ぼけヴォケ!

認知症患者と介護家族はいかにしてボケツッコミスキルを入手したか。
慢性骨髄性白血病発症。目指せ分子遺伝子学的寛解維持。

どこまでが本当?

2009-01-07 | Weblog
Booじーちゃ。は、家の中でも目を離すことができない人物である。
最近は特に足が弱ってきたこともある。
日課だった散歩も天候が悪いせいで、あんまりすることができないでいるのも、悪影響を及ぼしているのだろう。

足が弱れば手も弱っている。
介護用の食器というのは、軽く丈夫な材質で、持ちやすくなっているものだ。
しかし中身が入っていれば、それはかなりの負荷なのだろう。
食事の際には手をプルプルさせながら口元まで持ち上げている。
一つのお椀を持ち上げたら、ご飯だろうと味噌汁だろうと空になるまで離さないのも。
啜り込むようにして丸呑みにしているのも。
おそらくは食器の持ち替えや、細かい傾け方の調整などがやりにくくなっているからなのだろう。

そんな、Booじーちゃ。の好物は煮物と漬け物がほとんどである。
ほぼ総入れ歯であると、柔らかくて口の中で潰しやすく、味が濃くて、入れ歯に被われた口の中でも味がわかりやすいからなのだろうか。
「もう一ついいかね」をえんえん繰り返し。
目の前にあるものすべてを無表情で食べ尽くそうとするのだ。

そんなときのBooじーちゃ。の箸さばきといったらじつに軽やかである。
不器用にご飯を喉に流し込むのにしか使われていなかった箸が、ひょい、ぱく、ひょい、ぱく、とばかりに口と盛り皿を的確に往復する。
らっきょの甘酢漬けを最期の一つまで食べ尽くし、まだあるはずだと白い漬け物入れをのぞき込む。


そんな、Booじーちゃ。の身体能力を正しく計測するには、どうやら目の前の人参が必要なようだ。
コメント
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