よし、まずは現場検証だ。
うわぁ、ほとんど燃えてなくなってるじゃないか。
リディア:「なにか残ってるといいですけど……」
暖炉。フロガーはこの暖炉に奥さんが油をこぼしたと証言している。
火元の割には暖炉は綺麗に残ってる気がするな。
残念ながら雪もかなり積もってる、こりゃ何もなさそうだな。
……
ちょ、ちょ、ちょ!
ちょっと待って、今、なんか見えた気がする!
リディア、見るな!
目があったらやられるぞ!
ちらっと、ちらっと横目でちらっとこっそり柔軟に前向きにポジティブに見るんだ。
ちらっと……
なんだ。幼女じゃないか。なら安心だ。
リディア:「あ、あの、従士様の安心の基準ってなんですか?」
亡くなった娘さんの霊か。名前はヘルギって言うのか。
警戒されてるな。父親のフロガーからよそ者と話しちゃいけないって
言われてたんだろうな。
今でも、その教えを守ってるなんて健気じゃないか。
チガウヨ。ボクハ君ノ、オ父サンノ友達ダヨ。
大丈夫ヨ。怪シクナイヨ。
いったい、君達の身に何が起こったのか話してくれるかな?
そうか。OKOK。
そんな湿っぽい話よりまずは楽しく遊ぼうか。
私はホワイトランでも鬼ごっことかしてたから、遊ぶのは得意だぞ。
かくれんぼ。ヘルギを見つけたら私の勝ち。
こりゃいい勝負になりそうだな。
リディア:「幽霊とかくれんぼって圧倒的にこっちが不利な気がするんですけど^^;」
よーし、じゃあ、さっそく隠れてもらおうかな。
え?夜まで待て?
そして、もう1人……キミを探している人がいる?
さて、ヘルギとはここで一旦、お別れ。
しかし、もう1人、ヘルギの亡霊を会話できるやつがいる。
誰だ?
そしてなによりもヘルギは事件の事を隠している。
それってつまりやはり火事は事故ではなく何者かによって起こされた。
その何者かをヘルギは知っているのではないか?
リディア:「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ……」
ど、どうしたリディア?
リディア:「こんな幼い子供を手にかけるなんて絶対に許せません!!
ホワイトランの騎士の名にかけて必ず見つけ出し正義の刃を振るわねばなりません。
従士様。早く、犯人を見つけ出しましょう。そして即ぶっ殺しの方向で!!」
ヒートアップしすぎだぞ。ちょっと落ち着け。
まずはこのことを町の人に話してみよう。
宿屋のお姉さんに話を聞いてみた。
幽霊の話をしても驚かない。
それどころか、この人は父親のフロガーを犯人だと思っている様子。
首長。この人は元々、霊感が強くそういった類のものを信じているので、話は簡単。
かくれんぼのヒントを教えてくれた。
なるほどね。
まぁ、若干、反則なきもするけど確かに彼女を見つけた事にはなるわな。
さて、このことを最も伝えないといけない人物がいるな。
いた。父親のフロガー。
よう、フロガー。
さっき、君の娘にあったよ。
フロガー:「へぇ、そいつはすごいな」
返事が軽いな。おい。
リディア:「ピキッ(怒)」
お前の娘の話だぞ。
ちょっとは聞けよ。
フロガー:「私には愛しいアルバがいる。もうヘルギになど用はない」
このやろう。アルバって町の人から聞いた話では、こいつの愛人の名前だったな。
リディア:「ピキッピキッ(激怒)」
やっぱり、てめぇが犯人じゃないのか?
フロガー:「子供の、しかも幽霊の証言など誰が信じると言うのだ?
そんなもので私を吊るし上げられるとでも思っているのか。(嘲笑)
私にはアルバがいる。昔の妻や娘の事など、どうでもいいのだ」
リディア:「従士様、どいて!そいつ殺せない!(゜Д゜#)」
リ、リディア、落ち着け。
とりあえず、剣を鞘に戻そう。
大きく深呼吸して、そうそう、剣は鞘にハウスさせようね。
夜にヘルギに会う約束してるのに、会う前に父親を殺ってどうすんだよ!
リディア:「し、しかし!この男の態度は許せません!!」
それに幽霊の証言ではこいつを吊るせないのは事実だ。
まずは夜、ヘルギに会って真相を聞こう。
ひょっとしてヘルギを探しているもう1人の人物にも会えるかもしれん。
まずは証拠集めからだ。
不満そうなリディアをなだめ、スタミナは夜を待つ。
つづく……