動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

犬・猫の「アジサイ」誤食に注意

2023-07-20 06:11:21 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

犬・猫の「アジサイ」誤食に注意…死に至るおそれも
 「ユリ」「ツツジ」「フジ」にも注意

2023年7月6日(木) 

梅雨の風物詩・アジサイや夏にかけての花とされるユリ。
風情を感じる植物ですが、実は犬や猫が誤って食べてしまうと、場合によっては死に至る可能性もある危険な成分を含んでいます。
散歩の時は誤って食べないよう注意が必要です。

上品な青や紫の花が癒しを与える梅雨のアジサイ。
そして、初夏から夏にかけて見頃を迎えるユリ。
実はこの2つ、有毒成分を含む花でもあるのです。
そこで気を付けたいのが、犬や猫といったペットです。
誤って食べてしまった場合の危険性について、獣医師に聞きました。
松江動物病院 河合賢治 院長 「調べた中でも70くらいの植物が毒性があることが分かりまして、致死性のあるもの、意外と身近な注意せずに接しているものも含まれています」
松江動物病院(島根県・松江市)の河合院長によると、調べた中でも70以上の植物や果物などが犬や猫にとって「毒」となり得る成分が含まれていると言います。
では、アジサイはどのような症状を引き起こすのでしょうか。
松江動物病院 河合賢治 院長 「アジサイは毒の成分として青酸配糖体・アミグダリンという物質が含まれていて、犬や猫の口に入ると消化液で代謝され青酸カリと同じ青酸に変わります。これは猛毒ですから下痢嘔吐、それで済まない場合は死亡してしまいます」
アジサイの葉に含まれる毒性のアミグダリン。
誤って食べた場合、体内で分解され青酸となり、中毒症状を引き起こす可能性があると指摘します。
松江動物病院 河合賢治 院長 「毒性物質は、ある程度の量が体内に入って毒として強く働くので、アジサイの場合、直接口に入れるぐらいの量が入らないと毒としては強いものではないと思います」
また、ツツジやフジといったポピュラーな植物も、犬や猫が誤って食べてしまうと、嘔吐や下痢、呼吸停止などの中毒症状を起こすおそれがあると言います。

そして、猫は「ユリ」に注意が必要です。
松江動物病院 河合賢治 院長 「ユリの花はですね、猫にとって腎不全が起きることが言われています。ユリを生けた花瓶の水を飲んだだけでも中毒で腎不全になるというというものも報告されています。飼っている家は(ユリの花瓶などを)床に置かない方が良いです。仏壇にユリを供えるのも危険です」
毒成分は不明とされていますが、猫が誤って口にすると、葉や茎、花粉など少量でも危険な中毒症状を起こすとされています。
一方、犬にとっては…
松江動物病院 河合賢治 院長 「ユリの毒性成分が特定されていません。不思議と犬に対しては毒として働かない。あまり症例が報告されていないので犬にとっては無害だと考えられています」
河合院長は、すべての犬や猫がこうした植物による中毒症状が出るわけではないとした上で、万が一の際は、早めに動物病院を受診してほしいとしています。
松江動物病院 河合賢治 院長 「植物にはもしかしたら毒があるかもしれないということを知っていただいたうえで「口にさせない」が、最大重要なことだと思います」

【写真を見る】犬・猫の「アジサイ」誤食に注意…死に至るおそれも 「ユリ」「ツツジ」「フジ」にも注意


地中海の「キャットアイランド」でネココロナ発生 30万匹超が死ぬ

2023-07-19 05:53:14 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

地中海の「キャットアイランド」でネココロナ発生 30万匹超が死ぬ

2023年7月18日(火)


地中海の「キャットアイランド」のキプロスでネコのコロナウイルス感染症が流行(2023年7月17日提供)。(c)CGTN Japanese

【7月18日 CGTN Japanese】
「キャットアイランド」と呼ばれる地中海の島国キプロスでは、ここ数カ月、ネココロナウイルスの一種による感染が急速に拡大し、30万匹以上のネコが死にました。
今回発生したネココロナは変異により、ネコの伝染性腹膜炎を引き起こし、発熱や腹部の腫れ、虚弱などの致命的な症状に至ります。
人には伝染しないのですが、ネコには感染力が強いとのことです。
キプロスの動物愛護団体の責任者によると、このネココロナウイルスによる発症率と死亡率は高く、感染すると、約90%のネコが死にます。
キプロスでは今年1月以降、約30万匹のネコが命を落としたとのことです。
また、キプロス獣医師会の副会長によると、感染したネコを治療する方法は、現状では治療薬を投与することですが、非常に高価であり、ネコ1匹を治療するのに3000~7000ユーロ(46万7000円~109万円)が必要とのことです。
地中海の島国のキプロスは世界で最初に飼い猫が飼いならされた地域の一つで、「キャットアイランド」と称されています。
しかし、同国では100万匹を超えるネコの多くが野良猫で、このこともネココロナのまん延の原因で、診断や記録が困難になっています。
専門家は、ウイルスが変異を続ければ、ネコの数が大幅に減少し、さらには周辺国のネコにもウイルスが拡散する可能性があると懸念しています。

(c)CGTN Japanese/AFPBB News


福井県内保護収容犬

2023-07-18 05:53:20 | 保護・収容動物のお知らせ

福井県動物愛護センターで1匹の犬が保護・収容されています。
飼い主の方至急センターへ、そして心当たりの方々のご協力お願いします

【福井県動物愛護センター 本所】
 電話番号:0776-38-2212

収容日:2023年7月15日
保護場所:南条郡南越前町 付近
種類:柴犬風
性別・体格:オス・中型
年齢:不明
毛色:黒白
紺色の首輪着用
公示終了:2023年7月18日


ノネコとノラネコ、同じ猫なのに・・・

2023-07-17 06:08:43 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

ノネコとノラネコ、同じ猫なのに・・・
4万人が署名した「狩猟鳥獣からノネコ・ノイヌを削除」を求める運動が問いかけるもの

2023年7月14日(金)

2023年春、広島・呉で発覚した事件が注目を集めました。
「猫1匹を刃物で突き刺すなどして殺した」として呉市の大学院生の男(24)が逮捕されました。
男は「猫を殺したことに間違いないが、愛護動物にあたらない野猫(ノネコ)だと思っていた」と供述。
この主張はどういうものなのでしょうか。
それは環境省が、鳥獣保護管理法において「ノネコ」「ノイヌ」を狩猟鳥獣として指定しているためです。


ノネコ・ノイヌも実は狩猟鳥獣だったって知っていましたか?

■「ノネコ」「ノイヌ」は、「ノラネコ」「ノライヌ」とは違う?
環境省は、公式コメントとしてこう発表しています。
「生物学的な分類ではペットとして飼われているネコ、イヌと変わりませんが、飼い主の元を離れて常時山野等にいて、専ら野生生物を捕食し生息している個体を『ノネコ』『ノイヌ』としており、飼い主の元を離れてはいても、市街地または村落を徘徊しているようないわゆる『ノラネコ』『ノライヌ』は、『ノネコ』『ノイヌ』には該当せず、鳥獣保護管理法の対象にはなりません」(環境省)
頭が混乱しそうな内容です。
この回答の中に「ノネコ」なのか「ノラネコ」なのか「飼い猫」なのか、あるいは「ノイヌ」なのか「ノライヌ」なのか「飼い犬」なのかを判断する明確な基準が示されていないからです。
「狩猟鳥獣からノネコ・ノイヌの削除」を求める公益財団法人どうぶつ基金(以下、どうぶつ基金)によれば、環境省が明確な基準を回答できないことを解説しています。
「そもそも『ノネコ』『ノイヌ』を見分けることは不可能だからです。つまり、狩猟者自身が対象の猫、犬を主観で『ノネコ』『ノイヌ』と判断すれば、悪質でひどい動物虐待・殺害事件も一転『狩猟』という名のもとに合法化されてしまうということです。環境省が『ノネコ』を狩猟鳥獣に指定していなければ、広島・呉で起きた事件のような、悪質かつ残忍な殺害事件は防げた可能性が高いと考えています」(どうぶつ基金・担当者)

■鳥獣保護管理法と動物愛護法のはざま
こういった人間が設定した曖昧な基準を正すべく、どうぶつ基金は「狩猟鳥獣からノネコ・ノイヌの削除を」と環境省に要請しています。
どうぶつ基金が求める要請に賛同し、署名した人はこれまでに4万筆を超えました。
「環境省が鳥獣保護管理法によって『ノネコ』を狩猟鳥獣に指定していなければ、今回の悪質かつ残忍な殺害事件は防げた可能性が高いと考えています。どうぶつ基金は、今後同様の事件が発生しないために、そして、想像を絶する恐怖と苦痛のなかで命を奪われた猫のためにも、鳥獣保護管理法の狩猟鳥獣から『ノイヌ』『ノネコ』を削除することを求める署名活動を行っています」(どうぶつ基金の担当者)
動物愛護法についても聞いてみました。
「私たちどうぶつ基金は『いきものが自由でしあわせ』を理念に掲げています。人と犬・猫の関係性においても、互いが自由に幸せに共生できることが理想だと考えています。日本には動物愛護法という法律があります。人として彼らと幸せに共生するためにまずやるべきことは、最低限、この法律を遵守した飼い方・接し方をすることです。不備も多く、時に『ザル法』と揶揄されることもある同法ですが、その基本原則には最も大切なことが明記されています。 法律なんて……と思われるかもしれませんが、これすら守っていない動物取扱業者や飼い主がいることはまぎれもない事実です。多くの方がこの法律に目を通し、その理念や内容を理解し、まずは最低ラインを遵守すること。そのうえで、地域事情に合った共生の方法を模索していくことが大切だと考えています」(同)


ノネコとノラネコの違いはあいまい。鳥獣保護管理法の判断では「ノネコを殺す場合は苦痛など配慮は一切しなくていい」ともあります

■鳥獣保護管理法で無罪の可能性も?
前述した「ノネコ」「ノイヌ」に曖昧な基準に加え、鳥獣保護管理法・動物愛護法の双方を照らし合わせてみると、矛盾ばかりを感じますが、どうぶつ基金ではこれらを正し、団体の理念でもある「人と犬、人と猫が互いが自由に幸せに共生する」を実現していきたいと主張しています。
狩猟鳥獣からノネコ・ノイヌの削除を求める活動を積極的に行なっており、さらに多くの署名を求めたい考えです。
「広島・呉で起きた事件は、遠い海外の出来事ではなく、私たちの身近なところで起こった出来事です。地域の方にかわいがられていた『地域猫』が苦痛と恐怖のなかで命を奪われた一方、鳥獣保護管理法のもとで犯人は何の罪にも問われない可能性があります。2023年5月現在、署名は4万筆を超えました。おかしな論理で正当化される動物虐待・殺傷事件を防ぐためには皆さんの声が必要です」と、どうぶつ基金の担当者は署名を呼び掛けています。

公益財団法人どうぶつ基金
https://www.doubutukikin.or.jp/
「猫や犬の殺害犯罪をなくすためノネコ、ノイヌを狩猟鳥獣から削除してください」署名ページ
https://www.change.org/SaveNoneko

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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事故で半身不随の野犬 手術後も残った重い障害

2023-07-16 05:54:55 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

事故で半身不随の野犬 手術後も残った重い障害
「保護団体の施設で生涯を終えるのかな」
 4年後届いた思いがけない連絡「家族に迎え入れたい」

2023年7月4日(火)  

2016年、瀕死の状態で愛護センターに収容されたクラリスという元野犬がいました。
事故で背骨が折れ半身不随の状態でした。
不自由な体でありながらも、必死に自分の身を守ろうと、人間に気を許すそぶりは見せません。
そんな姿を見て、すぐに引き出すことにしたのが、保護犬の譲渡活動を通じ、「殺処分ゼロ」の実現を目指すピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)でした。


瀕死の状態で保護され、障害を抱えることになったクラリス

■「譲渡はきっと難しいだろう」
保護した後、スタッフはクラリスに手術を受けてもらうことにしましたが、折れてしまった背骨の完治には至らず、障害を抱えて暮らすことになりました。
その後、クラリスに少しでも楽に過ごしてもらえるよう専用の車椅子を装着することにし、そしてできる限りのサポートとたっぷりの愛情を注ぐことにしました。
その思いがクラリスに通じたのか、次第に人間に信頼を寄せ、笑顔を見せてくれるようになりましたが、しかし、これだけの障害です。
スタッフは「譲渡はきっと難しいだろう」「ピースワンコの施設で生涯を遂げるのだろう」とも考えていたと言います。

■「保護犬だから」ではなく「クラリスだから」
保護してから4年ほどが経過した2020年、ピースワンコに1本の連絡が入りました。
クラリスを迎え入れたいという里親希望者さんからの連絡でした。
里親希望者さんに「なぜクラリスを迎え入れようと思ったのですか」とスタッフが尋ねると、答えはこうでした。
「『保護犬だから』ではなく『クラリスだから』です。『かわいいから』としか答えられないです。たまたま、クラリスに障害があった、ただ、それだけです。障害=大変とは思ってないです。障害とは出来ないことがあって、それを手伝うことだと考えていて、手伝う大変さというものはあると思いますが、それが大変かは人によって感じ方が違うということじゃないかなと思っています」

■多くの人たちの思いとケアがクラリスの幸せに繋がった
ワンコは瞬時にその人の気持ちや愛情を感じ取るのでしょう、クラリスは、この里親希望者さんの前ではすぐにお腹を見せ、「もともと家族だった」とさえ思わせるそぶりを見せました。
この優しい里親希望者さんの元へと巣立っていったクラリス。スタッフはおおいに喜びましたが、しかし、「自分たちだけが幸せへと繋げたわけではなく、多くの人たちの連携によって幸せへと繋がった」ことも改めて振り返りました。
事故に遭い半身不随だった状態で保護してくれたスタッフ、手術をしてくれた獣医師、部屋の隅でただ怯えているだけのクラリスを外へ連れだした当時の担当スタッフ、クラリス専用車椅子を作ってくれたお掃除スタッフ、そしてこれまで応援してくれたピースワンコを支援してくれる人たち……。
こういった多くの人たちのサポートの元で、クラリスは幸せをつかむことができました。
スタッフは、クラリスの好例を胸に、今後も1頭でも多くの命を救いサポートをし続けたいと思いました。


クラリスに手術を施しましたが、完治には至りませんでした


クラリスを迎え入れた優しい里親希望者さん

ピースワンコ・ジャパン https://peace-wanko.jp/ (まいどなニュース特約・松田 義人)


悪臭の家に84匹の犬、多頭飼育崩壊

2023-07-15 05:57:51 | 動物実験・動物虐待

“囚われの動物たち”悪臭の家に84匹の犬、現実と向き合えない「多頭飼育崩壊」

2023年6月19日(月)

細い土の道を進むとひっそりと佇む平屋の住宅が見えてきた。
まだ外にいるというのに動物の匂いが漂っている。
何十匹もの生命が混ざり合う独特の騒音が、静かな郊外に響く。
世話できないほどのペットを飼う人は昔からいる。
過剰な愛護意識や収集嗜好、孤独の緩和を求めるためなどとされている。
多くの場合、不衛生な環境によりペットの命は軽んじられる。
エスカレートすると、飼い主は自分では手に負えないという現実と向き合うことも困難になる。
行き着く先は、私たちが想像する「ペットとの共同生活」とはかけ離れた特異な世界だった―。

◆小屋で暮らす女性、「野生化」した猫

木材の間から姿を見せた猫

「猫ちゃんおいで、おいで!」
無造作に置かれた材木の間に三毛猫を認めるや、くしゃっと顔をほころばせたのは、佐賀県に住む84歳の女性だ。
取材カメラをかつぐ私たちに何度も頭を下げ「ごくろうさんです」とねぎらった。
この日、私たちは犬や猫の保護活動を行うNPO法人「アニマルライブ」と一緒に女性の自宅を訪ねた。
アニマルライブ・岩崎さん「多頭崩壊のところはみんな野生化してしまい、人慣れしていない猫がすごく多い。それだけ手をかけられないのです」 「猫は人の声と足音がすると逃げてしまう」と話す女性は、小屋に住んでいる。
母屋が火事で全焼したからだという。
年金生活で母屋を建て直す経済的な余裕がなかったのだ。
部屋に上げてもらうと、いつでも猫が食べられるように餌が置かれていた。
この餌は、全国から寄付され、NPOの岩崎さんたちが定期的に届けているものだ。
84歳の女性「餌を持ってきてもらったときはびっくりした!もらってもお返しもできずに気の毒ですよ。猫は人間よりかわいい、人間はやぐらしか(面倒、わずらわしいの意味)。私がまだ達者ならいいけど、弱っているから。我がごとより猫が心配」


小屋の“居間”に黒い子猫がいた

家族は“小屋”に近寄らない。
女性は「孤独に過ごしている」と吐露する。
そして“我がごとより心配な”猫は増え続けている。
居間には段ボールやスーパーの袋が積み上がり、床が見えない場所も多い。
棚状になった一角から、黒い子猫がカメラのレンズを見つめていた。
最近生まれたのだろう。
NPOの岩崎さんは子猫の数が気がかりだ。
岩崎さん「子猫が何匹産まれているかまだわからない。少なくとも25、6匹います。今のうちに減らすなり避妊・去勢の手術をするなりしておばあちゃんの負担をできるだけ軽くしていかないといけない」

◆驚くほどの猫の繁殖力、3年で1→2000匹に増えることも

「多頭飼育崩壊」の現場から保護された犬

環境省によると、猫は1年に2~4回出産し1回に4匹~8匹の子猫を産む。
ほぼ100パーセントの確率で妊娠するため、1匹のメス猫が1年後には20匹以上、2年後には80匹以上、そして3年後には2000匹以上になると言われている。
猫の避妊手術は地域や獣医師によってまちまちだが、おおむね2万~3万円ほどが相場だ。
決して安くはない金額だが、避妊手術がある意味「岐路」になる。
岩崎「飼い主さんによっては避妊・去勢の手術代が出せないとか、お金を使うのがもったいないという人もいて、そのままの状態でどんどん増えてしまう」
取材した佐賀県のNPOにはこの2か月間で「多頭飼育崩壊」の相談が10件寄せられた。
いずれもひとり暮らしの高齢者からだ。
経済的な困窮が原因とみられている。
これまで団体は、山などに捨てられていた犬や猫を保護して里親を探して譲渡したり、高齢で介護が必要な場合は積極的に受け入れたりしてきた。
しかし、ここ数年は「多頭飼育崩壊」で保護した犬や猫だけで150匹を超える。
岩崎さん「結局、手に負えなくなった時に保護団体に連絡してきて助けてくれということなんですけど、飼い主さんの尻拭いをずっとさせられている状態」
飼い主に対する“怒り”や“悲しみ”はもちろんある。
それよりも、放置されるペットが不憫だ。
ペットの命の重みとは、ペットの幸せとは何なのだろうか、自問しない日はない。
そう説明する岩崎さんの腕に抱かれた犬もまた「多頭飼育崩壊」の現場から保護された犬だった―。

◆汚物が放つ悪臭の家にいた84匹の犬

保護当時、病気が末期で腹水がたまっていた

飼っていたのはひとり暮らしの80代の男性だった。
保護した時は「瀕死」の状態だったことを岩崎さんは鮮明に覚えている。
岩崎さん「この子はフィラリア(寄生虫が起こす病気)の予防薬を全然飲ませられてなかったので、病気が末期でお腹がパンパンに膨れていて、腹水がたまっていた。そこからレスキューして病院で治療した。飼い主のおじいちゃんは寂しいから飼われていましたが、ただそれが犬たちにとって本当に幸せかということですね」


悪臭が漂う家から保護された犬

適正に飼育ができない「多頭飼育崩壊」。
保健所には近隣からの苦情が相次ぎ、犬たちは「殺処分」の対象になっていた。
岩崎さんが福岡県内の民家で2019年に撮影された“衝撃的”な映像を見せてくれた。
そこには何かを訴えるようにカメラを見つめる白い犬が何匹も写っている。
絞り出すようなかぼそい鳴き声も聞こえる。
悪臭がひどく汚物が放置されたこの民家で飼われていた犬は全部で84匹。60代の女性が1人で飼育していた。

◆1人あたりの頭数制限で“保護”はもう限界に来ている

アニマルライブの本拠地

佐賀県有田町の木々に囲まれた場所にNPOアニマルライブの本拠地がある。
ここで保護された計167匹の犬と猫が“余生”を暮らしている。
悪臭が漂う家にいた白い犬たちも、一旦はここに引き取られた。
多くはその後、全国のボランティア団体に渡ったが、高齢のものは譲渡会に出してもなかなか引き取り先が見つからない。
どうしても子犬や小型犬を飼いたがる人が多いからだ。
アニマルライブはそんな高齢の動物たちも最期まで幸せに暮らせるように飼育し続けることにしている。
ただ、2022年から段階的に適用されている改正動物愛護法によって、1人のスタッフが扱える頭数は厳しく制限され始めた。
岩崎さん「“保護”はどこでも限界にきている。飼った以上は命をもっと真剣に考えてもらいたい。最後の最後まで飼ってほしい。最低限、避妊・去勢手術はしてほしい」


アニマルライブ・岩崎さん

ペットとの共生は、動物の生命を尊重しないことには成り立たない。
ペットは、人間を一方的に癒やしてくれる便利な存在ではない。
岩崎さんは「寂しさゆえに飼わないでほしい」と力を込める。
増え続ける猫、腹水がたまった犬、カメラを見つめて声を絞り出した84匹の犬。
ペットが置かれた不幸な現実に向き合えなくなるところに飼育崩壊の悲哀がある。

【写真で見る】“飼育崩壊”の家から保護された動物たち、余生を暮らす保護施設


犬々ワンダーランド

2023-07-14 06:12:20 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

「育犬ノイローゼ」になる人も…
漫画家・まんきつが犬を飼う大変さを描いた理由

2023年7月1日(土)

家族やプライベートの仰天エピソードを描いたブログで注目を集め、『アル中ワンダーランド』『湯遊ワンダーランド』などの話題作を送り出してきた漫画家のまんきつさん。
現在、「週刊SPA!」で連載中の『犬々ワンダーランド』では、愛犬との暮らしを描いて新境地を開拓しています。


まんきつさん/撮影:星 亘

人が苦手で臆病なポテト(12歳・雑種・メス)と、人懐っこく怖いもの知らずの銀(3歳・黒柴・オス)。
性格が真逆な2匹とのほのぼのとした日々を、まんきつさんらしいユーモアを交えて描きながらも、犬を飼うことのシビアな現実にも切り込んでいます。
単行本第1巻が6月に発売されたのを記念したインタビューの前編では、犬漫画を連載するに至った経緯や、2匹のワンちゃんを家族に迎えてからの日々、犬を飼うことの大変さについて伺いました。

◆気功漫画がボツになってよかった
 ――雑誌「週刊SPA!」で『犬々ワンダーランド』の連載が始まったときは、まんきつさんらしからぬ……と言ったら失礼かもしれませんが、ずいぶんほのぼのしたテイストの漫画なんだな、と意外に思いました。連載が始まった経緯を教えてください。
まんきつ:
もともとは気功の体験漫画を書こうとしていたんです。
ただ、中にはうさんくさいものもあって、漫画にしたらまずいって話になったんですよ。
企画書を読んだ編集長に「これが世に出たら、まんきつさんの漫画家生命終わっちゃうよ」と言われて。

――確かに今のご時世、うかつに扱うと大炎上しそうなトピックです(笑)。
まんきつ:
だから本当にやらなくてよかったです。
その頃、たまたま犬との暮らしを漫画にしていくつかTwitterにアップしていたので、「じゃあ犬漫画はどうですか」という流れになったのがきっかけですね。

◆保護犬を引き取って知った、保護活動家の切実な思い

『犬々ワンダーランド』より

 ――12年前に家族に迎えたポテト(以下、ポテちゃん)は、「動物を飼いたい」と息子さんに言われて、保護犬だったのを引き取ってきたそうですね。
まんきつ:
昔からなぜか縁あって動物を拾ってくることが多くて。
「自分が面倒みないと保健所行きだろうな」と思うと、「だったら自分が引き取ったほうがいいんじゃないか」という気持ちになってしまうんですよ。
ただ、動物はやっぱり別れがつらくなることを知っているので、できれば飼いたくなかったんです。
子供の頃に実家で犬を飼っていたことはあるんですが、今から40年くらいも前のこと。
外飼いが主流だった昔と今では、飼い方のルールやしつけもぜんぜん違うので、今から飼うのは大変だろうな、と思っていました。

――ポテちゃんの保護主だった荻原さんに取材した回は、すごく考えさせられました。
まんきつ:
30年間、病院や餌の費用もすべて自腹で保護活動をされていて、猫ちゃんを住ませるために隣の空き家を購入しちゃうような方で。
不幸な犬猫や殺処分に心を痛めるあまり、「もし魔法が使えるなら、いっそのことこの世から動物を消したい」とまでおっしゃるんですよ。
犬や猫だけじゃなくて、すべての動物が少しでも酷い目に遭うのが耐えられないんだろうなと思いました。

◆銀ちゃんとの出会いはペットショップ。でも、生体販売への疑問も…

左から、銀とポテト(写真:まんきつさん提供)

――実際にワンちゃんを飼うようになって、ご自身の生活は変わりましたか?
まんきつ:
変わったなんてもんじゃないですね。
犬がいると、生活が全部犬中心になるんです。
ちょっと出かけても犬のことが気になっちゃって、「早く家に帰らなきゃ」と思ったり。
それに、犬ってびっくりするほど表情が豊かなんですよ。
ときどき人間と暮らしているような錯覚に陥ります。
ほんとうに「同居人」って感じですね。

――3年前に迎えた銀ちゃんは、ペットショップで購入されたそうですね。
まんきつ:
銀ちゃんはペットショップで見たとき、本当に一目惚れだったんですよ。
抱っこしたとき、自分の胸が張って母乳が出そうになるのがわかったんです。
以前、中国で猿の赤ちゃんを拾った老婆から母乳が出るようになった、という話を読んだことがあるんですけど、それに近い状態になったんだと思います。

――ペットショップで動物を買うことには批判もありますが、そこはどう思われますか。
まんきつ:
ペットショップで一目惚れなんて、一番叩かれるやつですよね……。
私も自分で買っておいてなんですが、もう絵に描いたような「抱っこしてみますか?」「はい」みたいな流れで。わかっていながら策略にはまってしまいました。
そこに対する負い目も少なからずあります。
ただ、調べれば調べるほど、生体販売への疑問が頭をよぎって。動物行政が「殺処分ゼロ」を実現できているのは、愛護団体が殺処分になる前の犬猫を行政の施設から引き取っているからなんです。
行政がボランティアに頼り過ぎて、負担がボランティアに集中してしまっているのが現状なんです。

◆犬も人間も社会性の動物

写真:現代ビジネス

――そんな銀ちゃんの噛み癖に手を焼いて、犬を訓練・教育する専門の学校「ミナクル」に預けたエピソードも印象的です。プロのトレーニング機関に預けてみてよかったですか?
まんきつ:
プロは本当にすごいです。
銀ちゃんはトイレトレーニングにもかなり苦戦したんですけど、「ミナクル」に預けたら2~3回通っただけで、1週間も経たないうちにできるようになったんです。
それからは絶対失敗しないですし。
どうやって教えているんだろうと思って取材もさせてもらいました。

――パピー(子犬)期のうちに社会性を身につけさせる「社会化」のトレーニングをしないと、成犬になって問題行動が多くなる、というのは考えさせられました。
まんきつ:
もともとは「ミナクル」の校長先生が大学生のとき、初めて迎えたワンちゃんが社会性を学ばないまま成犬になってしまって、人には懐かないし、吠えるし、噛むし……と大変な思いをしたらしくて。
犬にとっての社会化の大切さを身に染みて感じて、「ミナクル」を設立したそうです。

――“社会性の動物”という意味では私たち人間も身につまされるところがありますね。
まんきつ:
そう。
私みたいに人付き合いや集団行動が苦手な犬は大変だろうな、と思って。
私は犬だったら完全にポテちゃんタイプなので。

◆犬と暮らす覚悟や大変さも伝えたい

写真:現代ビジネス

――漫画家の沖田×華さんと桜壱バーゲンさん夫婦が登場する回では、お2人が“育犬ノイローゼ”になってしまったエピソードも描かれていました。
まんきつ:
初めて犬を飼う人はその大変さに面食らうと思うんですよ。
コロナ禍をきっかけに犬を迎えた人はたくさんいるんですけど、中には「こんなに大変だと思わなかった」って手放しちゃう方もいるみたいで。
世の中には「犬飼ってます! かわいいです!」みたいなエピソードや動画ばかり流れてくるじゃないですか。
だから今回の漫画では、犬と暮らす覚悟や大変さも伝えられたらいいなと思って描いているんです。

――例えば、都会の一人暮らしで、会社勤めをしていて……という方が、社会化のトレーニングが必要なパピー期の犬を飼おうとしたら大変ですよね。
まんきつ:
正直、あんまりおすすめはしないですね。
私はほぼ一日中家にいて漫画を描いている仕事だし、家を空けるのは1カ月に1~2回、それもせいぜい5~6時間出かけるくらいですから。
とくに飼い始めて最初のパピー期は、ご家族と住んでいて誰かは必ず家にいるとか、そういう方じゃないと結構厳しいんじゃないかと思っちゃいます。
犬は大昔から人間の相棒なのに、人間側の知識が更新されずに、古いままなのは残念ですね。
昭和の子どもは、体罰当たり前、部活中は水を飲むな、という意味不明な苦行を強いられてきましたが、今は子どもは褒めて育てて、自己肯定感を高めたら幸せ、という流れじゃないですか。
犬の飼い方もしつけ方も犬との出会い方も、知識を更新していけたら、犬も人も幸せになると思います。

【漫画を読む】『犬々ワンダーランド』1巻の試し読みはコチラ

◇続く後編「『犬を飼うにも対人スキルが必要』漫画家・まんきつが2匹と暮らして気づいたこと」では、犬を飼うこととコミュ力の関係について考えます。

福田 フクスケ(編集者・ライター)

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路上で豚発見 ペットの可能性も

2023-07-13 06:09:51 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

路上で豚発見 ペットの可能性も 茨城県警行方署が保管

2023年7月7日(金)  

茨城県行方市内の道路上で豚が見つかり、県警行方署が拾得物として保管するとともに、飼い主や引き取り手を探している。


行方署で保管している豚=行方市麻生

同署によると、7月1日午後3時半ごろ、同市小貫の道路で、車で通りかかった男性から「豚がいる」と通報があり、駆け付けた同署員が捕まえた。
豚は体長約100センチ、体高約40センチで、雄とみられる。
両耳が目を覆う形で垂れているのが特徴。
人に慣れ、発見当初はビニールのようなひもが首に巻かれていたことから、ペットとして飼われていた可能性があるという。
健康状態は良好で、現在は同署員の世話で餌を食べたり、周辺を散歩したりしている。
市内の養豚場に該当する豚はおらず、飼い主か引き取り手が見つかるまで、同署が保管することになりそうだ。

茨城新聞社


「人に馴れる見込みない」保護犬31匹、殺処分検討

2023-07-12 06:06:25 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

「人に馴れる見込みない」保護犬31匹、殺処分検討…警戒心依然強く

2023年7月1日(土)

劣悪な環境の中、秋田県藤里町などで犬が多頭飼育されていた問題で、県は保護している犬の一部を「人に馴(な)れる見込みがない」として殺処分する検討に入った。
首輪を付けたり、なでたりできないなど、人への警戒心が強いままの犬が対象になる見込みで、今後、慎重に判断する。
専門家は多頭飼育を防ぐため、福祉面での連携の必要性を指摘している。


檻の中で人を警戒する保護犬(26日、秋田市の県動物愛護センター分所で)

県は2022年2、3月に藤里町、能代市、羽後町の住居で多頭飼育されていた犬56匹を保護し、県動物愛護センター(秋田市雄和椿川)と分所(同市浜田)で預かってきた。
飼い主の女は同年3月、動物愛護法違反(虐待)で略式起訴され、秋田簡裁から罰金20万円の略式命令を受けた。
犬はふん尿のたまった部屋に閉じ込められるなど「ネグレクト(飼育放棄)」状態に置かれていた。
保護時は人を怖がり、近づくとかみつこうとしたり逃げようとしたりしていた。
センターの獣医師や職員が給餌の機会などを生かして人を受け入れられる状態になるよう試み、一部の犬は首輪が付けられるまで人に馴れたという。
これまでに一般県民と県内の動物愛護団体に計19匹を引き渡し、県外の動物愛護団体へも引き取りを打診してきた。


(写真:読売新聞)

ただ、31匹が人への警戒心が強いまま残された。
中には抱くとフンを排せつするほど怖がる犬もおり、県生活衛生課では「保護から1年4か月たってもこの状態のままであれば、今後も人に馴れる見込みがないだろう」とみている。
同課によると、センターは譲渡可能な犬と猫を一時的に保護する施設として位置づけられている。
通常は保護した段階で譲渡や殺処分の検討を行うが、56匹の犬は保護の背景を考慮して検討を先延ばししていた。
ただ、施設には檻(おり)(縦約1メートル、横約1・5~4・25メートル)が40基しかなく、通常は1基1匹のところを最大3匹入れるなどして、他の動物を収容できるようにしてきた事情もあるという。
センターでは6月に作成した基準を基に、31匹の譲渡の適性を判断する。
具体的には
〈1〉首から背中に向けて優しくなでられる
〈2〉首輪を付けられる
〈3〉リード付きで歩ける
――の3項目が達成できない犬は殺処分の検討に入ることにしている。
日本獣医生命科学大の水越美奈教授(人と動物の関係学)は「『殺処分はかわいそう』だけではなく、檻の中で生涯過ごすことに苦痛がないのかなど、犬の幸せを考える視点が重要。保護施設は新しくやって来る犬のためのスペースを空けておかなければならないなど、色々な状況を鑑(かんが)みて考える必要がある」と話す。
保護犬が発生する原因となった多頭飼育問題については、飼い主が経済的に困窮していたり、社会的に孤立していたりするケースが多いと指摘する。
問題が顕在化する前に行政の社会福祉担当の部署が予兆を把握していることもあり、「危ないサインに気付いたら早期に動物担当へ伝えるなど、社会福祉の部署と動物担当の部署が連携することも有効だ」と話している。

6匹の飼い主募集

なでられるほど人に馴れた保護犬。新たな飼い主を募集している

県は譲渡可能な6匹の飼い主を募っている。
終生にわたり飼うことができる県民や県内の動物愛護団体などが対象。
県生活衛生課は「社会性を身につける機会を十分与えられずに育てられた犬たちで、根気強く向き合い、長い目で付き合える飼い主に申し込んでいただきたい」としている。
問い合わせは同課(018・860・1593)へ。


雑種猫の意外なトリビア

2023-07-11 05:57:09 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

実は深い歴史が。「雑種猫(ミックス猫)」の意外なトリビア

2023年6月23日(金)

世界には、約300種もの猫種があるといわれていますが、日本で飼育されている猫の多くが、雑種猫です。
雑種猫が繁殖する主なルートは、野良猫同士での交配によるものです。
そのほか、異なる純血種の親猫とのあいだで意図的に交配した子猫を「ハーフ猫」や「ハイブリッド猫」と呼んで区別することもあるようです。
近頃では「雑種=野良猫」というイメージを払拭するため、「交配種」や「ミックス」という新しい呼び方をするケースも増えてきています。
今回は、そんな雑種(ミックス)猫に関する共通した特徴や、あまり知られていないトリビアなどを、猫写真家の石原さくらさんに伺いました。


Mix(ミケ)の鈴ちゃん♪

◆純血種に比べて、危機察知能力が高い!
純血種は、その見た目や性格を残そうと、人の手で交配を繰り返して作り出したものです。
しかしミックスは自然に交配をして、自分の命を自分で守りながら暮らしてきた歴史があります。
そのため、自力で生き抜くための力である危機察知能力などが、ミックスの遺伝子に組み込まれて脈々と受け継がれてきたのです。

◆今後はかぎしっぽの猫はレアになっていくかも
カギしっぽは、主に長崎県や離島などの限定された地域で多く繁殖してきました。
ただ、長いしっぽの猫とカギしっぽの猫が交配した場合、生まれてくる猫は「長いしっぽ」の猫が多い傾向にあるそうです。
近年はノラ猫の不妊治療が進みつつあるため、カギしっぽの猫は今後減少していくと考えられています。

◆日本初の飼い猫は「黒のミックス猫」!
日本で最初に猫の存在が記録されたのが、平安時代初期に記された宇多天皇の日記です。
そこには「中国から渡ってきた黒猫を先帝の光孝天皇から譲り受け、5年にわたって大切に育ててきた」とつづられていました。
この日記の内容から、日本で初めて飼育された猫の色は「黒」とわかったのです。

◆長いしっぽの猫は中国から来たらしい!

Mix(ミケ)のつばきちゃん♪

日本には古くから「京の猫は尾の長い唐猫」という言い伝えがあります。
唐とは昔の中国のことなので、中国から入ってきた尾の長い猫が京都を中心に飼育されていたことから、このような言い伝えが残ったのではと考えられています。
実際に、平安時代から室町時代の絵画に描かれた猫を調べると、全て長くてまっすぐなしっぽが描写されていたという研究結果もあるそうですよ。
生き抜く力が強かったり、日本で最初に飼われていたりと、あまり知られていないトリビアが満載のミックス猫。
純血種に勝るとも劣らないさまざまな歴史があるのです。

お話を伺った先生/石原さくらさん(猫写真家 猫研究家 愛玩動物飼養管理士1級)
参考/「ねこのきもち」2021年3月号『純血&ミックスのニッチなネタが満載!明日きっと話したくなる 猫種トリビア』
文/東里奈 ※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

ねこのきもちWeb編集室

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