ぼけヴォケ!

認知症患者と介護家族はいかにしてボケツッコミスキルを入手したか。
慢性骨髄性白血病発症。目指せ分子遺伝子学的寛解維持。

花豆。

2009-01-13 | Weblog
花豆という、ちょっと変わった豆がある。
大きさは空豆の1.5倍ほどの大きさである。
黒豆のように紫がかった黒と、白っぽい斑点が入り交じっているその様子は、まるでスノーフレークオブシディアンのようでもある。
丁寧に煮豆にすると、やや厚めの皮も柔らかく、なかなか食べ応えがあっておいしいものだ。

この豆を去年の夏、我が家で蒔いてみた。
にょきにょきと伸びまくった蔓は、勝手気儘に我が家の庭を這い回り、ジャングルのような様相になった。
そのところどころに咲いたサルビアのような深朱の花は、一月以上も家族の目を楽しませてくれた。
……花がいっぱい咲いたわりに収穫が少なかったのは、おそらく蒔いた時期が悪かったのだろう。

収穫した後は乾燥のため、鞘を割って取り出した豆だけを天日に当てる。
驚いたことに、鞘を割った直後の花豆は、フクシャピンクとボルドーという、目にも鮮やかな蛍光色に近い色をしているのだ。
乾燥するにつれて、段々とその色合いが沈み、深いものに変わっていくさまもなかなかに美しい。


来年も蒔いてみようというので、種として取り分けることにした。
一握り蒔いただけで庭が占拠されそうになるので、種にするのは少しでいい。
乾燥具合、膨らみ具合を一つ一つ丹念に見ていく。

それをじっと見ていたBooじーちゃ。
おもむろに、一つを取り上げると入れ歯で噛みしめた。
長年、農業に従事してきた身体が、種の見分け方を思い出したのか。


Booじーちゃ。「なんだこれ、生でねか!」

…いや、見ればわかるでしょ。


…もはや人間の三大欲のうち、食欲と睡眠欲の権化となったBooじーちゃ。
食べ物と見たものは、口にいれずにおれなくなってしまっていただけであった。
コメント
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