動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

炎天下の犬の散歩、絶対やめて!

2023-07-30 06:10:58 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

「心臓がバクバクしました」炎天下の犬の散歩、絶対やめて!
「熱中症で命を落とします」動物愛護センターのボランティアが注意喚起

2023年7月18日(火)  

全国各地で厳しい暑さが続く中、炎天下に犬の散歩をしている飼い主さんたちに向けて、こんな注意喚起の投稿がTwitterで注目を集めました。
「30℃の気温の中買い物で出かけた1時間の間に散歩させられているトイプー、シーズー、茶ラブを見かけ、心臓がバクバクしました。死にますよ?熱中症で命を落とします。ご自身が毛皮を着て這いつくばって木陰もないコンクリートの上をハイハイしてみてくださいよ。想像力を働かせてください。」
投稿したのは「お散歩隊」さん(@osanpo_center)。
千葉県動物愛護センター(本所・千葉県富里市)に収容されている譲渡対象となった犬たちの散歩をサポートしているボランティアグループです。
今回投稿したお散歩隊の管理者によると、30度と真夏日を記録した日の午後、買い物で外出した時に炎天下で犬を散歩している人たちに出くわしたといいます。
「暑い日差しの中でお散歩させられている子たちを見かけたのは、13時頃から出かけた小一時間のことです。3匹一緒ではなく、それぞれ別々の飼い主さんに連れられていました。その際、どの子もひどいパンティングという口を大きく開けて浅く速い呼吸をしていたんです。見た瞬間、『死んじゃうってば!』と私の心臓がバクバクしました…」

散歩中の犬の荒い息づかいに要注意! 熱中症かも…!?


こうした荒い息づかいのパンティングは犬が熱中症になったときの症状の一つとのこと。
そんな犬たちの様子を見て心配したものの、声を掛ける間もなく飼い主さんたちは足早に通り過ぎて行ってしまったそうです。
さらに夏は道路のアスファルトの温度が60度を超えるほど熱くなることもあるといい、炎天下で動く犬などは要注意だと訴えます。
「飼い主さんが靴を脱ぎ、毛皮を着て裸足でアスファルトなどの上を歩いてみると犬がどれだけ命の危険にさらされているのか、一番分かるのではないかと思います。夏場のお散歩は太陽が出ている日中は避け、朝夕の涼しい時間や地面の熱が下がっている時間帯に行くことです。特に路面温度が上昇して素手では触れられないような時は絶対避けるべき。 また、車やカートで木陰の多い公園に犬を連れて行って散歩するなど、いつもの生活リズムや環境に変化をつけることも大切。それを面倒がって命の危機管理ができないようであれば、家族として犬や猫など動物を迎える資格がないと思います。昭和の時代とは全く違う、殺人的な猛暑となったこの時代ですから…クールベストなどの熱中症防止アイテムも活用するのもおすすめです」


夏は道路のアスファルトの温度が60度を超えるほど熱くなることも
【注意喚起のポスター】炎天下のお散歩は危険です!

   ◇   ◇

管理者によると、お散歩ボランティアは、同動物愛護センターに収容後、選定を経て譲渡対象になった犬たちの社会化、馴化(じゅんか)をサポートするために開始。
以前は外に出ることもなく、収容棟のケージ内にいるしかなかった犬たちを犬らしく、心身ともに健全な状態に近づけられるよう、散歩を通して取り組んでいるそうです。
収容棟前のドッグランも「多くの人からのご支援やご厚意を得て建設し寄贈しました」とのこと。
またお散歩ボランティアは、お散歩隊のメンバーのほか、一般の参加者を募っています。
毎週金曜日に実施。管理者は「少しでもセンターの現状に触れ、お散歩ボランティアの体験を通して犬や猫についてのさまざまな問題に目を向けて欲しいと考えています」と話してくれました。
問い合わせは、Eメールで。


お散歩ボランティア中。左からつつじちゃん、ひまわりちゃん、あさがおちゃん(お散歩隊さん提供)


お散歩ボランティア中。大五郎くん(お散歩隊さん提供)

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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愛犬とともに太平洋を3か月漂流

2023-07-29 05:50:11 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

愛犬とともに太平洋を3か月漂流 男性が奇跡の生還
 生魚と雨水で飢えをしのぎ… メキシコ

2023年7月19日(水)

日テレNEWS
奇跡の生還です。
愛犬とともに太平洋を漂流していた男性が3か月ぶりに救助されました。

約3か月間、太平洋で漂流し、奇跡の生還を遂げたティモシー・シャドックさん(54)。
18日、しっかりとした足取りで歩いて船を下りると、笑顔を浮かべました。
白いひげが長く伸びています。
ティモシー・シャドックさん 「かなりおなかがすいていたし、嵐を乗り切れるとは思っていなかった」
今年4月、シャドックさんはメキシコから出航しました。
しかし、数週間後に嵐で船が損傷し、通信機器も壊れたため、助けを呼ぶことができなくなったといいます。
それから約3か月後、マグロ漁船がシャドックさんを発見しました。
そのときの様子が撮影されていました。
マグロ漁船員 「こんにちは、英語を話せますか?」
シャドック 「はい。ありがとうございます」
マグロ漁船員 「出発の日付はわかりますか?」
シャドック 「はい、メキシコを出発して…」
救助された時、船の上には“1匹の犬の姿”もありました。
ティモシー・シャドックさん 「ベラは素晴らしい。あの犬は別格だよ」
シャドックさんは、愛犬の“ベラ”とともに漂流していました。



生魚を食べたり雨水を飲んだりして生き延びたということです。
過酷な状況も、愛犬の存在によって耐え抜くことができたのでしょうか。
3か月ぶりに地面を踏んだシャドックさんは、健康状態に問題はないと話しているということです。



【男性が奇跡の生還】愛犬とともに太平洋を3か月漂流 メキシコ - YouTube
犬と一緒に太平洋を... 3カ月漂流 奇跡の救助 - YouTube
太平洋で3カ月漂流 奇跡の救助 愛犬に勇気づけられ - YouTube


猛暑の中、子猫をゴミのように遺棄

2023-07-28 06:10:22 | 動物実験・動物虐待

子猫をゴミのように遺棄「なんてひどいことを」
 猛暑の中での非道行為に非難殺到

2023年7月17日(月) 

保護時はひどい猫風邪、1匹は角膜炎で失明寸前の状態
厳しい暑さの中、発泡スチロールの箱の上からビニール袋をかぶせられ、まるでゴミのように遺棄された4匹の子猫……。
そんなかわいそうな捨て猫を保護したという投稿が、ネット上で話題を呼んでいる。
鹿児島でマンゴー農家を営む農業姉妹(@tfy0411)さんに、発見時の状況と投稿に込めた意図を聞いた。


放置された子猫たちの発見時の様子【写真:本人提供】

「いつかあるだろうとは思っていたけど、初めてお店の前にあからさまな捨て猫をされました」
今月5日に行われた投稿は、6000件を超えるリツイート、3.4万件の“いいね”を集めるなど話題に。
「こんな炎天下の夏になんて酷いことを」
「この暑さでビニール袋に入れて放置して捨てたなんて殺したと同罪」
「本当にこんな奴らは逮捕して実刑にすべきだわ 余りにも罪の意識が無さ過ぎる」
「これは犯罪なんだけど警察も本腰入れて犯人を探さない。万が一、捕まっても刑罰は甘々。そりゃ捨てる人は居なくならないよ」
と憤りの声が相次いでいる。

鹿児島県内のマンゴー直売カフェを拠点に保護猫活動を行っているという投稿者は、発見時の状況について「夕方、直売所から数十メートル離れたマンゴーのハウスで作業をしていましたが、午後7時前に直売所へ戻ると、直売所手前のデッキスペースの入口に袋に入った箱があるのに気づきました。何だろう? と思いましたが、数メートル手前で袋の中にうっすらと動く影が見えて、もしかして……と思ったら案の定、子猫が入っていました。他の保護ボランティアさんのところに子猫が遺棄されていた話を聞いたこともありますし、うちのお店は人通りの少ない場所にあるので、そういったことがいつか起こるのではないかと心配は常にしていました」と説明。
ビニール袋の口は縛られており、空気穴も空いていなかったという。
保護した猫の現状について「ひどい猫風邪で1匹は角膜炎がひどく、下手したら失明するところでした。保護した翌日に病院にかかり、今ではごはんをたくさん食べて元気に育っています。失明寸前の子については、改善傾向ではありますが、まだ完治はしていません」とした。
今後については「小さい子は終日、目を配らないといけないため、私自身のほか、日頃からうちの従業員もミルクボランティアとしてお世話をしてくれています。今回も比較的手が空いていたスタッフが4匹を連れて帰り、夜間などは面倒を見てくれています。離乳が済んで、トイレをちゃんと覚えたら里親さんを募集する予定です」としている。
今回の投稿に込めた意図について、投稿者は「より大きく拡散されて、猫たちを遺棄した人の目に届いてほしいということです。見た人が、きっと遺棄に対する怒りのコメントを寄せてくださるだろうと思いましたので、私の気持ちだけでなく、周囲から見ても、あなたのやったことはひどいことなんだというのが伝われば良いと思いました。こんなに注目されてしまうほどのことなんだ、ということを当事者以外の人にも知ってもらうことで、今後の抑止力にもなってくれたらいいなと思います」と話している。


元気に育っている保護された4匹の子猫、現在の様子【写真:本人提供】

ENCOUNT編集部


「愛情で救える命がある」社会起業家へ走り出す沖縄の高校3年生

2023-07-27 05:57:38 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

「愛情で救える命がある」社会起業家へ走り出す沖縄の高校3年生
 ペット殺処分ゼロへ独居高齢者に譲渡策を探る シリコンバレーで研修も

2023年7月17日(月) 

【宜野湾】
ペットをみとった今は、1人暮らし。話し相手がいなくなった家はあまりに静かで…。
そんなお年寄りに猫や犬をもう一度迎えてもらい、「殺処分ゼロ」をかなえたいと考える高校生がいる。
宜野湾市の沖縄カトリック高校3年のラザフォード・クリスティー・雛子さん(18)=北谷町在住。
「もちろん簡単じゃない。でも、きっと何かできると思う」。
解決モデルを探り、社会起業家として走り出そうとしている。
(中部報道部・平島夏実)

 
企業を目指すラザフォード・クリスティー・雛子さん(提供)

社会起業家は、社会の課題をビジネスで解決する。
興味も強みも分からず進路に悩んでいたラザフォードさんだが、「ペットの殺処分をなくせたら」という気持ちはあった。
胸に手を当てて考えると、自宅のチワワの「ココちゃん」が原点。
重度の皮膚病に苦しみ、ブリーダーの元で売れ残っていた。
ガリガリに痩せ細り、生死をさまよっていた。
知人を通じて引き取った母が動物病院に通い、餌をあれこれ試した姿を覚えている。


一命を取り留めたラザフォード・クリスティー・雛子さん宅のチワワ「ココちゃん」(提供)

「愛情で救える命がある」と強く感じた。
一方で、ココちゃんは殺処分されていたかもしれないとも思った。
どんな生き物も、そうあってほしくない。
まずは全国的に処分頭数の多い猫から始めようと思った。
高校2年の時、次世代のビジネスリーダー育成プログラム「Ryukyufrogs(琉球フロッグス)」に参加した。
投資家などから助言を受け、今春にはIT企業が集まる米国カリフォルニア州のシリコンバレーで研修を受けた。
「社会を良くしたい」という熱意と、ビジネスの厳しさのはざま。
煮詰まった時には「現場」に立ち返った。
「もう一度飼いたい」と切実な声を聞いた読谷村の高齢者施設。
「単に譲渡すればいいというわけではない」と猫の幸せを考える保護団体。
獣医師への聞き取りでは、1人暮らしのお年寄りが急に入院した場合や、認知症になって猫の健康状態を把握しにくくなった場合の支援が必要だと分かった。
ラザフォードさんは、お年寄り向けの既存の見守りサービスを基に、ペットとの生活をどう支えられるか探っている。
卒業まで約8カ月、生の声をもっと聞きたいと思っている。
「考えるだけでは進まない。行動は、やりたいことをかなえる近道だから」

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(写図説明)
起業を目指すラザフォード・クリスティー・雛子さん(提供) (写図説明)一命を取り留めたラザフォードさん宅のチワワ「ココちゃん」(提供) (写図説明)(左)読谷村内の高齢者施設で聞き取りをするラザフォードさん(右) (写図説明)(右)米国カリフォルニア州のシリコンバレーで研修を受けるラザフォードさん(右端)(いずれも提供)


記録的な大雨で川が増水…行方不明になった人の飼い猫7匹を保護

2023-07-26 06:04:00 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

記録的な大雨で川が増水…行方不明になった人の飼い猫7匹を保護
 保護団体「ふっくらとしてて幸せに暮らしていた猫ばかり…無念」

2023年7月17日(月)  

全国各地で大気が不安定になり「線状降水帯」が発生するなど激しい雨が降り続いて、土砂災害や浸水、河川の氾濫など災害が相次いでいます。
今月1日深夜、記録的な大雨となった山口県美祢市内では軽自動車のドライバーが行方不明に。
そのドライバーが飼っていた猫7匹が家に残されたままとなり、地元の動物保護団体が無事保護しました。
保護したのは、同県長門市内で20年以上にわたり犬猫の保護活動をしているNPO法人「ちびたまのしっぽ愛護会」代表の山下未愛(みのり)さん。
山下さんによると、1日午前1時ごろ、美祢市内の県道で道路が冠水したため、7台ほどの車が立ち往生し、軽自動車のドライバーの飼い主だけが行方が分からなくなったといいます。
「当時、同市内を流れる厚狭(あさ)川が増水。軽自動車は流されたのか歩道の上に乗り上げていて、運転席の窓が開いていたらしく、このままでは車ごと流されると思って飼い主さんは車から降りられたのではないかと…そのまま増水した川に流されたのだと思います」
同市では、1日にかけて線状降水帯による記録的大雨が降り、厚狭川の氾濫をはじめ住宅の浸水、線路の崩落、水道の断水などさまざまな災害に見舞われたとのこと。
また13年前の2010年7月にも、集中豪雨のため同川の氾濫による大規模な浸水被害などが起きたそうです。
「以前も大洪水になり家まで流されたり死者が出たりしました。今回も住宅や線路などに多大な被害が出ています。この状況の中、警察が捜索していたとのことですが、飼い主さんの行方はまだ分からないようです」


行方不明のドライバーが猫7匹を飼っていた。写真は、とらちゃんと見られるキジトラ雄。2歳1カ月の最年少という(山下さん提供)

捜索3日目、軽ドライバーの飼い主行方が分からず…保護団体、猫7匹を里親募集へ
そして捜索3日目になり、ドライバーが勤めていた職場の同僚から山下さんのところに連絡がきたといいます。
「同僚の方から行方不明になった飼い主さんの猫7匹についてのご相談でした。飼い主さんのご自宅に猫たちだけが置き去りになってしまい、身内の方から猫のことを頼まれて同僚の方が毎日お世話に行っているとのこと。行方不明になって3日目になり、お元気で戻ってくることは難しいんじゃないかと…戻ってくることがなかったら、猫たちをどうしたらいいかととてもご心配されていました」
ドライバーの身内も猫たちを引き取ることは難しく、地元の保健所に相談したとのこと。
そこで最終的にドライバーの同僚から相談を受けた山下さんのシェルターに猫7匹を一時的に受け入れることとなりました。
「飼い主さんが住んでいた地域は野良猫が多く、おそらくご自身で保護された猫たちだと思います。また完全室内飼育でふっくらとしてて幸せに暮らしていたと想像できます。これだけの猫たちを大切に育てていて、飼い主さんはきっと優しい方だったんだろうなと切なくなりました…無念です」
7匹の猫たちの名前は、とらちゃん、みきちゃん、みーちゃん、ぴーちゃん、しろちゃん、ゆきちゃん、くーちゃん。
かかりつけの獣医師によると、猫の名前は分かるものの、どの毛色の猫の名前なのか…把握していなかったとか。
とはいえ、行方不明になった飼い主さんはいまだ見つからず。
猫たちのそれぞれの名前が判明しなくとも、山下さんは猫たちの里親を募集することに踏み切りました。
「猫たちは状況が変わり過ぎて落ち着かない様子を見せていますが、私たちのシェルターよりも一般家庭でかわいがっていただくことで少しずつ落ち着いてくるかと思っています。 飼い主さんの安否が分からないまま複雑な気持ちではありますが、身内の方の引き取りが難しいこともあり、里親さんを募集させていただきます。 成猫ですが、みなかわいくて健康な子ばかりです」
里親募集についての問い合わせは、ホームページ「ちびたまのしっぽ愛護会」の「里親応募フォーム」まで。

【写真7枚】保護された7匹の猫たち

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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声が掛からず2年間も愛護センターに収容された30キロの保護犬

2023-07-25 05:56:38 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

声が掛からず2年間も愛護センターに収容された30キロの保護犬
 日なたをぐいぐい歩くのが好き 引っ張られたスタッフは筋肉痛に 

2023年7月13日(木)

東京・足立にある保護犬カフェ・PETS(以下、PETS)のスタッフが、宮崎の愛護センターに見学に行った際のこと。
大半のワンコたちが鳴き中、30キロ以上はあると思しき巨体で悠然としたワンコと目が合いました。
聞けば、あられという名のこのワンコ、2年間も愛護センターに収容されたままで、どの団体からも声がかからなかったそうです。
スタッフは、多くのワンコを保護し新しい里親さんへと繋げてきた経験から、「この子は絶対いい子」と確信。
あられを引き出すことをすぐに決め、東京に連れて帰ることにしました。


かなりの巨体で、目が合うと一瞬ドキッとしますが、実はとてもかわいいあられ

■散歩が大好きで「私帰るのイヤ!」とゴネることも
あられがどんな経緯で愛護センターに保護されたのかはわかりません。
ただ人馴れしており、保護した当初から上手に散歩できたことから以前は飼い犬だったのかもしれません。
あられが好きなのは「日なた」です。
散歩に出かけると、日の当たるところばかりを歩き、家に帰ろうとすれば「帰るのイヤ!」というアピールします。
巨体でありながら、愛らしいそぶりを見せるのでした。

■おっちょこちょいで素直な一面も
といってもやはりこの巨体です。
散歩中は、「自動車か?」というほどのパワーでリードを引っ張るため、スタッフは連日筋肉痛に悩まされたそうです。
さらにデコボコした石段などを歩くことを好みますが、スタッフが「そんな端っこを歩いたら危ないよ」と思っていると、石段から落ちてしまうことも。
他のワンコのオモチャを「ちょっと借りる」つもりで遊んでいたところ、あまりの強さから破壊してしまいスタッフから叱られてシュンとするなど、おっちょこちょいであり、すごく素直なところもまたあられのチャーミングなところです。

■第2の犬生を送ることに
エピソードに事欠かないあられですが、先日「迎え入れたい」という優しい里親希望者さんが現れ、PETSを巣立っていくことが決まりました。
スタッフは大喜びですが、存在感が半端なかったあられがいなくなることには寂しさも伴いました。
2年間も愛護センターで過ごしたあられです。
これからの第2の犬生では、いつまでもあられがあられらしく過ごし、絶対に幸せになってほしいと願って送り出しました。
たまにはまたPETSに顔を見せてね、どすこいあられちゃん!


大きな体を小さく小さく丸めて眠ります


ついに幸せをつかんだね。おめでとう!

保護犬カフェ・PETS https://ameblo.jp/pets-adachi203/

(まいどなニュース特約・松田 義人)


民家で猫80匹の多頭飼育崩壊

2023-07-24 05:51:20 | 動物実験・動物虐待

民家で猫80匹の多頭飼育崩壊、約20匹の死体も発見…虐待か?
 神奈川の動物愛護団体が刑事告発

2023年7月9日(日)   

神奈川県横浜市内の民家で猫が増えすぎて、飼い主が適正飼育をせず「多頭飼育崩壊」が起き、周辺住民の住環境に多大な影響を及ぼしていたことが分かった。
5月初旬には飼い主が猫たちの所有権放棄を申し出て、同市内にある動物保護団体「おーあみ避難所」(代表大網直子)が猫約80匹を保護。
さらにこの民家から20匹近い猫の死体が見つかるなど、飼い主による虐待(ネグレクト)の疑いとして「一般社団法人 動物虐待インターベンション」(神奈川県、代表河野治子)が動物愛護法違反の罪で告発した。
飼い主側は否認しているという。


神奈川県横浜市内の民家で起きた「多頭飼育崩壊」。約80匹の猫が保護された(河野さん提供)

◆近隣住民から「猫の死体のようなものが…」と、動物愛護団体へ相談
民家の多頭飼育崩壊が発覚したのは3月中旬。
動物虐待インターベンションの河野さんのところに「猫の死体のようなものが玄関口から見えていた」などと、段ボール箱から猫のしっぽが垂れ下がっている写真が送られてきた。
河野さんが現場に急行したところ、写真と同じ位置にしっぽが出ている段ボール箱を発見。

「動かない猫のしっぽが垂れ下がった段ボール箱」が発見され、事件が発覚
河野さんのところに送られてきた段ボール箱から猫のしっぽが垂れ下がっている写真(河野さん提供)

全く動かない状態だったため、警察や横浜市などに通報・相談し、同日玄関で8匹ほどの猫の死体が見つかったという。
「今回の現場で段ボール箱の猫を確認した後、横浜市動物愛護センターなどに情報提供に行きました。1月中旬から近隣住民は『ひどい臭いがしてくる』と通報していたそうです。その時は飼い主に会えず室内に入ることはできなかったようです。 実際、周辺はふん尿の臭いと死臭が混ざり合った、酷い悪臭がしていました。あまりにも臭いので定期的にアンモニア濃度を測ってくれと大家さんからご依頼があり、民家の裏庭の共用部分に立ち入っていたのですが…そこから室内はふん尿で汚れ、白い長毛の猫たちも体中にふんなどがこびりついてクリーム色に変色した猫が見えました。ある時には猫の死体が転がっているのを発見しました。死体は骨が不自然に露出していて、共食いされたのではないかと思いました」(河野さん)

◆4月に横浜市が立ち入り検査、横浜の団体が約80匹の猫を保護

横浜市が立入検査、20匹の猫の死骸が見つかったという
月には横浜市が立ち入り検査を実施。20匹ほどの猫の死体も見つかった(河野さん提供)

そして 4 月下旬にも、横浜市が立ち入り検査を実施し、通常民家ではあり得ない99ppm 前後の高い数値をアンモニア計測器が示し、相次いで猫の死体が発見されたという。

室内のアンモニア濃度は99ppmを表示、悪臭がひどかった
室内の場所によってはアンモニア濃度が99ppmを超えたという(河野さん提供)

「40代飼い主夫婦は数年前に長毛猫を数匹飼い始めたようです。徐々に猫が増えていって近隣住民らから悪臭などの苦情が相次ぎ、住んでいたマンションが契約解除に。それ以来、横浜市内で引っ越しを繰り返していたそうです。 4月に横浜市などが立ち入り検査を行った後、飼い主が入院し飼育そのものが難しくなり、飼い主側が猫たちの所有権放棄を申し出て『おーあみ避難所』が全頭保護することになりました。『おーあみ避難所』と協力団体が手分けしてこの猫全頭を複数の動物病院に受診させましたが、いずれの病院の獣医師からも『ネグレクトは明らか』という診断書が出ています」(河野さん)
近日、保護された猫たちの様子はYouTube「HGA48 犬猫ニュースチャンネル」で公開する予定という。

室内には、損壊した猫の遺体があったため、共食いも疑われる
室内で発見された損壊された猫の死体の一部(河野さん提供)

    ◇   ◇

◆動物愛護団体が警鐘「多頭飼育崩壊は飼い主さん、ご近所さん、動物たちを不幸にします」
横浜市の民家で起きた多頭飼育崩壊を通じて、河野さんはこう警鐘を鳴らします。
「数匹から始まり、乱繁殖した典型的な多頭飼育崩壊の事例。一部の雄猫だけ去勢手術をしていたようですが…経済的な理由があるならば、まずは雌を全頭避妊する必要があります。頭数が増えすぎてお世話ができなくなってしまうと、室内はふん尿だらけになり、悪臭や害虫の大量発生など必ず近隣住民とのトラブルにつながります。 たくさんのもふもふに囲まれて生活したいと考える方は多いと思いますが、多頭飼育は想像以上に大変です。当たり前ながら、膨大な数のふん尿の掃除をするだけで、時間がかかります。増えないように全頭避妊・去勢手術をした上で、きちんと個体管理。予防接種や病気の予防、治療など獣医療にかける膨大な時間もお金も必要になります。たくさんの動物を飼育する全ての人が崩壊にならないのは、時間や手間を惜しまずしっかりと衛生的な環境を整えた上で、一匹一匹の健康状態を見られているからです。 日頃のお掃除を怠るなど、適正飼育ができなければ飼い主さん、ご近所さん、そして猫たちが不幸になってしまいます。横浜市の現場は実際、不衛生な環境下に置かれて、頭数管理ができず餌が足りない状況で、免疫力が低下している弱い子が亡くなったり、共食いされたりした猫の死体が多数出てきました。身勝手な人間のずざんな飼育が動物たちの命を奪っていることを今回の現場を通じて知っていただきたいです」

Home | 動物虐待インターベンション (animal-intervention.com)

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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動物病院の診察台で寝てしまった子犬がもうすぐ1才に!

2023-07-23 06:11:49 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

動物病院の診察台で寝てしまった子犬がもうすぐ1才に!
 “大物”を予感させたコの「現在」にほっこり

2023年7月9日(日)

まさかの場所で寝ちゃった!?
こちらは、Twitterユーザー@ara_aru6さんの愛犬・アルくん(アラスカン・マラミュート/撮影当時、生後2カ月ごろ)。
気持ちよさそうにスヤスヤと眠っているアルくんですが…アルくんが寝ている場所は、なんと動物病院の診察台!
病院が苦手な犬が多いなか、診察台で堂々と寝てしまうとは、スゴすぎる。
アルくん、なんだか“大物”になりそうな予感がします(笑)


「病院で寝るタイプ」

◆どのような状況だった?
診察台で寝てしまったアルくん。
飼い主さんに話を聞くと、2回目の混合ワクチンを打ちに動物病院に行ったときのことだったといいます。
飼い主さん:1時間ほど待合室で待っていたのですが、暑かったこともあり、アルは待っている間に疲れてしまったようです。
やっと診察室に呼ばれて診察台に乗ると、診察台がひんやり冷たかったのかそのままフセて寝始めてしまいました。
動物病院に行ったのはこのときが2回目で、特に緊張した様子を見せず、余裕な様子だったというアルくん。
しかし、まさか診察台で寝てしまうとは、思ってもいなかったそう。
飼い主さんは「これから注射をするという緊張は、私だけがしているんだな…(笑)」と思いながら、寝てしまったアルくんを見ていたそうです。


くつろぐアルくん

◆子犬時代のアルくんは、見た目がまるで「クマのぬいぐるみ」?
子犬時代のアルくんについて、「犬も人も大好きで、とにかく社交的」と話す飼い主さん。
見た目が「クマのぬいぐるみ」のようなので、すれ違う人に「かわいい」とよく言ってもらえたそう。
アルくんは自分が「かわいい」ということがわかっているのか、こんな行動を見せていたようで…。
飼い主さん:『かわいい』と言ってくれた人と目が合うと、誰彼かまわずなでてもらいに行きます。
家の工事をしに来ていた外構屋さんの休憩中に、上に乗っかりしっぽをブンブン振って甘えていた、なんてこともありましたね(笑)。

◆6月の誕生日でアルくんは1才に!

現在も成長中のアルくん

あれからスクスクと成長していったアルくんは、6月の誕生日で1才になります。
体が大きくなり、体重はついに飼い主さんを抜かしたのだとか!
体が小さかったときは動物病院の診察台の上で寝ていたアルくんですが、体が大きくなったためにいまは診察台の上で寝られなくなってしまったそう。
その代わりに待合室ででーんと寝転んでいたり、お友達が来ないか外を見て待っていたりするといい、いまでも愛らしい姿を見せているそうです。
アルくんについて、「“人”のような存在感です」と話す飼い主さん。
体はすっかり大きくなっておとなに近づいているアルくんですが、中身は変わらず「心は無邪気な子犬のままです」とのこと。
無邪気すぎるアルくんの行動にほっこりしたり、驚いたりすることがあるといいます。
飼い主さん:道ゆく人になでてもらおうと、アルは耳をたたんでアザラシのようになりながらしっぽをブンブン振っているのですが、その様子がとてもかわいらしいです。
飼い主さん:すごすぎて笑えたというエピソードで、アルはお留守番中はケージの中にいてもらうのですが、数カ月前についに抜け出してしまったんです。
犬がケージを抜け出す方法としてよく聞くのは上から飛び出すことだと思うのですが、アルはなんとケージを全部倒して出てきました(笑)
アラスカン・マラミュートのパワーは凄まじいなと、笑ってしまいましたね。

◆アルくんとの暮らしは「毎日が夢のよう」

「友達にすんごい甘えてる」

飼い主さんご夫婦は、アルくんと笑いあふれる楽しい日々を過ごしています。
アルくんのおかげで笑う回数が増えたといい、「アルは私たち夫婦にとって笑顔の元のような存在です」と話します。
そんなアルくんとの暮らしについて、飼い主さんはこう話していました。
飼い主さん:
夫も私も犬と暮らすということが初めてなので、お迎えする前は不安がとても大きかったです。
ですが、初めてのコがアルで本当によかったと思っています。
小学生の頃から犬との生活に憧れていた私にとっては、家に犬がいる毎日が夢のようで、とても幸せです。


テーブルの下に”落ちていた”アルくん


飼い主さんの膝の上で甘えるアルくん

写真提供・取材協力/Twitter(@ara_aru6さん)
※この記事は投稿者さまにご了承をいただいたうえで制作しています。
取材・文/雨宮カイ
いぬのきもちWeb編集室

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子猫10匹 北海道・苫小牧の児童センターに遺棄

2023-07-22 05:56:31 | 動物実験・動物虐待

子猫10匹 北海道・苫小牧の児童センターに遺棄 札幌の団体保護へ

2023年7月9日(日)   

7日午前7時半ごろ、苫小牧市宮前町2の錦岡児童センター敷地内に、段ボール箱に入れられた子猫10匹が遺棄されているのを、近くの錦岡保育園の職員が発見し、苫小牧署などに連絡した。
保護団体は「動物を捨てることは犯罪」と憤っている。


遺棄されていた子猫。汚れて雨にぬれた段ボール箱から、錦岡保育園の山口園長がきれいな箱に移した

同園の山口康男園長によると、子猫は5匹ずつ2箱に入れられ、やや衰弱していたものの目立つけがはなかった。
現場に駆けつけた市内の保護団体「ねこのかくれざと」藤田藍代表によると、5匹は生後3週間、ほかの5匹は生後1カ月とみられる。
10匹は藤田代表を通じて札幌の保護団体が預かる予定。
藤田代表は「飼い猫でも野良猫でも、むやみにかわいがるのではなく不妊・去勢手術を」と呼びかける。

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イルカ脅威、どうすれば… けが相次ぐ美浜・水晶浜あす閉鎖 

2023-07-21 06:05:15 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

イルカ脅威、どうすれば… けが相次ぐ美浜・水晶浜あす閉鎖 

2023年7月20日(木) 中日新聞(日刊県民福井)

17日までの三連休、ウンザリするほどの猛暑となった日本列島。
涼を求めて海に向かった人も多かっただろう。
しかし、福井県内では楽しいはずの海水浴で思わぬけがを負う人が出た。
イルカに接触したり、かまれたりしたという。
人に懐くイメージもあるが、これほど人に近づく理由とは何か。
野生の生態とは。
 (宮畑譲)


人懐っこいイメージがあるイルカ=6月13日、高松市の新屋島水族館で

連休中の16日、敦賀半島にあり、砂粒が美しいことで知られる美浜町の水晶浜海水浴場で事故は起きた。
海水浴場の沖合5メートルほどの場所で、岐阜県内の60代男性にイルカが衝突。
男性は肋骨(ろっこつ)を数本折るなどの重傷を負った。
男性以外にも、3人が手や指をかまれるなどしてけがをした。
この日だけでなく、福井県では昨年来、イルカによる被害が相次いでいる。
県警によると、イルカによるけが人は昨年、県警が把握した分だけで21人。
うち20人が夏に福井市内の海水浴場を遊泳中だった。
他の1人は今回と同じ水晶浜海水浴場でけがをした。
今年はこれまで計9人に上り、現場は全てこの海水浴場。
多くの人が手などをかまれたという。
18日、美浜町に電話取材したところ、同町は水中に超音波を発する機器を設置し、駐車場でチラシを配布するなど対策を実施していると説明。
一方、水晶浜海水浴場は住民らで相談した上で、安全が確認できないとして21日から閉鎖されることになった。

人懐っこく、おとなしいイメージもあるイルカ。
野生ではどんな生態なのか。
今回、被害を出したイルカの映像を見た越前松島水族館(坂井市)の館長、松原亮一さんは「おそらくミナミバンドウイルカの可能性が高い」と話す。
その行動について「発情行動、遊び、威嚇、いろんな意味に取れる動きがある。発情期でもあり、気が立っている可能性はある」と推測。
頻出する背景については「調査していないので何とも言えないが、人に執着しているのは間違いない」と言う。
ミナミバンドウイルカは世界の温暖な海域沿岸で広く生息。
成体で体長約2.5メートル、体重約300キロ程度になる。
口が長く、背びれが三角形に近いのが特徴だ。
その性質について松原さんは「人に懐き、おとなしいというのは、日本人のイメージでは。それは訓練された水族館の個体の話で、本来は大型の肉食動物。水族館の人間なら、怖くて野生の個体には近づかない」と解説する。
NPO法人「生物行動進化研究センター」(千葉県旭市)で理事長を務めるパンク町田さんは、海水浴場にまで寄ってくる理由について「人を恐れない個体か、群れがいる可能性が高い」と分析する。
けがの状況から、何らかのコミュニケーションを取ろうとした可能性を指摘する。
「本気でぶつかってサメが死んだという話もある。攻撃されれば人間は骨折などでは済まない。かむ力も相当なもの。よく知られているように、イルカは頭がよい。何かの拍子に人間はおとなしくて遊べると思えば、同じような状況は別の場所でも起こり得る」

「人が距離感コントロールを」
今回のような被害を防ぐ方法としては、海に入らないことが一番だと説く。
「クマやイノシシが出る山は危ないから入らないのと同じ。イルカと人間は常識が違う。イルカと人間の距離感は人間がコントロールするしかない。イルカには無理なのだから」



【昨年の記事より】
イルカ「脅威の夏」終わる 福井の海水浴場20人被害

2022年8月31日 中日新聞(日刊県民福井)

来年再来恐れ 対策検討へ
福井市の3つの海水浴場でこの夏、海水浴客がイルカにかまれる被害が続出し、けがをした人は少なくとも20人に達した。
専門家も「前代未聞」と話すほどの非常事態。
8月の終わりとともに海水浴シーズンも幕を閉じるが、イルカは来季に戻ってくる可能性がある。
中部地方にはイルカの出没で遊泳禁止を続ける海水浴場もあり、来夏に向けて早くも関係者は安全対策の検討に入る構えだ。
(曽根智貴)


浅瀬にいる人に近寄ってきたイルカ=一部画像処理、住民提供

負傷者が出た福井市の3つの海水浴場は7月8〜9日の開場。
けが人は7月中旬ごろから出始め、県警の調べで計20人に上った。
8月11日には40代の男性が両腕など約十カ所をかまれ、左手を14針縫うけがをした。

イルカを飼育する越前松島水族館(坂井市)によると20人にけがを負わせたのは、ひれの形などから同一のイルカの可能性が高く「ミナミハンドウイルカ」のオスとみられる。
イルカは水温やえさなどの要因ですむ場所を変える。
約200キロ離れた能登半島方面から移動することもあり、地元では石川県珠洲(すず)市の近海で親しまれたイルカの「すずちゃん」が「福井にも来たのでは」と話す人もいた。
だが同水族館の担当者は「調査しないと何も分からない」と指摘した。
愛らしい印象があり水族館で曲芸を披露するイルカの多くは「ハンドウイルカ」だ。
一方、福井の海水浴場に現れたとみられるのは、これより一回り小さく(体長2メートル前後)、口先が長いミナミハンドウイルカ。
沿岸に定住する傾向があり、冬は荒波を避けて日本海を離れるが、来夏には再び現れる可能性がある。
今季は3年ぶりに新型コロナ対策の行動制限がない夏だった。
福井市内の海水浴場はイルカが嫌がる超音波発生装置を置くなどの対策を講じたが、被害を防げずイルカが「思わぬ悩みの種」(関係者)になった。来夏に向け、海水浴場を運営する地元の観光協会などは危機感を強めている。
三重県尾鷲市の「三木浦マリンパーク」はイルカの目撃情報が増え、3年連続で遊泳を禁止している。福井市の東村新一市長は22日の記者会見で「これまでの経過を踏まえ、今後の取り扱いは深く研究していきたい」と話した。