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NHK「日曜討論」で日本共産党の穀田恵二国対委員長が発言-テーマは民主党政権の現状と国民要求の関係ー

2009-11-30 18:11:46 | 国内政治
雇用・献金 審議つくせ
NHK討論で穀田氏 民主と自民の姿勢ただす

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 日本共産党の穀田恵二国対委員長は29日、NHK「日曜討論」に出席し、国民のくらしがより深刻になるもとで「政治がいまできることは何かをしっかり審議することが大事だ」と主張しました。(詳報)

 30日が会期末の臨時国会について、民主党の山岡賢次国対委員長は会期の延長幅は「短期間にしたい」と述べ、その理由として「生活を守る来年度本予算、今年度補正予算(の準備)を早くやりたい」「話題(鳩山首相の偽装献金疑惑)ばかりしゃべっている国会にしたくない」などと発言しました。

 これに対し穀田氏は「国民のくらしが大変なときに、いますぐ手を打たなければならない」課題として雇用問題があると強調。アメリカが失業給付を140日間延長している例をあげながら、全国的に失業給付を延長できる「全国延長給付」の発動や、大企業の新たな雇い止めを問いただす「国会の責務がある」と主張しました。

 さらに、年を越せない可能性のある中小零細企業への支援、沖縄・普天間基地問題、鳩山首相の偽装献金疑惑をはじめとした「政治とカネ」問題などの集中審議が必要だと強調しました。

 国会運営についても「与党になったら強行、野党になったらボイコット」という、民主、自民の態度を批判。19日から20日にかけて国会が混乱に陥った事の発端は、中小企業金融円滑化法案の審議で、国民の意見を聞く参考人質疑の直後に採決を強行したことだと、与党の乱暴な国会運営を厳しく批判しました。

NHK「日曜討論」
穀田国対委員長の発言

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 日本共産党の穀田恵二国対委員長は29日、NHK「日曜討論」に出席し、30日で会期末を迎える臨時国会の審議状況について、各党代表と討論しました。

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臨時国会
国民の声にこたえているか

 はじめに、与党の強行採決や自公の審議拒否によって国会審議がストップし、臨時国会で法案が1本も成立していない事態が議論となりました。

 民主党の山岡賢次国対委員長は「緊急性のある法案はかなりすすんできた」と述べ、法案成立を最優先する考えを示しました。

 穀田氏は次のように述べました。

 穀田 今度の国会でなにが求められているのかをはっきりしなければいけません。国民が「自公政権ノー」といって、政治を変えたいという思いが実現した。新政権のもとでなにが変わったのかをはっきりさせることが一つです。

 同時に、年を越すことができない問題があります。雇用問題と中小零細企業の困難をどう打開していくのかということを、政治がはっきりメッセージをだす必要があります。

 外交でいえば、沖縄の米軍普天間基地について、県民の基地はいらないという声に応え、(総選挙中の)テレビ討論会などで「県外、国外移設」と公約したことを実現するのかが問われています。

 ですから、法案が通ったかどうかということだけではなく、国民の声にどう応えたのか(が重要だ)。そういう意味でいうとまだ不十分で、「政治とカネ」の問題を含め、きちんとした集中審議をすべきだと思います。

雇用問題
大企業の首切りやめさせよ

 自民党、公明党の出席者が国会会期の大幅延長を主張したのに対し、山岡氏は「政治の中身は予算だ」と発言。本格論戦は2010年度予算案提出後の通常国会ですべきだと主張しました。

 穀田氏は「予算や法案が通らなくても、いますぐ手を打たなければいけないことはある」と指摘。次のように述べました。

 穀田 例えば、アメリカでは失業給付を140日間延長しています。失業が大変だ、雇用が大変だというときに、(失業給付の)全国延長給付は法律を変えなくてもできます。

 一方では、デフレを理由に大企業がまた首切りを始めています。これに対して、きちんとやめろと言えるかどうか。このことを問いただす責務が国会にはある。予算だなんだということではなく、政治がいまできることはなにか、ここをしっかり審議することが大事です。

中小企業金融円滑化法案
採決強行が国会混乱の原因

 与党が返済を猶予する中小企業金融円滑化法案を19日に衆院で強行可決したことが議論となり、山岡氏は「強行したわけでは全くない」と強弁。同時に、審議をボイコットした自公出席者も開き直る姿勢を示しました。

 穀田氏は、法案の中身すら不透明なまま、与党が、採決を強行したことが国会混乱の原因だと批判。次のように述べました。

 穀田 返済猶予法案でいうと、外枠は分かるが法案の魂にあたる「検査マニュアル」がはっきりしない。政府は概略を出すと言っていたのに、結局イメージしか出さない。こういうことでは審議を尽くす条件を保証していません。

 同時に、私たちは、与党になったら強行、野党になったらボイコットという旧来と変わらないやり方はおかしいと一貫して言ってきました。

 しかも、(与党の)みなさんがどう言おうと、強行したことは客観的事実です。特に返済猶予法案では、国民の意見を聞く参考人質疑直後に採決した。こういう例はいままでありません。

鳩山首相の疑惑
変わる自身の発言、無責任

 鳩山由紀夫首相の資金管理団体に対し、08年までの5年間に首相の実母から9億円もの資金提供があったことが議論となり、穀田氏は次のように述べました。

 穀田 国民の政治に対する信頼という点で明らかにしなくてはいけない最大の問題です。9億円の問題についていうと、(鳩山首相は)貸付金といっているが、実際には利子を払っている様子もないし、返済期限も不明確。そのうえ、本来個人献金の制限は150万円という問題もある。なかでも、原資はなにか、なにに使われたのかということが国民の最大の疑問です。

 合わせて、鳩山首相自身の発言もくるくる変わっている。最初は「母のお金じゃないと信じる」と言って、今度は「知らない」と言う。それはあまりにも政治家として無責任です。

 山岡氏は、「長い目で政治の信頼を論じ合ってもいいが、いまやることは生活を守ることだ」「井戸端会議みたいで面白いかもしれないが、国民生活にどう役に立つのか」と言い放ちました。

 穀田氏は次のように批判しました。

 穀田 問われているのは、(国民の疑問に対して)はっきりさせることが必要かどうかということです。はっきりさせることに反対という人はいません。はっきりさせようと思ったら本人がでるのが一番で、それ以外なにがあるのか。

 合わせて、国民が1円2円で苦しんでいるときに、1億円だ9億円だという話が飛び交う。そういう政治であっていいのかという政治のありようが問われている問題です。私たちは、これを(審議の)条件にしているのではない。(集中審議を)やるのかやらないのかということが問われているのです。

雇用・医療・沖縄
鳩山政権への国民の不満が

 最後に改めて鳩山政権について問われ、穀田氏は次のように述べました。

 穀田 (鳩山政権が)いま現実に行っている実態をみる必要があります。

 一つは、雇用をなんとかしてほしいという思いに対して、失業給付(の延長)をはじめ法律を変えなくてもできることがある。また、大企業に対して雇い止めやめろという立場をきちんと言っていく。そういう点では極めて不十分です。

 二つ目に、後期高齢者医療制度廃止をはじめとして、野党の時代に一緒に約束し、いったん港に戻ってそれから考えると言っていたものについても、すぐ廃止しないという。この点も極めてまずいと思います。

 三つ目に、焦点になっている米軍普天間基地の問題についても、テレビ討論会で約束したことを実行できない。国民は大いに不満に思っているのではないでしょうか。そのことを代弁しておきたいと思います。

(出所:日本共産党HP  2009年11月30日(月)「しんぶん赤旗」)
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民主党政権の課題ー地球温暖化対策/参院環境委で日本共産党の市田忠義書記局長が質問ー

2009-11-28 15:42:29 | 国内政治
論戦ハイライト
地球温暖化対策
25%削減 何が必要か
参院環境委 市田書記局長の質問

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 鳩山政権が掲げる2020年までの温室効果ガス25%削減目標(1990年比)を達成するには何が必要か―日本共産党の市田忠義書記局長が24日の参院環境委員会で行った質問は、それを示したものとして、注目を集めています。ハイライトで紹介します。

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市田 経済のあり方変えない試算前提を見直せ
環境相 必要であれば検討する

 市田 鳩山内閣は、CO2(二酸化炭素)を90年比で25%削減する中期目標を発表しました。わが党はこれを歓迎する立場です。問題は、それをいかに実現するか。きょうは、その問題にしぼって聞きます。

  冒頭、こうのべた市田氏は、最初に削減目標の根拠となる試算の見直し、つまり、排出削減が経済にどんな影響を及ぼし、削減によってどんな社会をつくるのかのビジョンの再検討について質問しました。

 鳩山政権は、「地球温暖化問題に関する閣僚委員会」の副大臣級検討チームを立ち上げ、自公前政権が90年比8%減という消極的な目標の根拠とした試算の再検討作業を進めているからです。

 市田 モデル分析の評価を行う観点として、マクロフレーム(試算)の設定が不適切ではないかと指摘されている。数字を答えてください。

 大谷信盛・環境省政務官 粗鋼生産が1億2000万トン、原発による発電電力量が4345億キロワット時、旅客運送量が5190億キロメートルです。

 市田 要するに、粗鋼の生産量は今より若干増える、原発は9基増設する、自動車の輸送量は人口が減少する可能性が高いにもかかわらず減らない、逆に貨物は増えるという前提がつけられた。

 市田氏が指摘したように、前政権の試算は、経済のあり方を現状から基本的に変更しないという大前提がつけられていたのです。しかも、その大前提は業界団体が示したデータそのもので、大幅削減は最初から排除したも同然でした。

 市田 この大前提を抜本的に見直すことから始める必要があると思いますが、そういう考えはおありですか。

 小沢鋭仁環境相 必要であれば検討も加えていきたい。

 市田氏の質問直後に開かれた副大臣級検討チーム会合は、温暖化ガス削減が経済に及ぼす影響について、専門家会合のメンバーを入れ替えて試算し直す方針を決めました。

市田 日本の産業部門は削減努力怠っている
環境相 再生エネルギーに改善余地

 政府の25%削減目標に対し財界や産業界は、「日本のエネルギー効率は世界のトップクラスであり、これ以上の排出削減をすれば膨大なコストがかかる」「日本企業の国際競争力が損なわれる」などと抵抗しています。

 市田 総排出量の8割、家庭が使う電力を電力会社の排出とすれば9割を占める産業部門の削減対策に思い切って切り込まなかったら、到底25%削減は到達できない。そこで聞きたいが、前政権の産業部門の対策はだれの主張にもとづいて設定されたのか。

 環境政務官 業界団体による見通しを採用しての計算だった。

 市田氏は、業界の主張をのんで設定された対策だったことを明らかにしたうえで、財界が抵抗の主要な論拠にしている「エネルギー効率世界一」論を取り上げました。

 そこで市田氏が示したのは、「各国のGDP(国内総生産)および電力あたりのCO2排出量」を示した資料(表1)です。これによれば、購買力平価でみたGDPあたり排出量は、欧州連合(EU)27カ国が米ドルあたり0・32キロなのに対し、日本は0・34と上回っています。国別で見ても英国は0・29です。発電量あたりの排出量は450グラム。OECD(経済協力開発機構)加盟30カ国中20位で、「エネルギー効率世界一」とはかけ離れています。

 市田 いかに日本の産業界が削減努力を怠ってきたかは数字が明白に示しています。産業界には大幅な削減対策ができる余地は十分あると考えていますが、どうですか。

 環境相 日本のエネルギー効率は極めて高いと思っている。ただ、再生エネルギーといった話までふくめれば、いろんな改善の余地はあると思っている。

 市田氏は「鉄鋼業界でもまだまだエネルギー効率をあげて世界をリードできる余地があることは明らかだ」と指摘しました。

市田 欧州では日本企業も公的削減協定に参加している
環境相 経済界にも協力いただく

 「産業界言いなりのマクロフレームや温暖化対策では25%削減を確実なものにはできない。まだまだ十分な削減余地がある産業界に対する思い切った誘導策、規制策ができるかどうかが重要なポイントになっている」

 こう指摘した市田氏が取り上げたのが、産業部門の削減を図るために政府と企業が締結する公的削減協定の問題です。

 市田 イギリスには気候変動協定という制度があります。この協定を締結している日本企業にはどういう企業があるか。

 環境政務官 自動車部門では、英国ホンダ、英国日産自動車、英国トヨタです。半導体部門は信越半導体ヨーロッパとなっております。

 市田 日本の大企業もイギリスに進出したらちゃんと政府と削減協定を結んでいるわけですね。

 市田氏はさらに、「地球温暖化対応のための経済的手法研究会」という経済産業省に設置された研究会について質問。日本経団連常務理事、鉄鋼連盟環境・エネルギー政策委員会委員長、電気事業連合会副会長といったそうそうたるメンバーが参加する同会が、昨年7月に発表した中間報告で、協定等の法的措置への移行の可能性も検討すべきだと提言していることを明らかにしました。

 市田 日本経団連などは盛んに25%削減などやれば国際競争力は損なわれると抵抗しているけれども、ヨーロッパでは日本企業も(公的削減協定に)参加しているし、産業界の代表が参加している研究会でも公的削減協定の法的措置を提言しているわけです。お聞きしたいのは、鳩山首相が25%削減のためには、あらゆる措置を動員しなければならないと言っているなかには、当然この公的削減協定も入りますね。

 環境相 具体的にどういう協定までという話は今のところはございませんが、とにかく経済界のみなさんにも協力をいただかなければやってまいれない。

 市田氏は、「経団連の『自主行動計画』任せにしてきたことがこれまで削減目標が達成できず逆に増えた結果をもたらしてきた」と指摘。「公的削減協定を中核に位置づけ、それを補完するものとして国際排出量取引制度や(電力)固定価格買い取り制度の導入、環境税などを実施」するなど、「25%削減を確実にする担保措置に踏み込めるかどうかが重要なポイントだ」と強調しました。

市田 COP15で最後まで合意への努力を

 25%削減目標を打ち出した鳩山首相は、この目標が「すべての主要国による公平かつ実効性ある国際的枠組みの構築や意欲的な目標の合意を前提として」(10月26日の所信表明演説)のものだとの立場を繰り返し述べています。

 市田 日本経団連の「すべての主要排出国が参加する公平で実効ある国際的枠組みが不可欠」という文言とはどこが違うのか。

 環境相 ほとんど変わらないと思っております。

 市田氏は、「鳩山さんが言ったことと、日本経団連や麻生前首相が言った中身がほとんど変わらないんじゃないか。他の国が積極的な目標を掲げない場合、25%(という目標数値)を下げることもあるのか。そんなことはあってはならない」と指摘しました。

 そこで市田氏は、EUが公表した資料(表2)を掲げ、先進国全体の中期目標の幅は9~16・5%にとどまっていることを示しました。

 市田氏は「これではとても途上国が納得できて先進国の歴史的な責任を果たす削減目標とは言えない」と述べ、「『共通だが差異ある責任』」の原則に立って、途上国に削減義務を課すことを前提とするんじゃなくて、先進国自らが科学的な要請にこたえた目標を掲げることが大事だ」と指摘しました。

 市田 小沢(環境)大臣は記者会見で「米国も削減数値目標を示さなければ途上国は納得しない」と明言されています。アメリカ政府に対して科学的な要請に基づいた数値目標の表明を求めるなど、先進国・日本としての責任と役割を果たすべきときではないかと思いますが…。

 環境相 オバマ大統領が「米国も含め明確な削減目標を定めなければならない」という発言をしており、かなり対応が違ってきていると実感している。

 市田氏は「法的な拘束力がある国際的合意ができるかどうかは、先進国、特にアメリカが科学的な要請に基づく明確な数値目標を表明するかどうかがやっぱり最大のポイントとなっています」と指摘したうえで、次のように述べました。

 市田 これまでの政権がやってきたような産業界言いなり、アメリカ協調に終始した姿勢を新政権はやっぱり根本的に転換をして、各国首脳がCOP15(気候変動枠組み条約第15回締約国会議)でも最後まで最大限の努力を払って、小沢大臣も最後まであきらめないで13年以降の枠組みが合意できるよう奮闘されることを期待します。

(出所:日本共産党HP  2009年11月28日(土)「しんぶん赤旗」)

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民主党政権の課題ー「政治とカネ」/内閣官房機密費の使途を主権者・国民に対し完全に情報公開せよー

2009-11-26 10:55:40 | 国内政治
使途不明の官房機密費
自公政権―総選挙2日後に2億5000万円
鳩山政権―すでに1億2000万円

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 「国家機密」の名目で使途が公開されない官房機密費2億5000万円を、自公前政権が総選挙翌々日の9月1日に請求し、後日、支出されていたことが日本共産党の塩川鉄也衆院議員の調べで分かりました。また、鳩山新政権もすでに1億2000万円の同機密費を支出したことが判明しました。巨額の税金が何に使用されたのか、使用目的の公開が求められます。

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 機密費は2009年度予算で14億6165万円を計上しています。塩川議員が入手した資料によれば、毎月1億円ずつが支出されていました。それが総選挙翌々日の9月1日には2億5000万円と突出。5000万円ずつの「請求書」5通はいずれも河村建夫官房長官名で、内閣官房会計課長あてに請求されています。支出を決めた「決議書」には具体的な使途は一切示されていません。

 総選挙敗北で政権交代が確定した時期に、なぜ巨額の機密費支出が必要だったのか、重大な疑惑が生じます。

 一方、新政権発足後の9月17日に「官房機密費」の存在について「まったく承知していない」と述べた平野博文官房長官は、9月24日付で6000万円の「報償費」(機密費)を請求。10月14日にも6000万円を請求し、総額1億2000万円の支出が決定されています。平野長官は19日、2度の機密費請求の事実を認めました。しかし、「具体的使途は適切に判断している」と述べるだけで公表する姿勢は示しませんでした。民主党は野党時代、機密費の公開を主張し、法案も提出していました。

 官房機密費は、支出先の証明や使用目的の公開も不要とされ、領収書もいりません。日本共産党の志位和夫委員長は02年4月にその詳細な使途を記した内部文書を公表。「国会対策費」と称して自公政治家への背広代に消えていたほか、政治資金パーティー券購入など党略的流用が行われていた実態を暴露し、使用実態の公開と党略的・私的流用の禁止を求めました。

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使途公表を
塩川議員が談話

 私たちは、一貫して内閣官房機密費を追及してきましたが、今回、麻生政権末期の官房機密費の使途をめぐり、重大な疑惑が明らかになりました。民主党も、かつては、官房機密費の透明化を要求していましたが、政権につくと、自民党政権と同様に、使途を明らかにせずに使用する構えです。国会で徹底的に追及していきます。


(出所:日本共産党HP  2009年11月20日(金)「しんぶん赤旗」)

機密費公表拒否は無責任
TBS系番組 小池氏が批判

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 日本共産党の小池晃政策委員長は7日、TBS系番組「サタデーずばッと」に出演し、官房機密費や後期高齢者医療制度廃止、沖縄の米軍普天間基地撤去をめぐる問題で各党出席者と討論しました。

 歴代内閣が使途を公開せずに使ってきた官房機密費の問題では、9月17日、平野博文官房長官が「そんなのあるんですか」と、しらを切り、その後、あらためて公表しない考えを示したことが問題になりました。

 小池氏は、鳩山由紀夫首相も「この問題には触らない」と発言したが、民主党が2001年に機密費公表法案を提出したときには党代表を務めており、党首討論でも当時の小泉純一郎首相に機密費の公開を迫っていたと指摘し、「非常に無責任な態度だ」と批判しました。

 その上で「官房機密費は年14億円。1日400万円ものお金が領収書なしで使える。公開のルールをつくればデタラメな使い方はできない」と主張しました。

 後期高齢者医療制度については、出演した毎日新聞客員編集委員の岩見隆夫氏が「民主党は野党のとき、廃止法案まで出していながら対応が遅い」と発言。小池氏は「今日75歳を迎えた方にも保険証が送られる。廃止の先送りではなく、すぐにやめるべきだ」と強調しました。

 民主党の福山哲郎外務副大臣が「いま廃止すると混乱が起こる」と発言したのに対し、小池氏は「民主党はただちに老人保健制度に戻すと言っていたではないか」と批判しました。

 社民党の福島瑞穂少子化担当相は、「確かに、私たちも廃止法案を出したので、ただちに廃止するのがいいかもしれないが、いったん戻してもう一回(新制度の)制度設計をやると2段階になる」などと発言。小池氏は「それは自民党が(廃止法案に反対するときに)言っていた論理そのものだ」と批判しました。

 沖縄の米軍普天間基地問題では、福山氏が、名護市に「代替」新基地を建設するという日米合意を「もう一度考え直すということになると、それがまた長くかかって普天間の危険性も放置したままになる」などと発言。小池氏は、「それも自民党が言ってきた論理だ。県内たらい回しは許されない」と指摘しました。

 選挙のときは、鳩山氏自ら普天間基地の移転先は県外・国外が望ましいと公言しておきながら、いまでは閣僚が基地の県内移設を選択肢とする発言を繰り返し、それを首相も認めるような答弁をしていることを厳しく批判し、「日本政府は毅然(きぜん)たる態度で対米交渉に臨むべきだ」と主張しました。

(出所:日本共産党HP 2009年11月8日(日)「しんぶん赤旗」)

官房機密費
政権引き継ぎ時 金庫カラ
記録もなし
塩川議員質問に平野長官答弁

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 平野博文官房長官は20日の衆院内閣委員会で、前政権(自公政権)の官房機密費について河村建夫官房長官(当時)から引き継いださい、同機密費を収める金庫の中身は“カラ”で、使途の記録などは一切残されていなかったことを明らかにしました。日本共産党の塩川鉄也議員に対する答弁。

 自公政権は、総選挙2日後の9月1日、河村官房長官が「報償費」(官房機密費)計2億5000万円を引き出すよう指示。内閣官房会計課長の決裁で支出が決定されていました。

 金庫内の残額と使途などの記録の有無についての塩川氏の質問に、平野長官は「(残金は)まったくなかった」「過去の記録については引き継ぎしていない」と答弁しました。

 総選挙敗北で下野が確定し、事実上の“お払い箱政権”となっていた自公政権が、政権交代までの短期間に2億5000万円もの機密費をどのような目的で使い切ったのかなど、新たな疑惑の徹底的な解明が求められます。

機密費 検証と公表を
官房長官“従前と同じ考えで要求”
衆院委で塩川氏

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 日本共産党の塩川鉄也議員は20日の衆院内閣委員会で、先の総選挙直後に麻生政権が支出した2億5000万円もの官房機密費の問題などについて、平野博文官房長官の対応と認識をただしました。

 塩川氏は、過去の記録は引き継いでいないとする平野氏の答弁に対し、解明チームを立ち上げて使途の検証・解明をせよと迫りました。

 平野氏は「国家、官邸の運営に必要な情報収集、支出がある」「検証するとはいっていない」と述べ、2億5000万円については「(河村建夫)前官房長官に聞いてもらいたい」などと答弁しました。

 また平野氏は、2010年度予算案について「従前と同じ考え方で概算要求した」として、09年度予算と同額の12億円(官房長官使用分)を計上したと述べました。

 塩川氏は、02年4月に日本共産党の志位和夫委員長が明らかにした内部資料などをもとに、官房機密費が政治家の高級服購入や政治資金パーティー券購入に使われていたと指摘。旧政権の使途のまともな調査・検証もせずに09年度と同額の機密費を要求した平野氏の姿勢を批判しました。

 また塩川氏は、民主党が2001年に提出した10~25年後に機密費の使途を公開する法案に言及。同党が先の総選挙マニフェスト(政権公約)で税金の使途をすべて明らかにするとしていた公約を示し、新政権による機密費使用記録の作成・保存を要求しました。

 平野氏は、自身が支出した1億2000万円の使途は「私の頭のなかにある」と述べ、記録の作成・保存を拒否。塩川氏は、「マニフェストに対する国民の期待を裏切るものだ」と批判し、「国民が納得できる公表ルールをつくるべきだ」と要求しました。

(出所:日本共産党HP 2009年11月21日(土)「しんぶん赤旗」)

官房機密費・天下り…
共産党の国会追及話題に
民放番組 小池氏大いに語る

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 21日に日本共産党の小池晃政策委員長が出演したTBS系「サタデーずばッと」で、塩川鉄也衆院議員が明らかにした官房機密費の問題が大きな話題になりました。自公前政権が総選挙翌々日(9月1日)に2億5000万円の官房機密費を請求し後日支出された問題です。

 小池氏は、総選挙直後の支出を裏づける河村建夫官房長官名による官房機密費の請求書を示し、塩川氏の国会論戦を紹介。みの氏は、民主党が2001年に機密費公表の法律案を提出したと指摘し、「その民主党の政権になったのに…」と述べました。小池氏は「平野博文官房長官は公表するといったが、金額だけだ。何に使ったかは公表しない。これではだめだ」と応じました。

 さらに番組は「かつて共産党が公表した文書には(官房機密費が)背広やパーティー券の購入に使われたとある」と紹介。「こういうものに使わないと約束するか」と国会で平野官房長官に迫る塩川氏の映像を流しました。小池氏は「平野氏は『使いません』と答弁したが何の保証もない。何に使ったのかを明らかにすべきだ」と主張しました。

 番組では、小池氏が国会質問で明らかにした、社会事業大学の人事・運営に旧厚生省社会局長の事前承認が必要だとする覚書に基づき天下りが続いてきた問題も取り上げました。

 小池氏は、「天下りした役人が文京区にキャンパスをつくって、大学の財政に大赤字をつくった。その天下りがいることを理由に補助金が削られたらたまらないと、大学の職員や学生は怒っている。当然の怒りだ」と語りました。

 沖縄の米軍普天間基地の「移設」問題では、自民党の石破茂政調会長が「(辺野古沖への新基地建設は)実現一歩手前まできていた」「(県外移転は)無理だ」などと主張しました。

 小池氏は、県内移設拒否の意思を示した沖縄県民大会を大々的に報じる琉球新報を示し、「これが沖縄の思いだ。県民は立場を超えてだめだと声を上げている。見直すべきだ」と主張しました。

 福島瑞穂消費者相が「県外・国外移設の選択肢もきちっとやるべきだ」とのべたのに対し、小池氏は「新政権が県外をちゃんと検討しているか。作業部会に出ているのは(岡田克也)外相と(北沢俊美)防衛相だが、二人とも県外を一言もいっていない。いまの検討のあり方では、まともな議論になると思えない」と指摘しました。

主張
官房機密費
調査して公表が当たり前だ

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 国民の税金を使いながら、領収書もいらず使途も公表しなくていい、「官房機密費」をめぐる疑惑が改めて明らかになりました。

 8月の総選挙で自民・公明の与党が惨敗し、政権交代が確実になった9月1日になって、当時の河村建夫官房長官が2億5000万円も引き出していたというのです。首相官邸の金庫を空にするほどの巨額の資金をいったい何に使ったのか。しかも、あとを引き継いだ平野博文官房長官が、その詳細を調査しようとしていないのも腑(ふ)に落ちません。国民の血税を使う以上、きちんと調査し説明するのは当たり前です。

平野長官の不可解な態度

 「官房機密費」は、鳩山由紀夫内閣になってからも9月と10月に平野官房長官によって、それぞれ6000万円ずつ引き出されています。平野氏はその使い道についても、「私を信じて」というだけで一切説明しようとしていません。平野氏が、前政権の異常な官房機密費を調査しようとしないのは、みずからかかわった支出にもふれてほしくないからといわれても、弁解の余地はないでしょう。

 官房機密費は、「報償費」とも呼ばれ、だれに何の目的でいくら使ったのか、一切明らかにしない支出として、これまでもたびたびその不正な支出が問題になってきました。国会のヤマ場ごとに巨額の資金が引き出され、「国会対策」に使われたとか、国会議員への「せんべつ」やパーティー券代に使われたなど、多くの証言があります。

 同じような費目に、外務省の「外交機密費」や、警察などの「捜査報償費」などがありますが、とりわけ金額が数十億円に上る外交機密費が、首相の外遊などの際の官房機密費に“上納”されてきた疑惑もあります。財政法の原則に反する違法な流用です。

 最近では、2001年と02年に、日本共産党などの追及で機密費が大きな政治問題になりました。日本共産党の志位和夫委員長が01年の国会で「報償費について」という内閣官房作成の文書を、02年の国会でかつての官房長官の「金銭出納帳」をそれぞれ示して追及しました。機密費の党略的支出の実態を明らかにし、不明朗な支出の一掃を求めたのです。

 その後、官房機密費は02年度以降1割削減され、外交機密費も大幅に減額されました。不透明な支出の実態を、裏付ける結果となっているのは明らかです。

 民主党は01年に、機密費の厳正な使用のため、支払先などについての記録書を作成し、公表を義務付ける法案要綱を提出したことがあります。平野長官が前政権の異常な支出についても、現政権になってからの支出についても詳細を明らかにしないのは、こうした態度に反するものです。

公開拒否は国民裏切る

 機密費であれなんであれ、政府が使う金は国民の血税です。国民に隠して勝手に使ってよいなどという理屈はどこからも出てきません。流用など不明朗な支出を許さないためにも、使途を公表し国民の監視の下に置くのは当然です。

 平野長官は、前政権の異常な機密費支出を解明するのはもちろん、現政権になってからの支出については進んで、その詳細を明らかにすべきです。そうでなければ、国民を裏切るとの批判を免れることはできません。

(出所:日本共産党HP 2009年11月22日(日)「しんぶん赤旗」)
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民主党政権の課題ー「ある日突然、肉親が犠牲に…」/犯罪被害者に国は補償を/過去の事件にも適用をー

2009-11-24 10:23:42 | 国内社会
犯罪被害救済へ基金を
「ある日突然、肉親が犠牲に…」
過去の事件にも適用求める
「補償求める会」結成1周年 22日にシンポ

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 ある日、肉親が犯罪の犠牲に―。殺害、あるいは重い障害を負わされたとしても、加害者に資力がなければ、裁判で勝っても損害賠償金はとれません。被害者は心身の苦痛とともに経済的にも追い込まれます。こんな悲劇をなくそうと、「犯罪被害補償を求める会」(兵庫県尼崎市)が昨年10月に誕生、国に救済制度の確立を求めて活動してきました。22日には同市内で結成1周年の記念シンポジウムを開催します。

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 「会」の会員Aさん(56)は2001年5月、夫を隣家の男に刺殺されました。兵庫県姫路市で町工場を経営していましたが、4年後に廃業しました。

再度の裁判で

 Aさんは民事提訴。8000万円の損害賠償の支払いを命じる判決を得たものの、加害者は資産隠し(偽装離婚による妻への財産分与)を行いました。

 資産隠し(詐害行為)取り消しのためにAさんは再度、裁判を起こさざるを得ませんでした。最高裁まで争い06年にようやく2500万円を得ました。

 5年間の裁判費用は弁護士報酬も含め800万円。損害賠償の残り5500万円については1円の支払いもありません。

 「工場廃業後はホテル清掃の仕事に就きました。1日8時間、週6日。裁判との両立は過酷、1年で仕事をやめました」とAさん。

 「会」の藤本護会長(79)は「犯罪被害者の訴訟負担は大きく、裁判をあきらめることは珍しくありません。生活の再建もできません」と憤ります。

 藤本さんは日本共産党の元尼崎市議。02年3月、近所の男に自宅前で妻を刺殺され、自らも重傷を負いました。裁判所は男を「心神耗弱」と認定、懲役10年の判決を言い渡しました。民事裁判では3200万円の損害賠償が認められましたが、1円も支払われていません。

 国は、国による損害賠償の立て替え払いを求める声を退け、昨年、犯罪被害者等給付金支給法を改定し、上限額の引き上げで対応しました。しかし、過去の事件は適用外。給付金も被害者の事情に大きく左右され、例えば、20歳で扶養家族がいない場合の遺族給付金は最高で560万円です。

平等を求めて

 「会」は、加害者に支払い能力がない場合、代わって補償する救済基金の設立を国に求め、Aさんのような過去の被害者にも同じ措置=法律の遡及(そきゅう)適用を要求しています。

 オウム真理教犯罪の被害者に国が給付金を出す法律が08年に施行されました。同法は1995年の地下鉄サリン事件などの被害者を支給対象にし、死亡2000万円、障害の場合は最大3000万円などと定めています。

 藤本会長は「私たちもオウム被害者も同じ苦しみを味わっています。オウム事件と同様、法律をつくれば、過去の一般犯罪被害者にも補償はできるはずです。それが法の下の平等であるはずです」と訴えています。


「犯罪被害補償を求める会」結成1周年記念シンポジウムは、22日(日)午後1時30分から、尼崎市立花・すこやかプラザで、入場無料。問い合わせは電話050・3389・6601。

(出所:日本共産党HP 2009年11月18日(水)「しんぶん赤旗」)

犯罪は生活も壊した
「被害者に国は補償を」
兵庫でシンポ

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 「犯罪被害者に補償を、生活再建の力を」と訴えるシンポジウムが22日、兵庫県尼崎市で開催されました。約100人が参加し、被害者4人が痛苦の体験を話しました。主催は結成1周年を迎えた「犯罪被害補償を求める会」と同シンポ実行委員会。

 「会」の藤本護会長(79)は、「一般犯罪で賠償がスムーズに実施されるケースは10%ほど。一家の大黒柱をなくした場合、被害者家族は生活の再建がきわめて困難です」と指摘しました。

 尼崎市でラーメン店を営む女性(53)は2002年3月、夫が客4人に暴行され重傷を負い、右半身不随になりました。裁判所は加害者4人に対して、9000万円の損害賠償を認めましたが、支払われたのは2000万円のみ。女性は声をつまらせ訴えました。

 「夫は現在、店に出ていますが、以前のように働けません。メニューはラーメンとギョーザだけに絞り、売り上げは事件前の半分未満です。賠償金を開店時の銀行ローン返済に充てましたが、完済には程遠く、子どもたちの援助で利息だけを支払っている状態です。私たちは普通の生活が送りたいだけです。そのために国は補償制度をつくってほしい」

 1993年、当時19歳だった一人娘を殺害された女性(62)。犯人は捕まらず、時効となりました。

 「私は懸賞金100万円をかけ情報提供を求めました。精神的苦痛はひどく、いつ食事をしたか、いつ寝たかも分からない日もありました」と、遺族の苦しみを訴えました。

 シンポでは、弁護士で大阪経済法科大学客員教授の前野育三氏(刑事行政学)が講演し、「犯人が逮捕されない未解決事件では被害者は民事裁判も起こせません。最終的には国による補償に頼らざるを得ません」と話しました。

(出所:日本共産党HP 2009年11月23日(月)「しんぶん赤旗」)
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失業給付切れの人間が年末までに100万人の恐れ/超不況下でも ため込む 企業の内部留保

2009-11-22 08:41:54 | 国内経済
失業給付切れ100万人
年末までの試算 小池議員、全国延長給付を要求

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 日本共産党の小池晃政策委員長は19日の参院厚生労働委員会で、毎月15万人ずつ失業給付が切れ、年末までに100万人近くに達する恐れがあるという深刻な事態を示し、政府が雇用保険の「全国延長給付」を発動するよう求めました。

 政府発表によると、今年6月から12月までに失業給付が切れる人は非自発的離職者で最大39万人、自発的離職者で最大54万人に上ります。

 雇用保険法は、失業の悪化が「政令で定める基準」に該当する場合、厚生労働相は所定日数を超えて給付を行う措置(全国延長給付)を決定できると定めています。「基準」は閣議決定で変えられ、現行でもすべての受給資格者を対象に最大90日延長できます。

 小池氏が「政府は『財源が大変』だというが、失業給付の積立金はどれだけあるのか」と質問すると、厚労省側は「2010年度末の残高が4兆4000億円の見込み」と回答。小池氏は「それだけお金がある。アメリカでは11月5日に失業給付期間を最大20週間140日延長する法案が可決された。全国延長給付は政治決断で実施できる」と迫りました。

 長妻厚労相は「年末が心配だという気持ちは同じだ」としつつ、「限られた財源の中で慎重な判断が必要だ」とのべるにとどまりました。

 小池氏は、ハローワークで職業紹介だけでなく生活支援など複数の手続きができる「ワンストップサービス」について、11月30日だけの開催予定になっているとし、「到底1日で解決するとは考えられない」と質問。長妻厚労相は「実施状況をみて、1日に限らずどう開催していくのか決定していく」と答えました。小池氏は「あらゆることをやる立場で臨むべきだ」とのべました。

(出所:日本共産党HP 2009年11月20日(金)「しんぶん赤旗」)

企業の内部留保 10年で倍増429兆円
超不況下でも ため込む
社会還元し 内需拡大急げ
労働総研調査

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 昨年来の深刻な不況にもかかわらず、企業がため込み利益である「内部留保」を依然として増加させていることが、労働運動総合研究所の調査で分かりました。18日発表した経済危機打開の緊急提言で明らかにされたものです。この10年で内部留保は倍加し、428・6兆円にも達しており、労働総研は「労働者と中小企業を犠牲にしてため込んだ内部留保を還元し、内需拡大をはかることが急務だ」と指摘しています。

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 内部留保は、剰余金や積立金などの名目でため込まれている利益です。企業の売上高は2008年10~12月期が11・6%減、経常利益も同64・1%減など3期連続で激減する一方で、内部留保は1・7%増、0・6%減、1・4%増と増加傾向が続いています。

 内部留保が急増したのは派遣労働が原則自由化された1999年以降で、209・9兆円から218・7兆円も増加(グラフ)。このうち69・3%は資本金1億円以上の企業がため込んだものです。

 この急増分を労働者などに還元した場合の経済効果について、最低賃金の時給1000円への引き上げや、非正規雇用者の正規化をはじめ働くルールの確立など五つのケースで試算(表)。国内需要総額の半分に相当する国内需要の拡大で国内生産などが誘発され、3%を超える経済成長が上積みされると指摘。税収増も今年度補正予算の公債発行額にほぼ匹敵します。

 最賃時給1000円に必要な財源は、急増分のわずか2・7%。非正規の正規化も3・5%あればできるもので、異常な内部留保を取り崩すだけで可能だと強調しています。

 都内で会見した牧野富夫代表理事、木地孝之研究員らは、内部留保の異常なため込みが内需を縮小させ、国際的にも落ち込みが著しい日本経済の危機の原因となっていると指摘。内部留保を労働者と社会に還元し、内需を拡大することは急務だとのべました。

(出所:日本共産党HP 2009年11月19日(木)「しんぶん赤旗」)

主張
失業者支援
寒空のもと、路頭に迷わすな

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 厚生労働省の調査で、解雇や雇い止めで仕事を失った人のうち、年末までに雇用保険の失業給付が切れるのは約39万人、そのうち約6割は再就職できず収入が途絶える見込みで、年末年始に約23万人への支援が必要なことが明らかになりました。直近の9月の「完全失業者」は363万人、失業給付を受け取っているのは失業者の4人に1人で、もともと失業給付が受給できない人もたくさんいます。失業者が寒空のもと路頭に迷うことが絶対にないよう、支援を強めることが急務です。

失業しても仕事がない

 雇用保険の失業給付は最長330日ですが、派遣労働者や契約社員など「非正規」の労働者の場合は、90~180日が大半です。昨年末から今年にかけ無法な「派遣切り」などで「非正規」の労働者が仕事を失う事態が相次いだため、失業給付が切れる人は7月以降毎月6万人前後に上るというのが厚労省の推計です。この水準は、たとえば6月に失業給付を打ち切られた人の、2倍以上です。

 「非正規」「正規」を問わず雇用を削減する動きは、一部の大企業の生産が拡大に入った現在も変わっておらず、「完全失業者」は昨年秋から1年近くにわたって増え続けています。求人の動きも鈍く、求職者に対する求人の割合を示す有効求人倍率は、史上最悪の水準を続けています。

 このため失業しても仕事を見つけることができず、長期にわたって失業状態を続けなければならない人の問題が深刻化しており、そうした人の失業給付が打ち切られれば、ただちに生活に窮することになります。厚労省が失業給付を打ち切られ、支援が必要になる人の推計を発表したのは初めてで、それほど事態が深刻なことを浮き彫りにするものです。

 昨年の年末には、急激な雇用の削減の中で、仕事とともにそれまで暮らしていた派遣会社の寮などの住まいも奪われた人が路頭にあふれ、東京・日比谷公園での「年越し派遣村」など、緊急の炊き出しや生活支援に頼る事態が出現しました。ことしもこうした事態を繰り返さないためには、失業給付の延長や失業者への衣食住の支援など、緊急の支援を強めることが待ったなしです。

 支援が必要なのは、失業給付が打ち切られる失業者だけではありません。全国労働組合総連合(全労連)が全国のハローワークで行った失業者へのアンケートでは、失業期間が3カ月以上という人が62・9%を占めました。約半数はすでに給付を打ち切られた人やもともと受給資格がないなどの理由で失業給付を受けていない人です。失業給付を改善するとともに、生活や就労への支援を拡大することが不可欠です。

心のこもった緊急対策を

 鳩山由紀夫内閣も「緊急雇用対策」に取り組んでいます。しかし、日本共産党の小池晃参院議員が指摘したように、失業給付の期間を延長する「全国延長給付」の実施には否定的で、失業者が1カ所だけで仕事と生活、住宅などの相談ができる「ワンストップ・サービス」も一部地域だけで実施する計画です。

 重要なのはことばだけでなく、心のこもった対策です。一人の失業者も路頭に迷わせないため、必要な対策を必要な規模で、急いで行うことが求められます。

(出所:日本共産党HP 2009年11月20日(金)「しんぶん赤旗」)

主張
7-9月期GDP
暮らしと雇用立て直しが急務

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 7~9月期の実質GDP(国内総生産)は1・2%増で、このペースが1年続いた場合の年率換算では4・8%のプラスです。

 実質GDPは年間の数字に換算して531兆円、前期比では6兆円余り増加したことになります。

輸出大企業中心では

 伸びが大きかったのは大企業関連の指標で、年率で輸出が28%増、設備投資が6・6%増、在庫投資も減少から増加に転じました。

 これに対して家計消費は年率2・9%増にとどまり、住宅建設はマイナス27・5%となっています。最悪の雇用水準が続いて、雇用者報酬(名目)は6期連続の減少となり、落ち込みに歯止めがかかっていないためです。

 経済成長率が前期と比べてプラスになったと言っても、相変わらず輸出大企業中心の成長であり、内需主導への転換のきざしはまったく見られません。

 マイナス成長に陥る前の2008年1~3月期と比べると、実質GDPは38兆円も減り、設備投資は20兆円、輸出は26兆円のマイナスとなっています。名目の雇用者報酬も12兆円のマイナスです。

 日本経済は、底をはうような景気の水準の面でも、ゆがんだ成長の中身の面でも、とても「底打ち」や「回復」を論じられるような状況ではありません。

 いま何より重要なのは、深刻な景気の悪化から国民の暮らしと営業を守ることです。

 つぎつぎと期限切れを迎えている失業給付の緊急延長や、求職活動がうまくいかずに生活に困窮している失業者らへの、生活と住居の支援は一刻を争います。

 日本の雇用と技術を支えている中小零細企業の危機への対応では、仕事の確保も含めた総合的な緊急対策が急がれます。雇用調整助成金を抜本拡充するとともに、大銀行に貸し渋りをやめさせ、かつての「貸し渋り特別保証」のように、実効性のある資金繰り対策を取るべきです。

 大企業の「下請け切り」をやめさせるとともに、仕事の急減による倒産・廃業を防ぐ休業補償・直接支援が重要です。公共事業を大型工事中心から学校耐震化など生活密着型に切り替え、官公需の発注を増やすなど実際に中小企業の仕事を増やしていくことが求められます。

 緊急対策の実行と同時に、大企業中心の経済のゆがみをいっそうひどくした「構造改革」路線を、根本から転換していく必要があります。

 社会保障の抑制路線は日本の社会保障をますます貧弱にしてきました。特に雇用保険や生活保護など暮らしを支える制度の貧困は、失業したら生きていけない土俵際に国民を追い込んでいます。劣悪な労働条件でも仕事をせざるを得ない境遇と派遣労働の原則自由化は、劣悪な雇用を大きく広げる双発エンジンとなってきました。

 社会保障の削減から拡充への転換と労働法制の抜本改正とは、雇用と暮らしを守る日本に進んでいくための車の両輪です。

内需主導の経済へ

 暮らしと権利を守る「ルールある経済社会」をつくるためには、大企業に相応の社会的責任と負担を求めることが不可欠です。

 政治がこの仕事に取り組むことなしには、輸出依存から内需主導の経済体質へと日本経済のかじを切ることもできません。

(出所:日本共産党HP 2009年11月17日(火)「しんぶん赤旗」)
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民主党政権の課題ー歳出削減、財源捻出を目的とする「事業仕分け」は、どう進んでいるかー

2009-11-19 06:38:01 | 国内政治
「事業仕分け」に問題点
人選 規制緩和論者も
内容 労働と医療壊す
小池議員が追及

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 日本共産党の小池晃政策委員長は17日の参院厚生労働委員会で質問に立ち、行政刷新会議が進める「事業仕分け」の問題点をただしました。

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 小池氏は「メンバー自体に大きな疑問がある」と強調し、例えば厚生労働グループの福井秀夫氏は自公政権の規制改革会議・労働タスクフォースの座長を務めた人物だと指摘しました。同タスクフォースは同一労働同一賃金や最低賃金引き上げに反対し、労働者派遣法のいっそうの緩和を求める異常な意見を出しています。

 小池氏は事業仕分けの内容についても、軍事費や政党助成金が対象になっていない根本問題に加え、「新規学卒者への就職支援」の廃止や「パート労働者の均等待遇推進等助成金」の削減など「容認できない」ものがあると批判。「ムダ遣いを洗い出すことは必要だが、労働者保護の観点が全くない人物に行わせれば、労働行政の根幹をゆがめる」とただしました。

 長妻昭厚労相は「行政刷新会議が行う人選に、いい悪いということをいう立場にない」とのべました。かつて労働タスクフォースの意見を痛烈に批判していた細川律夫厚労副大臣も、「個別の評価者について所感は差し控えたい」などと歯切れの悪い答弁に終始しました。

 医療分野の事業仕分けでは、借入金の返済費用などが勘案されないまま開業医の「高収入」が問題視され、診療報酬について「収入が高い診療科の見直し」「開業医・勤務医の平準化」を行うことが結論とされています。さらに、▽一般病床でも入院時の食費・居住費をとる▽市販品類似薬は保険対象外とする―など患者負担増の方向も打ち出されています。

 小池氏は「このような乱暴で非常識な仕分けを行えば、日本の医療はいっそうの危機に陥る。厚労省としてきっぱり拒否すべきではないか」と迫りました。長妻厚労相は「私が責任をもって判断する。(診療報酬の伸びは)プラスにしていきたい」とのべました。

(出所:日本共産党HP  2009年11月18日(水)「しんぶん赤旗」)

民間から参加の「仕分け人」
保育制度改悪をあおる

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 延長保育事業が議題にのぼった16日の「事業仕分け」の場で、民間から参加している「仕分け人」が、厚生労働省が進めている保育制度改悪をあおる場面がありました。

 長(おさ)隆・東日本税理士法人代表社員は、保育の担い手に社会福祉法人が多いことを「厚労省のセクショナリズム(縄張り主義)」などと問題視。「厚労省は『保育は福祉』と考えているようだが、株式会社を積極的に入れていくかを国民は見ている」と主張しました。

 厚労省はこれにきっぱり反論するでもなく、「現在、社会保障審議会の少子化対策特別部会で、株式会社の件も含め根本的な議論をしている」とこびるような答えをしました。

 別の「仕分け人」は、「少子化対策特別部会での結論はいつごろ出るのか」と質問。

 厚労省は「来年度の早いうちにお見せできればと考えている」と答えました。

事業仕分け
延長保育事業見直し
年金特別会計で賄う方向に

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 政府の行政刷新会議が2010年度予算の概算要求の無駄を洗い出すとして進めている「事業仕分け」作業4日目の16日、延長保育事業が対象となりました。事業の存続は確認されましたが、財源を一般会計ではなく年金特別会計(児童手当勘定)で賄う方向で見直すとの結論が出されました。

 現在、延長保育事業は、一般会計を財源にした「次世代育成支援対策交付金(ソフト交付金)」で、国が市町村に半額を補助する形で行われています。一方、休日・夜間保育や一時保育などは、児童手当制度における事業主拠出金からなる児童手当勘定を財源に、事業主・都道府県・市町村が3分の1ずつ負担する「児童育成事業費」で実施されています。

 「仕分け」の議論で財務省側は「日本は諸外国に比べて家族政策に対する事業主負担の割合が低い」と指摘し、延長保育も児童手当勘定を財源に行うよう主張しました。これに対し厚労省は「民主党が目指す子ども手当の創設は児童手当勘定の廃止が前提だ。そこに計上することにはちゅうちょがある」と反論しました。

 「仕分け人」からは「児童手当勘定には今年度末時点で888億円の積立金がある。それを取り崩せば当面はもつのではないか」との指摘があり、12人中8人が「特別会計に移すべきだ」と判定しました。

 審議を聞いていた人からは「場当たり的な議論だ」「子ども手当の財源確保のためにほかの子育て支援にしわ寄せがいくという矛盾が出ている」などの批判の声が出ました。

本当の無駄は対象外
市田書記局長 「事業仕分け」問題多い

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 日本共産党の市田忠義書記局長は16日、国会内で記者会見し、現在、民主党政権がおこなっている「事業仕分け」について「もともとこの問題は小泉内閣の時代に『行政改革推進法』(2006年)によって規定されたものであり、民間人の『仕分け人』には『小泉改革』を推進した人物もふくまれている」と述べたうえで、問題点を次のように指摘しました。

 第一は、本当に無駄な事業が仕分けの対象になっていないことです。市田氏は、軍事費を例にあげ、1200億円もするヘリ空母や「ミサイル防衛」など主要な部分は除外し、広報や自衛隊員の募集事業など細かいところばかりを対象にしていると指摘。「思いやり予算」などの米軍関係費についても「仕分け」の対象になっているのは、基地労働者の賃金水準であり、グアムへの新基地建設予算などは対象外だと述べました。優先順位について、国民の批判の強い高速道路の無料化についても「マニフェストに掲げたという理由で事業仕分けの対象外だ」と批判しました。

 第二は、効率性の観点ばかりで現場の意見を反映しない乱暴なやり方で議論を進めていることです。市田氏はこうした議論の中で、医療保険について“療養病床にくらべ、一般病床の食費は安いから引き上げるべきだ”“ホテルコスト(食費・居住費負担)も取るべきだ”などの意見が出ていることをあげ、「新たな国民負担を増やす議論がおこなわれているなど問題も多い」と批判しました。

(出所:日本共産党HP 2009年11月17日(火)「しんぶん赤旗」)

事業仕分け 「民業圧迫」と予算減
企業名がポンポン

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 「子どもの読書というなら『ベネッセ』がある」―。11日から国立印刷局市ケ谷センターの体育館(東京都新宿区)で始まった行政刷新会議の「事業仕分け」作業では、民主党政権が“選抜”した「事業仕分け人」の口から企業名がポンポンと出ました。

 第3ワーキンググループ(WG)では、文部科学省所管の「国立青少年教育振興機構」やスポーツ予算などが取り上げられ、1事業約1時間で次々と処理されました。

 「子どもの読書活動推進事業」をめぐり藤原和博氏(大阪府知事特別顧問)は学校での「朝の読書は成功している」としつつ、「子どもが一人も借りていない本がある。(古書店)ブックオフにでも売ればいい」と同事業は「廃止」の結論に。

 スポーツ予算をめぐっても大和総研チーフエコノミストの原田泰氏が「生涯スポーツ施設は民業圧迫だ」と述べ、サッカーくじ(toto)への依存を強めるべきだとの意見が相次ぎ、「予算要求の縮減」が多数意見となりました。

 「予算要求の大幅縮減」を提示された「国立女性教育会館」の神田道子理事長が「人間を大切にする事業について、一方的にただ質問に答えろというのは心外だ」と抗議する場面もありました。

 予算編成の過程を公開の場で見せると鳴り物入りで始まった行政刷新会議の議論。「公開の場」というなら、民主党議員だけでなく他党の国会議員も交えて、国会の場で堂々と議論すべきです。

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閣僚・議長からも疑問
地方交付税まで

 横路孝弘衆院議長は11日、「事業仕分け」の対象に地方交付税が含まれたことについて、「何を考えているか分からない」と疑問を呈しました。全国町村議会議長会記念式典のあいさつで述べました。

 横路議長は「地方税財源の充実強化」などを求め1993年に衆参両院で採択された「地方分権の推進に関する決議」に言及。「15年前の決議だが正しく問題を指摘している」と強調しました。

なぜ外国人起用

 政府の行政刷新会議の事業仕分け人が民主党議員と民間人に限定され、社民、国民新の両党内から11日、不満が噴出しました。

 国民新党の亀井静香代表(金融・郵政改革担当相)は記者会見で「3党連立と言いながら国民新党や社民党の議員が入っていない」と不満を表明。モルガン・スタンレー証券のロバート・フェルドマン経済調査部長が仕分け作業に当たっていることについて「事業仕分けは権力の行使そのもの。外国人を入れるのはおかしい」と批判しました。

 会見に先立つ同日昼、亀井氏は平野博文官房長官に電話で人選見直しを要求。平野長官は仙谷由人行政刷新相と首相官邸で会い、電話の内容を伝え、検討を求めました。この後、平野長官は午後の記者会見で「補強はあって全く問題ない」と述べました。

事業仕分け作業始まる
「生活関連」も廃止対象
評価者に「小泉改革」推進者

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 政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)は11日、都内で2010年度予算概算要求の圧縮を目的とした「事業仕分け」作業を始めました。

 「事業仕分け」は、民主党の衆参議員9人と民間有識者56人からなる「評価者」が、同会議の下に設置された三つのワーキンググループに分かれ、各省庁が予算要求した事業を評価するもの。▽事業の要不要▽事業の担い手▽緊急性―などについて検討し、法改正も視野に事業の改廃、予算見送りといった措置を決定します。

 1事業1時間の審議で結論を出していきます。ただ、この結論が最終判断となるものではないとしています。

 民間有識者のなかには、自公政権下で政府税制調査会会長を務めた石弘光氏や、経済財政諮問会議の審議に携わった川本裕子氏など「小泉改革」を推進した人物も含まれています。

 初日の作業では、入院時の食費・居住費負担(ホテルコスト)について、現在、療養病床に入院している65歳以上の高齢者に特に重い負担を課していることに対し、「若者や一般病床の患者にも公平な負担を求める」方向で見直すべきだとしました。

 ほかにも、子どもの体験活動を行っている団体を支援する基金や事業を廃止に、「青少年自然の家」などを運営する「国立青少年教育振興機構」は「民業圧迫だ」などの理由で「地方自治体・民間への移管」に仕分け。スポーツ予算(59億1400万円)は大幅削減すべきだとしました。

(出所:日本共産党HP 2009年11月12日(木)「しんぶん赤旗」)

事業仕分け 生活関連も
行政刷新会議 447項目を決定

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 政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)は9日、首相官邸で第2回会合を開き、2010年度予算概算要求の約3兆円削減をめざして、事業の「見直し」や「地方移管」「民間委託」の検討をする「事業仕分け」の対象447項目(約210~220事業)を決定しました。

 地方交付税交付金、診療報酬など大所の予算のほか、国民の要求で実現させてきた「保育所運営費負担金」「延長保育事業」など福祉関係の事業や、公立学校施設整備事業、義務教育国庫負担金、国立大学法人運営費交付金などが「見直し」対象となりました。

 一方、自公政権時代と同額の概算要求が出されている在日米軍への「思いやり」予算(1919億円)は、基地従業員(日本人)の給与にあてる労務費のみが対象となるだけでした。

 会合後に内閣府で記者会見した仙谷由人行政刷新担当相は「徹底した歳出削減、筋肉質の歳出構造を実現したい」と述べました。

 超大型公共事業や大企業優遇の事業についての項目はなく、政党助成金も対象となりませんでした。

 同会議のワーキンググループ(WG)が11日から公開の場で具体的な作業に入ります。今回、石弘光・放送大学学長(元政府税調会長)など民間の「事業仕分け人」56人も決定されました。

(出所:日本共産党HP 2009年11月10日(火)「しんぶん赤旗」)

主張
財界の予算要求
あまりに身勝手が過ぎないか

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 来年度予算の編成作業が本格化し、今週からは鳩山由紀夫政権が発足させた行政刷新会議の「事業仕分け」の作業も始まります。

 そうしたなかで見過ごせないのは、日本経団連や経済同友会など財界が相次いで発表した予算要求で、相変わらず社会保障予算の削減や消費税の大増税、大企業の法人税減税などを並べ立てていることです。財界が支持した自公政権が選挙で敗れてもなお身勝手な要求を並べ続ける財界の策動を打ち破らない限り、国民の願いは実現しません。

福祉破壊テコに負担要求

 「社会保障給付の効率化を徹底しつつ、必要な給付増に向けて安定財源を確保」(日本経団連「安心で信頼できる社会保障制度の確立に向けて」)、「消費税率は(中略)国・地方・年金目的を合わせ、17%に引き上げることが必要」(経済同友会「歳出・歳入一体改革の早期断行を求める」)、「30%を目途に法人実効税率の引き下げを」(日本経団連「税制改正に関する提言」)等々、財界の要求は露骨です。

 財界は長年にわたった自民党政権や自公政権の時代に、大企業のもうけを拡大する産業基盤投資などの大型公共事業に予算を優先配分するよう求める一方、社会保障など国民向けの予算は削減するよう求め続けてきました。公共事業には社会保障費を大幅に上回る予算が使われ、「逆立ち財政」と批判されてきたのは有名です。

 財界には自公政権が終わってもそうした大企業のための財政運営への反省はありません。せいぜい「公共事業を含む裁量的経費のムダの徹底的削減」(経済同友会)をいうぐらいです。それどころか「構造改革」路線を強行させ、年金も医療も介護もズタズタにしてしまったことを逆手に使い、社会保障の財源を口実に、消費税を大幅に増税し、国民にもっと負担してもらうしかないというのです。とんでもない開き直りというほかありません。

 年金や医療など「構造改革」路線で破壊された社会保障を立て直すことは急務であり、そのためには財源が必要です。しかしその財源は、なによりも軍事費や大企業向けの予算などムダな予算の削減と、減税しすぎている大企業・大資産家向けの税制を見直し、負担能力に応じた負担を実現することでまかなうべきです。

 財界の身勝手ぶりは、消費税については大幅な増税を求めているのに、大企業の法人税については「実効税率の引き下げ」(日本経団連)、「法人事業税の廃止」(経済同友会)など、いっそうの軽減を要求していることに端的にあらわれています。大資産家向けの金融証券税制についても、日本経団連はさらに軽減を求めています。自分たちは応分の負担をせず国民に負担増を求めるのは図々しいにもほどがあります。

国民の世論と運動強めて

 財界がみずから応援した自公政権に審判が下ってもなお態度を変えようとしないのは、反省がないためか、それとも、それ以外思いつかないためか。いずれにせよ、こうした大企業中心の政治を改めさせることがいよいよ急務です。

 財界は労働者派遣法の抜本改正や25%削減を中期目標にした温暖化対策でも抵抗を強めています。国民の世論と運動で財界による逆流を許さないことが重要です。

(出所:日本共産党HP 2009年11月10日(火)「しんぶん赤旗」)

主張
「思いやり予算」
全廃めざす第一歩をふみだせ

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 政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)が、来年度予算の歳出削減の作業を始めました。

 軍事費のうち焦点となった米軍「思いやり予算」は、その一部である日本人従業員の給与負担を対象に含めているだけです。「思いやり予算」については、日本共産党の志位和夫委員長が「切り込む意思はあるのか」とただしたのに対し、鳩山首相は「包括的な見直しに取り組む」と約束していました。日本人従業員の給与負担だけの「見直し」では首相の約束とも違います。

負担するいわれはない

 在日米軍への「思いやり予算」は、米軍家族住宅や教会などの建設のほか、光熱水料、演習費、戦闘と不可分の施設整備など、米軍活動のほとんどすべてを対象にしています。米兵が遊びに使う高速道路料金まで負担しています。米兵の給料以外は何でもありの不当な支出です。国民が批判を強めているのは当たり前です。

 防衛省の来年度概算要求のうち米軍「思いやり予算」は1919億円です。自公政権の概算要求額と同額です。このうち日本人従業員の給与約1100億円のごく一部を「見直す」だけというのが刷新会議の考えです。とても「包括的見直し」などに値しません。

 重大なのは、「思いやり予算」では、米軍が負担することに決まっているものまで日本側が負担していることです。米軍地位協定24条は、米軍を「維持することに伴うすべての経費」は、「合衆国が負担する」と明記しています。「思いやり予算」で負担しているものは、本来すべて米軍に負担義務があります。協定に照らせば「思いやり予算」は全廃が当然です。

 「思いやり予算」だけでなく、米軍再編経費など日本の米軍駐留経費負担額はほぼ6千億円にのぼります。米国の同盟国・友好国の負担総額の半分以上を占めます。米政府は「(米)国内でよりも、日本で米軍を維持する方がわれわれにとって少ない費用ですむ」(1995年10月25日ロード米国務次官補=当時=の米議会での証言)と認めています。「思いやり予算」をはじめ日本の巨額の負担が米軍を日本に引き止める役割を果たしていることは明らかです。

 政府が「思いやる」米軍は、沖縄の少女暴行事件などをくりかえし、日本国民の安全を奪っています。米軍を「思いやる」道理はありません。歴代の自民党政権は、「米軍は日本を守ってくれているのだから」といって「思いやり予算」を正当化してきました。しかし米軍は「日本防衛」を任務にしていません。イラク戦争のように世界各地への軍事介入が最大の任務です。戦争を放棄した憲法に照らしても、米軍の戦争を支える「思いやり予算」は許されません。

軍事費削って暮らしに

 行政刷新会議は「思いやり予算」以外の軍事費全体にもメスを入れようとしていません。わずかな「見直し」だけで大半を維持するのは国民の願いに反しています。

 社会保障をはじめ国民生活をよくする財源を拡充するためには、大企業・大資産家優遇を改めるとともに、軍事費に思い切ったメスを入れることが不可欠です。

 鳩山内閣がむだな予算の見直しというなら、「思いやり予算」の全廃など軍事費の大幅削減をまず実施すべきです。

(出所:日本共産党HP 2009年11月13日(金)「しんぶん赤旗」)
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民主党政権の課題ー自民・公明が導入した後期高齢者医療制度は即時廃止が生活第一/廃止の先送り道理なしー

2009-11-17 00:26:41 | 国内政治
後期高齢者医療 一から考える
ただちに廃止を 先送り道理なし

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 「今度の総選挙の結果で自公政権が退場したから、『後期高齢者』、この言葉も退場かと思っていた」。国民の願いを代弁した日本共産党の小池晃政策委員長の参院予算委員会(9日)での追及に、鳩山新政権は言い訳ばかり。冷たい政治の象徴といわれた後期高齢者医療制度とは、一から考えます。

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どんな制度なの?
保険料上昇
高齢化・医療費に連動

 「医療費が際限なく上がっていく痛みを、後期高齢者が自分の感覚で感じ取っていただくことにした」

 後期高齢者医療制度導入を前に、厚生労働省の老人医療企画室室長補佐(当時、2008年1月18日の講演)が語った言葉です。この言葉に、導入の狙いが端的に示されています。

 75歳以上の高齢者を、これまで加入していた医療保険(多くは国民健康保険)から脱退させ、強制加入させたのが、後期高齢者医療制度(約1300万人が加入)です。サラリーマンや公務員の「扶養家族」となっていた人は、家族と同じ保険から切り離され、個人として保険料負担を強いられることになりました。

 生活が貧しくても保険料の全額免除はありません。住民税非課税の低所得者や無収入の人も含め、生活保護受給者以外の全員に保険料が課せられます。

 保険料額は、後期高齢者の医療費と人口の増加に連動して2年ごとに上がります。高齢者は医者にかかる機会が多く、医療費は当然、増えます。高齢化が進む限り、際限なく保険料が値上がりすることになる仕組み。長寿を祝うことを許さない、非人道的な制度といえます。

 団塊の世代が75歳になる25年には、保険料は現在の2倍以上(年額16万円)に達すると試算されています。保険料を上げたくなければ、医療費を増やすな、病気もがまんして病院にいくな、というのが後期高齢者医療制度なのです。

年金天引き
滞納は保険証取り上げ

 年金暮らしが多い高齢者のなかには重い保険料負担が払えない人が出てきます。そこで、後期高齢者医療制度では、保険料の取りはぐれがないように、月1万5千円以上年金がある人からは保険料を天引きします。(国民的な批判を受けて、口座振替も選択可能に)

 年金が月1万5千円に満たない人は、保険料を自分で納めます。これらの低所得者が1年以上滞納した場合は、保険証を取り上げて資格証明書を発行します。制度導入前は、75歳以上の人からの保険証取り上げは禁止されていましたが、後期高齢者医療となり、取り上げが法律に明記されました。資格証になれば、病院でいったん医療費の全額(10割負担)を支払わなければなりません。受診の足を止めさせるペナルティー付きの制度になったのです。

医療も差別
90日超で退院迫られる

 重い負担を課して医療費を抑制するだけでなく、後期高齢者は、受ける医療も差別、制限されています。

 外来では、高血圧や糖尿病などの慢性疾患を抱える高齢者が「主な病気を一つ」決めて、一人の「担当医」を選ぶという「後期高齢者診療料」が導入されました。どんなに検査や画像診断をしても「担当医」に支払われるお金は月6千円の定額制(包括払い)になり、丁寧な検査や診断をするほど診療所側は「赤字」になります。

 入院では、90日を超えると医療機関に支払われる入院料が大幅に減額されたうえに、治療や検査なども入院料に含まれてしまい、治療をしても、その分の診療報酬は医療機関に1円も支払われない仕組みが導入されました。医療機関は赤字になるため、患者に退院を求めざるを得なくなり、転院先を探し回る「医療難民」がうまれています。

 さらに、「後期高齢者終末期相談支援料」の名で、医師が延命治療の希望の有無などを本人や家族と相談し、書類を作成すると報酬が支払われることになりました。

 これらの差別医療は、全国各地の医師会がボイコットを表明するなど国民の強い反発にあい、自公政権は、一部凍結や是正、本格導入断念を表明せざるを得ませんでした。

 長妻昭厚労相は、これらの見直しを表明していますが、高齢者の医療費抑制の制度が廃止されない限り、差別医療の根は絶てません。

だれが導入したの?
自公政権が強行
民主、節目で後押し
共産党は当初から反対

 高齢者の医療費を抑制するため、旧政権は長年にわたって、高齢者を差別する医療制度の実現をめざしてきました。

 1997年6月12日、国民に約2兆円の負担増を押し付ける医療保険改悪案が参院厚生委員会で可決されました。このとき、「老人医療制度について、できるだけ早期に新たな制度の創設も含めた抜本的見直しを行う」という付帯決議が、自民、社民、民主など各党によって共同提案され可決されました。反対したのは日本共産党だけです。

 この決議を受け、小泉純一郎厚生相(当時)は同年8月、「21世紀の医療保険制度(厚生省案)」を作成、公表しました。

 そこでは「新たな高齢者医療制度は、若年者の医療保険制度とは別建て」「全ての高齢者について保険料を徴収」という考えが打ち出されました。後期高齢者医療制度の原型です。

 2000年の健康保険法改悪案の審議では、「老人保健制度に代わる新たな高齢者医療制度等の創設については、早急に検討し、02年度に必ず実施」「老人医療及び慢性期医療については、包括・定額化を更に進める」という付帯決議が、自民、民主、公明、社民などの共同提案でだされ、日本共産党以外の賛成で可決されました。(00年11月30日、参院国民福祉委員会)

 政府は決議をお墨付きに、後期高齢者医療制度づくりを進めました。

 06年、後期高齢者医療制度の創設以外にも窓口負担増大などさまざまな改悪を盛り込んだ医療改悪法案が審議されました。日本共産党は、小池晃参院議員らが「うば捨て山になるという批判は当然だ」と後期高齢者医療制度を批判しました。

 法案は自公の賛成で成立。民主党などは法案自体には反対しましたが、「後期高齢者医療の新たな診療報酬体系」を求めることを盛り込んだ付帯決議には賛成しました(同年6月13日)。この時も、付帯決議に反対したのは日本共産党だけです。

 朝日新聞の星浩編集委員は、法案が提出された06年からの小池議員はじめ日本共産党の国会論戦を高く評価したうえで、「共産党は、その後も『差別医療につながる』とキャンペーンを展開した。…小池氏らの地道な取り組みは評価に値する」(08年6月17日付のコラム)と書きました。

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自治体担当者 「『赤旗』が一番詳しい 制度開始前からキャンペーン

 「しんぶん赤旗」は、後期高齢者医療の制度がよく知られていなかった開始前から、高齢者に高額な負担と差別医療を押し付ける内容であることを分かりやすく紹介し、廃止・撤回のキャンペーンをはってきました。

 99年から企画記事で危険性を訴え、01年には連載を掲載。07年8月からの約1年だけでも日刊紙で連載8本、回数にして44回、見開き特集など、ほぼ毎週、途切れることなく掲載しました。

 自治体担当者からは、「『赤旗』が一番詳しい」(青森県のある市の担当職員)、「他の新聞も読んでいるが後期高齢者医療の問題は『赤旗』がいちばんよくわかる」(奈良市の幹部職員)と注目されました。

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政権就き態度急変

 民主党は、8月の総選挙で「年齢で差別する制度を廃止して、医療制度に対する国民の信頼を高める」と廃止を公約しました。

 そもそも昨年6月に4野党(民主・共産・社民・国民新)が共同し参院で成立させた廃止法案は、今年4月には元の老人保健制度に戻す内容でした。委員会審議の冒頭、法案提出者の代表となった民主党議員は、「高齢者の皆さんが安心して医療を受けられる内容になっておりませんので、一刻も(早く)廃止をさせていただきたい」(08年6月3日の厚生労働委員会で大塚耕平議員)と成立を求めたのです。

旧政権の理屈

 それが政権につくと態度が後退。「老人保健制度に戻すだけでも2年かかることがわかった」「混乱を生じてはいけない」と、廃止法案成立に反対した自民・公明の旧与党や厚労省が持ち出したのと同じ理屈で、廃止に「待った」をかけています。

 4年以内に新制度に移行するから“廃止に変わりはない”と国民の期待に背を向けているのです。

 後期高齢者医療制度は、1日でも長く続けば、それだけ被害を広げます。

 75歳の誕生日を迎えた高齢者は新たに後期高齢者医療制度に入れられ、保険料を負担することになります。しかも保険料は2年ごとに際限なく上昇。85歳までに5回も値上げ通知を受け取らなければなりません。

 長妻厚労相は来年4月には全国平均で12%上がるとのべています。新政権がいう「軽減措置」を講じても、平均的な厚生年金を受け取る単身世帯で年約1万円、夫婦世帯で1万2千円超の値上げになるとの試算(東京都広域連合)もあります。

 低所得者を中心とする保険料滞納者からの保険証取り上げ問題も深刻です。長妻厚労相は、医療費全額を病院で払わなければならない資格証は原則として発行しないといいます。しかし、有効期限を短くした短期保険証は2万8千人以上に発行されています。期限が切れて新たな保険証が出されなければ無保険状態になります。医療を受ける権利の侵害です。

 新政権のいう新制度は、まだ影も形もなく、4年でまとまる保障はどこにもありません。さらに、民主党がマニフェストで掲げている現役世代の医療保険(健保・国保)の一元化には異論百出。新制度創設を廃止の前提にすれば、廃止はずるずる先送りされかねません。

火消しサボる

 「火事が起こっているのを消そうと思っている最中に、新たな家の設計図を持ってこないと無責任だという議論は成り立たない。まず火を止めることがわれわれの今の役割だ」(08年6月3日の参院厚労委で民主党の福山哲郎議員)という主張こそ、正論です。新制度ができるまで「火消し」をサボる姿勢には、まったく道理がありません。

 老人保健制度についても、民主党は「問題は制度にあるのではなく、器をせっかくつくったにもかかわらず、予算を削減していること」(同日の参院厚労委で鈴木寛議員)にあると自公政権を批判し、老人保健制度に戻すよう主張していたのです。

 「75歳で人を区別する信じられない発想」(鳩山由紀夫首相)の制度は、一刻も早く廃止するのが筋です。

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廃止法案審議時の民主党議員の発言 参院厚生労働委員会(08年6月3日)
●いわゆる後期高齢者と言われる方々が、何で自分らは区別、差別をされるんだと…非常に不安と、そして怒りに満ちた制度になってきた。…旧老人保健制度の持っている足りない部分をもってしても、とにかくいったん元に戻すことが非常に重要な課題だと4野党で認識を共有させていただいた(福山哲郎議員)

●一回、元に戻しまして、戻した上で旧老健制度が持っている医療政策の問題点を是正することに全力を尽くさせていただきたい(大塚耕平議員)

●医療費削減のためだけに制度が設計されています。…本来必要であるべき医療が受けられなくなってきている。…相当な僕は差別的な政策ではないのかなと、そう思っております(櫻井充議員)

●(老人保健制度に戻した上で)来年度予算要求でもってきちっと国保の手当てをするというのがわれわれの考え方(鈴木寛議員)

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共産党の主張は?

 日本共産党は、後期高齢者医療制度をすぐに廃止し、老人保健制度に戻すよう求めています。老人保健制度に戻すのに伴う国民健康保険(国保)の財政負担などは、国の責任で補てんします。

 老人保健制度は、高齢者が国保、健康保険(健保)など、それぞれの医療保険に加入したまま、医療の給付は住んでいる市町村から受ける制度です。高齢者の医療費を公費と各保険からの拠出金によって支え、高齢者の窓口負担を一般より低くするための仕組みです。

 老人医療費が有料化された83年から実施されています。日本共産党は、老人保健制度の導入と同時に有料化されたために、法案には反対しました。その後は、国庫負担削減や患者負担増など旧政権による制度改悪に反対してきました。

 高齢者医療の財政を悪化させた要因は、国庫負担の削減です。老人医療費に対する国庫負担は、45%(83年)から07年には37%まで落ち込み、後期高齢者医療制度の導入で08年には35%とさらに下がりました。

 日本共産党は、老人保健制度に戻した上で、75歳以上の人の医療費を無料にすることをめざします。国保への国庫負担を増やし、国保保険料の負担を軽減します。

 5兆円に上る軍事費や大企業・大資産家への応分の負担という「聖域」にメスを入れれば、財源を生み出すことが可能です。民主党が掲げる高速道路無料化にかかる1兆3000億円があれば、高齢者と子どもの医療費を国の制度として無料にすることができます。

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選挙に勝つ方便だったか
全日本年金者組合 篠塚多助委員長

 野党のときには廃止法案まで出したのだから、新政権ができたらすぐ廃止してくれるものだと思っていたのに、総選挙が終わったら先送りだという。みんな怒っていますよ。廃止を叫んだのは総選挙に勝つための方便だったのでしょうか。

 来年には保険料が6千~7千円値上がりするという話も聞こえてくるし、現場は不安を感じています。

 新政権も臨時措置をとるといっていますが、それでいいという話でもありません。「うば捨て山」と呼ばれる年齢だけで高齢者を差別する制度であり、われわれの一生をどうみているのかという問題なのです。

 混乱が起こるというけれど、山で道に迷ったと思ったら、すぐに戻れというでしょ。戻らなかったら遭難する。一刻も早く廃止し、元の制度に戻すのが一番いいんです。

 新しい制度ができるまで待てというのでは、いつになるか分からない。欠点はあるけど老人保健制度に戻し、そこから本当に安心して医療を受けられる制度をつくるべきです。

 「すぐに廃止すべきだ」と追及した日本共産党の小池晃参院議員の国会質問を見ていると、政権にも迷いを感じます。来年には参院選もあるし、運動いかんでは政府の姿勢を変えることができる。なんとしても廃止に向け頑張りたいと思っています。

温存するほど被害増える
中央社保協 相野谷安孝事務局長

 後期高齢者医療制度は温存すればするほど被害を受ける人が増えます。毎日、おおよそ4千人が75歳の誕生日を迎える計算です。その人たちに“もうあなたは用済みです”と通知するような保険証が届いているのです。

 厚労省は、「資格証を発行するな」と各広域連合に通達しましたが、現地の担当者は、法律どおり執行したい、と言っています。発行に歯止めがかかる保証はありません。

 鳩山首相は、老人保健制度に戻すのに2年かかるといいますが、システム的には、そんなに時間を要する話ではありません。

 政権任期の4年以内に新しい制度に移行させるともいいますが、民主党の主張する医療保険の一元化は、そう簡単に実現できる制度ではありません。3~4倍の保険料の開きがある健保と国保を一緒にするのは困難だし、健保にだけある事業主負担をどうするかも大問題です。

 仮に、3年半ほどで新しい枠組みができたとしても、新制度への移行に、さらに2、3年かかるでしょう。廃止を新しい制度まで待てというのは、後期高齢者医療制度の先送りにほかなりません。

 この制度は、高齢者に「病気になるのは自分の責任」として負担を課すことで医療を抑制することが目的の「うば捨て」です。だから当事者は、猛反発をしたのです。今すぐ廃止させなくてはいけません。

(出所:日本共産党HP  2009年11月16日(月)「しんぶん赤旗」)
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国会で日本共産党の小池晃政策委員長がおこなった質問-テーマは後期高齢者医療制度、公的保育の規制緩和ー

2009-11-14 01:48:40 | 国内政治
冷たい政治の象徴 後期医療 すぐ廃止を
参院予算委員会 小池議員の質問

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 日本共産党の小池晃政策委員長が、9日の参院予算委員会でおこなった基本的質疑を紹介します。

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小池 (野党時代は廃止法案を一緒に出したが)民主党はなぜ態度を変えたのか
長妻厚労相 役所のデータを見て廃止に2年かかると知った
小池 役人に言われて簡単に引き下がったのか

 小池晃議員 今日は、後期高齢者医療制度のことについて総理に伺いたいと思います。

 これは年齢だけで差別する世界に例を見ない医療制度です。放置すれば負担はどんどん上がっていきます。若い世代にも重くのしかかります。直ちに廃止しようということで一緒に法案を出しました。私も発議者に入りました。

 これは、参議院では昨年6月に可決をされたわけです。もしこのまま実現すれば今年の4月には廃止ということになっていた。ところが、衆議院では、自民、公明がたなざらしにして実現しませんでした。今度の総選挙の結果で自公政権が退場したから、「後期高齢者」、この言葉も退場かと私も思っていたし、国民のみなさん、特に高齢者のみなさんは期待をしていたと思うんです。ところが、すぐにやめないんだと、こう言い出した。何で態度が変わったんですか。いや、総理に聞いているんです、総理に。総理に聞いているんですよ。

 長妻昭厚生労働相 お答えを申し上げます。

 今、言われましたように、野党の時代、法案を提出いたしました。政権交代後、この後期高齢者医療制度につきまして、私自身も、役所の中のデータあるいは資料、これをつぶさに拝見いたしますと、今の後期高齢者医療制度を廃止して直ちに前の老健制度に戻すだけでも、広域連合の問題あるいはシステムの改修の問題等々で2年かかるということでございます。

 データにいたしましても、75歳以上の方をいったん別のコンピューターに入れたものを、75歳以上の方を今度は前の老健、国保等々に振り分けて戻していくなどなど、2年かかるということでございましたので、そうであれば、後期高齢者医療制度は私は良くない制度だと考えておりますけれども、じゃあ前の制度もすばらしい制度なのかというと、そこにもクエスチョンがありますので、この制度については4年以内に新しい制度にそのまま移行させていくということで、先日、高齢者医療改革会議を立ち上げました。そこで新制度を議論して、そこ(新制度)に移行していくということになったわけでございます。

 鳩山由紀夫首相 私も実はすぐに廃止できるものだと思っておりました。この75歳を区切りにするような制度は良くないと思っておりましたから、小池委員とともにいろいろとたたかった覚えがございます。ただ、今、長妻大臣が申したとおり、この廃止をするだけでも2年はかかる、2年かかるんだったら、その間に新しい制度を、元に戻すんではなくて新しい制度を考えた方がより効果的ではないかという判断に至ったわけでして、私どもとすればそのような方向で努力をいたします。

 小池 私は、明らかにやっぱり態度が変わっていると思うんですね。

 昨年の廃止法案の審議のときに民主党の議員はこう言っているんです。「後期高齢者が、何で自分たちは区別、差別されるんだと…非常に不安とそして怒りに満ちた制度になってきた。そして、この混乱は…旧老人保健制度の持っている足りない部分をもってしても、とにかくいったん元に戻すことが非常に重要な課題だと、4野党で認識を共有させていただいた」(福山哲郎議員、08年6月30日参院厚労委員会)。こうおっしゃっていたんですね。だから、とにかく戻すんだと。

 廃止には時間がかかるとおっしゃるんだけど、私、長妻さんの口からそういう言葉が出るとは思わなかったですね。廃止法案のときも、厚労省は「時間がかかるんだ、大変なんだ」と、自民党も公明党も「コストが大変なんだ」と、ずっと言っていたわけですよ。長妻さん、役人に2年かかるって言われて簡単に引き下がってきちゃったんですか。これは情けない。きちっとやっぱり、言ったとおりにやりましょうよ。

 厚労相 この後期高齢者医療制度の問題とは、75歳以上の方を区分すると、これが最大の問題で、75以上の病院に行く頻度の高い方だけを一つの保険にすれば、それはそのグループの保険料というのはほかのグループに比べて急上昇していくと、これはもう自明の理でございますので、これは問題がある。

 そこでわれわれは、新制度に移行しますけれども、その前の段階で今の後期高齢者医療制度が抱える問題を極力解消していこうと(思っています)。特に、診療報酬の体系の中でも、制度とは別に、75以上の方だけの診療報酬制度というのがございます。項目にすると17項目ございます。全部説明しませんけれども、外来の包括点数とか長期入院の報酬の減額とか終末期の問題とか17項目ございますので、この診療報酬で75以上のことを差別しているものについては、来年度、平成22年度に私は廃止をすると、こういうことを中医協にもお願いして、その方向で実現したいということで考えているところでございます。

 小池 診療報酬のそういう仕組みはなくしたとしても、75歳で区切るという制度の根幹は全く変わらないんですね。総理は本会議で、いろんな意見をいただいたんで方針変えたとおっしゃったけど、どこから意見が出たんですか。

 首相 これは、長妻大臣方と相談をして、そこで意見を伺って、私として理解をいたしたと。ただ、これは、小池委員、当然でありますが、われわれも、後期高齢者医療制度、75歳で区別をするというような制度が悪いということは、今でもそのように思っておりまして、その欠陥を改めたい。廃止をすることは廃止をする。ただ、そのときに新しい制度に移そうではないかという発想になったということでご理解を願いたい。

 小池 そんなにひどい制度だったら、後生大事に守らなくても、すぐにやめればいいではないか。

 自治体からいろいろな意見が来ていると思うんです。自治体の意見をよく聴くことは大事だと私は思います。自公政権がおかした間違った政治によって、自治体に負担をかけたということについては、これは率直に謝罪をして、新政権として十分な支援をしなければいけないと思いますが、何よりもやっぱり大事にしなければいけないのは、こういう差別の仕組みはやめろという国民の願いだと思います。

小池 (この制度を放置すれば)保険料値上げなど被害が広がる
鳩山首相 75歳を区別するのは信じられない発想
小池 信じられないような制度を続けようとする方が私には信じられない

 小池 先ほどから新しい制度ができるまでというふうにおっしゃるんですが、新しい制度というのは影も形も今ないわけですね。廃止法案の審議のときには、自民党、公明党の両党は「新しい制度を提案しなければ無責任だ」というふうにおっしゃっていた。私はそれは間違いだと思います。

 それに対して民主党のみなさんはどう答えていたかというと、「われわれとしては、まず国民に不安をあおっている後期高齢者医療制度についていったん廃止をする、そして老健制度に戻す…今火事が起こっているのを消そうと思っている最中に、新たな家の設計図がないから、新たな家の設計図持ってこないと無責任だという議論は成り立たない」(福山議員、08年6月3日参院厚労委)。こうお答えになっていた。私、これ正論だと思うんですよ。

 この発言に照らせば、今政府がやろうとしていることは、火事が起こっているそのときに、消そうとするんじゃなくて、一生懸命新しい家の設計図を作りましょうよと、こういう話じゃないですか。私は、廃止法案を審議してきた時のとおり、そのときの立場のとおり、まずこの火を消すんだという立場にぜひ新政権のみなさんは立ち戻っていただきたいと思いますが、いかがですか。

 厚労相 新しい制度のお話がございました。そういう意味では、この高齢者医療改革会議というものについては、白紙から検討していただくということではございませんで、新しい制度の6原則というのを設けまして、その範疇(はんちゅう)で検討を急ピッチでいただくということになっているところでございます。

 一つは、後期高齢者の75以上の区分を廃止する。もう一つは、民主党のマニフェストでも掲げております、地域保険としての一元的運用の第一段階として高齢者のための新たな制度を構築する。3原則目といたしましては、市町村国保などの負担増に十分配慮する。そして、高齢者の保険料が急に増加したり不公平なものにならないようにする。そして、市町村国保の広域化につながる見直しを行うということを原則として議論をしていただくということでございます。

 先ほど、現行制度の診療報酬に対する不備、75以上の部分を解消するということを申し上げましたけれども、制度の中でも、人間ドックの助成が打ち切られるとか、あるいは健康診断が不十分になるとか、あるいは資格証明書ということで保険証を取り上げられるとか、それも75以上で起こっておりますので、それについてもわれわれは是正をするということで、既に手当てをする通知を出していますので、ご理解をいただければと思います。

 小池 今おっしゃったことは全部分かっているんです。ただ、だからそのためにもいったん戻すという当初の議論にやっぱり戻るべきでないかと。

 老人保健制度というのは、これは高齢者が現役時代の医療保険に加入したまま負担軽減を受けるという制度ですから、年齢だけで区切ってしまう差別の制度とは決定的に違うわけです。私たちは、これは国庫負担を投入して窓口負担を下げる、あるいは高過ぎる国保料を下げるために国庫負担を元に戻すと、このことを提案しています。これをやるべきなんですよ。民主党のみなさんも廃止法案のときはそういう立場を言っておられた。

 さらに、放置すればどういう被害が広がるかというと、保険料はどんどん上がっていくわけです。来年は初めての保険料の引き上げの年になる。東京都の広域連合が発表した試算によりますと、来年度、法律、政令どおりに保険料を改定すると、平均的な厚生年金の受給世帯、211万円を受け取っている単身世帯では1万3500円、それから夫婦世帯では1万7300円の値上げになる。

 廃止を先送りすればするほどこういう被害が広がっていくわけですね。これはどう考えるんですか。

 厚労相 ご指摘のとおり、この後期高齢者医療制度の保険料というのは、75以上の病院に行く頻度の高い方だけを区切った制度でありますので、保険料が急上昇する。これは私どもも指摘をさせていただいて、廃止をするという決断をした大きな理由でございます。

 数字を申し上げますと、案の定といいますか、来年度は全国平均で約12%も保険料が上昇すると、こういう事態となっております。そういう意味で、私どもといたしましては、概算要求でも盛らせていただきましたけれども、このご負担を少しでも抑制をしていく措置、そして各広域連合に剰余金を活用していただいて、一定程度の抑制をしていただく措置などなどをとって緩和に努めていきたいと。

 いずれにしましても、抜本的にこの制度を廃止して新しい制度に移行するときには、保険料の地域差が極力ないように、そしてほかの世代との保険料の急上昇、上昇スピードが差がないような、そういう制度をつくっていきたいというふうに考えているところでございます。

 小池 軽減措置をとると言うんだけれども、今言われている軽減措置の範囲が仮に実施されても、例えば東京都でいうと、少なくとも単身者では約1万円、夫婦世帯では1万2000円以上保険料が上がるんですね。

 これだけ問題があるとおっしゃるんだったら、やめればいいじゃないですか。これほど分かりやすい解決はないんです。

 総理、「大変けしからん制度だ」と総理は何度もおっしゃっているんですよ。私も大変けしからん制度だと思う。このけしからん制度をこのままにしておけば、例えば75歳の誕生日を迎えた方には、今も後期高齢者の保険証というのは送られていくわけですよ。次々次々、その差別の対象は広がっていくわけであります。

 この後期高齢者医療制度というのは、私は、ある意味では自民党政権による2200億円の社会保障削減、抑制路線のまさに象徴のような、冷たい政治の象徴のような、そういう政策だと思うんですね。新政権が「国民が第一の政治」をやるというのであれば、なぜこの象徴のような制度をやめるということに踏み出さないのか。私は、これ(廃止)は国民にとっては本当に分かりやすい、ああ、政治が変わったんだなということになると思いますよ。何でそれをやらないんですか。やりましょうよ、鳩山首相。ぜひやってください。

 首相 ですから、私どもは後期高齢者医療制度は廃止しますと、廃止するのに2年かかるんだったら、その間に新しい制度をつくりましょうという話で、みなさん方のご協力をいただいてより良いものにしていくと。

 75歳で人を区別するなどというやはり信じられない発想、今お話があったように、その方々にどんどん負担というものが重なっていくわけでありますから、そういうしわ寄せになるような間違った制度はやめるということは誓った。そして、その間に、その新しい制度に変わる前に、いろいろとご不自由される、そのさらに75歳以上の方々に対してはそれなりの措置をしっかりととりましょうということを今長妻大臣から申し上げたばかりでありまして、そのことご理解をやっぱり願いたい、むしろ私はそう思います。

 小池 信じられないような制度を続けようという方が私には信じられないです。やっぱりこれは国民から見ればおかしいです。

保育所の最低基準緩和やめよ

小池 日本の最低基準は世界最低、引き上げるのが当然
厚労相 待機児解消の時限的措置
小池 子どもを詰め込むのではなく、保育所を増やせ。昨年増えたのは全国でたった16カ所

 小池 もう一つ取り上げたいのは、やめると言っていたものをすぐにやめない、その一方で、自民党政権も手を付けなかった問題に踏み込もうとしている。保育所の問題であります。保育所には最低基準というのがある。これは1948年に作られて、60年間、ずうっと自民党政権は放置してきたわけですよ。実態はどうか。

 これはある保育所の写真です(部屋いっぱいに布団をならべて昼寝している写真を掲げる)。全国社会福祉協議会からお借りしたわけですが、ここは最低基準の保育所じゃありません。これは一般的な今の保育所の姿です。お昼寝風景ですが、寝返りも打てないという実態があるわけですね。

 最低基準について厚労省の委託研究が今年やられました。この報告書で現行の最低基準についてどう評価しているか、その該当部分を読んでください。

 厚労相 保育所の問題でございますけれども、後からもその面積の要件等々のご質問があると思いますので、今報告書だけを抜粋して読ませていただきます。

 これは厚生労働省の委託の研究の報告書でございまして、保育所の部分でございます、この面積の部分でございます。「したがって、現在の面積基準をさらに切り下げることや、切り下げられるような仕組みを導入することは、一人ひとりの子どもの発達に応じた保育をさらに困難とするものであることから、少なくとも、現行の最低基準以上のものとなるよう取組みを進めることが重要である」と、こういうふうに書いてあるわけでございます。

 小池 そうなんですね。それで、この報告書では日本の最低基準が世界最低だということも書いてある。

 2歳児の場合で、7畳間の広さで6人子どもがいて先生が1人ですよ、これが実態だ。ここで食事もお昼寝も遊ぶのも一緒にやる。60年前の基準ですからね、引き上げるのが当然だと思う。

 今年の3月には、今報告があったように、むしろ引き上げるべきだという報告書も出ている。「チルドレンファーストだ」という政権になった。おお、いよいよこれ60年ぶりに引き上げの議論が始まるのかなと思ったらば、逆の話になっているんですよ。厚労大臣は引き下げてもよいという方針を出している。

 私は、地方分権の名で子どもや教育に係るナショナルミニマム(国として保障すべき国民生活の最低基準)を壊してはいけないと思います。そして、待機児童の解消のためだというけれども、これで親ごさんが安心して預けられるのか。子どもに犠牲を押し付けていいのか。私、厚生労働大臣、方針出したんなら答えていただきたい。

 厚労相 正確にご説明を申し上げますと、この保育所につきましては、待機児童の方々が大変多い、これは厚生労働行政としても全力で取り組まなければいけない問題であるということは言うまでもございません。その中で地方分権という問題もございます。

 その意味でわれわれは、いろんな、保育所にも幾つもの国の基準がございます。その中で面積というのが一つある。その中で私どもが提出した考え方といいますのは、この面積の基準に対しては、1人当たり何平米というのがお子さんの年齢ごとにございますけれども、東京などの待機児童が多い、そして地価が高い、なかなかスペースが取りにくい場所に限定をして、しかも待機児童が一定程度解消されるまでの時限的な措置として、しかも全く基準をなくすんではなくて、地方自治体に条例で作っていただきたい、地方自治体が自主的にその基準をその地区だけ作っていただきたいということで、地方自治体にある意味では責任を預けて考えていただくということでございます。

 ただ、先ほど申し上げましたように、この保育所の中でもお子様何人当たり保育士は1人必要ですと、こういう人員配置基準もございます。これも緩和をしてほしい、地方に任せてほしいというお話がございましたけれども、これに関しては私どもは譲れませんということで、国が基準を決めて地方の条例でそれを差配していただく、制定していただく。こういうことでめりはりを付けた判断をさせていただいておりますので、ぜひご理解いただきたいと思います。

 小池 私は理解できないですね。やっぱり最低基準というのは絶対に壊してはいけない最低の、最後の基準ですよ。

 待機児童の解消というのは、私は、詰め込んで解消するんじゃなくて保育所を増やすことによって解消する、これがやるべきことだ。土地がないというのであれば、国有地の提供など国にやれることはいくらでもあると私は思うんです。

 1960年代、70年代には年間1000カ所近く造ったこともある。しかし、昨年日本全国で増えた保育所の数、日本中で1年間でどれだけ増えたかご存じですか。16カ所ですよ。要するに造ろうとしてこなかったんですよ、今までの政府は。

 公立保育園の設備、あるいはその運営費も一般財源化しましたから、自治体は全く造れない。

 1年間に10万人分の保育所を造るために必要なのは、国の予算見積もりに照らすと建設費で約1700億円。土地取得への支援も必要だ。子ども手当に5兆3000億円。増税には反対です。しかし、「子ども手当」の一部を回してでも、こういうことこそ緊急事業としてやるべきだというふうに思います。

 総理、こういう問題で私は子どもにしわ寄せをしてはいけないと思う。総理にこの最低基準の引き下げを撤回していただきたいというふうに思いますが、総理、お答えいただきたい。総理、総理、総理。

 福島瑞穂・少子化担当相 保育の質をきちっと守りながら、待機児童の解消をきちっとやってまいります。

 小池委員がおっしゃったとおり、確かにナショナルミニマムというものは最低限必要な部分はあると思います。しかし、この間、財源も確保しながら待機児童の解消と保育の質の問題、そして地方分権といっても、これは地方に丸投げではなく、しっかり国がやはり保障していくことを全力でやっていきたいと思います。

 厚生労働相が言ったのは、例えば短いこの3年間ぐらい待機児童がとっても解消できない東京など一部についてどうかということで、調理場などはきちっと必要である。人員、保母さんはきちっとその枠は外さない。保育の質を守るべく、全力を挙げてまいります。

 小池 福島さん。答弁に立ってきたんであえて言いますが、6月の厚生労働委員会で、あなたは「東京であっても児童にとって必要な基準については安易な緩和は問題だというふうに思っています」と質問しているんですよ。おかしいですよ。無責任だ。

 総理、やっぱりこれは撤回していただきたい。最後にお答えいただきたいと思います。総理、答えてください。総理。

 首相 これは保育所の質を守るということも大事なこと、ただ一方で待機児童の方々も大変お困りになっているのも実態としてお分かりのとおり、その中でどうするかと。それは保育所をすぐに増やせればいいですよ。それがそんな簡単にできないという状況の中で、今、時限的な話で、当然ナショナルミニマムをできるだけ守りたいということで、東京などわずかな地域のみに限ってこの地域の自主性に任せようではないか、そして待機児童の解消に向けて努力をしようではないかという話になったわけでありまして、ある意味での地域主権の一つの私は実験だと思って見ております。

 小池 終わりますが、ナショナルミニマムは「できるだけ」守るじゃない。保育所も「できるだけ」造るじゃないですよ。やっぱり断固としてやらなきゃ駄目だと申し上げて、質問を終わります。

(出所:日本共産党HP  2009年11月11日(水)「しんぶん赤旗」)
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テレビ番組で日本共産党の小池晃政策委員長が発言ーテーマは税制改正と国会運営の在り方ー

2009-11-11 03:37:24 | 国内政治
苦しい家庭に増税は反対
NHK討論 小池氏が扶養控除廃止を批判

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 日本共産党の小池晃政策委員長(参院議員)は、8日放映のNHK「日曜討論」で税制改正をテーマに各党出席者と討論しました。

方向・中身見えず

 小池氏は、税制改正の大きな方向性について「自民党政治でやってきた庶民増税、大資産家・大企業への減税というやり方を見直すことが求められている。アメリカでもEU(欧州連合)でも富裕層に増税して、中・低所得者に減税することをやり始めた。ところが政府の議論にはこうした方向がなく、暮らしも経済も財政もしっかり支えていこうという中身が見えてこない」と発言しました。

 民主党政権が中学生までの子どもを対象に支給する「子ども手当」創設と引き換えに出してきた所得税の扶養控除廃止について、司会の島田敏男解説委員は「決して小さな問題とは思えない」と提起しました。

 小池氏は「扶養控除(0~15歳までと、23~69歳まで)は中学生までだけではない。例えば、成人したけれども病気や障害があって親が扶養している家庭、あるいは親を扶養している若者とか、そういう中には(生活が)苦しい家庭がたくさんある。(扶養控除を廃止すると)そういう家庭への手当てなしに増税だけがくることになる」と指摘。同時に子育て支援について、「私たちは、子ども手当のような現金給付は増やすべきだと思う。あわせて保育所をつくるとか、長時間労働を是正するなど、子育て支援は総合的にやるべきだ。なによりも、苦しい家庭を犠牲にして増税を押し付けて財源をつくるのには反対だ。財源は負担能力に応じて、大資産家や大企業に求めるべきだ」と述べました。

 峰崎直樹財務副大臣は「特定扶養(16~22歳)も高校授業料の無償化で(所得税控除廃止の)議論がある」と発言。その上で「共産党から(提案の)あった23歳から69歳までの障害者の方々に対する配慮は非常に重要だ」と述べました。

 これに対し小池氏は「特定扶養も(控除廃止を)考えているというが、高校に行っていない人もいるし、一番お金がかかるのは大学生だ。そこはまったく増税だけということになる。手当がもらえない人が出てくるのが問題だ」と迫りました。峰崎副大臣は「手当をもらえないで増税になる人への手当ては、しっかりしていきたい」と表明しました。自民党の林芳正政調会長代理が「小池さん、頼もしく見えた」と述べる一幕もありました。

環境税に置き換え

 ガソリン税の暫定税率廃止について小池氏は「地球温暖化対策に逆行するし、日本のガソリン税は国際的に見ても高くない。道路特定財源はなくなったのだから、暫定税率の見直しは当然だが、その際にはガソリンを含めたエネルギー税制全体を見直していく必要がある。CO2の排出量を考慮した環境税に置き換えていくことが必要だと思っている」と語りました。

 財源の確保について小池氏は「軍事費の問題でいうと、ヘリ空母1200億円には手がついていない。米軍への『思いやり予算』についても概算要求で(旧政権と)同額を出している。行政刷新会議では、政党助成金も事業仕分けの対象にするべきだ。自民党政権で、できなかった問題点に切り込むかどうかが問われている」と述べました。

政治主導なら議員立法を
小池政策委員長が主張
民放番組

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 日本共産党の小池晃政策委員長は8日のフジテレビ系「新報道2001」に出席。番組では、小池氏の参院議員としての活動が“密着映像”で詳しく紹介されました。

 民主党が議員立法を禁止しようとしていることについて小池氏は「民主党内部のルールといいながら、国会全体に影響が出る。今、議員連盟などに出ると民主党の議員は困っている。民主党の方針がよくわからないと率直に言う。これはおかしい。薬害肝炎対策など国民にとっていい法律を与野党の壁を超えて議員立法でまとめ上げていくのは、国会でやってきた仕事だ。政治主導というなら、議員立法で法律をどんどんつくっていくべきだ」と語りました。

 この後、鳩山由紀夫首相の通信簿と題して「政治主導と脱官僚の実行」などが議論になり、小池氏は「官僚答弁を禁止するというが、今回の国会で、別に法律を変えなくても大臣が答えるという姿勢を内閣がとればできることが証明された。逆に法律で禁止すれば行政のチェックができなくなってしまう」と問題点を指摘しました。

 また新政権が「政治主導」になっているかどうかが問われ、小池氏は「日本郵政の社長に『渡り鳥』の典型のような元大蔵事務次官の斎藤次郎氏を起用した。後期高齢者医療制度の廃止も厚生労働省から2年間かかりますと言われたら、先送り。政治主導ではなく、本当に官僚にいうべきことをいっていないのではないか」と指摘しました。

(出所:日本共産党HP 2009年11月10日(火)「しんぶん赤旗」)
コメント (18)
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民主党政権 四つの問題点ただす-日本共産党の志位和夫委員長が記者会見ー

2009-11-09 01:59:02 | 国内政治
民主党政権 四つの問題点ただす
沖縄基地 後期医療 「政治とカネ」 「官僚答弁禁止」
志位委員長が会見

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 日本共産党の志位和夫委員長は5日、国会内で記者会見し、臨時国会のこれまでの論戦のなかで明らかになった民主党政権の重大な問題点について4点にわたって明らかにしました。(会見詳報)

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 問題点の第一は、沖縄県・米軍普天間基地の「移設」問題です。志位氏は、岡田克也外相が4日の衆院予算委員会で、「『県外』(移設は)公約ではない」と答弁したことをあげ、これでは選挙中の論戦は意味がなくなると批判し、鳩山由紀夫首相も、外相ら閣僚の答弁を容認していることを「無責任な態度といわねばならない」と指摘しました。

 第二は、後期高齢者医療制度の問題です。首相が「新しい制度」ができるまでは撤廃を先送りにすると発言したことについて志位氏は、「重大な態度の後退」と指摘。方針転換の理由が「混乱を生じさせてはいけない」としていることについて、自民・公明の反対論と同じ言い訳であり道理がないと強調しました。

 第三は、首相の「偽装献金」問題、小沢一郎・民主党幹事長の政治資金パーティーの虚偽記載疑惑です。志位氏は、「政治とカネ」をめぐる一連の真相解明が必要だとし、衆参の予算委員会で集中審議し、国民の前で徹底的な真相究明を行うことを要求しました。

 第四は、小沢幹事長主導ですすめようとしている「国会改革」の一つの内容として、法律で「官僚答弁の禁止」を決めようとしていることです。

 この問題では、平野博文官房長官が4日の会見で、鳩山政権が、憲法解釈について、内閣法制局長官の過去の答弁にしばられず、「政治主導」で決めていくとの見解を示したことをあげ、「官僚答弁の禁止」の真の狙いの一つは、「国連の決定があれば、武力の行使を行うことも、憲法上許される」という特異な憲法解釈を押しつけるためのものだと指摘しました。

 最後に志位氏は、「民主党政権の動きの中に、国民の期待とは逆行する問題点が現れてきた。今の局面では、それをただして、政治を前にすすめるという仕事が『建設的野党』の役割として重要になっている」と力説しました。

志位委員長の記者会見
(詳報)

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 日本共産党の志位和夫委員長が5日の記者会見で表明した見解は以下の通りです。

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 国会論戦のなかで、民主党政権のいくつかの重大な問題点が明らかになってきた。わが党は、「建設的野党」の仕事の一つとして、国民の利益を守る立場から新政権の問題点をただすことを公約してきたが、いまの局面のもとでは、この仕事がたいへん重要になってきている。4点ほど問題を提起しておきたい。

沖縄・普天間基地
「『県外』公約でない」(岡田外相)は絶対通用しない

 第一は、沖縄・普天間基地の問題だ。わが党は、衆参の代表質問、衆院予算委質問で、新政権が、「県外、国外」(への移設)という自らの公約にたち、「県内たらい回しを許さない」という沖縄県民の意思にたって、本腰を入れた対米交渉をおこなうことを求めてきた。

 ところが、昨日の衆院予算委で、わが党がこの問題をただしたのに対して、岡田外相は「『県外』(移設は)公約ではない」と答弁した。これは絶対になりたたない弁明だ。党首が、公開のテレビ党首討論で「県外、国外」と言明したことが公約でないなら、選挙中の論戦は意味がなくなる。

 鳩山首相は、昨日の答弁で、県内移設を求める岡田発言について、「(公約の)範囲の中だ」とのべた。自らの公約とまったく異なる発言を、閣僚がおこなっていることを容認、放置するというのは、無責任な態度といわねばならない。

 わが党は、首相に、総選挙での公約、沖縄県民の意思を踏まえた対米交渉を重ねて強く求める。「対等な日米関係」というが、それができなければ、旧来の対米従属外交と変わらないといわれてもしかたがない。

後期高齢者医療制度
「先送り」への方針転換に道理はない

 第二は、後期高齢者医療制度の問題だ。国民の世論の圧倒的多数は、差別制度の即時撤廃だが、わが党の質問にたいして、首相は、「新しい制度」ができるまでは撤廃を先送りにするという姿勢を示した。

 これも重大な態度の後退だ。昨年の国会で当時の野党4党共同で廃止法案を参院で通したさいには、民主党の提案者も「差別への怒り」が最大の問題であり、「いったん元に戻すことが非常に重要」、「戻した上で旧老人保健法制度の問題点を是正する」と言明してきたことだった。

 なぜ方針を転換したのかとのわが党の問いに、首相は、「混乱を生じてはいけない」と弁明した。これは自民・公明などによる反対論と同じ言い訳であり、道理はない。

 「混乱」というなら、最大の混乱は、高齢者を差別する制度をつくったことそのものにある。わが党は、すみやかな撤廃を強く求めていく。

「政治とカネ」
衆参の予算委員会で真相解明のための集中審議を

 第三は、鳩山首相の「偽装献金」問題、小沢幹事長の政治資金パーティーの虚偽記載疑惑についてである。

 首相の疑惑について、わが党は、司法まかせにするのでなく、国民への説明責任を果たすことを求めてきた。しかし、首相は、「捜査に支障をきたす」などの理由で、「発言を控える」と説明責任を避け続けてきた。

 そのなかで、昨日の予算委員会の答弁で、首相は、元秘書が鳩山家の資金管理団体「六幸商会」から資金を引き出す際に、首相がその手続きに必要な「指示書」に署名していたことを明らかにした。

 また、「偽装献金」の資金源について、首相本人以外の、親族、企業、労働組合などではないと言い切れるかとの問いに、首相は「私の知る範囲でそのようなことはないと信じている」とのべるのみだった。

 「偽装献金」はすでに明らかになっている。首相の関与はどうだったのか、資金源はどうなっているのか。疑惑をもたれたら自ら明らかにするのが国会議員の責務である。ましてや首相においては、それがいっそう強く求められる。

 くわえて、今日の報道で、小沢幹事長の関連政治団体「小沢一郎政経研究会」が、政治資金収支報告書で、2000~04年分の政治資金パーティー券収入について、個々の企業の購入額を実際より少なく見せかける虚偽記載をした疑いがあることが報道されている。購入上限額(1回のパーティーで1企業150万円)を上回る金額を要求し、上限額との差額を、収支報告書で企業名の記載義務がない小口分に分散している疑いだ。これについても小沢氏に説明を求める。

 これらの「政治とカネ」をめぐる一連の疑惑について、国会として真相究明が必要だ。わが党は、衆参の予算委員会で「政治とカネ」をめぐる集中審議をおこない、関係者の出席を求め、国民の前で徹底的な真相究明をおこなうことを要求する。

「官僚答弁の禁止」
「政治主導」の名で解釈改憲がすすめられる重大な危険

 第四は、民主党・小沢幹事長が主導してすすめようとしている「国会改革」の一つの内容として、法律で「官僚答弁の禁止」を決めようとしていることについてである。ここには重大な問題がある。

 まず、国会の「国政調査権」「行政監督権」の重大な侵害となる。国会が行政機構、官僚機構の問題点を直接ただすことに大きな障害が持ち込まれる。

 くわえて、さらに重大な問題が浮かび上がってきた。小沢氏は、会見で、「法制局長官も官僚でしょ。官僚は(答弁に)入らない」とのべ、内閣法制局長官の国会答弁を封じる意向を示している。

 平野官房長官は、4日の会見で、鳩山政権が、憲法解釈について、内閣法制局長官の過去の答弁にしばられず、「政治主導」で決めていくとの見解を示した。

 これまで内閣法制局は、憲法9条について解釈改憲を積み重ね、憲法違反の海外派兵を合理化する「論建て」をすすめてきた。しかしそれでも、憲法9条のもとでは、「海外での武力の行使」「武力行使と一体となった活動」などは禁止されているとの一線を超えることはできなかった。

 小沢氏の立場は、「国連の決定があれば、武力の行使をおこなうことも、憲法上許される」というものだ。小沢氏は、この立場に内閣法制局が従わないことに、強い批判と不満を示してきた。その立場から、小沢氏は、自由党時代の03年5月には「内閣法制局廃止法案」を提出している。同時に03年4月には「安全保障基本法案」を提出し、国連の決定があれば「武力の行使を伴う活動」を含めた活動をおこなうことを提起している。

 これは過去の問題ではない。07年に小沢氏は、民主党代表として、『世界』の論文で、アフガニスタンのISAF(国際治安支援部隊)への参加を主張し、「国連の平和活動は、たとえそれが武力の行使を含むものであっても、日本国憲法に抵触しないというのが、私の憲法解釈です」とのべている。

 小沢氏がすすめようとしている「官僚答弁の禁止」の真の狙いの一つは、内閣法制局長官による従来の憲法解釈を、「政治主導」の名で自由勝手に変え、小沢氏の特異な憲法解釈を押し付ける――これまで自民党政権ですら違憲としてきた自衛隊の海外での公然たる武力行使を合憲化する、極めて危険なものといわねばならない。わが党は、この動きにきびしく反対するものである。

(出所:日本共産党HP  2009年11月6日(金)「しんぶん赤旗」)
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