ぼけヴォケ!

認知症患者と介護家族はいかにしてボケツッコミスキルを入手したか。
慢性骨髄性白血病発症。目指せ分子遺伝子学的寛解維持。

ぬくぬくわんこ。

2009-01-16 | Weblog
新しい職場に入り、ワタクシメもようやく仕事に慣れてきた。
だが、ぎょっとすることがいまだにある。


職場のある建物に入ろうとしたワタクシメ。
なにやら、気配を感じ、ふっと横を向いてみた。


そこには、えらく、ぬくぬくしたわんこがつながれていた。


ゴミステーションによくある、プラスチックの網の張った折りたたみ式の箱のような檻。
その中とはいえ、寒い戸外にいるわんこには毛布がかけられていた。
貼るタイプのホッカイロで、いびつな市松模様になった毛布が。

「?」という顔で見上げるぬくぬくあったかわんこ。
「?」な頭になったワタクシメ。
しばらく見つめ合ってしまった様子は、ひどくおまぬけであったことだろう。


職場の人に聞いてみると、その職場では、犬猫に関する事務を扱っているのだとか。
その関係で、たまに飼えなくなったりした犬猫を持ってくる人がいるのだそうだ。
引き取り手がいない場合、最終的には保健所に送られることになるのだが。

時には、予想以上に生まれて困った子犬や子猫を連れてくる飼い主もいると聞いた。
職場の人「産地直送だから、いいのがいたら早い者勝ちだよ!」(笑顔きらりん☆&サムズアップ)


……産地直送って。
ちょっと狙おうかと思ってしまった。
それで少しでもちいさな命が救えるのなら、なおさら。
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日記。

2009-01-15 | Weblog
Booじーちゃ。の日記帳をおかんさまは今年も買った。
しかし、ご本尊といえば、ペンすらさっぱり持とうともせず、ひねもすうつらうつらしてばかり。

本人が書きもしない日記帳をなぜ買うのかというと。
おかんさまがBooじーちゃ。の観察日記兼健康チェック記録として使っているからだ。
しかし、Booじーちゃ。が、一つだけ日記につけることがある。
おかんさまに言われなければやらないが。

それは、ウンコの記録である。


もちろん、これには訳がある。
ウンコがたまってくると、Booじーちゃ。は、譫妄状態がひどくなるのだ。
「三十年以上も音信不通の友人が訪ねてきたから貸してあげるんだ」と、
麗々しくも床の間に尿瓶を置いてみたり。
「この帽子が道行く車の合図になっているんだ」と言い張り、
散歩に出たまま一本の電柱の脇から動こうともしなくなり。
不審者と見なされてパトカーに乗ってみたり。
高齢者虐待を疑われて、おかんさまが警察に呼びつけられてみたり。
(なんでも、Booじーちゃ。は、「おかんさまが立ってろと言ったから立ってるんだ」と言ったらしい。
えんえん五時間ぐらい、家族がいれかわりたちかわり、車まで持って行ったりして連れ戻そうとしたのだが。)

記録を取ることで、ひどくなる前に下剤を飲ませるなどの対応もできるのだが。
当然のことながら、いちいち他人のケツの穴など、誰も覗きたくはない。
そこで、Booじーちゃ。自身に、記録をつけさせるのだ。
結果、Booじーちゃ。の日記には、「五分目」「一割」など、なんだかよくわからない量が書き連ねられることになる。


おかんさまは、去年使っていたものと同型の日記帳を買った。
ご丁寧なことに、その表紙の色はゴールドである。
……ウンコ色やんけ。
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いつか野生に帰る日。

2009-01-14 | Weblog
おかんさまとBooじーちゃ。の攻防戦はどうみても、Booじーちゃ。が、不利である。
日々の生活管理すべてをおかんさまの手に握られているからだ。
そして、QOLの維持という点では、ことごとくおかんさまの注意が正しい。
だからこそ、Booじーちゃ。の、反発を招いているわけでもあるのだが。

おかんさまがBooじーちゃ。に、話しかける内容の三分の二は注意か命令である。
統計をとっているわけではないから、もっと多いかもしれない。
「寝るな目を開けとれ」「運動せい」「夜中に外へ出て行こうとするな」

聞こえているのやらいないのやら。
Booじーちゃ。が、返事をしないと、さらにボルテージが上がる。


最近、おかんさまへBooじーちゃ。が、する返事が変わりつつある。
たとえて言うなら、不良のガンつけ時に発生する、「あ゛ァっ?!」という半ば効果音のような威嚇と。
森で録音採集したホエザルの呼び声をミックスしたような、単音節の大音響である。
「なんだね」とか、「はぁ」といった、人間の言葉を発していたころが懐かしい。

不思議なことに、この大音響はおかんさまのみに発せられる。
おとんさまには幾分人がましい返事をするBooじーちゃ。
別に、婿であるおとんさまに遠慮しているわけではない。
おかんさまと自分との続柄すら、もうわからなくなっているのだから。

Booじーちゃ。が完全に野生に帰ってしまう日はくるのだろうか。
その時には捕獲の上、厳重な保護管理がさらに必要になるのだろう。
放鳥された朱鷺とは逆である。

…まあ、絶滅は危惧されてないしな。
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花豆。

2009-01-13 | Weblog
花豆という、ちょっと変わった豆がある。
大きさは空豆の1.5倍ほどの大きさである。
黒豆のように紫がかった黒と、白っぽい斑点が入り交じっているその様子は、まるでスノーフレークオブシディアンのようでもある。
丁寧に煮豆にすると、やや厚めの皮も柔らかく、なかなか食べ応えがあっておいしいものだ。

この豆を去年の夏、我が家で蒔いてみた。
にょきにょきと伸びまくった蔓は、勝手気儘に我が家の庭を這い回り、ジャングルのような様相になった。
そのところどころに咲いたサルビアのような深朱の花は、一月以上も家族の目を楽しませてくれた。
……花がいっぱい咲いたわりに収穫が少なかったのは、おそらく蒔いた時期が悪かったのだろう。

収穫した後は乾燥のため、鞘を割って取り出した豆だけを天日に当てる。
驚いたことに、鞘を割った直後の花豆は、フクシャピンクとボルドーという、目にも鮮やかな蛍光色に近い色をしているのだ。
乾燥するにつれて、段々とその色合いが沈み、深いものに変わっていくさまもなかなかに美しい。


来年も蒔いてみようというので、種として取り分けることにした。
一握り蒔いただけで庭が占拠されそうになるので、種にするのは少しでいい。
乾燥具合、膨らみ具合を一つ一つ丹念に見ていく。

それをじっと見ていたBooじーちゃ。
おもむろに、一つを取り上げると入れ歯で噛みしめた。
長年、農業に従事してきた身体が、種の見分け方を思い出したのか。


Booじーちゃ。「なんだこれ、生でねか!」

…いや、見ればわかるでしょ。


…もはや人間の三大欲のうち、食欲と睡眠欲の権化となったBooじーちゃ。
食べ物と見たものは、口にいれずにおれなくなってしまっていただけであった。
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世間様。

2009-01-12 | Weblog
ワタクシメの日常をブログネタにしていることを、家庭内カミングアウトしてみた。

おかんさま「ええっ?!何でそんなことをすんの!」

何でって。
これまでも、さんざか「ブログネタにすんぞ!」と言ってきたじゃないですか。
ワタクシメは有言実行を貫いとります。

おかんさま「やめてーよ。おもてを歩けなくなるじゃないの!」

…なんですかそのリアクション。

おかんさま「作家の周りの人間はね、必ず迷惑するものと決まってるの!」

………。
いつの時代の人間ですかアンタ。
そもそも作家ってレベルでもないっての。

おかんさま「なら、何書いてんのよ。まさか本名出してるんじゃないんでしょうね!」

まさか。
そんなこと、するわけがないじゃなりませんか。
(にっこりんぐ)

おかんさま「読ませなさいよー!!」

やーだよん♪
うけけけけケケケッ(^◇^)
PCが使いこなせないというのも、大変だね♪
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