はたホコ ~第18話~

2013年10月06日 | はたホコ


クレア:「はあーーーっ!!」

ストームクローク兵:「ぐはぁ!!」



クレア:「てやーーーっ!!」

ストームクローク兵:「つ、強い!」



クレアにとって数など問題ではなかった。
次々と蹴散らし、倒していく。

ストームクローク兵:「ま……待って!こ、殺さないで……」



クレア:「……」

ストームクローク兵:「死にたく……ない……助け……て……」

クレア:「お前……死んだふり……する。戦い……終わる……お前……帰れ……」

クレアは彼に止めを刺すことなく。
襲い掛かる兵士を次々と倒していく。



両手で扱う巨大な剣を時には片手で軽々と振り回す。

ホコツ:(クレア、ずいぶんと派手な戦い方をするなぁ。
     あっ!ひょっとして、俺が攻撃できる隙を作るために!?)

ホコツ:「よーし、それなら……」



ホコツ:「俺の魔法は」



ホコツ:「召喚だけじゃ」



ホコツ:「ないぜぇ!!」

勝敗は決した。
門を閉じられ、逃げ場を失ったストームクローク兵に振り下ろされる
クレアの圧倒的な力の前に彼らは大混乱となった。
もはや部隊としての機能を完全に失ったストームクローク兵はクレア達とホワイトランの兵士によって
次々と倒された。



クレア:「終わった……」



クレア:「この……勢い……大事。外も……一気に……倒す」

ホコツ:「お、おう!野郎ども、討ってでるぞ!」

ホコツ:(クレアは絶対に本気で怒らせないようにしよう……)

勢いに乗ったホワイトランは外で待機していたストームクローク兵に襲い掛かる。
将兵と多くの兵数を失ったストームクロークにホワイトランの勢いを止める術などなかった。
その後、増援にかけつけた帝国兵も加わりホワイトランに攻めてきたストームクロークの部隊は
壊滅させられたのであった。

日が沈みかけるころ、ホワイトランでは首長、バルグリーフによって勝鬨があがる。



バルグリーフ:「帝国とホワイトランの力を合わせれば、ストームクロークなど敵ではないことが
        この戦いで証明された!
        奴らはこれにこりず我々に攻撃を仕掛けてくるだろう。
        だが、今回のように力を合わせれば怖いものなどない!
        ホワイトラン、万歳!帝国、万歳!」



ホワイトラン衛兵:「ばんざーい!」

帝国兵:「ばんざーい!」



ミカエル:「いやー、野戦ではどうなるかと思いましたけど、
      城内では圧勝でしたね。ホント、クレアさんのおかげですよ。
      ホコツさんの余計な召喚魔法がなければ、城外でも決着がついたんじゃないですかね」

ホコツ:「お前だって、逃げただろーがっ!!」

ミカエル:「あれは、だって、ねぇ。クレアさん」

クレア:「……」

ミカエル:「クレアさん?」

クレア:「お、おう……。お前ら……がんばった……」

ミカエル:「……?」

……………………
…………………
………………
……………
…………
………
……




ホコツ:「いやいや、クレアさん。モノは相談なんだけど……」

ホコツ:「バルグリーフに野戦を提案してもらえないか?
     クレアは信頼されてるし強いから、たぶん、言うこと聞いてくれると思うんだ」

クレア:「なんで……野戦……する?」

ホコツ:「帝国も反乱軍もホワイトランを欲しがってるのは、
     ホワイトランの経済的価値なんだろ?この地方の中央にある街だ。
     間違いなくでかい収入源になる。
     でも、相手は投石機を持ってくるんだぜ?
     篭城なんてしたらせっかく味方になった街がぶっ壊されちまうぞ?」

クレア:「野戦でも……投石……危ない……同じ……」

ホコツ:「野戦は相手を倒すのが目的じゃない。相手の欲を壁に使うためだよ」

クレア:「欲?……壁?……」

ホコツ:「帝国がホワイトランの経済的価値が欲しいなら相手だって同じさ。
     投石で街を破壊するのは相手が篭城して、そうせざるを得ないからだ。
     でも、相手が野戦を挑んできて……しかも、負けて逃げ帰るとしたら?
     いやでも頭をちらついてしまうだろ?
     『ホワイトランを乗っ取ることができるかもしれない』って欲がさ。
     そうなったらもう破壊なんてできねぇよ。
     投石なんてやめて、かかってこいよベネット。」

クレア:「ベネ……ット……?」

ホコツ:「いや……ごめん。今のは忘れてくれ^^;
     (しまった。ミカエルじゃなかった)」

ホコツ:「ま、相手に欲をかかせて城内に引き入れる。
     そうすれば投石は止まるさ。相手を閉じ込めて逃げられなくすれば再開させることも、
     止められるだろう。
     その状態で敵を一気にたたく。
     こうすれば街への被害も少なくてすむ。
     戦う方はちょっとしんどいけどな」



クレア:「ホコツ……お前……」

ホコツ:「いいタイミングで俺とミカエルが城内に逃げるから、
     クレアも一緒に逃げて欲しいんだ。
     俺達、雑魚だけが逃げればクレアの伏兵を疑われて突入が甘くなる。
     投石を止めさせるには相手の将校クラスを誘い込みたいからな。
     帝国一の武勇を誇るクレアが逃げたとなれば、ガチの撤退だと思うさ」



ホコツ:「そういうことで、一つ。よろしく」



ホコツ:「じゃ、ソリチュードに帰ろうぜ。
     あとは帝国から兵士とか送られてくるだろうから、
     ストームクロークもすぐには手を出してこないだろう」

ミカエル:「そうですね。クレアさん、帰りましょう」

クレア:「お、おう……。ソリチュード……帰る。
     お前ら……がんばった……。ご飯……たくさん。
     私……おごり……」

ミカエル:「ク、クレアさんからのご褒美だーっ!」

ホコツ:「キミの病気は日に日に悪化していくな……。
     ん?クレア?どうした?」



クレア:(やっぱり……ホコツ……帝国……必要……)


この戦いにより帝国とホワイトランの共同軍と
反乱軍ストームクロークとの戦いが激化することとなる。
帝国か……ストームクロークか……。
袂を分かったスカイリムの2つの勢力がぶつかり、
再び統一へと向かう戦いが幕を開けるのであった。


ホワイトランの戦い編。完。
スカイリム再統一編へ続く。
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はたホコ ~第17話~

2013年10月05日 | はたホコ


ミカエル:「ホコツさん。あなたが喧嘩を売ってきたんですから、
      ちゃんと戦ってくださいよ?
      この間みたいに、傍でガン見なんてギャグは通用しませんからね」

ホコツ:「ばっきゃろー。新魔法を覚えたって言ったろ?
     今度はバッチリだぜ」

ミカエル:「いや、だからそれがアテにならないんですってば。
      どうせ口の中に氷作ったり、ちょっと涼しい風が吹くくらいなんでしょ?」

ホコツ:「どっかのキノコヘッドと一緒にすんな。俺が覚えたのは召喚魔法だ」

クレア:「おお、お前……がんばった……。
     えらい……えらい……」

ミカエル:「すごいじゃないですか。たしかに召喚魔法なら、
      術者がポンコツでも役に立ちそうですね^^」

ホコツ:「ポンコツ言うな!」

ミカエル:「でも、今度は篭城戦になるでしょうから。
      出番はなさそうですけどね」



ホコツ:「え?篭城すんの?
     相手は投石機、持ってくるんだろ?」

クレア:「ホワイトラン……頑丈……。少しだけ……もつ……。
     首長……増援……待つ……言った……」

ホコツ:「いやいやいや、せっかく覚えた俺の魔法が役に立たないじゃん!」

クレア:「それ……次回……。お前……安心する。私……ちゃんと……待つ……」

ホコツ:「いやいや、クレアさん。モノは相談なんだけど……」



ホコツ:「ごにょごにょごーにょ。ごにょごーにょ」

クレア:「ふむふむふーむ。ふーむふむ……」

密談する二人。クレアの顔色が変わった。



クレア:「ホコツ……お前……」



ホコツ:「そういうことで、一つ。よろしく」

ストームクロークはホコツ達が戻って、すぐに攻め込んできた。
バルグリーフの斥候の情報どおり、投石機を導入しホワイトランへと攻撃を開始したのであった。



ミカエル:「クレアさん!篭城しないで野戦なんて、大丈夫なんですか!?」

クレア:「ミカエル……がんばる……」

ミカエル:「頑張ります!超頑張ります!!」

クレアはバルグリーフに篭城をせず、野戦を仕掛けることを提案した。
帝国一の戦士であり、数々の戦場を戦い抜いてきたクレアの進言とあり、
バルグリーフはその提案を受け、ホワイトランの目の前で、
今、ホワイトランの兵士とクレアたちの共同軍が戦っていたのである。
その頃……



ホコツ:「くそっ!投石器で火のついた弾を撃ち込んできてるのか」



ホコツ:「調子に乗りやがって……。見てろよ!」



ホコツ:「クレア、ミカエル。待たせたな!!」

ミカエル:「ホコツさん!今までなにやってたんですか!!」

ホコツ:「すまん、すまん。ちょっと準備してて」

ミカエル:「なんの準備ですか!さっさと戦ってくださいよ!!」

ホコツ:「準備の成果を見せてやるぜ。いくぜ、俺の新魔法」



ホコツ:「光と闇、神と悪魔。その狭間にありて混沌を喰らいし者……。
     我が血と汝が名の下、結びし契約に従いて今、願い奉る……」



ホコツ:「出でよっ!我が、従順なる下僕!!」



ホコツ:「……」

ミカエル:「……」

クレア:「……」



ミカエル:「ねぇ……ホコツさん。どうするんですか。これ。
      13話から散々、引っ張ってきて、ウサギですか。
      どう使うんです?さっそく使ってみてくださいよ。ねぇ、ホコツさん。
      ねぇ……」

ホコツ:「あ、あの。ミカエル?あんまり、近寄らんとってくれる?
     なんか、今日のミカエル。怖い……」

ミカエル:「怖いに決まってるでしょ。怒ってんだから」



クレア:「ウサギ……かわいい……」

ミカエル:「ですよねー☆ボクもそう思ってましたー!!」

ホコツ:(この娘もたいがいやな……)

ストームクローク兵A:「おい、なんだあれ。ウサギとか出して手品でもやってるのか?」

ストームクローク兵B:「とんだポンコツ兵士がいたもんだ。あいつらからやっちまえ!」

ミカエル:「ちょ、ちょっと!ホコツさん、こっちに敵がっ!どうしてくれるんですかっ!
      そのウサギ。見た目はウサギだけど超強いとかないんですか」

ホコツ:「た、たぶん。ただのウサギだと思う。や、やばいな。これ……」

ミカエル:「ホコツさん……」

ホコツ:「ミカエル……」



ホコツ:「逃げろーーーーーーーーっ!!」

城内に逃げ込むホコツと後を追うミカエル。



クレア:「ま、待て!お前ら……隊……乱れる!!」

ストームクローク将兵:「さすがのクレアも部下に恵まれなかったようだな
           チャンスだ。追えっ!!
           投石中止だ!一気に城内に攻め込むぞ!」



ホワイトランにいっせいになだれ込むストームクローク達。
そのとき……

???:「今だ!門を閉めろーーーっ!!」



掛け声と共に跳ね橋が上がり、門が閉じられた。



ストームクローク兵:「お、おい。あいつら……」



ホコツ:「へい、らっしゃい」



ストームクローク将兵:「貴様……」

ホコツ:「ホワイトランはスカイリム地方の中央にある経済の要所。
     欲しいはお互い様ってことだよ。
     ストームクロークだってチャンスとあれば、破壊なんてせずに手に入れたい。
     投石を止めてでも……な」

ストームクローク将兵:「我々を誘い込んだのか。城門前のは芝居かっ!
            くそっ!弓兵、信号を……」

ホコツ:「いや、城門前のはガチだよ?」

ミカエル:「あんた、ホントに使えねーな!!」

将兵は合図を送ろうとするが

ホコツ:「おっと、ハメられて頭にくるのは分かるが、ちょっと冷静になってくれよ?
     今度の投石はちゃんと壁だけを狙ってくれ。
     お前達だって、巻き添えで死にたくはないだろう?」

ストームクローク将兵:「ぐっ……」

ストームクローク将兵:(いや、たしかに奴の言うとおりだ。
            それに、冷静になれ。元々、敵は少数。
            頼みの綱はクレアだけ。雪崩れ込んだ数はこちらの方が上なんだ)



ストームクローク将兵:「や、奴らを殺せ!数は我々の方が上なんだ!
            罠にはめたことを後悔させてやれ!!」

ホワイトランへ襲い掛かるストームクローク兵。
しかし、彼らは目の前にたたずむ美しい女神が、
鬼神のごとき強さを誇る帝国一の使い手であることを再認識させられることとなるのであった。

ホコツ:「え?女神って俺?」

ナレーション:「違うわ。ボケ!!」




第18話につづく。
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