和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

気兼ねしながら発言していたことはいうまでもない。

2015-08-13 | 書評欄拝見
加藤秀俊著「メディアの展開」(中央公論新社)。
この新刊をどう読むか?
とりあえず、まずは最後の第十二章を読む(笑)。
注で気になった
深川区史編纂会編「江戸深川情緒の研究」を
ネット検索したら800円ぐらいで手に入りそうなので
さっそく注文する(笑)。


第十二章では、
ここを引用することに。

「わたしじしん、そのマルクス主義歴史学全盛の1950年代に
学生生活をおくった人間だからそのことを身をもって体験し
ている。とにかく、労働者・農民と連帯し、プロレタリアート
革命を実現しなければならぬ、という使命感に燃えた学生たち
は『山村工作隊』という実行部隊として全国あちこちの農村に
送り込まれ、警察と対峙した。わたしの身辺にも逮捕者がすく
なくなかった。その革命思想と行動は、紆余曲折をへて1970年
代の学園紛争をふくむ左翼運動でのゲバ棒さわぎにまでつながった。
ついこのあいだまでの日本の若者たちが『革命』の必要性を信じ、
ときに『武闘』をも辞さなかったのも、その根源をさかのぼれば
日本の『近代化』についてマルクス主義教育がゆきとどいていた
からであった、とわたしはおもっている。いまは知らず、日本の
おおくの大学の人文学、とりわけ歴史学の教授たちがこの一連の
学生運動に同情的な立場をとり、ときには煽動していたことを
わたしなどの世代は体験してきた。・・・・
『進歩的文化人』とよばれるひとびとが・・・
かれらの大部分がマルクス主義者、そのシンパであり、
すくなくとも左翼思想に気兼ねしながら発言していたことは
いうまでもない。・・・」(p558~559)


注に
辻善之助著「田沼時代」(岩波文庫)がある、
我が家の未読文庫を探すと出てくる(笑)。






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 斃れし人の顔色は 野辺の草... | トップ | 本をして語らしめよ、お前は... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

書評欄拝見」カテゴリの最新記事