VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

再生した長谷工

2006年04月19日 | 住宅業界
    【ご講演頂いた、長谷工コーポレーション岩尾社長(写真右)。左は岡田広報IR部長】

日本不動産ジャーナリスト会議の研修会、本日の講師は長谷工コーポレーションの岩尾社長
「企業再生への経営哲学」と題して、
大和銀行から長谷工へ移られてからの約8年にわたる再建の歩みを
「まだ途上」と前置きしながらも、その復活劇をお話下さった。

その成功には、再生法にまつわる手法など技術的な事から
住宅市場が好況に転じた幸運など様々な要因があるなかで、
社長が最も強調された点は、長谷工グループに‘企業価値’があった事。
当時1兆円を超える負債がありながらも、営業利益は100億円を出していた所以でもある
その企業価値とは、【人と社会性】であるとおっしゃった。

人=特に現場の力・営業力が強く
社会性=良質な住まい・コミュニティーを形成する使命。
それを信じて、社員の意識を一つにしながら再生へ邁進されたお話を伺っていて
思い出した事があった。

私が20代の頃、関西で「住宅情報」の営業ウーマンをしていた当時
ラ・ビスタ宝塚」という大規模マンションの広告を担当し
週末、販売現場のモデルルームで一緒に格闘した長谷工アーベストの方々との思い出。
皆、若いながらも責任感を持って行動されていた事を。

一時は株価が13円まで落ちた時期もあった長谷工が
今、ゼネコン大手からは、その利益率の高さについて関心をもたれているという。

マンション事業にビジネスコアを集中したことによるものだが
今後、その長谷工マンション住人の出口としてもニーズが高いと思われる
健常者シニア向けマンションや介護付きマンションの展開に、私は注目している。

ところで、岩尾社長は
「銀行から再建の為に送られた者は‘落下傘部隊/進駐軍’と言って警戒されるものなのですよ」と
ご心労を匂わせたが、基本、明るく・本音を語り・気どりも無く人間味溢れ
所謂‘銀行から来た’感が無い。(関西人?)
岡田広報IR部長もおっしゃったように、取材後マスコミが印象を良くして帰る訳だ。


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