山本晴美 ここで愛ましょう

歌語りシンガソングライター 山本晴美のブログ

泣き笑い

2008-10-01 23:16:05 | ここで愛ましょう

15歳のある子が、信頼していた先生から「あなたの力なら行けても○○大学の下の方」といわれたそう。
ずいぶん前のはなしだったらしい。
つい数日前に聞いたわたしがショックだった。
地道に努力する子だった。
ずば抜けてはいないが、前をむいている素直な子。
子どもの三年後の未来を頭打ちするような言葉を無責任にも告げるものかな?
子どもの成長が数日、数ヶ月、どれだけ変わるものか、その方は知っているのか?
多感で自分に自信のない時期、彼女は、自分はそういうものなのだと言われたのだから、そういうものだと思ったそうだ。
傷つくのがいやだから、きっと笑顔で聞いていたんだろうね。

想像しただけで泣けてくる。
大人も同じだ。
冗談でも言われたくない事がある。
わたしも自分に自信などないのだ。
だからこのままで全力でいくしかない。
その一言・・・
いつまで笑っていられるかわからない。
だから冗談で応えるしかないのだ。
ひとりで、後から思い出した時なんか、泣き笑い。
人を比べる物差しなんて持たない方がいい。
冷めたように笑ってはなす彼女の中に自分をみた。



自分育て

2008-10-01 10:57:47 | ここで愛ましょう
昨日は午前中は、ブドウ畑にはさまれた道路の上り坂をぐんぐん上った所にある、小学校へうかがいました。
小さな学校です。
職員室の隅にある居間のようなテーブルはいつも先生方があたたかく迎えてくれます。
廊下ですれ違う子どもたちも学年関係なく、笑顔でハイタッチ!時にハグなのです。
5月に来た時よりも、体も顔も心も成長してそれだけで胸がギューっとなるわたしです。

いつも担当依頼をいただく学年が12人しかいないので、二つの学年の合同授業です。
音楽祭という目標の中で合唱に取り組んでいます。
時に合唱以外のことで中断します。
あっ、ほとんどか(笑)

しゃべるな・・・とか。
歩くな・・・とか。
けんかするな・・・とか。

わたしが子どもの頃の授業風景とかなりちがう現実があります。
今日は学校と教室とMJと子どもたちとそれぞれに関わり、その中で同じような気持になる場面がありました。


子どもたち。
みんなが個性の集まり。
大人にとって、都合のよい子ばかりじゃありません。
特に学校は難しいですね。
静かな環境が好きな子も、じっとしていられない子も同時に育たなくてはならないからです。


子どもたちへの今日の授業の終わりのメッセージは・・・
歌はいくらでもうまくなれる、だけれど、それがいちばん大切なことじゃない。
わたしが伝えたいのは、毎日の生活の中でみんなが大人になってゆくのに必要なことがちゃんと出来ないとダメだということ。
身のない歌声は伝わらない。
おしつけのテクニックを学ぶ時間にはしたくない。
うたおうという気持で出来上がってゆく歌声がすき。
ちゃんと自分のこころが動く時間であってほしいな。
そのための「授業」ではなく、まさに創り上げてゆく、ワークショップでありたいのです。
もっとひとりひとりに関わりたいと感じる瞬間がたくさんあります。


子育ては大変なのです。
家庭でも学校でも地域でも。

わたしが子どもたちに向かうとき・・・
よいもわるいも、揺るぎない自分で向き合い、あなたたちの成長を待つ忍耐力(重要)はあるということ、先を生きる大人として決して見て見ぬふりはしないうことは約束するよ。
もちろん、大変です、それぞれの成長の過程はわたしの都合に合わせてくれないから。

授業が終わって、廊下をあるいていたら、いろいろな意味で「愛の手」のかかる生徒が「ありがとうございましたっ」って言って走りさっていったよ。
こいつったら・・・と思う瞬間です。


自分育ての現場をありがとうなのです。
一生懸命な先生方ありがとうございました。

あぁ1日、うたった、怒鳴った、笑った、ささやいた。
ちょっぴり涙もでた。
今日もわたしのこころは忙しい。