乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

錦市場で 『京のぶぶづけ米』 を見つける

2006-10-02 | お出かけ
 9月末日

 子どもに会おうと思い京都に行く。

 少々早くつきすぎたので錦で買い物。

 錦といっても料理屋ではなく今回は市場の方である。




 下宿している子どもが米の底が尽きたというので、とりあえず米屋で新米を2キロばかり購入。

 店内を見渡すと各産地の新米がそろい始めていたが、中でも目を引いたのが『京のぶぶずけ米』という銘柄の米が堂々と前列に並べられていること……

 この『京のぶぶずけ米』は4000円強の手ごろな値段のお米だったが、根っからの京都人でもなかなか購入することはないといった珍しい代物。

 多分どこぞやの料亭やそこいらのB級料理店が『京のぶぶづけ』としてメニュウに並べられているのではないだろうか…

『京のぶぶづけ』か……
 
 確かに京都人気質としてそういった風潮は無きにしも非ずではあるが、落語などによってなんだか京都人の嫌な部分が誇張されているようで、こどもの頃は特に嫌だったナァ……

 第一京都の人間は『お茶』のことを『おぶうを飲む』とはいっても『お茶漬け』のことを『ぶぶづけ食べる』とはいわない。

 

 

 そういうと小学生の頃 友人のやっちゃんちに呼びに行っていた。

 やっちゃんのおうちは毎朝お茶漬け。

 今でこそ超有名になった高級京の漬物を、そのあたりの住民はその昔は普段使いに食べており、やっちゃんのおうちでも何種類か並べられていた。

 ところがうらやましかったのは、十種類以上の銀色の丸筒の大きな入れ物になんと『あられ』や『手焼きのおかき』の各種がそろえられていた。

 その『あられ』や『手焼きのおかき』も近所のおかき屋のもので、これを毎朝お茶漬けに浮かべていたのである。

 この『手焼きのおかき』は今でこそ味が落ちたものの、昔はずいぶん美味しく、好物の一つであったが、待った今雲お茶漬けに浮かべるなどの恐れ多くも大それた無茶な食べ方はしなかった。

 我が家でも『手焼きのおかき』各種は父が度々買ってくれたものの、その都度 『がりがり』或いは『パリパリ』、『ぱりんっ』などとおやつとしていただいていた。

 こどもの頃は
『こんな美味しいおかきをお茶漬けに浮かべて、ふやかして味を薄めて食べるなんて邪道や…』
と思うようなひねた子どもでだったが、今は妙に懐かしく、
『もしかすればそんな食べ方も上手かったのではないか…』
と少々悔やんでいる私に気づく……




 錦では『ぐじの焼いたん』や『むつの焼いたん』、『ちりめんざんしょ』『豆もち』『丹波の焼き栗』などにも心惹かれたが、今回は子どものためにご飯に合う
『鱧の焼いたん』と『子持ちの恋のたいたん』を一品づつ違った店で購入することにした。





 大丸前からバスに乗り、荒神橋で降りる。

 喫茶店は合ったが、懐かしい『ふうんじゃらーむ』や『しあんくれーる』だったかは確かめはしなかったのが残念。




 荒神橋を渡ると右手に大学の応援団が練習していて、ついつい右に曲がってしまったのが運のつき。

 逆方向である……

 少し進むと『つくねや』からいいにおいが立ち込めてきた。

 私はすぐさま子どもを呼び出し、『つくねや』で『好きな鳥なんば』をあえて控えて この日に昼食は『つくね定食』をいただいたのである。

 『好きな鳥なんば』を選ばなかった後悔はあまりにも大きく、また『この店のつくね団子』も食べたい!

 そこで大好きなつくねやさんに一つ提案。

『つくね団子』の単品化をお願いしたい。

 両方食べたかったんです、私……





 なんと大それたばかげた妄想にとらわれながらも私たち二人は『つくねや』をあとに、一路子どものマンションに向かい、先ほど錦で購入したやたら重量だけはかさむ『米』と『鱧』と『子持ち鯉』を無造作に冷蔵庫にしまいこんで、お茶するまもなく嵐山へと向かったのでした……

 

 
 
コメント
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