侍道2P ~その14~

2013年05月19日 | 侍道2P
三馬鹿を片付けたピンク影は青門組の屋敷の中に乗り込んだ。



ピンク影:「さぁ、中をいろいろ物色……じゃない。青門組のボスと決着をつけてやるぜ」



ピンク影:「組長、覚悟!!」



組長:「本当にきやがった」



組長:「こいつは、とんだバカ者だ」

ピンク影:「真顔でそういうこと言うのやめて。結構、傷つくんだぞ。
      あ、奈美!本当にいやがった」

奈美:「あんたはあのときの!!」

組長:「なんだ。知り合いか」

ピンク影:「ただの只ならぬ仲だ」

奈美:「なわけねーだろ!!あとただと只ならぬが矛盾してんだよ。どっちだよ!」



組長:「一応、聞いておいてやる。なんのようだ?」



ピンク影:「一応、聞いておいてやる。なぜ、さよをさらうようなまねをする」



組長:「なんだ。お前、何も知らないってのか。
    あの娘は素……」

ピンク影:「文字の練習のため、弦庵の素魔の精製法を記した本を模写してしまった。
      弦庵が死んだ今、あの莫大な利益を生む素魔の精製法を知るただ一人の人物。
      それを狙って、青門組や奉行所、政府も動き出しているということまでは知っている。
      (主におぼろ先輩の調査)
      それ以外に、どんな企みがあるのか聞かせてもらおうか!」

組長:「……」

奈美:「……」

ピンク影:「……」



組長:「死ねぇ!!」

ピンク影:「なんでいきなりキレんだよ!」

組長:「知ってるなら、知ってるって言えよ!
    したり顔で語ろうとした俺の立場を考えろ!!」



雑魚:「組長。こいつやっちまってもいいんですか?」



ピンク影:「ち、囲まれたか!」

雑魚A:「この人数で囲んじまえばこっちのもんよ」

雑魚B:「俺、この戦いが終わったら故郷に帰って結婚するんだ」

雑魚C:「ブレーカーが落ちたか。ちょっと様子を見てくる。なぁに、これくらい一人で十分さ」

雑魚D:「このお守りがいつも俺を守ってくれ……、あれ?どこいった?さっき、落としちまったのか?」



ピンク影:「フラグ立て、ごくろうさん!」



ピンク影:「3つ!」



ピンク影:「4つ!!」



ピンク影:「これで……」

組長:「えっ!?」



ピンク影:「終わりじゃああああああ!!」

組長:「俺、フラグ立ててないのにー!!」



組長:「く、くそ。雑魚掃除の一連の流れに入れられるとは思わなかったぜ。
    し、しかし、すでに遅かったな」

ピンク影:「なに?……はっ!奈美がいない。いつの間に!」



組長:「これで終わりだと思うなよ。今頃、奈美は奉行所に駆け込んで、
    あの娘のことを密告しているだろうぜ。
    くっくっく……、俺一人では死なん。お前の大切なあの娘も道連れにしてやる」



ピンク影:「さよが危ない!!」


15話につづく
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侍道2P ~その13~

2013年05月18日 | 侍道2P


ピンク影:「くたばりやがれぇ!」

ピンク影と団八の息のあったコンビネーションに三馬鹿が対抗できるはずもなかった。



ピンク影:「でも、前回の団八・ハリケーンのことは忘れてないから。
      あとで説教な」

団八:「!?」



三馬鹿:「くっそー、やっぱりこいつら強え。逃げるぞ」



三馬鹿:「おぼえてろー!」

ピンク影:「はっはー!かえってボスにおしおきでもされるんだな!」



ピンク影:「とかなんとかいって。本拠地まで追いかけて来ちゃった☆」



三馬鹿:「やっぱりきやがったか」

ピンク影:「うん。そろそろ尺的にお前達には退場してもらわないといけないんだ。
      他のゲームも後がつまってんだよ」



三馬鹿:「そんな理由でやられてたまるか!」



ピンク影:「そらぁ!これが今、巷で流行の立体機動(ただし、ワイヤーはない)だ!」

三馬鹿:「ワイヤーがない時点で立体機動でもなんでもねぇだろー!!」



次々と青門組の組員を倒すピンク影。

ピンク影:「最初にお前達の戦闘は数が多いから、途中まで端折ると言っていたな?」

三馬鹿:「そうだ。そう言ったぞ。この戦いで3パートくらい使わせてもらうからな」



ピンク影:「ありゃ、嘘だ」

三馬鹿:「ち、ちくしょう……。こんなコマンドーオチをやりたいために……がくっ」

14話に続く
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侍道2P ~その12~

2013年05月06日 | 侍道2P


ピンク影:「さよに変なヤツが寄ってこないようにしなければ……」

無理やり、文字を教えさせられたり、祭りでたかられたりしていたピンク影。
最初は疎ましく思っていたが、この天原でさよと過ごした時間は、
いつしか彼にとってさよを大切なものへと変えていたのだった。



団八:「先生。ちょっと舞風のところにきてくれないか。大事な話がある」

ピンク影:「いや、今、それどころじゃなくて。さよはどこだ?」

団八:「そのさよに関することだ」



旦那:「私が紅屋の旦那ですわ」

ピンク影:「べ、べべべべ、べ、紅屋ーーーーーーーーっ!?」

団八:「な、なにテンションあがってんだよ。気持ち悪いな」

ピンク影:「バカヤロウ!紅屋と言えば忍者界のアイドル。
      超凄腕美少女忍者の凛ちゃんが所属してる事務所だろうがーっ」


↑「天誅 紅」の主人公、凛。葉隠れの里出身の忍者。
 とある事情で里が壊滅させられてからは始末屋組織「紅屋」で始末屋の仕事をしている。
 すごくいい娘。

団八:「それ違うゲームだから!てか、事務所ってなんだよ!」

ピンク影:「1000文出すから、サインもらってきて!
      『ピンク影さん江』ってつけてもらってな」



旦那:「話、つづけてもえーでっか?
    実は、突然ですが、さよちゃんをうちの養子に迎えようと思ってるんですわ」

団八:「だ、旦那の養子に?そ、それは素晴らしいことだと思いますが、
    なぜ急に?」

ピンク影:「よし、わかった。2000文だそう」



旦那:「いやいや、なんも怪しいことおまへん。
    前からさよちゃんのことは気にかけとったんですわ。
    ぜひ、跡取りにと前々から思っとったんです。いや、ほんま、まじで。
    いつ、言い出そうかタイミングを見計らっとったわけです」

ピンク影:「3000文。これでどうだ!?」



団八:「しかし、旦那の店は大店。ご存知のとおり、この子は口が聞けません。
    とても跡取りには……」

旦那:「いやいや、すぐに文字の読み書きを覚える頭のええ子やと聞いてます。
    弦庵さんのところの医学書も模写し……げふん、げふん。
    まぁ、大丈夫。大丈夫。問題ナイヨ」

ピンク影:「くっそー、じゃあ、5000文だ!」

団八:「お前はもう黙れーーーーーーーっ!!」



舞風:「夢のようなお話です。きっと、この子も幸せだと思います」



舞風:「ねぇ、さよ?」

しかし、さよはピンク影の腕をつかんで離さない。

ピンク影:「ん?どうした?」

そのとき、店の前から怒鳴り声が響いてきたのだ。

???:「おい、名無しっ子をだせ!」



団八:「表の方だ、変態先生」

ピンク影:「あれ?お前、私のこと、そういう風に呼んでたっけ?」



三馬鹿:「おらおら、早く名無しっ子をつれてこいって言ってんだよ。
     こっちは最初の方は三太とか台詞に名前入ってたのに、
     この間から三馬鹿に端折られてイラついてんだよ」



ピンク影:「おいおい、なんだそのメタい発言は。三馬鹿ども」



三馬鹿:「お、いたいた。その娘をこっちに渡してもらおうか」



ピンク影:「え?俺じゃダメ?」

三馬鹿:「ダメに決まってるだろ!」

ピンク影:「この間まで団子を2両で買わせようとしたり、今までいじめまくってたお前らが、
      いったい、なんの用だ?」



三馬鹿:「誰が言うかよ。奈美の姉御に言うなって言われてんだ」

ピンク影:「奈美……だと?あの1話でいちゃついてた女か。
      逃がしたと思っていたが、思わぬところで再開できそうだな」

団八:「その奈美ってのはどこにいるんだ?」



三馬鹿:「誰が教えるかよ。教えたところで青門組の本拠地には手は出せまい」



団八:「なるほど。青門組にいるのか」



三馬鹿:「げぇ!なぜだ、全部、バレちまってる!!」

ピンク影:「おまえら、こってこての笑いやないか。新喜劇か」



三馬鹿:「全員、殺っちまえば問題ねぇ!」



ピンク影:「懲りないやつらだ。いくぞ、団八」

団八:「おう!いくぜ、俺の必殺技!」



団八:「団八・ハリケーン!!」

三馬鹿の襲撃でいきなりピンチに陥った、ピンク影。
果たして、彼は三馬鹿からさよを守りきれるのだろうか。

ピンク影:「ピンチなのは団八のせいですからーーーー!!」
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侍道2P ~その11~

2013年05月05日 | 侍道2P
その日は突然やってきた。



街中に鐘の音が鳴り響く。



ピンク影:「なんだ?何があった?」



街の人A:「弦庵様の診療所が火事だー!」

街の人B:「いそげー!」



ピンク影:「おい、弦庵って誰だ!?」

開始早々、主人公にあるまじき発言であった。



弦庵の診療所は炎に包まれていた。



ピンク影:「さよ。来ていたのか」

さよは目の前の現実に衝撃を受けているのだろう、フラフラと中へと入っていく。

ピンク影:「バカ!なにやってんだ。危ない!」

ピンク影はすぐにさよを追う。
そこで見たものは……



弦庵と武藤



武藤:「死ね!」

弦庵:「ぐはぁ!!」



武藤:「悪党、死すべし……」

ピンク影:「いやいやいやいや!なんだこの超展開!?」



武藤:「おい、そこの変態。俺は天原に仇なすものはすべて切る」

ピンク影:「いや、ちょっと武藤君。落ち着こうか。なんなのこの展開。
      私も読者もおいてけぼりなんだけど」



武藤:「貴様もお奉行に逆らうなら切り捨てるまでよ」

ピンク影:「いや、だからね。ちょっと聞いて?3分でいいから。
      前回、お祭りでお団子買ったのね。そこからいきなりこの展開。
      死人まで出てるしさ。
      わかる。わかるよ。尺の都合で急ぐのはわかるんだけど、
      私も読者もついていけてないから、ちょっと説明もらえるとありがたいかなーなんて」



武藤は無言で立ち去っていった。

ピンク影:「聞けよ!」



弦庵:「さよ。泣くな。さよ」

ピンク影:「弦庵!おい、ちょっと状況説明しろ。
      どの少年誌にも形容できない、この超展開を!」



弦庵:「素魔の秘密は、ワシが地獄まで持っていく。だから、泣くな。さよ……」

ピンク影:「おい、弦庵。死ぬ前に説明しろ。何があった。
      素魔ってなんだ!?」

弦庵:「いや、お前……。お前が素魔のこと忘れるとか、一番、ダメだろ」



弦庵:「うっ!」

ピンク影:「マンボ!
      いやいやいや、そういうちっさいボケはいいから!
      弦庵。なにがあった!?素魔ってなんだー!」



弦庵は静かに息を引き取った。

ピンク影はただただ、涙を流すさよを天風に送り届けると、
自宅へと戻ることにした。



ピンク影:「いったい、何があったというのか……」

そのとき……

ピンク影:「殺気!」

???:「遅い。まだまだ修行が足りてないようね」

あっさりとピンク影の背後を取る、くの一。



ピンク影:「その声は、おぼろ先輩」



おぼろ:「ししょーが、あなたのことだから、どうせ今頃、素魔のことなんて忘れてエンジョイしてるだろうからって、
     私をよこしたのよ」

ピンク影:「さすが、おぼろ先輩ッス。自分、もうなにがなにやらわけがわからん状態ッス」

おぼろ:「私がざっと調べたところによると、弦庵は医療用の麻酔を生成する過程で、
     ある副産物を見つけてしまった。それが素魔。今、天原に広まっている麻薬よ。
     弦庵は人を救いたいという心の強い医師だった。
     でも、侍達が戦いを続ける以上、医療の力だけでは多くの人々を救えない。
     金の力で侍達の世の中を終わらせる必要を感じていた。
     膨大な利益を生み出す素魔が彼のその心を肥大化させていったのよ。
     そのことに気がついた武藤は弦庵を殺し、素魔の原料の畑を焼き払ったというわけね。
     武藤は強すぎる正義感を持つ男。そして奉行を絶対的なものとして崇拝している。
     街の人たちを堕落させ、そのことに心を痛める奉行のためなら、
     なんでもする危険な男よ」

ピンク影:「そ、そうだったんスか」

おぼろ:「あなたが面倒を見ている。さよという娘にも気をつけなさい。
     これからあの娘は狙われる立場になるわ」

ピンク影:「え!?なぜッスか!?」

おぼろ:「あの子はあっという間に文字を覚えるくらい頭のいい、まじめな子。
     きっと、あなたから習う以外にも文字の練習をしていたはず。
     もし、あの娘が文字の練習のため弦庵の医術書を模写していたとしたら?
     たとえば、そこに素魔の製法を記した本があったとしたら?
     どうなるかしら?」

ピンク影:「ど、どうなるッスか?自分、よくわかんないっす」

おぼろ:「うふふ。相変わらずバカなのね。
     弦庵が死んだ今、莫大な利益を生む素魔の製法を知る唯一の人間よ。
     天原を牛耳る、あの三馬鹿のいる青門組。
     莫大な金を生むとなれば政府も動く。
     そして人々を苦しめる素魔を憎み、この世から抹殺したい奉行所。
     3つの勢力があの子を狙って動くことになるわ」

ピンク影:「なるほど、わかりました。後は自分が片付けるッス」

おぼろ:「わかったわ。これであなたへの引継ぎは終わり。
     今日は定時であがって、これからショッピングにでも行こうかしら。
     じゃ、後はがんばってね」

ピンク影:「おつかれさまでーす!」

おぼろは一瞬にして、その場を立ち去ったのであった。

ピンク影:「さよを守らねば」

ピンク影はそう決意すると同時に、
本来なら3パートくらいかかる説明を、このパートにねじ込んできたおぼろ先輩の
実力に驚愕するのであった。
というかよくよく考えると7パートくらい素魔とまったく関係ないことをしていたことに
気がついたピンク影であった。
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侍道2P ~その10~

2013年05月04日 | 侍道2P


さよに文字を教え始めてからしばらく……




ピンク影:「さて、今日はなにを食ってくかなぁ。
      そういえば、私、この街に何をしにきたんだっけ。まぁ、いいか」

ピンク影は完全に目的を見失っていた。
そんなある日。



街の人:「さよちゃんがあんたのこと探してたみたいよ?」



街のがき:「さよが探してたぜ」



ピンク影:「なんだなんだ。文字を教えてやった途端、街の人とコミュニケーション取りまくりか」



さよ:「あうー」

ピンク影:「うおっ!お前、いつの間に私の家に!?」



さよ:「あうー」

ちらっと机の上の書置きに目配せする娘。



ピンク影:「なんだ。また『ぐ』が大きいのか?違うな。祭り?」



ピンク影:「天風祭りというのが近いうちにあるのか。それに行きたいと」

大きく頷く、さよ。

ピンク影:「まぁ、いいだろう。私もたまには息抜きしないとな」

※ピンク影は常時、息抜き状態です。



そしてやってきた天風祭り。
たくさんの夜店が並び、お囃子が鳴り響く中、ピンク影は



たかられていた。
しかし……



ピンク影:「わかったわかった。好きなのを買いなさい。どうせししょーの金だし」

ししょーの金なので、わりとどーでもよかった。



三馬鹿の一人:「ん?なんだうちの団子がほしいのか?金もってんだろうな」



三馬鹿の一人:「ほう、結構、持ってるじゃねーか。じゃあ、好きなのを持っていきな」



三馬鹿の一人:「お題は二両だぜ。くっくっく」



ピンク影:「団子が2両(現在のだいたい20万円)とか、ぼったくりってレベルじゃねーぞ!」



三馬鹿:「お前は、あのときの侍!」

ピンク影:「いや、忍者ですけど」



三馬鹿:「どっちでもいい!払うもんは払ってもらうぜ」

ピンク影:「さよ。ちょっと待ってなさい。
      私はちょっとこいつらと話しをしてくる」

三馬鹿:「話だぁ!?」

ピンク影:「そうだ。商売(物理)について穏便(物理)に大人の(物理)話をしようじゃないか(物理)」



三馬鹿:「何個、(物理)をつけるんだよ!
     ようするに力ずくってことだろうが!」

ピンク影:「誰もそんなこと言ってないだろう。大人の話し合い(物理)だよ」

………………………………
……………………………
…………………………
………………………
……………………
…………………
…………



ピンク影:「実に有意義な話し合いだったな。分かり合うって素晴らしいな。
      なぁ、おい」

三馬鹿:「ち、ちくしょう……」



ピンク影:「さよ。好きなのを持っていっていいぞ。金は私が2文ほど払っておくから」



さよ:「あうー」

ピンク影:「お?」



ピンク影:「私の分も持ってきてくれたのか」



ピンク影:「えらいぞ。その優しさと相手を思いやる心。お前は忍者の素質があるかもしれん」

三馬鹿:「だったら、お前は一番、忍者にむいてないだろうが!がっくーん☆」

ピンク影:「どこの山田みたいなやられかたしやがって」





ピンク影:「今度は団子だけじゃなくて、屋台の金も取って来るんだぞ?」


この平和な日々がいつまでも続くと思っていた……。
しかし、翌日、事態は思わぬ方向に動き始める。
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侍道2P ~その9~

2013年05月03日 | 侍道2P


ピンク影:「よう、団八。舞風にあわせてくれや」

団八:「1000文、用意できたのか?」

ピンク影:「当たり前だ。私を誰だと思ってる。忍者だぞ。
      1000文くらい、ぱぱっと用意してやったわ。
      主に、いや、100%、師匠が」

団八:「後半、心の声とかにしないんだ。言っちゃうんだ。あんた。
    金が用意できたならいいだろう。入りな」



舞風:「なんの御用ですの?」

ピンク影:「はいはいはい。子供に文字を教えるために1000文払っちゃう。
      やさしい忍者さんのお出ましですよ」

舞風:「なんでそんなにイヤイヤですの!?」

ピンク影:「イヤイヤに決まってんだろうが。こらぁ!!」



舞風:「とりあえず、1000文いただきましょうか」

ピンク影:「師匠が汗水たらして稼いだ金なんだから、大事にしろよ。
      そして私に感謝しろよ」

舞風:「なんでそんなに偉そうなんですの?」



舞風:「わかりました。では、あの子を呼びます。後は文字を教えるなりご自由に」



さっそく娘がやってきた。

ピンク影:「さて、仕方がないから文字を教えてやろう」



ピンク影:「どうだ。筆が重いだろう。この部屋はお前の住んでいる地球の10倍の重力が……」

舞風:(いや、それ文字じゃなくて界王拳とか元気玉を覚えるフラグだから……)



ピンク影:「どれ、どこまで上達したか見せてみろ」



ピンク影:「うーん。ちょっと『ぐ』が大きいんじゃないか?『ぐ』が」

舞風:「古っ!私達が言うとおかしいんだけど、あえて言うわ。古っ!!」

http://www.youtube.com/watch?v=Tuj6QMBQe5g

舞風:「しかも、その紙のどこに『ぐ』が入ってますの!?」



舞風:「もう見てられないわ」



舞風:「『さよ』。それがあなたの名前なのね?」

ピンク影:「いや、私はピンク影だよ?」

舞風:「あなたに言ってないから!!」



舞風:「『さよ』。なんといい名前なのでしょう」

ピンク影:「ついに文字を会得した。さよ。
      しかし、この文字を覚えたことによって、
      思わぬ悲劇が彼女を襲うことを、このとき誰も知らなかったのである」

舞風:「それ、あなた知ってるじゃないの!」


つづく……
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