侍道2P ~その5~

2013年02月03日 | 侍道2P


ピンク影:「あいつら、帰ってこねぇなぁ。診察の帰りにどこかに寄ってるな」

弦庵と千代が診察に向かってしばらく、ピンク影は診療所の留守番をしていた。



ピンク影:「まったく、あの2人は何ホテルでオセロして……うおっ!
      あのときの娘ではないか。忍者の背後を取るとはなかなかやるな」

娘:「あううー」

ピンク影:「どうした?」



娘:「あううー、あうー」

娘は外へと手招きしているようだ。

ピンク影:「なんだ?手首の運動か?あたりまえ体操か?」



ピンク影:「いったい、外に何があるというのだ」



外には一人の男が倒れていた。

娘は心配そうに男の腹をさすっていた。



男:「痛えっ!痛えよぉ!死んじまうー!」

ピンク影:「このもだえ方はっ!」

娘:「あううー」



ピンク影:「相当、いいパンチが入ったな。お前がやったのか。
      え?なに?なにパンチなの?どう打ったの?
      二重の極みとか二重の瞼とか、そっち系の技なの?
      どこのアイプチ使ってんの?」

娘:「あううー、あうー」

娘は首を横に振って否定する。

ピンク影:「いいじゃん。教えてくれよ。どこで習った?伊賀?甲賀?黒脛巾?
      まさか、地張忍軍?」

男:「ひぃぃ!痛ええよぉ!」

ピンク影:「あ、すいません。私も見てみたいんで~。
      立ち上がって、もう一発、食らってみてもらえます?」

娘:「あううー」

娘は必死に否定しようとするが……

ピンク影:「心配しなくても大丈夫だよ。
      病院のベッドに寝かせておけば、全部、弦庵のせいにできるから」



弦庵:「わしのおらんところで、何を勝手なこと言っておるんだ!」

ピンク影:「ちっ、戻ってきやがった」



弦庵:「むぅ、これは……」

ピンク影:「お前にもわかるか。この娘の必殺パンチ。なかなかの威力とみたぜ」

弦庵:「お前は黙ってろ」



弦庵は男の腹に手を当て、力を入れると



ぼふぅ!!

男の尻からすさまじい勢いでガスが出たのだ。

直撃を受けた娘は……



ピンク影:「む、娘ーーーーーーーっ!?」

弦庵:「この男は貴様が来る前に診察してやった男だ。腹痛だったはずだが」

男:「へぇ、実は診てもらった後、急に腹が空いてきやして。あんころ餅を9つほど^^;」



弦庵:「粥を食え、粥を!」

男は再び、腹痛が治まったのか弦庵に促され自宅へと帰っていった。



ピンク影:「まったく、人騒がせな男だ」

弦庵:「そこの忍者……だったな。変わった男だ」



弦庵:「あの男を見捨てなかったのは褒めてやろう」

ピンク影:「見捨てなかったのは、この娘だけどな」



弦庵:「ふむ。お前が病状を説明できていたら、
    この変態にもなんとかできたかもしれんが……。
    まぁ、それを言っても始まらんか」

ピンク影:「教えてやればいいじゃん」



弦庵:「わしは医者だ。病気でないものの面倒まではみれん。
    あー、誰かこの娘に文字とか教えてくれないかなー。チラッ、チラッ。
    暇そうな仮面の忍者『ピンク影』とかいたらいいのになー。チラッ、チラッ。」

ピンク影:「それ、もうフルネーム全部、出ちゃってるじゃん。
      もっと台詞に恥じらいを覚えなさいよ」



弦庵:「なんと!お前が文字を教える、だと!?」

ピンク影:「言ってねーよ!!」



弦庵:「どうだ。お前、この男に文字を習ってみるか」

ピンク影:「まだ何も言ってねーって!お前もなに頷いてんだー!」

娘はうれしそうに弦庵に頷く。



弦庵:「とりあえず、仁八に相談してみるがいい。
    その子は天風で預かっている身だからな」

ピンク影:「だから、何勝手に話を進めてんだよ!」

こうして娘に文字を教える約束をしたピンク影であった。

第6話に続く
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (グレート太郎丸)
2015-12-29 09:43:05
娘ーーーーー!!!!!
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レス (sutamina)
2015-12-29 10:59:33
>グレート太郎丸さん
至近距離であれをくらって無事……だとっ!?
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Unknown (グレート太郎丸)
2016-01-02 18:39:21
娘ー!!。だけで、手抜きなのに、コメントしてくださりありがとうございます。
返信する

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