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裁判員制度は実施延期し国民的議論をー衆・参法務委員会で集中審議がされるなど課題浮き彫りー

2009-05-10 16:19:07 | 刑事裁判
裁判員制度
国会審議から課題浮き彫り
守秘義務に懸念相次ぐ
冤罪救済の妨げに/取り調べ可視化を

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 二十一日から始まる裁判員制度について、衆・参法務委員会で集中審議がされるなど、さまざまな議論が行われています。審議から浮き彫りになった課題は何か―。

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 裁判員に選ばれた人には、評議の経過などを家族にも一生漏らしてはいけないという厳しい守秘義務が課せられます。違反すると、六カ月以下の懲役または五十万円以下の罰金が科せられます。

 参院法務委員会の参考人質疑(四月九日)では、守秘義務への懸念が共通して出されました。

 国学院大学の四宮啓教授(弁護士)は「アメリカの陪審員は守秘義務が一切ない」「守秘義務を解除してでも、制度のよりよい定着のために国民の声を聞くという方向を考えていただきたい」と発言。

 竹田昌弘共同通信編集委員は「裁判の公正や信頼を確保するために、議論の経過も聞いた方が、有権者は信頼するのではないか」と述べました。

 日本共産党の仁比聡平参院議員は守秘義務について、「(多数決で死刑判決になった場合など)良心を傷つけられたまま家族や友人に話すこともできないのでは、精神的なケアもできない。生涯、刑罰をもって口外を禁止するのは過酷極まりない。裁判員制度は国民の良心を信頼し成り立つ制度だ。処罰規定は削除すべきだ」(三月三十日の参院法務委員会)と強調しています。

 裁判員制度開始に伴い、刑事訴訟法が改定され、検察側が開示した証拠のコピーの目的外使用が禁止されたことも問題になっています。冤罪(えんざい)の救済が困難になるという指摘があります。

 四月九日の参院法務委の参考人質疑で、仁比氏は「重大事件において、裁判上の証拠をメディアなどが入手し、批判的に分析することで、冤罪からの救済が図られることがある」と指摘。竹田氏は「なんとかしてほしい条文だ。冤罪を指摘する活動は、立件対象にならないようにしてほしい」と答えました。

 裁判員制度開始が目前に迫っていますが、公正な裁判のための制度的保障は不十分なままです。とくに警察などでの取り調べ全過程の録音・録画や、検察官が収集した証拠を弁護人に全面開示することが不可欠です。

 録音・録画を義務化する「可視化法案」(民主党提出)が、四月二十四日の参院本会議で、日本共産党、民主党、社民党の賛成多数で可決し、衆院に送付されました。刑事司法に対する国民的監視が求められます。 (小林拓也)

(出所:日本共産党HP  2009年5月10日(日)「しんぶん赤旗」)

全面可視化が不可欠
取り調べ 冤罪防止に重要
仁比議員

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 仁比聡平議員は二十三日、参院法務委員会で、警察などでの取り調べの録音・録画を義務化する「可視化法案」(民主党提出)の質問に立ちました。

 仁比氏は、「踏み字」や自白強要で冤罪(えんざい)がつくり出された志布志事件(鹿児島県)を例に、代用監獄での長期間身柄拘束や長時間の違法な取り調べ、自白偏重などの構造的な問題を放置したままでは、国民のための司法は実現できず、刑事司法の信頼回復や冤罪の防止は困難であることを強調しました。

 仁比氏は、鹿児島県警が、「信頼回復の努力中」という時期(昨年三月)に、喫煙で補導した少年の態度が反抗的だとして警察署内の道場で足払いを掛けて何度も転倒させるなどした警官が特別公務員暴行陵虐容疑で書類送検された問題を指摘。「これが警察の真相の解明か、更生の意欲を引き出すやり方か」と追及しました。警察庁の米田壯刑事局長は「真相の解明でも更生の意欲を引き出すものでも到底ない。誠に遺憾だ」と謝罪しました。

 仁比氏は「現場や取調官の認識がどうなっているのか、現実から出発しなければ冤罪や人権侵害をなくすことはできない。密室司法に裁判員を巻き込むことになる」として、取り調べの全面可視化の重要性を主張しました。

 提案者の民主党・前川清成参院議員は、「捜査の適正化によって冤罪をなくすという意味でも、任意性の判断の上からも(全面可視化は)大変必要だ」と答えました。

 同法案は、二十四日の参院本会議で、日本共産党、民主党、社民党の賛成多数で可決されました。

(出所:日本共産党HP 2009年4月27日(月)「しんぶん赤旗」)

アンケートを民間委託
裁判員制度で追及
仁比議員

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 五月に始まる裁判員制度について、裁判員に厳しい守秘義務を課しながら、評議の検証のために裁判員が書くアンケートの分析などが民間業者に委託されることが九日、参院法務委員会での日本共産党の仁比聡平議員の質問でわかりました。

 仁比氏が「検証のためのアンケートのとりまとめを民間業者に委託するのか」とただしたのに対し、最高裁判所の小川正持刑事局長は「アンケートの実質的な作業について業者に委託する予定だ」と認めました。

 仁比氏は、評議に関することを漏らしてはいけないという裁判員に課せられた守秘義務を解除せずに、「評議のあり方も含めた制度の検証をするのは不可能だ。守秘義務規定の削除を検討し、裁判員を経験した方々の意見を率直に聞くべきだ」と強調しました。

(出所:日本共産党HP 2009年4月11日(土)「しんぶん赤旗」)

裁判員制度
死刑判決 全員一致で
参院委 参考人が改善求める

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 参院法務委員会は九日、五月から始まる裁判員制度についての参考人質疑を行いました。三人の参考人はそれぞれ「裁判員制度は、従来の公判審理のあり方に反省を迫り、公判の活性化に重要な役割を果たすものだ」(大澤裕・東京大学大学院教授)など制度導入の意義を語りました。

 一方、共同通信編集委員の竹田昌弘氏は、裁判員になる人の「心理的不安が大きい」と指摘。「死刑判決だけは、裁判員と裁判官の全員一致を要件とする必要がある」などの改善点を挙げました。

 国学院大学の四宮啓教授(弁護士)は、裁判員に厳格な守秘義務が課せられることについて、「少し範囲が広いと思う。運用では、守秘義務違反というのは制限的にしていただきたい」と述べました。

 日本共産党の仁比聡平議員は、制度導入に伴い、検察側が開示した証拠のコピーの目的外使用が禁止された問題をとりあげ、「重大事件において、裁判上の証拠をメディアなどが入手し、批判的に分析することで、冤罪(えんざい)からの救済が図られることがあると思うが」とただしました。

 竹田氏は「われわれにとっては相当よくないものだ。冤罪を指摘する活動や人権にかかわる活動については、立件対象にならないようにしていただきたい」と答えました。

(出所:日本共産党HP 2009年4月10日(金)「しんぶん赤旗」)

裁判員の良心信頼を
「守秘義務」で処罰やめよ
仁比議員

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 仁比聡平議員は三月三十日の参院法務委員会で、裁判員制度で裁判員に課せられる「守秘義務」の問題を取り上げました。

 守秘義務によって、裁判員が自身の良心に従って死刑にすべきでないと判断しても、裁判官などの多数決で死刑判決になった場合、そのことが明らかにできないことになります。自分がどのような態度をとったのかについて、生涯誰にも話をすることは許されないことになるためです。

 仁比氏は「良心を傷つけられたまま家族や友人に話すこともできないのでは、精神的なケアもできない。生涯刑罰をもって口外を禁止するのは過酷極まりない。裁判員制度は国民の良心を信頼し成り立つ制度だ。処罰規定は削除すべきだ」と迫りました。

 法務省の大野恒太郎刑事局長は「守秘義務の刑罰担保の当否についてはプライバシーの保護、自由な意見表明、裁判への信頼などからやむを得ない。実際に適用するか否かは、法の趣旨・範囲を考え運用する」と答えました。

 また仁比氏が、国民が参加している検察審査員や民事・家事調停員にも同様に守秘義務に関する刑事罰が課せられているが刑事罰を受けた事案があるのか尋ねたのに対し、いずれも前例のないことが明らかになりました。

(出所:日本共産党HP 2009年4月2日(木)「しんぶん赤旗」)

裁判員制度
えん罪に国民の不信
仁比氏 司法の構造問題指摘

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 日本共産党の仁比聡平議員は十七日の参院法務委員会で、政府が五月実施を決めている裁判員制度について質問しました。

 仁比氏は、世論調査で「参加したくない」「できれば参加したくない」人の割合が七、八割に上る根底に、冤罪(えんざい)をはじめ重大な人権侵害を生み出してきた刑事司法の構造的問題がただされないまま、市民が組み込まれてしまうのではないかとの不安や不信があることを指摘。「裁判員が、職業裁判官から結論を押し付けられるようなことになってはならない。裁判官から独立して裁判にあたることができなければ裁判員制度はその根幹を失うことになるのではないか」と質問しました。

 最高裁の小川正持刑事局長は「裁判員と裁判官は対等な立場で評議を行い、その結果、裁判官が考え直すことも当然ある」と答え、証拠や事実認定について裁判官と優劣がないことを認めました。

 また仁比氏は、裁判員の負担軽減ばかりが強調されるなかで、「原則三日で終わるというモデルを示したのか。それぞれの事案に即して審理と評議を尽くし、真実の発見と無辜(むこ)の不処罰を達成することが刑事訴訟の第一義のはずだ」と指摘。小川局長は「原則三日で審理を終えるべきとか、モデルを示したことは一切ない。刑事裁判においては、被告人の権利を保障しつつ事案の真相を明らかにすることが原則。無辜の者の処罰があってはならない。原則を全うしなければならない」と答弁しました。

(出所:日本共産党HP 2009年3月19日(木)「しんぶん赤旗」)

陪審制度と裁判員制度の違いは?

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 〈問い〉 来年5月21日から裁判員制度が施行されますが、「裁判員」と米国の陪審制度の「陪審員」との違いは何ですか?(東京・一読者)

 〈答え〉 どちらの制度も、刑事裁判を裁判官にまかせるのではなく、法律には素人である国民が刑事裁判に参加するものですが、その基本的な違いは、起訴された事実が有罪か無罪かについて、陪審制は裁判官から独立して陪審員だけで議論して決めるのに対し、裁判員制度は、裁判官と裁判員とがいっしょに議論し、有罪か無罪かを決めるというところにあります。

 裁判員制度は、有罪の場合の刑の重さも裁判官と裁判員が決定します。アメリカの陪審制では、陪審員が有罪と決めた場合、多くの州で刑の大きさは裁判官が決めます。ただ13の州では、死刑で処罰されるべき事件について有罪と決めたら、同じ陪審員がその被告人に対する刑も決定するという例外があります。

 陪審制はイギリスで発達し、世界各国に広がりましたが、ヨーロッパでは、取り調べ中心の官僚的な裁判に市民的感覚を取り入れようとの考えから、事実認定と刑の重さを国民から選ばれた参審員が裁判官とともに決める参審制に修正されて広がりました。裁判員制度は、国民と裁判官がいっしょに決めるという点で参審制の一種といわれています。

 陪審制と裁判員制度を比べると、一般国民のなかから選ばれた人たちが裁判に参加するため、裁判のあり方も、法廷で見聞した証言・証拠にもとづき、集中的に審理して結論を出すことでは共通しています。アメリカの連邦および各州の陪審制は、全員一致制(または大多数の一致)が原則とされているのに対し、裁判員制度では裁判官・裁判員全体の多数決(ただし、多数の側に必ず裁判官、裁判員1名以上いることが必要)で決めることにしています。

 また、陪審制では、裁判官から独立して事実を認定する陪審員が判断を誤らないように、検察官の集めた証拠は弁護人に全面開示され、警察官に述べた調書も証拠として認めず、法廷での証言や証拠についても、他人から聞いた伝聞証言は証拠としないなど、証拠を厳密に扱うルールが徹底しています。

 日本の裁判員制度は、証拠の全面開示も実現しておらず、弁護側の十分な立証が制約される危険があります。警察官や検察官が作成した供述調書も証拠から排除されていません。被告人の自白が警察官の強制によるか、任意でなされたのかが一目瞭然(いちもくりょうぜん)にわかる取り調べ全過程の録画も実現するにいたっていません。

 裁判員制度の施行までに、こうした問題点のよりよい改善が求められます。(光)

(出所:日本共産党HP 2008年5月21日(水)「しんぶん赤旗」)

取り調べ可視化せよ
DNA鑑定絶対視は危険
仁比議員

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 DNA再鑑定によって冤罪(えんざい)が明らかになった「足利事件」をめぐり、日本共産党の仁比聡平議員は11日の参院法務委員会で、DNA鑑定の捜査上の位置づけを根本的に改めること、虚偽の自白強要を許さぬ「取り調べの全過程の可視化」の実行を強く求めました。

 仁比氏は、DNA鑑定は「型の判定」でしかなく、精度がいくら向上したところで「犯人を特定」することはできないこと▽逆に「型の不一致」の鑑定はアリバイの成立と同じく犯人でないことを示すものであること―を指摘。法務省の大野恒太郎刑事局長は「その通り」と認めました。

 しかし、実際の裁判ではDNA鑑定があたかも決定的な有罪証拠であるかのように使われ、危険な役割を果たしています。大野局長が精度の向上などで証拠採用も可能だと答弁。仁比氏は「それが『DNA鑑定神話』だ」と批判し、今後のDNA鑑定制度では試料の保存など再鑑定が可能なようにすることが最低限の義務だと主張しました。

 仁比氏は、過去にさかのぼってDNA鑑定の技法の変遷、それぞれの件数、裁判で証拠採用された事案の内容を明らかにするよう要求。大野局長、警察庁の米田壮刑事局長はそれぞれ「努力」を約束しました。

 仁比氏は、警察による自白強要が冤罪の温床となったことを指摘、こうした問題をくりかえさないために取り調べの「可視化」を実施するべきだと求めました。森英介法相は「捜査の必要」を理由に可視化の実施に消極的な態度を表明。仁比氏は「『取り調べの必要』で人の人生を奪うことは許されない」と厳しく批判し、過去の冤罪の検証と「可視化」の実現を強く要求しました。

(出所:日本共産党HP 2009年6月12日(金)「しんぶん赤旗」)

裁判員制度の延期求める
市田書記局長の記者会見(要旨)

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 日本共産党の市田忠義書記局長が七日、裁判員制度の延期を求めて国会内でおこなった記者会見の要旨を紹介します。

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 一、今日会見を開いたのは、裁判員制度についての日本共産党の態度について明らかにするためです。裁判員制度が、来年五月から実施されます。年内にも裁判員候補が決定され、約三十万人にその通知がなされる予定になっています。

 一、日本共産党は以前から司法制度の民主的改革を主張し、民主的で公正な司法を実現する第一歩であり、国民への司法参加の出発点になるものとして、裁判員法に賛成しました。この法律は、二〇〇四年に成立したものです。

 一、同時に、わが党は、裁判員制度の実施と導入にあたっては、「さまざまな環境整備」が必要であることを賛成したおりにも強調し、実施までの間に、政府や裁判所が必要な環境整備をおこなう必要があることを一貫して主張し、関係する委員会の場でもさまざまな問題点を指摘し、改善を求めてきました。

 一、制度の実施まで一年を切ったにもかかわらず、この制度にたいする国民の合意がなく、このまま実施することには国民の納得をえられないこと、また国民が参加しやすい制度という点でも、この間の条件整備はけっして十分ではなかったこと、さらに、冤罪(えんざい)を生まない司法を実現するという点でも、現状のままでは重大な問題点をはらんでいるといわなければなりません。また、この問題を直接担当する法曹関係者からも、深刻な懸念が表明されています。したがって、来年からの制度の実施については再検討し、実施を延期することを強く求めます。

国民の合意・理解が得られていない

 一、制度実施の延期を求める第一の理由は、裁判員になることにたいして、国民の多数が消極的、否定的な意見をもっていることです。日本世論調査会による調査(三月)によれば、裁判員を務めたくないという立場を表明した人は72%、務めてもよいと表明した人は26%で三倍に達しています。この制度を管轄する最高裁の調査でも、「参加したくない」とする意見(38%)は、「参加してもよい」(11%)の三倍以上となっています。

 裁判員制度に対する国民の合意がないまま制度を実施するなら、司法制度の民主化と国民の裁判参加という制度の前向きの方向に逆行する重大な矛盾に直面することは明白です。

 国民からの理解を得られていないということです。制度に賛成の人も反対の人も、世論の状況を見ると、圧倒的な国民が裁判員にはなりたくないと考えている。国民的合意が得られていないもとで、すでに決まっているからといって来年五月から実施するというのはよくない、というのが、第一の理由です。

安心して裁判員になる条件が整っていない

 一、第二の理由は、国民が安心して裁判員になるための条件整備が、依然として整っていないことです。

 その一つは、仕事や日常生活との関係で、裁判員になることが過大な負担となりかねないことです。裁判員になれば、最低でも三日間から五日間、場合によっては一週間や十日以上にもわたって、連続的に裁判員として裁判に参加しなければなりません。この間、どのような地域に住もうと、どんな職種であろうと「原則として裁判員を辞退できない」とされています。しかも、会社員の場合、それが「公休」扱いされるかどうかは、個々の企業の判断に委ねられることになっています。中小零細企業や自営業者の場合も、辞退できるかどうかの明確な基準はなく、それぞれの裁判所の判断に任せられています。

 二つ目は、裁判員になることにともなうさまざまな罰則が設けられている問題です。その代表的な例が、裁判員の「守秘義務」です。これは、判決にいたる評議などについて、家族であれ友人であれ、その内容を明らかにすることを禁じたものですが、それに違反した場合、「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金」が科せられることになっています。わが党は、裁判員法の採決にあたって、こうした罰則を取り除く修正案を提起しましたが、改めてこうした罰則のあり方を検討することが求められています。

 三つ目は、裁判員になることの心理的な負担・重圧や、思想・信条にかかわる問題です。裁判員制度の対象となる裁判は、死刑や無期懲役・禁固刑につながる「殺人」や「強盗致死傷」、「放火」などのいわゆる「重大犯罪」です。こうした裁判では、ふだん接することのない犯罪被害者や現場の写真、証拠などに直接触れることになります。

 これが心理的負担になることは、当の裁判所自身が「裁判員の心のケアが必要」というほどのものです。一方、国民の間には、死刑制度をはじめとして「人を裁くこと」にたいして、否定的な見方も含めさまざまな考え方があります。各種の世論調査でも、裁判員になりたくないとする最大の理由は、「有罪、無罪の判断が難しい」「人を裁くことをしたくない」などが挙げられます。

「冤罪」を生まない制度的保障がない

 一、第三の理由は、「冤罪」を生まないための制度的な保障がないことです。この点で、最も懸念されることは、裁判の対象が重大犯罪であるにもかかわらず、最初から三日ないし五日間程度で結審すると見込んでいることです。裁判を短期間で終わらせるために、裁判員制度の導入の際に「公判前整理手続」を行うことになっていますが、これは、裁判員を除く職業裁判官と検察、弁護士の三者が、非公開で裁判の進め方と証拠、論点を事前に話し合うというものです。しかし、証拠の開示が捜査当局の一方的な意思の下に置かれ、警察や検察による被疑者の取り調べが密室で行われている現状で、こうした制度が導入されれば、裁判員裁判が「冤罪を生む新たな舞台」にさえなりかねないということです。

 一、裁判員制度については、それを直接担うことになる法曹関係者からも延期を求める声があがっていることは、真摯(しんし)に受け止めなければなりません。いくつかの弁護士会もそういう意見表明をしています。

 国民の間に合意がなく、法曹関係者の中にもさまざまな意見があります。

 こういう主張や現状を無視したまま制度を実施するなら、重大な禍根を残す結果にならざるを得ません。したがって、再検討をして実施の延期を求めるというのが、わが党の立場です。

(出所:日本共産党HP 2008年8月8日(金)「しんぶん赤旗」)
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来年五月から実施されようとしている裁判員制度-法律家三団体が都内でシンポジウム-

2008-11-29 05:43:59 | 刑事裁判
裁判員制度
「問題点の改善を」
法律家と市民がシンポ

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 来年五月から実施されようとしている裁判員制度の問題点を探ろうと、自由法曹団、青年法律家協会弁護士・学者合同部会、日本民主法律家協会の法律家三団体が二十七日、都内でシンポジウムを開き、市民や法律家九十人が参加しました。

 主催者を代表してあいさつした鳥生忠佑日本民主法律家協会前理事長は、「立場や意見の違う三団体だが、いま共同して制度の問題点を国民に知らせるのが、私たちの責任と考えた。今後も歩調を合わせて行動していきたい」とのべました。

 小田中聰樹東北大学名誉教授、今村核、伊藤和子両弁護士によるパネルディスカッションでは、「『疑わしきは被告人の利益に』という鉄則が裁判員に徹底されず、無罪を争う事件でも二、三日の超短期審理で、安易な有罪、安易な死刑が量産されかねない」(伊藤氏)、「『まじめに審理したい』という裁判員像に依拠して、運用モデルを組み立てるべきだ」(今村氏)など、制度や運用の問題点が出されました。小田中氏は「施行すべきか否かについて国民的議論をつくすために延期すべきだ」とのべました。

 会場からは「制度の害悪を最小限にして被告の人権を守ること、抜本的な改正をやるため全力をあげること、この二つの課題に同時に取り組まなければならない」、「世論に働きかける行動を共同してすすめたい」などの発言が出され、制度そのものへの反対論も含め、来年五月からの実施に強い批判が相次ぎました。

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 裁判員制度 国民から無作為に選ばれた裁判員が裁判官と同じ権限で刑事裁判に関与する制度。対象となる事件は殺人、強盗致死など死刑または無期懲役・禁固にあたる重要事件で、裁判官三人、裁判員六人の合議で、有罪か無罪か、有罪の場合の量刑をどうするかを決めます。日本共産党は制度への国民合意がなく、国民が参加しやすい制度という点での条件整備が十分でないことから、来年からの実施は再検討し、延期することを求めています。

(出所:日本共産党HP  2008年11月28日(金)「しんぶん赤旗」)

裁判員の強制は「苦役」では?

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 〈問い〉 人を裁くことに強い抵抗感があります。今回の裁判員制度は辞退がむずかしいようです。憲法18条「奴隷的拘束及び苦役からの自由」規定との関係では、どう解釈すべきなのでしょう。(東京・一読者)

 〈答え〉 裁判員制度は、裁判官とともに裁判員が、重大事件の刑事裁判で、被告人は起訴された犯罪行為を行ったのか否かを、法廷で見聞きした証言や物証等の証拠にもとづいて判断し、有罪と決まった時は刑の重さも決めます。日本の刑事裁判は戦前の一時期を除き、職業裁判官のみで行われてきましたが、裁判員裁判では、一般の国民が主権者として刑事裁判に参加することになります。

 裁判員を辞退できない理由を憲法の「意に反する苦役」とのかかわりで問題にされるのは、選ばれた裁判員が自分はやりたくないというだけの理由では、裁判員を辞退できないとされているからです。

 憲法第18条に「犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない」とあるように、懲役囚も印刷とか木工とか一般社会で普通に行われている仕事をしていますが、それが強制的にやらされるところに「苦役」といわれる根拠があります。ですから、「意に反する苦役」とは、仕事の種類にかかわらず、個人の意思に反して労役を強制するような制度をさします。

 裁判員裁判は、殺人、強盗傷害、放火、強姦(ごうかん)致死傷など、死刑または無期懲役にあたる事件などを扱いますので、これに参加することによる負担感は大きいものがあることも事実です。死刑制度そのものを認めたくない人にとって、死刑を含む刑罰をきめる議論に参加することは、少なからぬ精神的苦痛を感じるでしょう。

 「どうしても人を裁きたくない」「死刑の決定にかかわりたくない」と考え、裁判員を辞退したいと主張する人に裁判員を無理やり強いることになれば、「意に反する苦役」に当たることになりかねません。

 しかし、裁判員法にもとづく政令で、辞退を認めることができる理由の中に、「身体上、精神上又は経済上の重大な不利益が生ずると認めるに足りる相当の理由があること」が導入されました。辞退の理由が、思想信条を含め精神的に重大な負担を強いると認められる時は、この場合にあたると考えられます。

 日本共産党は、このような辞退理由については、辞退を認めるよう適切に運用されるべきであると考えます。(光)

 〔2008・10・11(土)〕

(出所:日本共産党HP 2008年10月11日(土)「しんぶん赤旗」)

陪審制度と裁判員制度の違いは?

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 〈問い〉 来年5月21日から裁判員制度が施行されますが、「裁判員」と米国の陪審制度の「陪審員」との違いは何ですか?(東京・一読者)

 〈答え〉 どちらの制度も、刑事裁判を裁判官にまかせるのではなく、法律には素人である国民が刑事裁判に参加するものですが、その基本的な違いは、起訴された事実が有罪か無罪かについて、陪審制は裁判官から独立して陪審員だけで議論して決めるのに対し、裁判員制度は、裁判官と裁判員とがいっしょに議論し、有罪か無罪かを決めるというところにあります。

 裁判員制度は、有罪の場合の刑の重さも裁判官と裁判員が決定します。アメリカの陪審制では、陪審員が有罪と決めた場合、多くの州で刑の大きさは裁判官が決めます。ただ13の州では、死刑で処罰されるべき事件について有罪と決めたら、同じ陪審員がその被告人に対する刑も決定するという例外があります。

 陪審制はイギリスで発達し、世界各国に広がりましたが、ヨーロッパでは、取り調べ中心の官僚的な裁判に市民的感覚を取り入れようとの考えから、事実認定と刑の重さを国民から選ばれた参審員が裁判官とともに決める参審制に修正されて広がりました。裁判員制度は、国民と裁判官がいっしょに決めるという点で参審制の一種といわれています。

 陪審制と裁判員制度を比べると、一般国民のなかから選ばれた人たちが裁判に参加するため、裁判のあり方も、法廷で見聞した証言・証拠にもとづき、集中的に審理して結論を出すことでは共通しています。アメリカの連邦および各州の陪審制は、全員一致制(または大多数の一致)が原則とされているのに対し、裁判員制度では裁判官・裁判員全体の多数決(ただし、多数の側に必ず裁判官、裁判員1名以上いることが必要)で決めることにしています。

 また、陪審制では、裁判官から独立して事実を認定する陪審員が判断を誤らないように、検察官の集めた証拠は弁護人に全面開示され、警察官に述べた調書も証拠として認めず、法廷での証言や証拠についても、他人から聞いた伝聞証言は証拠としないなど、証拠を厳密に扱うルールが徹底しています。

 日本の裁判員制度は、証拠の全面開示も実現しておらず、弁護側の十分な立証が制約される危険があります。警察官や検察官が作成した供述調書も証拠から排除されていません。被告人の自白が警察官の強制によるか、任意でなされたのかが一目瞭然(いちもくりょうぜん)にわかる取り調べ全過程の録画も実現するにいたっていません。

 裁判員制度の施行までに、こうした問題点のよりよい改善が求められます。(光)

〔2008・5・21(水)〕

(出所:日本共産党HP 2008年5月21日(水)「しんぶん赤旗」)

裁判員制度は負担を重く感じるのですが?

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 〈問い〉 裁判員制度は、もし自分がせよといわれたらと思うと負担を重く感じるのですが?(広島・一読者)

 〈答え〉 陪審裁判を描いた『十二人の怒れる男』というアメリカ映画があります。有罪無罪を決める評議に入ったところ、一人が有罪の証拠に疑問を出します。他の陪審員たちは「日常生活が中断される」「ひいきの野球チームの試合を見ることができない」など不満や怒りを表すなかで、それでも思い直してとことん議論をします。その結果、全員が「無罪」の意見になり、各人が達成感をもって家路につく姿が描かれています。

 裁判員制度ができたのは、政府が押しつけたのではありません。司法制度改革審議会のなかで市民団体や労働組合、日弁連などの代表が、国民が裁判に参加する陪審制を強く主張する議論を反映してできたのです。

 こうした国民参加の制度は、多くの諸外国で、国民が有罪無罪を決める陪審員制度、国民が裁判官と同じ資格で裁判に参加する参審員制度などの形で普通に行われています。それは、裁判への参加が単なる「義務」ではなく、司法権に参加することが主権者である「国民の権利」として理解されているからです。

 この制度が導入された背景には、日本の刑事裁判の実情があります。国民の常識では考えられない判決や、「えん罪」がしばしば起きています。その根本原因に、試験に合格して研修後、社会経験の少ないまま裁判官になり、着任後も社会生活から切り離されることの多い裁判官に刑事裁判がまかされていることがあげられます。また、裁判官が警察・検察のウソの自白強要によって作られた自白調書を証拠として扱うことが「えん罪」の大きな要因となっています。

 裁判員制度では、裁判員が法廷での直接の証言や証拠のみにもとづいて、犯罪行為が本当にあったのかについて、自らの生活体験にそった常識的な意見をのべることができます。国民が直接参加する裁判員制度によって、わが国の刑事裁判を改善する機会とすることができるでしょう。

 たしかに、普通の市民が刑事裁判に参加するには、一定の負担をともなうことは事実です。しかし、制度創設の趣旨を考え、積極的によりよい制度に育てていくことが大切だと思います。

 なお、法律では一定の辞退の基準が設けられていますが、これは、特定の人々に偏らず、多様な国民が広く参加してもらうためのもので、「徴兵制」のような考え方とは全く異なります。

 これからも裁判員制度の意義の普及や国民が参加しやすい条件づくりのための努力がいっそう必要だと思います。(光)

 〔2007・10・10(水)〕

(出所:日本共産党HP 2007年10月10日(水)「しんぶん赤旗」)
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日本共産党は 裁判の陪審制や参審制をどう考える?

2008-08-26 05:17:50 | 刑事裁判
 裁判の陪審制や参審制をどう考える?

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 <問い> 司法改革の問題に関連して、裁判に陪審制や参審制をとり入れるべきだという意見があります。日本共産党はどう考えますか。外国の実情も知りたいと思います。 (京都・一読者)

 <答え> 陪審制や参審制は、主権者である国民が裁判に参加する制度として積極的な意義をもっています。

 陪審制というのは、一般の国民から選ばれる陪審員同士の討議によって刑事事件では有罪か、無罪かを、民事事件では結論をきめ、裁判官はそれにしたがうものです。参審制は、国民から参加する素人の参審員が職業裁判官とならんで裁判に参加し、判決にも関与するものです。国民の司法参加のやり方としては、陪審制のほうが徹底しているといえます。

 陪審制では法廷に出された証拠と証言による集中審理がおこなわれますから、国民の常識にかない、刑事裁判での自白偏重が改められ、行政にたいするチェック機能の強化や裁判の迅速化などが実現できるでしょう。

 陪審制はヨーロッパで古くから発達し、イギリスやアメリカなどで定着しています。参審制はフランス、ドイツなどで実施されています。

 いま、司法制度改革審議会で国民の司法参加の方策が議論され、日弁連をはじめ、多くの市民や団体が陪審制を求める声をあげています。これにたいし、最高裁などは、日本には陪審制の導入の条件がないと否定的です。しかし、この意見は結局、国民が主権者であることを無視し、国民の健全な判断能力を信頼しないものです。

 戦前、日本も刑事裁判での陪審制が一九二八年から実施され、その審議の内容は高く評価されています。この陪審制は太平洋戦争のため一時停止され、今日にいたっています。戦後、検察官のおこなった不起訴処分にたいする審査機関として、有権者が無作為に選ばれてたずさわる検察審査会制度が導入され、国民の良識にもとづく判断をしめし、適切に運用されてきました。

 このように、わが国でも国民参加の陪審裁判を実現する条件は十分ととのっています。(光)

 〔2001・1・24(水)〕

(出所:日本共産党HP 2001年1月24日(水)「しんぶん赤旗」)
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ライブドア事件-東京高裁が故意や共謀認定し、堀江元社長2審も実刑ー

2008-07-26 21:57:08 | 刑事裁判
ライブドア事件
堀江元社長2審も実刑
東京高裁 故意や共謀認定

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 ライブドア事件で証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)罪に問われ、一審で懲役二年六月の実刑判決を受けたライブドア(LD)社元社長の堀江貴文被告(35)の控訴審判決公判が二十五日、東京高裁でありました。長岡哲次裁判長は「虚偽発表や、脱法目的でファンドを組んだことに、いずれも故意や共犯者との共謀があった」として一審判決を支持し、堀江被告側の控訴を棄却しました。同被告側は即日、上告しました。

 堀江被告は二審で無罪を主張する一方、この日の判決を含め、一度も出廷しませんでした。

 判決は、LD社が自社株の売却益を売り上げに計上するなどし、虚偽事実を発表したことについて「実際の業績以上に誇示し、成長性が高いと社会に印象付け、ひいては自社の企業利益を追求した」と指摘。その結果、「上場廃止を受け、多数の株主に投下資本の回収を困難にして損害を与えた。投資者保護の面で深刻な悪影響を及ぼした」と認定しました。

 同社元取締役の宮内亮治被告=証券取引法違反罪で一審有罪、控訴=らが裁判で、堀江被告の関与を認めた供述について「供述した経緯や、他の関係者の供述と符合することから、信用性は高い」と判断。犯行は「堀江被告をはじめとする経営陣が、組織的に敢行した」と認定しました。

 堀江被告側は量刑が不当に重いと主張しましたが、判決は同被告がLD社株四千万株を売却し百四十億円を得ていることを指摘。「『結果的に、本件犯行による利益を受けており、量刑上無視できない』とした一審判決は是認できる」と述べ、退けました。

 判決によると、堀江被告は宮内被告らと共謀し、二〇〇四年九月期の連結決算で、経常利益を約五十三億円粉飾した有価証券報告書を提出するなどしました。

 事件では、堀江被告らが駆使した「株式分割」「株式交換」などを自由化した金融市場の「規制緩和」に批判が集まりました。「貯蓄から投資へ」のスローガンのもとに規制緩和を推進した自民党は、〇五年の総選挙に立候補した堀江被告を全面的に支援しました。

(出所:日本共産党HP 2008年7月26日(土)「しんぶん赤旗」)
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東京・国分寺市ビラ配布弾圧事件ー不起訴処分になるー

2008-07-18 01:45:58 | 刑事裁判
 東京・国分寺市議の住居侵入:不起訴処分に

 東京都国分寺市の幸野統(こうのおさむ)市議が、所属する共産党市議団の「市議会報告」を集合ポストに投函(とうかん)するため、マンションに立ち入ったとして住居侵入容疑で書類送検された問題で、東京地検八王子支部は17日、不起訴処分とした。マンション管理組合が「地元で事を荒立てたくない」と、警視庁小金井署に提出した被害届を取り下げていた。幸野市議は「ビラの配布は憲法が保障する表現の自由の一環であり、当然の結論だ」と話した。【佐藤浩】

(出所:毎日新聞 2008年7月17日 東京夕刊)
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布川事件:東京高裁、再審を支持 「自白、重大な疑問」

2008-07-16 10:46:10 | 刑事裁判
■ことば

 ◇布川事件
 茨城県利根町布川で67年、独り暮らしの大工、玉村象天(しょうてん)さん(当時62歳)が自宅で殺され、現金約11万円が奪われた。茨城県警は約2カ月後に桜井昌司さんと杉山卓男さんを強盗殺人容疑で逮捕した。2人は捜査段階で自白し、公判で否認に転じたが、70年に無期懲役判決を受け、78年に最高裁で確定。約18年間の服役を経て96年に仮釈放された。

 布川事件:東京高裁、再審を支持 「自白、重大な疑問」

 ◇67年強殺で「無期」
 茨城県利根町布川(ふかわ)で67年、大工の男性が殺害され現金が奪われた「布川事件」の第2次再審請求で、東京高裁は14日、水戸地裁土浦支部の再審開始決定を支持し、検察側の即時抗告を棄却した。門野博裁判長は「自白の信用性に重大な疑問があり、有罪とした確定判決に合理的な疑いが生じている」と判断した。検察側が特別抗告すれば審理は最高裁に移るが、断念すると再審が開始される。

 再審請求していたのは、強盗殺人罪などで無期懲役が確定し、仮釈放された桜井昌司さん(61)と杉山卓男さん(61)。01年に2度目の再審を請求し、05年に土浦支部が再審開始を決定。これに対し検察側が高裁に即時抗告していた。

 門野裁判長は、最大の争点となった被害者の殺害方法と順序について、土浦支部の判断を支持。「首を絞めてから口にパンツを詰めた可能性が高く、自白内容と矛盾する」とした弁護側鑑定の新証拠を採用し、「『口にパンツを押し込んだ後に手で首を押して殺した』とした2人の捜査段階の自白が客観的事実に反している」とした。

 さらに「2人が実際に体験していないために、不自然な供述の変遷を重ねたと考えられる」と指摘。「犯行後、足でガラス戸をけって破損させた」とした自白についても、新証拠に基づき「被害者と犯人が格闘する過程で被害者らの体重がガラス戸にかかり、破損が生じたとみるのが相当」と否定した。

 このほか(1)2人を被害者宅付近で目撃したという近隣住民の証言には信用性がない(2)現場から2人の指紋や毛髪が発見されていない(3)自白からしか判明しない「秘密の暴露」が存在しない--などと指摘し、「虚偽自白を誘発しやすい環境に置いたことには問題があった」と捜査を批判した。

 自白の録音テープに編集跡があったことから「自白には取調官の誘導がうかがわれる」と述べた。【伊藤一郎】

 ◇鈴木和宏・東京高検次席検事の話
 主張が認められず誠に遺憾。決定内容を十分検討し、最高検とも協議の上、適切に対処したい。

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 ■ことば

 ◇布川事件
 茨城県利根町布川で67年、独り暮らしの大工、玉村象天(しょうてん)さん(当時62歳)が自宅で殺され、現金約11万円が奪われた。茨城県警は約2カ月後に桜井昌司さんと杉山卓男さんを強盗殺人容疑で逮捕した。2人は捜査段階で自白し、公判で否認に転じたが、70年に無期懲役判決を受け、78年に最高裁で確定。約18年間の服役を経て96年に仮釈放された。

布川事件:東京高裁、再審支持 名張事件再審では開始決定取り消し--門野裁判長

 布川事件の再審開始決定を支持した東京高裁の門野博裁判長(63)は70年に任官し、函館地家裁所長や札幌地裁所長などを歴任した。名古屋高裁部総括判事だった06年12月には、三重県で女性5人が殺害された「名張毒ぶどう酒事件」の再審事件で、検察側の異議申し立てを認め、再審開始決定を取り消している。

 ロス銃撃事件の控訴審で、殺人罪などに問われた三浦和義元社長(60)に逆転無罪を言い渡した東京高裁判決(98年7月)では、右陪席裁判官を務めた。

解説:布川事件 東京高裁、流れ変える判断--近年の再審「冬の時代」

 布川事件の再審開始決定を支持した東京高裁の判断は、再審の「冬の時代」とも言える近年の厳しい司法判断の流れに雪解けをもたらした。今回の決定に対し、検察側は特別抗告できるが、再審事件で最高裁に認められたケースは過去になく、決定は極めて重要な意味を持つ。

 「疑わしきは被告の利益に」という刑事裁判の鉄則を再審事件にも適用すべきだとした最高裁の「白鳥決定」(75年)以降、80年代までに日本弁護士連合会が支援した再審事件の無罪確定は10件に上り、一時は再審の扉が広く開かれた。

 しかし、90年代以降、再審で無罪になったのは「榎井(えない)村事件」(高松高裁、94年)の1件のみ。その後、「日産サニー事件」(仙台高裁で95年取り消し)、「大崎事件」(福岡高裁宮崎支部で04年取り消し)、「名張毒ぶどう酒事件」(名古屋高裁で06年取り消し)と一度は再審開始決定が出たにもかかわらず、検察の即時抗告や異議申し立てで覆るケースが相次いだ。

 多くの冤罪(えんざい)事件と同様に、布川事件も物的証拠がなく、自白偏重の捜査が行われた。取り調べの全面録音・録画(可視化)の議論も高まる中、警察や検察は不当に自白を強要することのない適正な捜査を肝に銘じなければならない。【伊藤一郎】

布川事件:第2次再審決定 「無実」叫び続け 41年「辛抱あと少し」

 ◇Vサイン、妻と抱き合い
 41年間の「無実の叫び」が再び裁判所を動かした。強盗殺人事件「布川(ふかわ)事件」の第2次再審請求で14日、水戸地裁土浦支部の再審開始決定を支持した東京高裁決定。無期懲役の刑が確定し服役後、仮釈放されていた桜井昌司さん(61)、杉山卓男さん(61)は喜びをかみしめた。【清野崇宏、山崎理絵、三木幸治】

 午前10時過ぎ、東京・霞が関の高裁書記官室で決定書を受け取った桜井さんはVサインをしながら、待っていた妻のもとに駆け寄って無言でしっかりと抱き合った。

 裁判所玄関に「再審開始」の幕が掲げられると「やったぞ」と支援者から拍手と歓声が上がった。ベージュのスーツ姿の杉山さんは玄関に手で大きく丸を作って現れ「やっと開始決定できました。あと少しの辛抱です。頑張りますのでよろしくお願いします」とはっきりとした声で支援者にあいさつした。桜井さんはグレーのスーツ姿で「やっと当たり前の真実が認められた。長かった。弁護団や支援者のおかげ。再審開始決定は出たが、闘いは続きます」と静かに決定を喜んだ。

 96年に仮釈放されるまで獄中の2人の耳や目となって、3000通近い手紙を送り続けた東京都世田谷区の高橋勝子さん(63)は「41年も闘い続けることは簡単ではない。冤罪(えんざい)であればこそ頑張れたのだと思う。おめでとうと声を掛けたい」と喜んだ。著書「舵(かじ)のない船」で布川事件を描いたノンフィクション作家の伊佐千尋さんは「記録を読めば素人でも有罪を証明する証拠がないと分かる。見込み捜査、自白の強要、裁判官の判断ミス……。冤罪の構図は今も昔も変わらない。当然の結果だ」と話した。

 ◇茨城県警の永塚勉・刑事総務課長の話
 裁判所が判断したことなので、コメントは差し控える。

 ◇警察の「正解」通り誘導
 桜井昌司さんと杉山卓男さんは、茨城県警の捜査員や水戸地検の検事から「自白を強要された」と主張する。自暴自棄になり、知りもしない現場の状況を「自白」しようとすると、捜査員からは「違う」と言われ、相手の求める「正解」に誘導されていったと証言する。

 桜井さんは取り調べの当初、否認したが「母ちゃんも早く自白してくれと言っている」と聞き入れてもらえず、朝から深夜まで同じ問答が続いた。「家族にも見放されたと、絶望的な思いだった。認めないと終わらない。作り話でしのごうと考えた」。現場の状況や服の色が分からなくても、相手の求める「答え」にたどりつくまで「勘違いだろ」と言われた。自白は「捜査員と共同作業をしているような気がした」。

 杉山さんも「認めないなら死刑だ」「桜井は杉山とやったと泣いて謝っている」と連日、捜査員から責め立てられた。「刑事は駄目だ。検事なら分かってくれる」と思ったという。被害者から奪った現金は、最初は「400万円」と供述したが、捜査員に「多すぎる」と言われたため「数千円」に変更。今度は「少なすぎる」と指摘され「10万円くらい」とした。

 杉山さんは検事に否認調書を取ってもらった。しかし、拘置所から警察署に戻され、別の検事から「お前の話には根拠がない」と突き放されたという。

 当時、事件を担当した茨城県警の元捜査員は、毎日新聞の取材に「多少、強引な捜査も許容された時代だった。(布川事件は)今も、もやもやが心に残っている」と振り返った。「2人が犯人と思うか」と質問すると、黙って下を向き、首を横に振った。

 自白が唯一の直接証拠だった事件。2人が供述していなければ、強盗殺人罪に問われなかった可能性がある。【山本将克、清野崇宏】

 ◇布川事件の主な経緯◇

67年 8月 茨城県利根町布川で大工の男性が殺され、現金が奪われる

   10月 強盗殺人容疑で2人を逮捕

70年10月 水戸地裁土浦支部が無期懲役判決

73年12月 東京高裁が控訴棄却

78年 7月 最高裁が上告棄却、2人の無期懲役が確定

83年12月 服役中の2人が第1次再審請求

87年 3月 水戸地裁土浦支部が請求棄却

88年 2月 東京高裁が即時抗告を棄却

92年 9月 最高裁が特別抗告を棄却

96年11月 2人が仮釈放される

01年12月 第2次再審請求

05年 9月 水戸地裁土浦支部が再審開始決定

       水戸地検が東京高裁に即時抗告

08年 7月 東京高裁が再審を支持し、即時抗告を棄却

(出所:毎日新聞 2008年7月14日 東京夕刊)
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ビラ配布の自由を守る7・9集会-日本共産党・市田書記局長のあいさつ-

2008-07-11 03:57:11 | 刑事裁判
運動広げ言論守れ
ビラ弾圧抗議 集会に950人
市田氏あいさつ
東京

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 相次ぐビラ配布弾圧事件を受けて、「あぶない!言論の自由が! ビラ配布の自由を守る7・9集会」が九日、東京都千代田区の日本教育会館で開かれ、市民ら約九百五十人が参加しました。一橋大学大学院の渡辺治教授が「ビラ配布の自由と日本国憲法」と題し記念講演。裁判所で審理中のビラ弾圧事件、映画「靖国 YASUKUNI」上映妨害問題などについて報告がありました。

 日本共産党の市田忠義書記局長が「言論の自由を守り広げるたたかいは、憲法改悪を許さない国民的な運動の一環だ」と連帯のあいさつをしました。

 集会は全労連、日本国民救援会、自由法曹団と、ビラ弾圧事件の支援団体などでつくる実行委員会の主催。

 渡辺教授は講演で「保守勢力が二十年来追求してきた憲法改定と『構造改革』が、国民の批判の前に思うように前進しない。それを改めて推進するために、言論弾圧を繰り返している」「焦っているのは彼らの側。私たちは言論活動を大いに展開し、弾圧したくてもできない状況を作っていく必要がある」と語りました。

 続いて、二〇〇四年―〇五年に相次いで発生した「国公法弾圧堀越事件」「葛飾ビラ配布弾圧事件」「世田谷国公法弾圧事件」を紹介する約三十分の映像を上映。字幕やナレーションで、事件発生の経緯や裁判の状況などを説明しました。

 三事件の当事者が壇上に上がり、支援を訴えました。マンションの集合ポストにビラを配って書類送検された幸野統・日本共産党国分寺市議も紹介されました。

 映画「靖国」問題について報告した高橋邦夫・映画演劇労連委員長は「与党政治家が表現の自由に介入した。多くの問題点を含む事件」と発言。日教組の教研集会会場になる予定だったプリンスホテルが、「右翼の街宣」を口実に集会直前に使用を拒否した問題では、田場暁生弁護士が「『先回りの自粛』が前例になると、社会に与える影響は大きい」と指摘しました。

ビラ配布の自由を守る7・9集会
市田書記局長のあいさつ
(要旨)

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 九日に開かれた「あぶない!言論の自由が! ビラ配布の自由を守る7・9集会」での市田忠義書記局長のあいさつ(要旨)は以下の通りです。

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 日本共産党を代表して、連帯のあいさつをのべさせていただきます。

 言論の自由をめぐるたたかいは、重要な段階を迎えています。言論弾圧三事件―葛飾ビラ配布弾圧事件、国公法弾圧堀越事件、世田谷国公法弾圧事件の裁判が重要な局面を迎えているからです。

 また、ついこの間、東京都国分寺市で日本共産党の幸野統(こうの・おさむ)市議が、議会報告のビラを集合ポストに配布し、住居侵入だとして書類送検されました。市政の問題点などを知らせるビラの配布を「犯罪視」する、議会制民主主義にとって当たり前の活動と住民の「知る権利」を根本から踏みにじるものであり、絶対に許すことはできません。

事件の重大性
 クレームをつけた住民は、「立川の判決を知っているだろう」といったそうです。立川テント村事件の最高裁有罪判決が、このような形で波及し、権利の制限に及びかねない――ここに、この事件の重大性があります。

 ビラの配布を「犯罪」に仕立てあげようとする、言論の自由と民主主義を破壊する暴挙をなんとしても食い止めようではありませんか。

 今年に入り、日教組教育研究集会に会場を貸していたホテルが、右翼の攻撃をうけて使用拒否する事態がうまれました。映画「靖国」の上映を契約していた映画館側が、上映を取り消すということも起きました。

 日本共産党は言論弾圧三事件の勝利をめざしてたたかい抜くとともに、言論の自由が当たり前に保障されるように、がんばることを表明するものです。

 葛飾ビラ配布弾圧事件は、僧侶の荒川庸生さんが党区議団発行のビラを、開放型マンションのドアポストに投函(とうかん)し、「住居侵入罪」として逮捕、起訴されたものです。

 一審の東京地裁判決は無罪で、社会一般の常識的な考え方からみて、禁じられている行為とはいえないと判断しました。しかし、二審の東京高裁は逆転有罪でした。荒川さんは不当判決を打ち破るために上告し、最高裁でたたかっています。

 堀越事件は、国家公務員の堀越明男さんが休日に一人の市民として「しんぶん赤旗」号外を配布し、「国家公務員法違反」として起訴されたものです。一審の東京地裁判決は、罰金十万円としましたが、罰金の執行を二年間猶予せざるをえませんでした。堀越事件は現在、控訴審の大きなヤマ場を迎えています。

 世田谷事件は、休日に国家公務員の宇治橋眞一さんが、警察官宿舎とは知らずに集合ポストに「しんぶん赤旗」号外を配布して「住居侵入」とされました。国家公務員とわかると、警視庁公安部が乗り出し、東京地検が国公法違反で起訴したものです。

 二つの国公法事件の裁判で、職務に影響をあたえない行為を禁止した国公法第一〇二条と人事院規則は憲法違反であること、表現の自由を保障した国際自由権規約に違反することが浮き彫りにされました。

世論と運動で
 葛飾事件や堀越事件で裁判所は国民の裁判批判をまえに、おそるおそる有罪判決を出しました。国民の世論と運動でさらに大きく包囲していくならば、事態を変えることができます。

 この間、国民の運動で憲法改悪のたくらみを大きく押し返してきました。自衛隊イラク派兵差し止め訴訟の名古屋高裁判決は、イラク派兵は政府の憲法解釈からいっても憲法違反との画期的な判断を示しました。もちろん、自民・民主議員の加わる改憲議員連盟や海外派兵恒久法の動きをみても、改憲派の執念は軽視できません。

 言論弾圧三事件に勝利し、言論表現の自由を守り広げるたたかいは、憲法改悪を許さず、憲法の民主的平和的条項を完全実施させる国民的な運動の一環です。国民的な連帯と共同を広げ、たたかいを大きく前進させていこうではありませんか。

(出所:日本共産党HP 2008年7月10日(木)「しんぶん赤旗」)
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東京・国分寺ビラ弾圧事件 -不起訴求め集会ー

2008-07-07 06:56:54 | 刑事裁判
市政報告 なぜ犯罪
東京・国分寺ビラ弾圧事件 不起訴求め集会

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 東京都国分寺市で、マンションの集合ポストに「市議会報告」のビラを配布した日本共産党の幸野おさむ市議が住居侵入容疑で書類送検された問題で五日、「知る権利、知らせる権利を守ろう」と、同市で決起集会が開かれました。市民ら約二百人が参加。市民団体や個人から「こんなことがなぜ犯罪になるのか」と、書類送検への批判が相次ぎました。

 幸野市議の弁護人、富永由紀子弁護士が▽集合ポストは住居にあたらない▽集合ポストへの投かんは、居住者の意思に反する立ち入りとはいえない―などと書類送検の不当性を説明。「議会報告を配る市議と、それを受けとる市民の間に、警察がくさびを打ち込んできた事件だ」と批判しました。

 会場からの発言では、新日本婦人の会国分寺支部の小池好子事務局長が「幸野市議がビラを配った場所に、私たちも四月に配った。絵手紙や水中ウオーキングなどの仲間も、ビラで増えている」と、市民にとってビラが大切な情報源であることを訴えました。

 国分寺地区労の佐川徹二事務局長は「マスメディアを持たない私たちにとって、ビラは活動を知らせるための生命線。書類送検は知る権利、知らせる権利への挑戦だ」と語りました。

 葛飾ビラ弾圧事件被告の荒川庸生さんが幸野市議を激励。参加者に「不起訴を勝ち取り、警察が二度とこのような事件を起こせないように追いこもう」と呼びかけました。

 参加した国分寺市在住の女性(26)は「市政を知らせようとした幸野さんはとてもまじめな市議だと思う。警察は市民の味方じゃないんだと感じた」と話していました。

 参加者は、幸野市議の不起訴を求めるアピールを確認し、「ビラ配布、知る権利・知らせる権利を守る国分寺の会」を結成しました

(出所:日本共産党HP 2008年7月6日(日)「しんぶん赤旗」)
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東京都国分寺市ビラ弾圧ー住人側は被害届を撤回/共産党は「不起訴へ全力」ー

2008-07-06 04:25:51 | 刑事裁判
住人側 被害届を撤回
国分寺ビラ弾圧 共産党「不起訴へ全力」

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 マンションの集合ポストにビラを入れたとして、日本共産党の幸野おさむ・東京都国分寺市議(27)が住居侵入容疑で書類送検された問題で、同マンションの住人側は四日までに、警視庁小金井署に提出していた被害届を取り下げました。

 同署によると、住人側は三日午後、「関係者と協議の上で、取り下げることにした」として、取り下げ願を提出、受理されました。

 同署は先月九日、同市議を書類送検。党国分寺市議団は「議員が市民に議会報告のビラを配るのは当然であり、犯罪行為ではない。起訴されれば、議員活動に対する制限になるし、住民の知る権利も侵される」としています。

 被害届の取り下げについて党北多摩中部地区委員会は、「すでに書類送検されている以上、起訴するかどうかは東京地検八王子支部の判断になる。不起訴処分を勝ちとるまで、世論喚起や地検への要請に、力を緩めず取り組む」としています。


 ビラ弾圧事件について考える集会「あぶない!言論の自由が! ビラ配布の自由を守る7・9集会」には、幸野市議も参加します。七月九日午後六時半から、日本教育会館一ツ橋ホール(東京都千代田区)で。問い合わせは全労連(03・5842・5611)へ。

(出所:日本共産党HP 2008年7月5日(土)「しんぶん赤旗」)
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取り調べの全過程の録画・録音法案(民主党提出)の成立を求めて

2008-04-27 02:37:07 | 刑事裁判
取り調べ「可視化」を
法案成立へ3団体が集会

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 えん罪の発生を防ぐため、警察・検察に取り調べの全過程の録画・録音を義務付ける法案(民主党提出)の成立を求めて、自由法曹団と全労連、日本国民救援会の三者が二十二日、国会内で集会を開きました。日本共産党の仁比聡平参院議員のほか、民主党、社民党の国会議員が出席しました。

 鹿児島県警が選挙違反をでっち上げた「志布志事件」や、服役後に別の真犯人が判明した「氷見事件」などのえん罪事件を受け、警察・検察は取り調べの一部録音・録画を打ち出しています。

 自由法曹団の松井繁明団長は集会で、「一部の可視化では不十分どころか有害。密室でくたくたになるまで取り調べて、最後に自白する場面だけを撮れば『積極的に供述した』という映像になってしまう。違法な捜査を隠ぺいする」と指摘しました。

 取り調べの可視化をめぐっては、民主党の議員らが昨年末、全過程の録画・録音を義務付ける法案を参議院に提出。集会で、提出者の一人である同党の松野信夫参院議員は「与党が参院法務委員会での審議に応じようとしない」などと、委員会の現状を報告しました。

 仁比議員は「捜査過程の問題点を正すのは、党派を超えた民主主義の課題。今国会での法案成立に向けて全力で頑張る」と語りました。

(出所:日本共産党HP 2008年4月23日(水)「しんぶん赤旗」)
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