侍道2P ~その4~

2013年01月20日 | 侍道2P
町外れの診療所……
ここでは弦庵という医者が、日夜、天原の人々を病から救っていた。

弦庵:「どうだ。これで腹も落ち着いただろう」



患者:「さすが弦庵先生。さっきまでの痛みが嘘のようでさぁ」



弦庵:「後は家に帰って静養しろ。飯は消化のよいものを食べるのだぞ」

ピンク影:「肉とか肉とか肉を食え」



患者:「ありがとうございやす。ところで治療代のことですが……」

弦庵:「その身体では金の用意などできまい。身体が治って働けるようになったら、
    払いに来い」

ピンク影:「利息はトイチだぞ」



弦庵:「よし、次の患者!」

ピンク影:「はりきってどうぞー!」



弦庵:「なんだ、お前は!さっきから、ちっさいボケを後ろからねじ込んできやがって」

千代:「あんたは……」

ピンク影:「よぅ、チヨパンじゃないか」

千代:「どこのアナウンサーだよ。そんな呼び方されてねーよ!」



弦庵:「診療所に刀を持ち込むとは……。ふん、侍というやつは時と場所をわきまえることもできん」

ピンク影:「なんだ。あんた、侍が嫌いなのか?」



弦庵:「ああ、まったくいけ好かん連中だ。ワシが治療して助けた命を、
    その刀、一振りで奪っていく」

ピンク影:「あんたが侍を嫌いなのは勝手だが、残念だったな。私は忍者だ」

千代:「だから、忍者なら忍者って言うなっつってんだろーが。忍べよ!」

弦庵:「ふん。忍者も侍も、人の命を奪うことに変わりはない。
    侍と忍者、一字違いで大違いってな」



千代:「いや、一字どころの騒ぎじゃ……それに言ってることの意味がわから……。まぁ、そんなことより先生、
    この変態は違うみたいですよ。ヤクザに絡まれてた名無しっ子を助けてくれたんです」



弦庵:「そんなものは偶然かマグレだろう。もしくは、握り飯を咥えて走っていたら、
    曲がり角で飛び出してきた女性にぶつかった拍子にもんどりうって倒れたら、
    女性の胸をわしづかみにしていた」

ピンク影:「ラッキースケベということか」

弦庵:「そういうことだ」

千代:「さっきから、何言ってんだ。おめーら!!」

弦庵:「だいたいがだ……」



すると、



村人:「先生!大変だ」



村人:「新田のばーちゃんがひっくり返った!」

ピンク影:「バカ!早く、新田のばーちゃんではさみ返すんだ!」

千代:「オセロじゃねーんだよ!」



弦庵:「なに!?いくぞ、チヨパン!」

千代:「今まで、そんな呼び方したことねーだろ!」



千代:「仕方がない。そこの変態。ちょっと留守を頼まれてくれるかい」

ピンク影:「人の命がかかっているのだろう。ここは私に任せて行って来い」

弦庵と千代は村人の案内で診療所を飛び出していった。

ピンク影:「ところで、あの娘はまだ来てないのか」



第5話につづく
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2 コメント

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しまったU+1F635U+1F4A7 (グレート太郎丸)
2015-12-29 09:39:46
間違えて、前回、2回も同じコメントしてしまいました。
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レス (sutamina)
2015-12-29 10:58:29
>グレート太郎丸さん
いいですよー^^
ぜんぜん、問題ないです。
返信する

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