VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

ユーロクチーナ:8ヶ国141社のキッチン展示

2008年04月17日 | ミラノ・サローネ08
2年に一回、ミラノ・サローネで併催されるキッチン見本市『Eurocucina(ユーロクチーナ)』、今年は8ヶ国141社の展示。
今年の色調は、一昨年のグリーンから、ファニチャーZone同様、アースカラー調。中でもグレーの使われ方が面白かった。

また印象的だった2つのトレンド、一つは〝LIVING KITCHEN〟の進化。「Living&Cooking Style」や「Living Kitchen」という表現で、‘生活するキッチン、寛ぐキッチン’としてキッチンが生活の中心にある空間コンセプト。

その〝LIVING KITCHEN〟空間をデザインする際、炊事場的キッチンの気配を無くしファニチャー化する提案が主流であるが、キッチンをオブシェとして大胆に演出する提案も見られた。

もう一つのトレンドは、〝マニッシュ、男前〟なキッチンが多く見られたこと。キッチンはもはや女の城では無くなった!

そんなカラーやトレンドのキッチンを以下、写真で一挙に紹介します・・・・

男前キッチンの象徴、ドイツpoggen pohl社の「P'7340」は、Porsche Designとの共同開発。コンセプトは正しく‘Kitchen for Men’という!
 
世界的なデザイン・アワードである[IF金賞]を今年受賞。アースカラーな展開が男っぽいけど優しい。 新作ダイニングも発表。

こちらは〝TECHNO-LOGICAL〟キッチンがブランドコンセプトのBinova社、社長(左)が新作の前でポーズを取ってくれた。
 このツールセットは男性が好きそう 
換気扇内蔵のツールキャビネット兼リビングボードは格納してフラットになるLiving Kitchen。
 

70年代の人気シリーズ「LongLine」を復活デザインしたSalvarani社。グレーの扉に上部吊戸棚はミラー張りでクールなキッチン。(左)
 
右上、曲線のレイアウトが珍しい。家具大手のFEGグループであるSalvaraniはダイニングやキャビネット家具と素材を揃えた提案ができる。
  
右、コンセントがカウンターTopにビルトイン。上から押すとフラットに収納。
下、FEGグループ社長らと共に、日本代理店インテルイタリアのグラツィアーノ社長(右端)。
 換気扇キとャビネットのデザインを横ラインに
今日は、こちらでSALVARANI特製ロゴ入りのランチBOXを頂いた。インテルイタリアの八下田さんと。
 

書棚とキッチンが一体化、COMPREX社(左)。   右、キッチンカウンターとリビングローボード(TV台)が一体なのは珍しい。
            
会場を取材していたら、人気インテリアデザイナーの小坂竜氏に遭遇!展示の印象を伺ったら
「バスは我々が勝ってるかな(笑)! でもキッチンはスゴイね、面白い」と。
今夜、小坂氏らの展示会場でパーティがあるということで誘って下さった!

左、白のキャビネットにトップは手前のベンチ&テーブルと同じナチュラル仕上げの木を添えて温かな印象に。
右、オークナチュラル仕上げのキャビネット側面に光沢のある大理石カウンターを渡し変化をつけた。
 
収納引出し内部は接着材無しのオールアルミと強化ガラス、共にSCHIFFINI社。

会場ブース内で本格的にシェフが料理するプレゼンテーション。  右、クラッシック・モダンがキッチンになるとこんな風に!
    Cadore社 

LINEA QUATTRO社では、モダンリビングのオブジェと化するLIVING KITCHENスタイル!
テレビ掛壁とカウンターが一連となった部分はモザイクタイル貼り。
 
今回は珍しいイタリアン・ビビッドColorのキッチン。 クローゼットのようなキャビネット扉はタテに収納。  木製でコンロカバーも統一。
  

独ALNO社のブースは、ロゴの入った真っ白なナフキンが天井一杯に吊られた斬新な空間演出。スプマンテ&プロシュート・・・美味しかった。
   
新作プロトタイプ「STARLINE」、ハンドル・レスの扉を開くとクロム素材の美しいシェルフが。カウンタートップはコンクリート製。
  
シンプルスタイルにLED照明で演出(カラーは可変)。引き出しにガラスパーテーションを採用しクリアな機能美。

Eurocucina会場を出て、市内のショールームでしか見れないキッチン高級minotti cucine社に向かった。 
  
「uni」、扉・トップを閉めると、そこにはキューブ・デザインの空間が存在するだけ。コンロや換気扇もキューブに収納。
 
〝minimalism(ミニマリズム)〟を哲学とし、キッチンそのものの存在感を無くすことで「人が主人公になる」という〝visual silence〟がそのコンセプト。トップインテリアデザイナー達が「一度は使ってみたい」と憧れる。
  この石造りのキッチンも、換気扇は電動で昇降し収納、その上をコンロ含め同石のカバーで隠せばキッチンの存在は無くなる。私が立つとスケールが分かるが結構大きい!
 
収納キャビネットに見えるが、これもキッチン。 ちなみにお値段は家一軒程度・・・東京ではクライス&カンパニー社で見れる。

イタリアでは男性も料理が得意、キッチンへのこだわりは女性だけでは無いようだが
日本にも〝男前〟キッチンの波はやってくるだろうか???


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