リディア。戻ったぞ。
リディア:「お帰りなさい。従士様。どうでしたか?」
とりあえず、
殺ってきた☆
リディア:「私に、あれだけ言っておいて……」
リディアに事情を説明。
リディア:「アルバが黒幕ですか。なるほど、じゃあ、私がアルバを殺りますね☆」
だから、違うっつってんだろ。
今からアルバの家を捜査するんだよ。
やってきました。
アルバの家。
さてさて……
リディア:「従士様。今、衛兵はあっちに行ったみたいですよ。さぁ、今のうちに!」
は?
リディア:「鍵をこじ開けるんでしょう?私が見張っていますから」
鍵をこじ開けるとか何言ってんの?
この世界の救世主様が、なんでそんなコソ泥みたいなことしないといけないの?
リディア:「……わかりました。どいてください、私がこじ開けます」
いやいやいやいや、違うって。
さっきから何言ってんの。
この鍵で開ければいいじゃない。
リディア:「鍵って、いや……その……えっ!?ど、どこで手に入れたんです?」
どこでって、
あの時、フロガーからスった。
ヤツの弁当と一緒になっ!(ビシィッ)
リディア:「十分、コソ泥じゃないですか!!」
じゃ、お邪魔しまーす。
おっと、フロガーがいる!
後ろを向いているな。こっそり奥まで進もう。
地下室、入り口。
あれ?リディアが入ってきてないな。
外で見張りしてくれてるのかな。
地下室内。
この部屋のつくり。やはりアルバは吸血鬼か。
町の人には気立てのいいお嬢さんで売っていたようだが、
自分が吸血鬼である事を隠すためのカモフラージュだったわけだ。
む、日記。
どれどれ
なるほどね……。アルバもまた駒の一つだったというわけか。
ついに黒幕までたどり着いたぞ。
アルバはモヴァルスという吸血鬼と出会い、彼に心を奪われ吸血鬼になった。
モヴァルスはモーサルの町を乗っ取って、住人達を自分達が血を吸うための家畜にすることを目論んでいた。
アルバはその計画に乗り、モヴァルスの手先として町に潜入。
吸血鬼は昼間は棺の中で寝るしかないので、自分の棺を守らせるためにフロガーを誘惑した。
フロガーを吸血鬼にしなかったのは昼間に動ける下僕を作るためか。
その後、訪問してきたラレッテを襲い彼女は吸血鬼の下僕にした。
で、フロガーは妻子のいる身。アルバの家に通うようになれば、当然、妻や子供は疑う。
放置しておけばアルバにまでたどり着く恐れがあった。
そこでアルバはラレッテに事故に見せかけてフロガーの家族を始末させようとしたが失敗。
恐らく、アルバは吸血鬼として未熟だったため、完全に下僕とすることは出来ず、
ラレッテは中途半端な意識を持った吸血鬼になったのだろう。
自分の悪事をここまで書きとめてくれているとはありがたいな。
これを市長のところに持っていこう。
じゃ、脱出するかな。
リディア:「従士様。すいません、お待たせしました」
え?お待たせしましたって、お前……
なんで剣を鞘に収めようとしてるの?
リディア:「いえいえ、なんでもないですよ。ちょっと表でハエを追っ払ってただけです」
ま、まさかっ!!
フ、フロガァァァァァ!?
リディア:「私、隠れるの苦手で見つかってしまいまして^^;
こいつが襲い掛かってきたので、つい(てへぺろ」
つい、じゃねーよ!
誰がこんなダイナミック☆ポーズな死体を作れって言ったんだよ!
てか、フロガーが死んだ事がアルバにバレたら逃げられちゃうだろ!!
こりゃ、アルバが部屋に戻る前に片付けなければならんな。
あ、晩飯もらっていきますね☆
つづく……