和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

あけましておめでとうございます

2011-12-23 | 他生の縁
文藝春秋2012年1月号に年賀状特集。
パラパラめくれば、「母・佐藤愛子の困った年賀状」という箇所が、見るだけで大笑い。写真年賀状の珍傑作。新年早々、笑うかどには福が来たる。という見本。



私は、「花森安治のデザイン」(暮しの手帖社)をおすすめしようと思っております。うん。この切り口からなら、すんなりといけそうです。
それが、「年賀状」。

「花森安治のデザイン」には、暮しの手帖の表紙ばかりか、ページのカットも、ていねいにひろわれており。なんと、「読者への年賀状」のページまでありました。

さてっと、佐藤愛子さんの写真年賀状にかぎらず、最近は写真の年賀状がふえているようです。「花森安治のデザイン」は、それへも見事に、適応しておりました。その表紙撮影という箇所には、こんな文があります。

「1958年、44号から、今まで描き続けていた表紙を写真に変える。撮影はいつも大変だった。・・構図は花森の頭の中だけにある。口出しは許されなかった。真上からの撮影は、花森美学の一つである。スタジオの天井は、屋根裏からカメラが構えられるよう、四角く切り取られていた。表紙用写真は、タイトル文字を組み合わせるため、ものの位置を微妙に動かして、何カットも撮る。・・・時間はかかり、深夜に及んだ。・・細部まで手を抜かない姿勢は、どの仕事でも全く変わることがなかった。」(p44)

年賀状には、絵や写真やカットをいれず、
言葉だけの年賀状を書いている方。
そういう方にも、おすすめします。

「花森安治のデザイン」には「手書きの文字」のページもあります。
文字のサイズに配置にと、花森安治の一点一句をおろそかにしない表現は「新聞広告版下」のページをご覧になれば、これまた年賀状の文字配置への格好のひらめきをひきだす視覚効果バツグン。

以上、おすすめはさまざま。
この「花森安治のデザイン」を身近に置くと
いろいろな、切り口からの発見が待っており、
願わくば、
あなたの、一太刀をお聞きかせ願いたくなる、
そんな魅力の一冊。


追伸
いまだ、私は年賀状を書くわけでもなく、
こんなことを、ブログに書き込んでいる。
うん。
この文で、ブログをご覧になっている方々への
出せない年賀状のかわりとさせて頂きます(笑)。



追々伸

最初に登場した文藝春秋1月号には「著名人36人 年賀状に書き添えたい一言」という箇所もありました。そこにドナルド・キーン氏も書いております。はじまりは
「私は正直言って、年賀状に添える一言に特別の思いはありません。近年は秘書が撮った写真を印刷した年賀ハガキをみなさんに送っています。」
おわりは
「特に思い入れのある言葉はないと冒頭に書きましたが・・・私はとにかく年賀状には心をこめて、『あけましておめでとうございます』と書くでしょう。」
そういえば、「花森安治のデザイン」にある、読者と仕事でお世話になった方へ毎年送っていた年賀状のページ(p158~159)には、カットとともに、ローマ字やひらがなで『あけましておめでとうございます』という文字がどれも共通しておりました。『賀春』『謹賀新年』とかの漢字は一切ナシ。

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