未来を信じ、未来に生きる。

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崩れゆく有志連合-イラク「多国籍」軍 いまや米兵93%-

2008-03-02 00:56:38 | 国際政治
崩れゆく有志連合
イラク「多国籍」軍 いまや米兵93%

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 米主導のイラク駐留多国籍軍=有志連合の崩壊が進んでいます。最大三十九カ国が参加した多国籍軍は現在二十一カ国に参加が半減し、駐留継続国の中でも撤退・削減を予定・計画している国が多数です。「多国籍」とはいえ、いまや兵力の約93%は米兵で、実態は米軍そのものです。

 二〇〇三年三月二十日に始まったイラク侵略戦争に直接参加したのは米英両国とポーランド、オーストラリアの四カ国。しかし、この五年間、撤退国が相次ぎ、完全撤退国は十八カ国になりました。スペイン、イタリアなどではイラク戦争を主要な争点とした選挙で政権が交代した結果の撤退でした。

 侵攻に直接参加したオーストラリアでも昨年十二月の総選挙で労働党政権が誕生。ラッド首相は今年六月までに戦闘部隊を撤退させると表明しました。ブッシュ米大統領の「盟友」ブレア首相もイラク問題などを大きな理由の一つとして退陣を余儀なくされました。後継のブラウン首相は今年春までに駐留軍を半減させるとしています。

 イラクへの派兵国で、これまで駐留軍を削減した国や今後削減・撤退を予定・計画している国は米国を除き十四カ国。そのうち、エルサルバドルは今月五日、サカ大統領が近く完全撤退をすると表明しました。米国は七月末までに部分撤退を予定していますが、昨年一月の増派以前の十三万八千人をなお上回ります。

 国連憲章の平和の秩序を真っ向から踏みにじったこの戦争を国連は当初、容認しませんでした。米国は「有志連合」として戦争を開始し、その後、安保理は〇四年六月、決議一五四六で「有志連合」を多国籍軍として「お墨付き」を与えました。

 国連安保理は昨年十二月、イラク政府の要請を受けて、多国籍軍の駐留を今年末までとする決議を採択しました。これは〇四年の決議一五四六に、国際世論の圧力で多国籍軍の駐留にはイラク政府の同意が必要であるとの項目が盛り込まれたからでした。

 米国はイラク政府との間で、今年夏以降の米軍のイラク駐留継続についての協定を結ぶ構えです。米軍の長期駐留を狙うものですが、有志連合の崩壊もイラクとの協議の背景の一つです。(伴安弘)

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■イラク撤退国 18カ国( )内は最大兵力

2004年撤退 ニカラグア(230人)、スペイン(1300人)、ホンジュラス(380人)、ドミニカ共和国(302人)、フィリピン(51人)、タイ(423人)、ニュージーランド(61人)、トンガ(45人)

05年撤退 ポルトガル(128人)、ハンガリー(300人)、シンガポール(200人)、オランダ(1345人)、ウクライナ(2000人)

06年撤退 ノルウェー(150人)、イタリア(3200人)

07年撤退 リトアニア(120人)、スロバキア(110人)、ラトビア(139人、3人が連絡要員として残留)

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■駐留国 21カ国(*は今後も撤退・削減を予定・計画している国)

米国* 156000人(侵攻時25万人、7月までに14万人に)

英国* 4500人(侵攻時45000人、今年春に2500人に削減予定)

ポーランド* 900人(侵攻時194人、最大2500人、今年半ばまたは10月までに撤退を計画)

オーストラリア* 1575人(侵攻時2000人、うち戦闘部隊550人の撤退を今年6月までに予定)

グルジア* 2000人(今年夏までに300人を削減する計画も)

韓国 933人(最大3600人)

ルーマニア 397人(最大730人)

エルサルバドル* 280人(最大380人、近く完全撤退)

日本 約210人(04年3月、航空自衛隊隊員とC130輸送機3機を派兵、クウェートを拠点にイラクで活動。陸上自衛隊600人は06年7月に撤退)

ブルガリア 155人(最大485人)

モンゴル 100人(最大180人)

チェコ* 99人(最大300人、さらに80人の削減を今年夏に予定)

アゼルバイジャン 88人(最大250)

デンマーク 50人(最大545人)

モルドバ 11人(最大24人)

アルバニア 120人

アルメニア 46人

ボスニア・ヘルツェゴビナ 37人

エストニア 35人

マケドニア 33人

カザフスタン 29人

(出所:日本共産党HP 2008年3月1日(土)「しんぶん赤旗」)
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道路特定財源問題。

2008-03-02 00:48:00 | 国内経済
道路特定財源
生活道路の費用圧迫
塩川議員 国直轄費は高止まり

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 日本共産党の塩川鉄也議員は二十九日の衆院総務委員会で、高速道路など国直轄の道路整備事業費が増える一方、生活道路が切り縮められている構造を明らかにし、道路特定財源の一般財源化を求めました。

 塩川氏が取り上げたのは、国直轄による道路事業費と地方単独事業費の一九九六年度から二〇〇七年度までの推移。地方単独事業費が六兆三百億円から二兆二千六百億円まで減る一方、国直轄事業費は一兆七千三百六億円から二兆七百五十八億円へと一・二倍に増加しています。

 塩川氏は「国と地方あわせた道路費は大きく減少している。なぜ直轄事業費だけ増加・高止まりしているのか」と質問。国土交通省の菊川滋大臣官房審議官は、地方の財政状況の悪化や、〇三年度から始まった新直轄事業の影響が大きいなどと述べました。

 塩川氏は、一般国道の舗装補修事業への補助の廃止、地方道の一時改良事業への補助採択基準の二億円以上から五億円以上への引き上げを示し、「国が(地方への)補助基準を厳しくし、直轄事業を増やす方向に地方を追い込んでいる」と追及。

 菊川氏は「(事業を)重点化した結果」などと答弁しました。

 塩川氏は、補助事業予算が二〇〇〇年度―〇六年度の間に44%減るなか、一般国道の整備事業は約三割の減にとどまる一方、地方道の整備事業は64%の大幅減となっていると強調。「日常生活に必要な単独事業が圧縮され、高速道路ばかりができるような仕組みになっている」と批判しました。

地域高規格道路
法的位置付けなし
穀田議員追及 国交相も認める

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 東京湾口道路など六横断道路建設計画を含む「地域高規格道路」は、国民のばく大な血税を使う事業なのに法的に位置付けられていない―。こんな実態が、二十九日の衆院国土交通委員会での日本共産党の穀田恵二議員の質問で明らかになりました。

 「道路中期計画」(五十九兆円)に位置づけられる「地域高規格道路」(都市高速道路など)は、今後十年間に約六兆円もの税金が投入されます。

 穀田氏は、「地域高規格道路」が、採算性や必要性についての評価をする「費用対便益評価」が行われていないことを指摘した上で、「地域高規格道路」の法的位置づけと制度創設の経緯をただしました。冬柴鉄三国交相は、「一九九二年の道路審議会の建議で初めて示し、第十一次道路整備五カ年計画に盛り込まれた。法律に位置づけられているものではない。九八年に閣議決定された」と述べました。

 「法的にきちんとしたものではない。国民にわかりにくい制度だ」と迫った穀田氏に、冬柴国交相は「地域高規格道路」のうち、大きなものについては「社会資本審議会に諮る」など、制度改正をすると答弁しました。

 穀田氏は、九八年の「五全総」(新・全国総合開発計画)にもとづく「地域高規格道路」が、九〇年代の「公共投資基本計画」で景気対策として線を引かれた計画だと批判。バブル期に計画された「高規格幹線道路」とあわせ、経済情勢が大きく変化している今日、真に必要かどうかを精査すべきだと要求しました。

(出所:日本共産党HP 2008年3月1日(土)「しんぶん赤旗」)

横断道 国会に諮る
衆院予算委 国交相が笠井氏に答弁

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 日本共産党の笠井亮衆院議員は二十八日の衆院予算委員会で、東京湾口道路など六横断道路建設計画についてただしました。冬柴鉄三国交相は「これは(地域高規格道路の)候補路線だが、これを(計画路線に)格上げするときは国会にはかる手続きを決めたい」と答えました。政府は従来、候補路線の格上げは、「国交相の指定」で決まるとしていました。冬柴国交相の答弁で、六横断道路については国会にはかることになります。

 また、笠井氏は、国土交通省OBと建設業界幹部が役員を占める財団法人「海洋架橋・橋梁調査会」が、横断道路計画の調査を随意契約で受注している実態(表)を示して追及。冬柴国交相は、同財団が調査を受注していることを認めました。

 この問題で国交省は、二十一日の同委員会で、調査の発注先は「特定困難」としていました。

 「海洋架橋・橋梁調査会」は、理事長が旧建設省道路局長OB、理事には大手ゼネコンの大成建設会長などが名を連ねています。笠井氏は、独自調査をもとに、同財団が二〇〇五―〇七年度に、「東京湾口道路」や「伊勢湾口道路」など特定できただけでも十五件、五億円以上の調査業務を随意契約していることを示し、ただしました。

 笠井氏の追及で、同財団が、道路特定財源から〇六年度に約二十九・六億円の関連業務を受注していることが判明。また、専務理事が年千八百三十八万円、常務理事が年千七百五十五万円もの多額の役員給与(〇六年度)を受け取っていることがわかりました。

 笠井氏は「こういう財団法人が、毎年多額の調査費を受け取って、海峡横断道路計画にかかわっている。財団の存続の是非も含めて検討すべきだ」と迫りました。

 冬柴国交相は「調査結果により、私の政治判断で対処したい」と答えました。

(出所:日本共産党HP 2008年2月29日(金)「しんぶん赤旗」)

路特定財源
各国は一般財源化
佐々木議員 固執の政府を批判

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 日本共産党の佐々木憲昭議員は二十七日の衆院財務金融委員会で、道路特定財源の一般財源化とガソリン税の暫定税率の廃止を求めました。佐々木氏の追及から、道路特定財源に固執する政府の姿勢が浮き彫りになりました。

 佐々木氏は主要諸外国の自動車・石油関係諸税の状況をまとめた政府税制調査会の資料を示し、「税目を増やしたり、税率をどんどん上げている国はない。むしろ各国は一般財源化を進めてきた」と指摘しました。

 政府は、総額五十九兆円にのぼる「道路中期計画」に対応して、ガソリン税の暫定税率を十年延長しようとしています。

 佐々木氏が、なぜ五カ年でなく十カ年なのかとただしたのに対し、国交省は「道路を作るのに十年程度かかる」と答弁。「これまでも道路は十年程度かかっていたのに五カ年計画だった。答弁になっていない」と反論した佐々木氏に対し、額賀福志郎財務相は、まともに答えられませんでした。

 佐々木氏は、昨年十一月に十年で六十五兆円かかるとした「計画」が、十二月の政府・与党合意で、五十九兆円に減らされたのに、提案された暫定税率が同じというのは筋が通らないと指摘。額賀氏が「余れば一般財源化する」と答えたのに対し、「それはごまかしだ。全体を一般財源化してこそ意味がある。政府のやり方は、金額は全体のわずか6%と、ほんの一部にすぎず、その使途も道路関係として制約されている」と反論しました。

 佐々木氏は、国土交通省が経済財政諮問会議(二〇〇二年十一月八日)に示した資料で、長期計画を、「予算獲得の手段になっている」「分野別配分の硬直性を招く」などと批判していることを指摘。額賀氏は、この批判を「的を射た考え方だ」とのべました。佐々木氏は「それならこれまでのやり方を改めるべきだ」と主張し、政府が道路整備に固執する背景に道路特定財源があることを強調。ガソリン税などの税収を福祉や医療などにも活用できる道路特定財源の一般財源化を重ねて求めました。

(出所:日本共産党HP 2008年2月28日(木)「しんぶん赤旗」)

道路よりも社会保障
佐々木議員質問 全参考人が明言
衆院委

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 ガソリン税の暫定税率の十年延長などを盛り込んだ租税特別措置法改定案などについて衆院財務金融委員会は二十六日、参考人から意見聴取。参考人全員が、道路整備よりも社会保障の方が重要であると明言しました。

 日本共産党の佐々木憲昭議員が、「道路整備よりも、社会保障の緊急性が問われている」「高速道路や高規格道路に重点がおかれている道路整備計画を根本から見直す必要がある」と指摘し、参考人に質問したことへの答弁です。

 参考人は、中里実東京大教授、中林美恵子跡見学園女子大准教授、高木勝明治大教授、安藤実静岡大名誉教授の四人。

 安藤氏は、「(政府は)必要な社会保障の自然増を削り、その一方で新規の道路建設のための予算を増やそうとしている。これはあべこべだ」と批判。道路特定財源について「税金は本来、一般財源の性質を持っており、使途を特定したものは例外だ」と指摘。「もはや道路整備費を特別扱いする必要はない」と主張しました。

 高木氏は、暫定税率と道路特定財源が温存されることによって「道路整備が最優先され、社会保障や教育、環境対策に資金を有効に振り分けることができなくなる」と強調し、「暫定税率を廃止し、一般財源化すべきだ」と述べました。

穀田議員
高速道が地方圧迫
道路中期計画を批判

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 日本共産党の穀田恵二議員は二十六日の衆院国土交通委員会で、「真に必要な道路整備」といいながら、生活道路や通学路など地方単独事業分を「道路中期計画」から除外し、一方で地方財政を圧迫する高速道路建設に固執する政府の姿勢を明らかにしました。

 道路特定財源にもとづく「道路中期計画」(素案)の予算は当初、総額六十五兆円。昨年末の政府・与党合意で総額五十九兆円へ「減額」しました。

 穀田氏は、六兆円減額されたもとで、高速道路建設など「基幹ネットワークの整備」(二十二兆五千億円)の割合が、逆に2%増えた事実を指摘。「必要な道路整備」といいながら、高速道路の建設を何が何でも続けようという実態を明らかにしました。

 その上で、高速道路建設での地方負担分が、「高規格幹線道路」で約三割、「地域高規格道路」で45%にも上っている一方、維持補修費が減っていることを指摘。さらに、総務省調査にもとづき、一九九七年度から二〇〇六年度にかけて都道府県や市町村の道路関係経費の借金が増え続け、九〇年代の高速道路建設がツケとなって地方に重くのしかかる実態(表)を示しました。冬柴鉄三国交相も「そのとおり」と事実を認めざるをえませんでした。

 穀田氏は、「道路特定財源を一般財源化してこそ、自治体みずからの判断で住民のために切実な生活道路の整備に予算を使うことができる」と主張しました。

(出所:日本共産党HP 2008年2月27日(水)「しんぶん赤旗」)
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自公が予算案 衆院強行-徹底審議を求める議長あっせんを踏みにじる暴挙ー

2008-03-02 00:32:19 | 国内政治
自公が予算案 衆院強行
社会保障を抑制 特定財源は温存
共産党は徹底審議求める

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 自民、公明の与党は、二十九日深夜の衆院本会議で、二〇〇八年度予算案とガソリン税の暫定税率十年延長を盛り込んだ租税特措法改定案を含む歳入・税制関連法案の採決を強行し、可決しました。日本共産党は笠井亮議員が反対討論をおこないました。民主党、社民党、国民新党は、本会議を欠席しました。

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 反対討論で笠井氏は、徹底審議を確認した衆参両院議長のあっせん(一月)の精神を踏みにじって予算案や歳入関連法案を与党が一方的に採決したと指摘。道路特定財源問題では、「『道路中期計画』をはじめとする政府の際限のない道路づくりの矛盾と破たんは明白だ」と強調しました。

 予算案について、社会保障費の自然増分を毎年二千二百億円抑制する路線の継続や後期高齢者医療制度の導入などを厳しく批判。イージス艦衝突事故では「防衛省・自衛隊の軍事優先・隠ぺい体質が浮かび上がった」として、真相解明に背を向けたまま、約五兆円の軍事費を押し通そうとしていると告発しました。

 本会議に先立つ予算委員会では、委員長職権で予算案の締めくくり総括質疑と採決を強行。日本共産党、民主党、社民党、国民新党の野党四党は、審議が尽くされていないと抗議、理事会協議を求めましたが、委員長は「決まったことだ」と受け付けなかったため、野党四党は退席しました。

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議長あっせんを踏みにじる暴挙
志位委員長会見で批判

 与党が衆院本会議で二〇〇八年度政府予算案と歳入関連法案の採決を強行したことを受け、日本共産党の志位和夫委員長は二十九日深夜、記者団に問われ、次のようにのべました。

◇   ◇
 ――政府予算案と歳入関連法案が衆院通過しましたが。

 道路特定財源、イージス艦衝突事故、貧困と格差―どの問題でも、自公政治が大きく破たんし、本格審議はこれからという段階で審議を断ち切り、採決を強行した自公両党に厳しく抗議したい。

 とくに、各党に徹底審議を求めた衆参両院議長あっせんを踏みにじる暴挙だと強く抗議したい。

 私たちは参院でおおいに論戦に引き続きとりくみ、院外の国民運動とも連携し、いまの自公政治の問題点を究明し、政治の転換を求めていきたいと思っています。

 ――これで議長あっせんが白紙に戻ったと考えるのか。

 私は「踏みにじる」といいましたが、これで議長あっせんが白紙に戻って、反故(ほご)になったと私どもの方から言うつもりはありません。

 むしろ、議長あっせんをしっかり守らせる―すなわち、議長あっせんは「徹底した審議を行う」ということを各党に求めているわけですから、徹底した審議を参院の場において求めていくというのが私たちの立場です。

(出所:日本共産党HP 2008年3月1日(土)「しんぶん赤旗」)

国会の視点
徹底審議の合意に背く
予算案採決急ぐ与党

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 自民、公明両党は、二〇〇八年度政府予算案とガソリン税などの暫定税率延長を盛り込んだ歳入関連法案の週内通過を強行しようとしています。何が何でも衆院通過・成立を急ぐ政府・与党の姿勢は、徹底審議などを確認した衆参両院議長あっせんによる与野党の合意(一月三十日)に背くものです。

 政府・与党は予算案の三月末成立を狙っています。それを確実にするために予算の自然成立(衆院通過から三十日後)をめざし、週内の衆院通過を図ろうというのです。

 しかし、一月の合意は、予算案と歳入関連法案についての「徹底した審議」と「審議を通し、各党間で合意が得られたものについては、立法府において修正する」と明記されています。先に政府案の成立ありきではなく、国会にふさわしく、徹底審議し、明らかになった問題点は、予算案や法案に反映させるというものでした。

 その「徹底審議」の上で欠かせないのは、暫定税率の十年間延長などの大もとになっている五十九兆円もの「道路中期計画」を本当に続けていいのか、という問題でした。ところが政府が、その内訳さえようやく明らかにしてきたのは二十五日。本格審議は始まったばかりであり、採決を議論する段階では全くありません。

「道路中期計画」
 しかも、わずかな審議のなかでも、ムダな道路を続ける“自動装置”になっている道路特定財源と「道路中期計画」の際限のなさ、ずさんさが次々と明らかになっています。

 たとえば、「道路中期計画」の中心が高速道路建設という問題です。

 冬柴鉄三国交相は、同計画に一万四千キロの「高規格幹線道路」だけでなく、六千九百五十キロもの「地域高規格道路」も盛り込まれ、これ以外に百十もの「候補路線」まであることを認めました。「候補路線」には、採算性を度外視した東京湾口道路など六本の巨大横断道路も含まれています。

 三月に閣議決定する「国土形成計画」にこうした巨大道路まで盛り込むことについて追及されると、冬柴国交相は「検討する」と答弁せざるをえませんでした。福田康夫首相も「修正」を口にする事態になっています。

 にもかかわらず政府案をそのままに衆院通過を急ぐ与党の姿勢は、与野党合意からの逸脱そのものです。

イージス艦事故
 さらに予算案に関連し、舛添要一厚労相に続き福田康夫首相も、社会保障費の「自然増」を毎年二千二百億円削減する路線について「限界だ」と発言しています。

 この削減路線は、医療、年金、介護などの社会保障の切り捨てをもたらしてきました。〇七年度に続き〇八年度予算案にも継続されています。

 予算案の根幹について、政府自身が問題視しているのに、その予算案を衆院を通過させるというのは道理がありません。

 米海兵隊による沖縄での少女暴行事件に続き、今度は海上自衛隊のイージス艦「あたご」が漁船に衝突し、大問題になっています。石破茂防衛相らが、「あたご」の航海長を海上保安庁に無断で事情聴取していたことも発覚。事故の真相を隠ぺいする協議をしていたのではないかという疑惑がもたれています。

 予算案には、この自衛隊を海外派兵型へと強化する軍事費約五兆円も盛り込まれています。徹底審議なしに採決だけを急ぐことでは国民は納得しません。(田中一郎)

(出所:日本共産党HP 2008年2月29日(金)「しんぶん赤旗」)
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非正規雇用、過去最大に-07年平均0.5ポイント増 女性では53%-

2008-03-02 00:29:07 | 国内労働
非正規雇用、過去最大に
07年平均0.5ポイント増 女性では53%

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 総務省が二十九日に発表した労働力調査によると、派遣・契約社員、パート・アルバイトなど非正規雇用の占める割合が二〇〇七年の平均で33・5%と、前年比0・5ポイント上昇し、過去最高を記録しました。三人に一人を上回ります。男性では18・3%、女性では53・5%です。〇七年十―十二月期の非正規雇用の比率は、前年同期に比べ0・8ポイント上昇し、33・7%となりました。

 〇七年中に正規から非正規雇用になった人は、男性二十三万人、女性二十一万人の合計四十四万人でした。これに対し、非正規から正規になった人は、男性十八万人、女性二十二万人の合計四十万人。差し引きすると、非正規への移動が四万人多く、正社員から非正社員への置き換えが依然として続いています。

 〇二年と比べると、〇七年には、非正規雇用者数が二百八十一万人増加したのに対し、正規雇用者数は四十八万人減少しました。派遣労働を原則解禁するなどの雇用法制の改悪で、労働者の派遣労働者などへの代替が進められてきたためです。

 また、同日、厚生労働省が発表した「正社員」への有効求人倍率は、前年同月に比べ〇・〇三ポイント減の〇・六四倍でした。前年同月比八カ月連続の低下で、三人の求職者に二人の求人しかありません。

(出所:日本共産党HP 2008年3月1日(土)「しんぶん赤旗」)
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教員解雇取り消し-「指導力不足」認めず/京都地裁判決- 

2008-03-02 00:27:14 | 労働裁判
教員解雇取り消し
「指導力不足」認めず
京都地裁判決 分限免職に歯止め

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 一年間の試用期間中に「指導力不足」などとして分限免職(解雇)処分を受けた京都市立小学校の元教諭(34)が同市を相手取って処分取り消しを求めていた訴訟で二十八日、京都地裁は処分を取り消す判決をだしました。

 原告側弁護団によれば、指導力不足を理由に、本人の意思に反して解雇する分限免職が違法とされたのは初めてです。

 元教諭は二〇〇四年四月に期間一年の条件採用となりました。京都市教育委員会は校長らの元教諭への評価をもとに、「学級崩壊」を招き、勤務実績不良で教員としての適格性を欠いているとし、〇五年三月末で分限免職しました。

 中村隆次裁判長は、市教委があげた処分の根拠のうち、「運動会後の欠勤は飲酒によるもの」「授業参観の際、打ち合わせに反した授業をした」など二十二項目については事実を確認できないか、また事実であっても教員としての「評価に影響しない」と認定しました。

 「学級崩壊」が生じたことなどについて管理職と教員との関係や、学級に指導の難しい児童が複数いたことなどをあげ、元教諭が「単独では建て直しを行うことができなかったことをもって、ただちに能力が欠如していると判断させるべきではない」としました。

 元教諭が新任教員で、「学校における新任教員への支援体制が必ずしも十分ではなかったこと」や、元教諭が保護者や児童の信頼を失ったのには児童の前で必要以上の指導をするなどの管理職の対応にも一因があったと指摘。教員として職務内容を遂行することができなかったとまでいえないとしました。

 さらに「管理職等の原告に対する評価が客観的に合理性を有するものか否かが疑わしい」とのべ、処分は「裁量権の行使を誤った違法がある」としました。

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 分限免職 国家公務員法、地方公務員法の規定に基づいて、職務遂行に支障をきたし、適格性を欠くとされた公務員などを任命者の権限で免職すること。民間企業の解雇に当たります。

(出所:日本共産党HP  2008年3月1日(土)「しんぶん赤旗」)
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