態だった。
聞けば、自分の猫ではなく、自宅付近の道路でうずくまっていたところを保護して連れて来たという。
平田さんは手術費用に30万円程度かかることや、手術をしても歩行や排泄が困難になる可能性があることを伝えた。
すると、猫を連れて来た女性は「お金は払えない」「先住猫がいるから、この猫の世話はできない」と言い出した。
「まれにですが、飼い主のいない猫の治療や世話は、動物病院が無償でしてくれると思い込んでいる人がいます。100歩譲ってタダで診療するとしても、世話や里親探しは連れて来た人がするべきでしょう。動物病院に丸投げしようとする考えが理解できません」
平田さんが「手術代は安くするが、猫の世話や里親探しは自分でしてほしい」と伝えたところ、女性は激高してこう言った。
「犬や猫のおかげで生活できているんだから、社会貢献をするべきじゃないですか」
自らは負担を負わず、他者に社会貢献を求めるとは、なんとも身勝手である。
平田さんは動物の保護や里親探しを続けている団体・個人の場合、かなり診療費を安くしている。
それは彼らが身を削って活動しているからだ。
「手術代を3万円にして、猫の世話に必要なケージやフードなどもろもろの用品を提供する提案をしたら、やっと承諾してくれました」

◆うちの猫が病気になったから引き取れない
女性は持ち合わせがないため、猫を引き取りに来る際、診療費を支払うことになった。
しかし、退院日になっても姿を現さない。
電話をしたところ「うちの猫が病気になって、その看病が必要だから引き取れない」とのことだった。
「約束を破りそうな予感はしていたので、そんなに驚きませんでした。腹立たしいですが、あのような人と関わっているとストレスになるし、ほかのトラブルも起きそうだし……。うちで世話をすることにしました」
その後、猫は問題なく歩行ができるほど回復。無事、里親も見つかった。
平田さんは不運だったが、猫は件(くだん)の女性と異なる人に飼われて幸運だったかもしれない。
平田さんのケースでは、置き去りにされた猫がペットでなくノラ猫だった。
しかし“愛犬”を引き取りに来ないケースもある。
東京都の開業獣医師・岡本徹(仮名)さんが受けた被害を紹介しよう。

◆症状が出ているのに半年間も放置

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その日、男性が連れて来たミニチュア・ダックスフンドは、腹部が垂れ下がっているほどの肥満だった。
半年くらい前からあまり動かなくなり、最近は後ろ足を引きずりながら歩くようになったという。
「診察したところ椎間板ヘルニアで、後ろ足にマヒが見られました。半年も前から症状が出ているのに治療を受けさせていないなんて呆れました」
椎間板ヘルニアは犬に比較的多い病気で、とくにダックスフンドやコーギーなど胴長短足の犬種によく見られる。
椎間板が脊髄を圧迫し、痛みや足のマヒなどを引き起こす。
重度になると立ち上がることすらできなくなり、排泄にも支障をきたす。
肥満になると発症リスクが高くなるので“太らせない”ことが予防手段のひとつである。
「内科治療では改善が見込めないので、手術をすすめました。50万円程度かかることを伝えたら『そんなにかかるの!? 』『マジかよ、ヤベー』と驚いていました」
犬や猫には社会保険がないので、病気によっては治療費が高額になる。
50万円という金額に驚くのも無理はない。
しかし、貯金をしたりペット保険に加入したりして支払えるよう準備しておくのは飼い主の責務と言える。

◆治療費を踏み倒す
男性は手術代を下げるよう要求してきた。
最初は断った岡本さんだったが、結局40万円に割り引いたうえ、5回の分割払いを認めた。
手術は無事に終わり、犬の退院日がやって来た。
しかし、男性は来院しなかった。
「カルテに書いてある電話番号にかけたら別人につながりました。住所もデタラメでまったく連絡がとれず、お手上げ状態。最初から診療費を踏み倒す腹だったんでしょう」
2か月ほど病院で犬の世話をしたが、男性は引き取りにやって来ない。
現在は岡本さんが自宅で犬を飼育している。
「手術が成功しても後遺症や再発の可能性があることを伝えていたので、飼育するのが嫌になったんだと思います。クズとしか言いようがありません」
千葉県の開業獣医師・井上幸助(仮名)さんも悪辣な飼い主の被害に遭っている。
事件が起きたのは、3年ほど前のこと。
診察室にラブラドール・レトリバーを引き連れた男女が入って来た。
男性は不機嫌で、女性は顔が青ざめている。
聞けば、犬はトリミングサロンに行ってから体調が悪くなり、女性は担当したトリマーだという。
診察したところ、アゴの骨が折れていたうえ末期の腎臓病だった。
「飼い主は『うちの犬のアゴを折りやがって! 』と激怒したんですが、大型犬のアゴはとても丈夫で、大事故にでも遭わない限りまず折れない。犬は歯周病がとても進行していたので、どう考えてもそれが原因でした」
歯周病は放置しておくと、菌がアゴの骨まで溶かしてしまう。
治療しなければ、いずれ骨折する。
しかし、飼い主は頑なに事故による骨折であることを主張した。
結局、診療費はトリミングサロンが負担することになった。
とはいっても犬は重度の腎臓病もあって虚弱状態。麻酔を伴う手術はできず、点滴を打つ程度の処置しかできなかった。

◆愛犬の亡骸すら引き取りに来ない
入院して1週間後、犬は息を引き取った。
井上さんが亡骸の引き取りを依頼するため電話をかけると、飼い主は耳を疑うような言葉を放った。
「死んだのはトリミングサロンのせいだから、俺に連絡されても困る」
愛情も責任の欠片もない言葉に井上さんは愕然とした。
犬を迎えに来るよう説得を続けたが、飼い主は応じない。
仕方なく動物病院で葬儀を手配することにした。
葬儀代の半分は、トリミングサロンが支払うことになった。
飼い主の自宅まで遺体を運び、診療費や葬儀代を請求するべきだと考える人もいるだろう。
しかし、井上さんはこう言う。
「あきらかに持病が原因で骨折しているのに、それを認めない。診療費も払わない。あげくの果てに亡骸すら引き取らない。十数万円のために、そんなヤバい人に立ち向かいたくないんです」
誤解のないように言っておくが、犬や猫の飼い主にトラブルメイカーが多いわけではない。
取材に協力してくれた獣医師の一人は、こうぼやいていた。
「飼い主さんの99.9%は常識人。でも0.1%の人が“モンスター飼い主”で、過剰で理不尽な要求をしてきたりとんでもないトラブルを起こしたりするんです。そのストレスで獣医師を辞めてしまった人もいます」
飼い主は動物病院を選べるが、その逆は難しい。
モンスター飼い主からの被害を少しでも軽減するには、初診の場合は身分証の提示を求める、診療費が高額になる場合は何割かを前払いしてもらう、といった対策をとっておく必要があるだろう。

奥田 直樹(ペット栄養管理士・ペットフード販売士)

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2022年…犬さん幸せビフォーアフター

2023-01-18 05:57:45 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

【2022年…犬さん幸せビフォーアフター】
保健所で、山でひとりぼっち、鎖に繋がれっぱなしの犬さん…新しい家族ができた!

2022年12月30日(金)    

殺処分の期日が迫り、保健所で孤独に怯えていた犬さんや、恐怖で腰が抜けたようになっていた犬さん、駐車場の一角で鎖に繋がれっぱなし、日に日に弱っていた犬さん、山から偶然、足元に転がってきた子犬…そんな犬たちが、縁あって新しい家族の元に!信頼できる人に巡り合い、笑顔を取り戻した犬の物語に、思わずウルウルしてしまいます。

◆保健所でおびえていた犬→2年後、別犬みたいな愛され顔に ビフォーアフターに感動「素敵な人に巡り会えて良かったね」

保健所に収容されていた頃のすずめちゃん(提供:真弓 瞬さん)

「←保健所に収容されてた時のおすず いまのおすず→ 別犬だねぇー可愛くなったねぇー」と2枚の写真がSNSに投稿され話題になりました。
その2枚とは「おびえた瞳でこちらを見る保健所に収容されていたときの犬」と、大事にしてくれる家族を得て、「安心した顔でカメラを見ている2年後の犬」の写真。
表情はまるで別犬です。
保健所からシェルターを経て、預かりボランティアさんのお家に迎えられたという犬さん。
3ヶ月後に里親さんに譲渡が決まったのですが、当日、車に乗せると今まで出したことのないようなか細い声で鳴き出しました。
保健所にいた時のような悲しそうな表情になったといいます。
「これはなんだか手放してはいけない」とシェルターに相談し、譲渡はキャンセル。
正式に迎え入れることになりました。
「車に乗った犬さんが自ら意思表示をしてくれたおかげ」と預かりボランティアさんは話します。
犬さんは、毎日たくさん遊び、お散歩をして、お顔が可愛くなっただけでなく身体も引き締まったとのことです。


毎日たくさん遊び、お散歩をして、お顔が可愛くなっただけでなく身体も引き締まりました☆(提供:真弓 瞬さん)

◆ボク、どうなるの?…恐怖で腰が抜けた保護犬 新しい里親さんと出会い、笑顔を取り戻した

腰が抜けてあぐらをかいた状態で、じっとこちらを見つめるリチャード

ペットの保護や譲渡活動を行う団体が、保健所から引き出した犬たちの中に、ガリガリに痩せた子犬がいました。
「僕これから殺されちゃうの?」と言わんばかりの恐怖からか、腰が抜けてあぐらをかいた状態で、こちらをジッと見つめていました。
その後、検疫犬舎で獣医さんの診察を受けましたが、「すぐに命に別状があるわけではないですが、かなり弱っており、しばらくは容体を注視する必要があります」と心臓病の持病があると言われます。
皮膚疾患もありましたが、スタッフが懸命にケアを続けたことにより、飛躍的に健康状態が良くなりました。
完全に健康を取り戻し、心身ともに元気になった犬さん。
子犬らしいキラキラとした笑顔で新しい里親さんが決まり、しっかりと幸せをつかみました。


保護されたときとはうって変わって、ヤンチャ遊びも大好きになったリチャード

◆駐車場の一角、鎖に繋がれっぱなしの犬 日に日に弱っていく様子を放っておけず…出会った夫婦の決断
ある会社で番犬として飼われていた犬さん。
飼うといっても駐車場の一角に繋ぎっぱなしにして、散歩はなし。
残ったフードや水を片付けることなく上から継ぎ足しているような状態だったので、不衛生だったといいます。
会社が休みの時は無人になるので、数日間ごはんをもらえないこともありました。
散歩に行ったことがない犬さんの爪は伸び放題。伸びた狼爪が肉球に刺さり、脚の甲の皮膚を突き破り、外に出た爪がもう一度肉球に刺さっていました。
今の飼い主さんは、その姿を思い出すと胸が痛むといいます。
ついに腎臓病を患ってしまった犬さんを飼い主さんは引き取ります。
治療を続けながらお家の中で猫とも仲良く暮らせました。
そして、3年間一緒に暮らした後、虹の橋を渡ったそうです。

◆「山から足元に転がってきた」元野犬のビフォーアフター写真が話題 「思わずウルウル」「優しい人に出会えて良かったね」
子犬と飼い主さんの衝撃の出会いは、2019年1月14日、そのとき勤めていた会社の敷地内で保護したといいます。
「会社の敷地内を歩いていたとき、山すその土手からガサガサと転がってくるように何かが落ちてきました。
初めはイノシシか!?と思いましたが、コロンと足元に転がってきたのは子犬。
幼く小さな赤ん坊でした。
寒さに強い犬といえども、赤ん坊ですし寒さがきつい山の中では生きていくのは到底無理だと思って自宅に連れて帰ったんです」。
家には、元野良猫さんがいましたが、「猫は子犬を家族と認め、子犬は猫たちを兄と思い慕うように。認め合う時間はあっという間でした」と飼い主さん。
「私がベッドで休んでいると、鼻を鳴らして布団に入れてと催促してきます。暑い日はエアコンか扇風機の前に。寒い日はストーブの前にいます。また子犬は100グラム180円のお肉を食べて、私は1個80円のコロッケをおかずにご飯を食べています…我が家のお殿様です(笑)」。

【アフター写真】「愛されてますけど?って顔してら♡」との声も寄せられた犬さん


猫の『不治の病』3つ 今からできる最善の予防策とは

2023-01-17 06:05:20 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

猫の『不治の病』3つ 今からできる最善の予防策とは

2022年12月28日(水) 

◆猫の不治の病

1.FIP(猫伝染性腹膜炎)
FIP(猫伝染性腹膜炎)は猫コロナウイルスに感染した後に、体内でウイルスが猫伝染性腹膜炎ウイルスに変異してしまった結果引き起こされる病気です。
致死率はほぼ100%といわれており、発症した猫の多くは数日~数ヵ月で亡くなってしまいます。
まだFIPについてはわからないことも多く、有効な治療法は確立されていません。
最近有効であると考えられている薬剤はありますが、高額かつ日本では認可されていないので、FIPの原因となる猫コロナウイルスに感染しないように気をつけるしかありません。
猫コロナウイルスは多くの猫が体内に持っているものなので、必要以上に他の猫と接触させないようにして感染リスクを極力減らしましょう。

2.猫エイズ
猫エイズは、FIV(猫免疫不全ウイルス)に感染したことが原因で発症します。
特にウイルスを持った猫とケンカをして、引っかかれたことから感染する猫が多いようです。
ウイルスに感染しても発症しないまま寿命を全うできるケースもありますが、発症すると免疫機能が低下して他の感染症などにかかりやすくなり、最終的には命を落としてしまいます。
残念ながら発症後に完治させる治療法はないので、感染を防ぐ努力が大切です。
また感染が発覚した場合は、発症リスクを下げるために免疫力を高める生活を心がけましょう。

3.慢性腎臓病
慢性腎臓病は、猫にとって天敵とも呼べる病気です。
高齢の猫は慢性腎臓病になりやすく、薬や食事療法などにより病気の進行を遅らせることはできるものの、完治させる治療法は確立されていません。
慢性腎臓病の猫にできるだけ長生きしてもらうためには、病気の早期発見と、適切な治療で腎臓の負担を軽くすることが重要になります。
また重症化するまで飼い主さんが症状に気づきにくいという点でも、慢性腎臓病はやっかいな病気です。
愛猫の体調は日頃からしっかりチェックしたいところですね。

◆病気から猫の命を守る予防策

愛猫が不治の病やその他の病気におかされるリスクを軽減させるために、飼い主さんはできる限りの予防に努めましょう。
まず猫エイズなどの感染症はワクチンでの予防が効果的なので、愛猫にはワクチンを接種させることをおすすめします。
(ただ完全に予防できないこともあります)
また野良猫との接触によりウイルスに感染するケースが多いので、猫は完全室内飼いをすることで感染症対策をしましょう。
外で保護した猫がウイルスに感染していて、先住猫に移してしまうという危険性もあります。
しばらくの間は、新入り猫と先住猫の生活スペースを分けて過ごしてください。
新入り猫には動物病院で検査を受けてもらって、安全が確認できてから先住猫に会わせると安心ですね。
病気の予防において、愛猫の免疫力を高めることも重要です。
ストレスは免疫力低下の原因になるので、飼い主さんは愛猫がストレスをためずに快適に過ごせる環境を整えてあげてください。
さらに猫が長生きするためには病気を早期発見して、早い段階で治療をスタートすることもポイントです。
慢性腎臓病のような完治が難しい病気になっても、早くから進行を遅らせる治療をスタートできれば、病と闘いながらにはなるものの愛猫と長く一緒にいられます。
猫は腎臓病以外にもあらゆる泌尿器疾患にかかりやすいので、尿の色や量に異常がないか毎日チェックするとよいでしょう。
他にも食欲低下や寝てばかりいるなど、病気が疑われる症状が出ていないかどうか、日頃から愛猫の様子を観察することが大切です。

◆まとめ

不治の病から愛猫の命を守るために、感染症対策やワクチン接種による予防、ストレスのケア、日頃から愛猫の様子をチェックすることなどが大切です。
根本的な治療ができない病気でも、早期発見して適切な治療を受けさせることで1日でも長生きしてもらえる可能性が高まります。
また治療法がある病気であっても、手遅れになる前に気づいて治療を行わなければ、愛猫が命を落としてしまうことになりかねません。
飼い主さんが症状に気づきにくい病気を早期発見するためにも、若い猫は年に1回、病気になりやすい高齢の猫は半年ごとに動物病院で健康診断を受けることをおすすめします。

(獣医師監修:加藤桂子)


杉本彩が動物虐待死裁判を傍聴 被告の残忍行為に怒り

2023-01-16 06:10:50 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

杉本彩が動物虐待死裁判を傍聴
 被告の残忍行為に怒り「実刑がいいと思う」

2022年12月21日(水)  

飼っていた子猫2匹を殴って殺すなどしたとして、動物愛護法違反などの罪に問われた男子大学生の被告の初公判が20日、大阪地裁で開かれた。
被告は2件の痴漢行為で府の条例違反にも問われており、検察側は懲役1年を求刑。
即日結審した。
動物愛護活動家としても知られるタレントの杉本彩も公判を傍聴。
閉廷後に根本からの改革を訴えた。


大阪地裁前で取材に応じた杉本彩

被告は1月、恋人と住んでいた大阪府和泉市の集合住宅の一室で、生後半年のエキゾチックショートヘアの側頭部を右の拳で殴打。
頭部挫傷で死なせた。
4月には生後3か月のラグドールの腹部を殴り肺挫傷で死なせたとされる。
さらに、6月と8月に駅で高校生AさんとBさんの太ももを触った条例違反の罪にも問われている。
被告は小柄で細身の体形もあって、気の弱そうな青年といった印象。
起訴事実を「間違いありません」と認めた。
被告は「短気が原因。就職活動がうまくいかないストレスで、苦手な鳴き声でイライラして、自分を抑えられず死なせてしまった」などと釈明し、痴漢行為については「欲を抑えられなかった」と話した。
就活については5社~10社程度を受け、内定も得ていた。
にもかかわらず自身を動物好きと言い、ペットを飼った理由は「恋人がうつ病でペットを飼えば治ると思った」と説明。
ペットショップで購入した総額は100万円を超え、今もローンを払っているという。
獣医師の証言などから、被告はこれまでに6匹のイヌやネコの診察に訪れており、4匹が死亡していた。
眼球が飛び出すなど虐待の兆候が疑われたため解剖を提案すると、恋人は同意したが被告がかたくなに拒否していたことも明らかになった。
この裁判を傍聴していたのが杉本だ。
杉本は20代のころ、ドラマの撮影所で見つけた瀕死のネコを保護して以来、動物愛護活動に取り組んでおり、相次ぐ動物虐待の裁判も熱心に傍聴している。
杉本は被告について「大学生と思えない。高校生?って言いそうなくらいすべてが子供っぽかった。動物愛護法違反だけかと思ったら、痴漢も常習犯のようにやっていて驚いた」と第一印象を語った。
その上で、犯行について「イライラとか短気でできる行為じゃない。短期間に連続でやるのも、ついやってしまったというレベルじゃない。メンタル的に自制できないのであれば、再犯のリスクも高い。ほかにも余罪がありそうだし、本人のためにも実刑がいいと思う」と一蹴した。
杉本は前日も動物虐待裁判を傍聴していたという。
なかなか無くならない虐待に「どちらの事件も安易にペットショップから購入していた。大学生でお金もそんなにないのに、ローンも組めて100万単位のお金を費やして動物を入手してる。ペットショップの無責任な販売が動物虐待を誘発しているのは間違いない事実。誰にでも売るのか。そろそろ根本から見直してほしい」と切実に訴えた。
判決は来年1月17日に言い渡される。

東スポWEB


動物虐待が多発している日本の現状。
虐待内容が、考えられないような陰湿で悪行の飼い主が多くなっているように思う。
ペットショップの無責任販売問題は慢性化、悪徳金儲け主義の販売業者がのさばっている。
統一教会と深い関わりを持った多くの政治家たち、日本の政治を根本に変えていかないと正常なペットショップの改善に進まない。
現在の悪徳ペットショップが多いのは何故?
まさしく「需要と供給」で、ペットをモノ扱い同然で多額の金を払いペットショップから買う人間が多い(需要)から金儲け主義の悪徳ペットショップが多い(供給)という悪循環。
複雑な負の社会を改善していかないと不幸な動物たちは無くならないのです。
日本の政治の在り方が要(かなめ)なんです。
メディアも表面的なことだけで騒がずに、内面的な問題を掘り下げ改善に向けて取り上げて欲しいですね。
(byぬくもり)


ペット可なのに『猫はNG』な賃貸物件がある理由3つ

2023-01-15 06:02:58 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

ペット可なのに『猫はNG』な賃貸物件がある理由3つ

2022年12月29日(木)

猫はなぜダメなのか

ペット可の賃貸物件は結構ありますが、「猫はNG」という規定を設けている物件が実は少なくありません。
猫と一緒に暮らすことに憧れを持っている人は、「ペット可」の物件であっても「猫はNG」となっていないか、細かく規約を読み込む必要があります。
しかし、なぜ「ペット」という大きい括りの中でも猫だけがだめなのでしょうか。
ここでは、大家さんが猫を飼うことで心配している点についてまとめています。
ぜひ内容をチェックしてみて下さい。大家さんとの交渉に役立つかもしれません。

1.爪研ぎによる破壊

猫は習性上、どんな子でも必ず爪研ぎをします。
物件の大家さんは、猫の爪研ぎによって壁をボロボロにされたり、床やドアを傷つけられてしまう事を心配しているのです。
飼い主さんは対処法として、猫の爪を細かく切ってあげてケアをするようにしましょう。
爪によるダメージが減ります。
また、専用の爪研ぎを置くことによって、そこでのみ爪研ぎする子もいます。
筆者の猫は幸いなことに、爪研ぎでしか爪を研ぐ事をしないため、室内の家具にダメージを受けたことがありません。
また、子猫の頃から躾けてあげると後が楽です。
またそれでも爪研ぎが止まらないということであれば、爪とぎされたくないような大切な場所には「猫が苦手なスプレー」をかけておくことも重要です。
柑橘系の匂いは猫が苦手とするものなので、爪研ぎされたくない場所にかけておきましょう。

2.鳴き声による近所トラブル

猫の鳴き声によって「騒音」と捉えられ、近所とのトラブルが起きてしまう可能性があります。
猫の鳴き声の大きさは個体差があります。
しかし、もし鳴き声が気になるような環境の物件であれば、比較的鳴き声が小さいといわれているロシアンブルーやマンチカン、エキゾチックといった猫種を選んでみるのも良いでしょう。
またオスよりはメスの方が内向的で静かな傾向がありますので、こういった点も考慮してみて良いかもしれません。

3.外飼いにより近隣トラブル

室内で飼う事を諦めたからといって、外で飼うのはやめましょう。
知らない間に野生の猫と子どもを作って、あっという間に猫が増えてしまう可能性が高いです。
さらにこれにより近所の糞尿が増えて、近隣トラブルへと発展することがあります。
飼い主が工夫することで猫と一緒に暮らしやすくなりますので、ワクチンや避妊、去勢を忘れずに行うようにし、まずは室内で飼う事を前提としましょう。
猫は基本的に最初に室内で飼ってしまえば、野生ではなかなか生きてはいけなくなります。

まとめ

上記の点で大家さんが心配していることが分かりました。
反対に、数少ない「ペット可」でさらに「猫OK」という賃貸物件は、上記の点でもリスクを背負っていただいていると言えます。
飼い主はその点に感謝して、そのような物件においても上記の点で迷惑をかけないように考慮しておきましょう。


猫のサブスク「ねこホーダイ」が2週間で停止

2023-01-14 05:51:05 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

猫のサブスク「ねこホーダイ」が2週間で停止
 あぶり出された3つの保護猫の問題点とは?

2023年1月6日(金) 石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師

月額380円の会費さえ払えば、提携する保護猫シェルターが保護・飼育する猫を審査やトライアルなしに譲渡してもらえるという猫のサブスク「ねこホーダイ」に対し、「猫は命あるものだ」などと批判が起きてネット上で大炎上し、開始からわずか2週間で停止に追い込まれました。


イメージ写真(写真:イメージマート)

◆「ねこホーダイ」から見えてきた保護猫の問題点とは?
「ねこホーダイ」という名前を見たとき、猫に対して愛情を持っているのかと疑問を感じるネーミングのセンスだと思いました。
このサブスクは、猫を命あるものと扱っていなくて批判するべきところは、猫サブスク「ねこホーダイ」に断固反対。獣医師が本気で訴える5つの理由という記事に書きました。
その一方で、この「ねこホーダイ」は、そんなきれいごとを言っていられない保護猫の問題点が浮き彫りになりました。そのことを見ていきましょう。


イメージ写真(写真:イメージマート)

①行政は殺処分ゼロとうたっているが、保護団体が引き受けていることが多く保護猫シェルターどこも満杯
行政の中には、猫の殺処分ゼロとうたっているところがあります。
それを言葉通りに理解するとその地域の人は、動物に対する意識が高くて、保護された野良猫がほとんどいないように思われがちです。
しかし、多くの殺処分ゼロとうたっているところは、保護団体が引き受けているのです。
そして、保護猫シェルターは、どこもほぼ満杯なのです。

②猫の寿命が延びていることによる終身飼養の困難さ
動物愛護法で、猫の終身飼養が基本になっています。
猫の寿命が約15年で、医学と進むと将来的に30年になるかもしれないので、終身飼養が難しくなってきています。
猫の寿命が10年もなかった時代だと、終身飼養が比較的可能でした。
いまは、そうもいかなくなってきているので、猫の一生を何代かで飼養するシステムを考える時期になっているのです。

③経済的に裕福で時間のある高齢者が保護猫を飼いにくい
意識が高い高齢者でも、年齢のことがあり、保護猫を飼いにくくなっています。
もちろん、高齢者は猫の終身飼養が難しいかもしれませんが、元気で裕福で時間のある高齢者に、里親になってもらうのもいいのではないでしょうか。
それと同時に、高齢者である飼い主が病気や施設に入居した場合は、その後の面倒をみてくれるシステム作りを考える必要があります。

◆全国に多くいる保護猫をどうすればいいの?

イメージ写真(写真:イメージマート)

人間の里親制度などで、「レスパイト」というものがあります。
レスパイトは一時中断、息抜き、休息などを意味する英語です。
高齢者や単身者の飼い主が、病気、入院、仕事などでずっと猫を飼育できないことが起こってきます。
そのときに、レスパイトのシステムがあれば、猫の命を繋ぐことができるのです。
・レスパイトの意義
猫を飼うということは、24時間365日の面倒をみるということです。
どんなに体力、気力のある飼い主でも疲弊することがあります。
猫のためにも、飼い主は適切に休息をはさみながら、自身の心と身体を労ることが大切です。
そうすることで、遺棄が少なくなります。
・レスパイトの方法
猫の飼養に疲れる、病気になるなどのやむを得ない事情がある場合は、猫を一時、預かってくれるシステムがあれば、高齢者でも保護猫の面倒を見ることができます。
自治体が、保護猫の譲渡をするときに、トライアル期間を設けて厳重な審査をすることはもちろん大切ですが、いままで譲渡先になっていなかった高齢者にも、このようなレスパイトのシステムがあれば、保護猫シェルターの猫を減らせることができるのではないでしょうか。

◆まとめ

イメージ写真(写真:イメージマート)

人間が、猫は繁殖能力が旺盛な動物だということを理解せず、不妊去勢手術をしなかった結果、このような多数の保護猫を生みだしました。保護猫は、人間が作り出したものです。
保護猫が、外で生きていくと、温かい寝床がない、食べるものもない、そのうえ、虐待される可能性まであるという過酷な環境なのです。
猫を飼うときは、必ず不妊去勢手術をするという認識を子どもの頃から教育して、保護猫シェルターが多頭飼育崩壊しないようにする必要があります。
未来は、保護猫シェルターがなくなる日本になるために、みんなで知恵を出すことは大切です。


石井万寿美
まねき猫ホスピタル院長 獣医師
大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は栄養療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医師さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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猫サブスク「ねこホーダイ」騒動をきっかけに知ってほしい
 猫の「殺処分数」内訳は幼齢猫約7割

2023年1月11日(水) 石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師

月額380円の会費さえ払えば、保護猫シェルターが保護・飼育する猫を審査やトライアルなしに譲渡してもらえるという猫サブスク「ねこホーダイ」が、ネット上で大炎上し、開始からわずか2週間で停止に。
これに対して、猫の殺処分数を減らためには、「ねこホーダイ」もいいのでは、という意見もあります。


イメージ写真(写真:アフロ)

◆「ねこホーダイ」で殺処分数が減らせるか?
「ねこホーダイ」について肯定的な意見を持っている人もネット上で見かけます。
ある動画サイトでは、きれいごとをいっている場合ではなく「猫の殺処分数」が多いので、「ねこホーダイ」も工夫によってはいいのでは、というものもあります。
その理由は
「無責任な飼い主が多く、衝動的に飼ってしまって遺棄する」
「ペットショップで猫を見て、可愛いので飼ってしまい、いざ飼い始めると思ったのとは違うので遺棄する」
「猫の不妊去勢手術をしていない」
などです。

このようなことで保護猫が増えていると分析しているのです。
この動画の投稿者は、猫の殺処分数の内訳をあまり知らないのでしょうか。
多くの人は、1万9705匹という数だけを見て意見を言っているように思われます。

◆令和2年度の猫の殺処分の実態を知っていますか?

犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況(動物愛護管理行政事務提要のページより作成)

猫の殺処分数は、令和2年度では1万9705匹です。
そのうちの幼齢猫は1万3030匹です。
7割弱が「幼齢猫」なのです。
幼齢猫とは主に離乳していない子で、つまり生後3カ月未満の乳飲み子なのです。
乳飲み子を生み出さないシステム作りをすれば、猫の殺処分の7割弱は減らせるのです。
それと注目したいのは、猫の引き取り数の内訳です。
飼い主からが23%で、残りの77%は所有者不明つまり飼い主のいない野良猫なのです。
野良猫を減らすと殺処分を減らすことができます。
猫の殺処分の統計から読み解けることは、「幼齢猫」と「野良猫」を減らすと殺処分数はグーンと減らすことができます。
すでに聞きなれた言葉ですが、『猫を飼えば「不妊去勢手術」をすること』がもっと浸透すれば、幼齢猫も野良猫も減らすことができるのです。

◆幼齢猫と野良猫を減らす方法とは?

イメージ写真(写真:イメージマート)

「TNR」をすることです。
野良猫は人間が作り出したものです。
日本は野生の猫は、ほとんどいません(イリオモテヤマネコとツシマヤマネコぐらいです)。
猫は寒さに弱いので、寒空で猫の姿を見ると心が痛みます。
地域にいる猫の最少でも8割を不妊去勢手術しないと、猫の数は減らないといわれています。
そのための活動としてTNRというものがあります。
TNRとは以下です。
・Tは「Trap」で捕獲
・Nは「Neuter」で不妊去勢手術
・Rは「Return」で元の場所に戻す
つまり、野良猫を捕まえて、不妊去勢手術をして、麻酔が覚めると元いた場所である外に戻すことです。
これを全国の行政がしてくれると、いまの殺処分はかなり減らすことができます。
野良猫を減らすと、外で拾ってきて飼い猫にして多頭飼育崩壊を起こす人も減らすことができるのです。
幼齢猫が保護されたら、ミルクをあげるミルクボランティアが増えると(生後3カ月で離乳期が終わるので)、ずいぶんの幼齢猫は減るでしょう。
こうやって書くのは簡単ですが、猫にミルクをあげるのは数時間ごとなので、働いているいる人には難しいです。
望まない命を生み出さないことが大切で、そのためには不妊去勢手術が必要になります。

◆なぜ「ねこホーダイ」ができたか?
行政は殺処分ゼロとうたっていますが、その中には、動物保護団体が全部を引き取っているところも多いのです。
動物保護団体は、どこも満杯なので、このような状況を見て、猫サブスクを考え出されたのでしょう。

◆「ねこホーダイ」が停止されても野良猫・保護猫のことをみんなで考えよう

イメージ写真(写真:イメージマート)

野良猫は人間が作り出すたもので、里親が見つからず、保護団体に引き取られた保護猫は、数多くいます。
「ねこホーダイ」の猫サブスクが停止になったのも獣医師として喜ばしいことですが、それだけでは、まだ野良猫や保護猫の問題は解決していないのです。
殺処分をゼロにするためには、小学校で猫や犬の行動や生理を教育するなどして、多方面からアプローチする必要があります。
猫の殺処分数を深読みすると、殺処分ゼロに対するアプローチが見えてきます。


石井万寿美
まねき猫ホスピタル院長 獣医師
大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は栄養療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医師さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。


福井県内保護収容犬

2023-01-13 14:26:27 | 保護・収容動物のお知らせ

福井県動物愛護センターで2匹の犬が保護・収容されています。
飼い主の方至急センターへ、そして心当たりの方々のご協力お願いします

【福井県動物愛護センター 本所】
 電話番号:0776-38-2212

収容日:2023年1月12日
保護場所:大野市若杉町
種類:シーズー風
性別・体格:オス・小型
年齢:不明
毛色:白黒
首輪なし
公示終了:1月15日



収容日:2023年1月10日
保護場所:南越前町赤萩 桜橋 運動公園 付近
種類:雑種
性別・体格:メス・中型
年齢:不明
毛色:茶
所有者明示なし
公示終了:1月13日


猫に学びたい“ストレス解消”の極意

2023-01-13 06:08:14 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

「猫に学びたい“ストレス解消”の極意」簡単3秘訣
 「猫と暮らして40年の犬猫写真家」が教えるコツ

2022年12月18日(日)

みなさま、こんにちは。フォトグラファーの新美敬子です。
世界を旅して街角で出会った犬や猫と人との暮らしを撮り続けて30年あまりが経ちます。
自宅でも40年以上、猫と暮らし続けていて、今は2匹の猫とともに暮らしています。
旅で出会った猫も自宅の猫も、猫たちはいつもお気楽で自由です。
時間に追われず、の~んびり過ごして、誰にこびることなく、自分の生きたいように生きて、どうしたら自分が健康に、ストレスフリーに過ごせるかを知っています。
そう、猫たちは「自分が快適に生きる術」を熟知しているのです。
でも、こういうことって、私たち現代人にそっくり不足しがちなことではないでしょうか。
毎日時間に追われ、仕事や目先の業務でいっぱいいっぱい、ストレスはたまる一方……。
たまには猫に学んで、のんびり、自分らしく、ストレスフリーに生きてみませんか?
この記事では、『世界のまどねこ』の発売を記念し、私が世界の猫から教わった「快適に、お気楽に生きるコツ=超猫ワザ」をシリーズで紹介します。
第1回は「猫に学ぶストレス解消法」です。


気分を変えたいときは、ひっくり返って、バンザーイ!(写真:新美敬子)

■猫の独自の「ストレスフリー」に学ぶ
現代社会はストレス社会。誰もが多かれ少なかれ、さまざまなストレスに悩まされていると思います。
私にも、もちろんストレスはあります。
特にコロナ禍で旅に出かけられなかったのは、本当に苦しい体験でした。
「旅するフォトグラファー」が「ずっと家にいるフォトグラファー」になってしまったのですから、死活問題でした。
今もまだ続いていますが……。
でも、そんなときでも、私を救ってくれたのは「猫たちの存在」でした。
猫は、いつでもストレスフリー。
長年観察していると感じるのは、嫌なことがあっても、およそ13秒くらいで忘れてケロリとしています。
「猫なんだから、嫌なことなんかないだろう」と思われるかもしれませんが、猫にだって嫌なことはあるのです。
お気に入りのお昼寝の場所を取られたとか、いたずら(飼い主さんが大事にしているクッションで爪を研いだ)がバレて怒られたとか……。
ほかにも、ボス猫にケンカをふっかけて負けたとか、「好きじゃない人にしつこくなでられても我慢したんだ!」なんてときもあります。
では、なぜ、猫は「ストレスフリー」でいられるのか――。
それは独自の「ストレス解消法」をしっかり備えているからなのです。
そこで私は猫をガッチリ観察して、「人間にも応用できるストレス解消法」の会得に成功しました。
以下に紹介しましょう。

◆猫に学ぶストレス解消法①「セルフヒーリング」
ケンカの後や飼い主さんに叱られたとき、猫が何事もなかったかのように毛づくろい(グルーミング)をしている姿を見たことがありませんか?
あれ、実は気持ちを落ち着かせるための儀式なのです。
身体をなめることによって、「セルフヒーリング」をしているのです。
このグルーミング行為を人間にたとえると「ボディタッチ(体を触ること)」です。
自分で「セルフマッサージ」をしてみるとか、簡単に手と手をこすり合わせるとか。
自分のボディをやさしく「さする」というのは、それだけで気持ちが落ち着いてくるものです。

■簡単に実践できる「セルフヒーリング」は?
私は最近、お風呂に入ったときに足の指をもむようにしています。
足の指の間にはツボがあるといいますが、足の指をもむことで血行がよくなるし、気分もよくなる気がしています。
それと「体を触るクセ」も有効だと思います。
アゴを撫でるとか、貧乏ゆすりとか、髪の毛をいじるとか、誰にもクセってありませんか?
このようなクセは子どもの頃、親に注意されたものです。
「貧乏ゆすりはやめなさい」「髪の毛を触るなんてみっともない」などなど……。
でも、こういうクセって、気持ちを落ち着かせるためのグルーミングの一種だと思うのです。
大人だって、まわりに人がいなくて迷惑がかからないところなら、貧乏ゆすりしたり、髪の毛を触ってもいいじゃないですか。
大いに活用しましょう!
「セルフヒーリング」でも気持ちが落ち着かないときは、猫の「こんなユニークな行動」を参考にしてみるのもいいかもしれません。

◆猫に学ぶストレス解消法②「瞬発」気分転換
ポルトガルであるとき、鳩を狙っている猫に出会いました。
壁に隠れていたのですが、本能で「ステルス(隠密)体勢」になっています。
本人としては「この体勢から飛びかかって、いっきに捕獲!」……という作戦なのですが、実はこの行動、鳩にはすっかりお見通し。
「ははーん、自分を狙ってるな」とわかっているのに気づかないふりをして、猫が飛びかかろうとする瞬間に余裕でサッと飛んで逃げる。
これをゲームみたいに楽しんでいるのです。
猫にしてみれば「イケる!」と思っていただけに、すんでのところで逃げられて、その徒労感はハンパじゃありません。
まわりに対しても恥ずかしい(猫にだって恥ずかしいという感情はあります)し、居心地も悪いものです。
こんなとき、猫は突拍子もない行動に出ます。
いきなりダッシュしてみたり(斜めに走る猫もいます)、突如高いところに上ってみたり。
こうした「突拍子もない行動」をとって、嫌なことを忘れている(なかったことにする)のではないかと思うのです。

■「意味のない行動」で、気分転換をしてみる
これは人間にも、もちろん応用可能です。
嫌なことがあったとき、モヤモヤするとき、「それとは全然関係のない行動、意味のない行動」をしてみるのです。
空手の型をやってみる、四股を踏む、ダンスしながら歌を歌う、などなど。
どんな歌でも、「歌詞を思い出しながら歌う」ことは意外な気分転換になります。
小学校の校歌なんて覚えていますか?
あとは突拍子もない行動ではないですが、ピアノやギターを弾く、カラオケを歌う、というのもいいと思います。
私の場合は「簡化24式太極拳」という太極拳の簡単バージョンがあるのですが、それをやってみたりします。
あとは散歩に出て、まわりをキョロキョロ見ながら歩きます。
誰もいないときには、スキップやジャンプをしてみます。
うちの猫もスキップをするので(気分転換したいときではなく、気分が高揚したとき、ですが)、そのマネです。
これが意外とスッキリ気分がよくなるので、オススメです。
つまり、なんでもいいのです。
今までやったことがないこと、「自分でも思ってもみないこと」を思い切ってやってみましょう。
驚くほど気分転換ができますよ。
そして、猫は自分の感情に、とても素直です。
「うれしい」「悲しい」「気分がいい」など、自分の喜怒哀楽を隠すことなく堂々と表現します。

◆猫に学ぶストレス解消法③感情を素直に出す
猫はやきもちも、思いっきり表に出します。
猫には「やきもちの感情はない」といわれているのですが、私の経験では猫にもやきもちの感情はあると思います。
うちには2匹の猫がいますが、私がパソコンで仕事をしていると、1匹がデスクに乗ってきてご満悦です。
ところが、もう1匹もデスクに乗ってこようものなら、先に乗っていた猫があからさまに机から落とそうとするのです。
また、1匹の猫(A)にカメラを向けていると、もう1匹(B)が寝ていたのにわざわざ起きてきて、Aと私の間をシッポをあげて何度も通過し、カメラに頭突きしたりします。
「注目すべきは僕(B)のほうだろ」と言いたいのでしょう。
とてもわかりやすいですよね。
うちの猫でなくても、海外でも同じようなことが何度もありました。
私たちは大人になると「やきもちは恥ずかしい感情である」「人に嫉妬するなんていい大人のすることではない」と思うようになります。
でも、そういう感情も認めていいんじゃないでしょうか。
「自分の感情に素直になること」は、ストレスをためないためにとても大事なことだと思うのです。


子猫だって腑に落ちないことがあった時には、少し考える(モンテネグロ・コトルにて/写真:新美敬子)

■「自分の感情を抑え込まない」ことが大切
私たちは「感情を抑え込むのは、立派な大人のすること」と思ってしまっていますが、それによって「自分の感情を無視してしまう」のは違うと思います。
「今、自分は怒っている」「やきもちを焼いている」「気分がよくないんだな」というのをちゃんと認めることは、自分を大切にすることにもつながると私は思います。
「素直な感情」といえば、猫はほめられるのが大好きです。
「かわいいね~」「よくこんな高いところまでジャンプできたね」というと、すごく得意そうな顔をして、何度もやってみたりします。
だから私たちも、人にほめられたときは素直に喜び、落ち込んだときは、遠慮なく人に優しい言葉をかけてもらいましょう。
時には家族や友達に「今、自分はとてもつらい状況だから、気分が上がる言葉をかけてほしい」と頼んでみてはいかがでしょうか。
「そんなこと恥ずかしくて人に頼めない……」という場合は、いい方法があります。
「鏡に向かって自分にニコッと笑いかける」、ただこれだけ! です。
これはどこでもできるし、すこぶる簡単で即効性のある方法です。
私も落ち込んだときによくやっています。
メガネをかけると「いやだ、こんなところにシミが……」とか余計なことが気になりますから、あえてメガネをかけずに鏡の中の自分に向かってニッコリします。
自分が自分に励まされる感じがして、元気を取り戻すことができます。
これも、実は猫から学んだことです。
猫は、ああ見えて「笑顔」が大好きなのです。
人間が笑顔を見せると猫は喜びます。
そしてよく観察しているうちに、猫も笑うことに気づきました。
猫と見つめ合って、大げさにニコッと笑顔を見せると、小さく瞬きをしたり、小首を傾げたりしてくれます。
そんな反応を見ると、私はうれしくなって、心からの笑顔になります。
すると、猫はいつの間にかゴロゴロと喉を鳴らし始めています。
喉を鳴らすことも、猫の笑顔の一種だと思います。
猫も、笑うことで嫌なことを忘れていると思うのです。


「おなかが空いたって、飼い主に伝えてよ」と鳴いていた(ブルガリア・バルナにて/写真:新美敬子)

■「猫そのもの」が癒しの存在
以上、猫に学ぶストレス解消法を紹介してきました。
でも、長年猫と暮らしていてつくづく思うのですが、猫って存在そのものが癒しだし、見ているだけでストレス解消になるんですよね。
嫌なこと、心配なことがあっても、ゴロンとお腹を出して伸びをしている猫や、のんびり居眠りをしている猫を見ると、「まっ、いっか。ありがとうね」という気持ちになります。
もちろん猫の写真を見るだけでも効果大です。
私の猫の写真がみなさんのストレス解消に役立ってくれたらとてもうれしく思います。

【写真でわかる】世界の猫に学びたい!「ストレス解消」の極意

新美 敬子 :世界を旅する犬猫写真家

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