ぼけヴォケ!

認知症患者と介護家族はいかにしてボケツッコミスキルを入手したか。
慢性骨髄性白血病発症。目指せ分子遺伝子学的寛解維持。

やさしさにつつまれたなら。

2009-01-23 | Weblog
子どものころは、風邪をひくのが恐ろしかった。


別に、学校を休まなければいけない羽目になるのがいやだとか。
高熱のだるさがきらいだったとか、そういうわけではない。


「風邪はあったかくして寝て、汗をいっぱいかくのが一番!」
おとんさまとおかんさまは、そう思い込んでいた。
かけ毛布と敷き毛布、掛け布団と敷き布団できっちりコーティングした子どもを真ん中に。
二人がかりでがっちりロック。

川の字というより布団蒸し?

息が苦しいのは風邪のせいなのか、それとも顔まですっぽりと布団に被われているせいなのか。
風邪の子がすっかり蒸し上がり、意識が睡魔だか三途の川だかに呼び寄せられる頃。
タオルでごっしごっしと拭き上げた上に、上から下まで着ている物をひっぺがされて全取っ替え。
これがまた力任せもいいところだから痛いのなんの。


されているときには迷惑だとしか思えなかったが。
親として、子どもにやれることはなんであろうとやってやろうという姿勢は、今思い返せば頭が下がる。
自分が親になったとき、子どもにそれほど尽くしてやれる自信ははっきり言って、ない。

洗濯物を畳んでいて。
残った二人の汗の臭いに、記憶がふとよみがえった。
本人たちもさぞかし暑かったろうな、と。


…のぼせて一度、鼻血吹いたけどな。
コメント
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