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民主党政権ー全国学力テスト/来年度以降は対象学年の全員参加を取りやめ、抽出方式でやる方向ー

2009-10-11 01:17:48 | 国内教育
学テ 全員参加中止へ
文科相 「抽出方式で十分」

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 全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)について、川端達夫文部科学相は9日の閣議後の記者会見で「抽出方式でやる方向でまとめる意思を持っている」と明言し、来年度以降は対象学年の全員参加を取りやめる考えを示しました。概算要求の再提出期限である15日までに、新たな実施方法の大枠を固めるとしています。

 文科相は「教育水準をできるだけ均一化し、向上させる目的を達成するには、抽出方式で十分だ。費用対効果が一つの判断」と語りました。代わりに小学6年と中学3年の国語、算数・数学に限っていた学年、教科の拡大を検討します。

 一部知事らが全員参加方式の続行を求めていることに関しては、「承知しているが、そういう希望がすべてではない」と述べました。

 文科省は2007年度から全国学力テストを実施。毎年度60億円弱の費用が掛かり、都道府県別の平均点の公表などで競争の激化を招いています。

 日本共産党は全員を対象としたテストの実施に反対し、中止を求めていました。

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解説
競争教育見直しこそ必要

 新政権が来年度から全国学力テストの全員参加をやめ、抽出方式に切り替える考えを示したことは、同テストが教育現場に無用の混乱とゆがみをもたらしてきたことからみて、当然のことです。

 平均点を上げるために全国学力テスト用の想定問題を繰り返しやらせ、その分ほかの授業時間が削られるなどの本末転倒な事態が各地で起きました。テストの点数だけを競う風潮をあおり、教員にプレッシャーをかけ、教育をゆがめる弊害を生んでいました。

 さらに、市町村や学校別の平均正答率を公表するかどうかをめぐり、毎年のように混乱が発生。テストを受けた子どもに、採点結果が返されるのは数カ月後で、学力の形成にはほとんど役に立たないことも指摘されてきました。

 学力の推移などを検証するためのデータ収集は、抽出調査で十分です。

 日本共産党は、総選挙政策でも「競争とふるい分けの教育を根本から是正」することを掲げ、全員参加の全国学力テストの中止と、抽出調査に改めることを公約しました。

 川端達夫文科相も9日の閣議後記者会見で、全員調査の問題点について「個々の学校がテストの成績を上げるために競争するようになる」ことへの懸念を挙げました。今回の全国学力テストの見直しを、自公前政権が推し進めた、教育に競争原理を持ち込んで子どもをふるい分けする「教育改革」の抜本的な見直しの第一歩とすることが求められます。(坂井希)

(出所:日本共産党HP 2009年10月10日(土)「しんぶん赤旗」)

一斉学力テスト中止を
文科省に 子ども全国センター要請

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 子どもにかかわる団体・労組、個人でつくる「子どもの権利・教育・文化全国センター」は十五日、全国一斉学力テストの中止を文部科学省に要請しました。

 要請には同センター代表委員の堀尾輝久氏、三上満氏、高田公子氏(新日本婦人の会会長)、山口隆氏(全日本教職員組合委員長)らが参加。四氏や小森陽一東京大学教授らが呼びかけ人となった全国学力テストの中止と三十人学級実施などを求めるアピールを、九百四十五人の賛同署名を添えて提出しました。

 四氏らは、学力テストが子どもたちをいっそう競わせ、格差を広げること、大阪や秋田では知事が市町村に結果を公表するよう圧力をかけるなど問題が広がっていることを指摘。学力の実態を把握するなら抽出調査で十分であり、一斉テストに五十七億円をかけるのでなく、経済的に困難な子どもの就学保障や三十人学級などに使うべきだと訴えました。

 文科省側は「学力の傾向を把握するためなら全員を対象にした調査は必要ない」と認めました。しかし、「各学校での指導の改善などのために全員を対象にすることが必要」だとし、テストを継続することを表明しました。

 三上氏は、「これまで二回の全国学力テストを見ても、実施から結果が返ってくるまで何カ月もかかり、指導の改善には役立たないことがわかっている。ごまかしは通用しない」と批判しました。

 要請後の記者会見で山口氏は、学力テストの平均点を上げるために過去の問題を繰り返しやらせる学校があるなど、本来もっと豊かな内容を持つ学力が「テストの点数」だけでみられるようになり、教育活動がゆがめられている現状を指摘。堀尾氏は「学力テストは子ども、教師、学校を競争させ、テストの点数を学校選択の材料にし、学校間格差を広げて統廃合を招く」とのべました。

(出所:日本共産党HP 2009年4月16日(木)「しんぶん赤旗」)
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民主党政権の緊急課題ー小・中学校少人数学級は急務-

2009-09-16 03:00:00 | 国内教育
少人数学級は急務
日本の小中学クラス人数基準
米独は30人以下なのに

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 日本の小・中学校の1クラスの人数は、経済協力開発機構(OECD)諸国(30カ国加盟)の平均と比べて多く、依然として教育条件が劣っていることが分かりました。国による少人数学級の実施が急がれます。

OECD平均実態でも超す

 8日に発表されたOECD調査では、日本の1クラスの平均人数(2007年)は、小学校28・2人、中学33・2人で、それぞれOECD平均の21・4人、23・9人を大きく上回りました。

 中学校のクラス人数では、比較可能なデータのある21カ国のうち、30人を上回るのは日本と韓国の2カ国だけでした。

 日本は国の学級編制の基準(1学級の子どもの上限数)が40人です。文科省の「教育指標の国際比較」(09年)によると米国の学級編制基準は、小学3年までは24人、6年までは29人(ケンタッキー州)、ドイツは小・中学校で30人(ノルトラインウェストファーレン州)などとなっています。日本は先進国中でも遅れたクラス人数が続いています。

 30人学級を求める全国的な運動を受け、2001年の法改正以来、都道府県が人件費を全額負担すれば独自の少人数学級編制が可能となりました。今では、46道府県にまで広がっていますが、自公政権は依然として少人数学級の実施を拒んできました。

 日本共産党は、「教職員の純減を決めている行政改革推進法を凍結し、政府の『教職員一万人削減計画』をやめさせ、教職員定数増をはかり常勤教員を増やして、国として『30人学級』を実施させる」(総選挙政策)ことを求めてきました。

 民主党も、「OECD加盟の先進国平均水準並みの教員配置を目指し、少人数学級を推進する」(政策集)との立場で、新政権でこれを実現することが重要になっています。

 このほか、OECDの調査では、日本の教員の勤務時間が長いことが分かりました。

長時間勤務も

 日本の小・中学校における教員の残業を含まない勤務時間(2007年)の合計は、1960時間です。これは比較可能なデータのある17カ国中最も多く、OECD各国平均(小学校1662時間、中学校1652時間、高校1656時間)を大きく上回りました。

 全日本教職員組合の「教職員長時間過密労働問題プロジェクト」(09年1月)によると、実際には日本の教員は毎月平均で80時間の残業をしており、OECD平均を年間で1200時間以上超えて就労していることが明らかになっています。(鎌塚由美)

(出所:日本共産党HP 2009年9月13日(日)「しんぶん赤旗」)

少人数学級
都教育長「適切に判断」
実施迫る吉田議員に答弁

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 東京都が全国の都道府県で唯一、小中学校の少人数学級を未実施となっているなか、都教育委員会の大原正行教育長は14日の都議会本会議で、日本共産党の吉田信夫都議の代表質問に答え、「国の動向を注視しつつ学級編制のあり方について、都教委として適切に判断していく」と述べました。

 吉田氏は、自民党と民主党が8月の総選挙で少人数学級を公約したことにふれ、「いまや党派を超えた政策となっている」と強調。都教委が全国で唯一40人学級に固執し、区市町村独自の実施さえ認めてこなかったことを批判し、30人学級をはじめ少人数学級に踏み切るよう迫りました。

 大原教育長は、学級編制について標準法が「とくに必要と認める場合には40人を下回る数を学級編制基準とできる」としていることにふれ、「標準法の定めがきわめて重要な意味を持つ」として適切に判断していくと答えました。

 吉田氏は再質問で、日本PTA全国協議会や全国市町村教育委員会連合会など教育関係23団体が同日付「毎日」に掲載した、少人数学級の実現を求める意見広告を掲げ、「少人数学級へ、押しとどめることのできない流れが広がっている。知事は国民的総意を受け止め、国とも協議するなど民意にこたえるべきだ」と強く求めました。知事は「都教委が専門的、総合的見地に立ち判断すべきもの」と述べました。

(出所:日本共産党HP 2009年9月15日(火)「しんぶん赤旗」)
コメント (4)
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日本は学費が世界一に高いー高学費対策について日本共産党の石井郁子衆院議員に聞くー

2009-07-14 00:38:03 | 国内教育
共産党「学費提言」 発表から1年余
「骨太方針」に軽減の方向明記
世論と運動 政府動かす
石井衆院議員に聞く

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 日本共産党が「『世界一高い学費』を軽減し、経済的理由で学業をあきらめる若者をなくすために」(学費提言、2008年4月)を発表し、そのなかで学費軽減の運動を呼びかけてから1年余、切実さを増す学費軽減について、石井郁子衆院議員(文部科学委員)に聞きました。

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 学費提言は、経済的理由で学業を断念する若者をこれ以上出さないために、高校生、大学生への授業料減免と直接助成制度の新設、無利子奨学金の拡充など緊急に必要な対策を押し出したものです。

 小泉「構造改革」による貧困と格差の広がりに加え、昨年秋からの経済悪化のもと、「世界一高い学費」の負担は、高校生や大学生の生活と教育を受ける権利にいっそう深刻な影響を与えています。

 昨年春には、千葉や長崎の県立高校で入学金の納付が間に合わなかった新入生が入学式に出席させてもらえなかった出来事が社会問題になり、今年春には学費が未納という理由で卒業証書を渡さない、回収するという、教育の現場であってはならない問題が起こっています。

 全日本教職員組合、日本高等学校教職員組合、全国私立学校教職員組合連合の3団体が共同で3月8、9日に行った「入学金・授業料・教育費緊急ホットライン」電話相談には、数日後に迫った学費納入期限を前に、途方に暮れる私立学校の保護者など、非常に深刻で緊急性の高い相談が多くありました。

懇談も重ねた

 国会で、こういう声もつきつけて、政府に対策を求めました。

 政府の答弁も、「家庭の経済状況等によって修学の機会が失われるということは何としても避けなきゃいかぬ」(2月23日衆院予算委員会、河村建夫官房長官)、「やむをえない理由による授業料の未納は、生徒個人の責任ではない」(3月25日衆院文部科学委員会、金森越哉初等中等教育局長)とのべるなど、以前あった「自己責任」論と比べると、大きな変化が感じられます。

 提言を出して以降、労働組合や大学関係の団体と懇談を重ねてきました。

 国立大学協会との懇談では、「気持ちはまったく同じ。国公私立いっしょになって、高等教育予算のパイを広げていきたい」との意見がだされ、日本私立大学団体連合会との懇談でも「私たちの考えと大きく変わりません」との意見がだされました。

 最近、国立大学協会が、「昨今の経済危機の中で教育の機会の均等を確保するため、授業料標準額の減額、授業料の減免の拡大、奨学金の拡充など必要な措置を早急に講じていただきたい」という要望を政府関係機関に出しました。また、6月24日には、授業料の引き上げを示唆している財政制度等審議会建議に対し、「経済的理由によって大学進学・修学を断念する層の存在に目を向けない財政審の発想は、『教育安心社会』をめざす我が国の在り方に逆行している」と厳しく批判する所見をだしています。

 昨年4月から、東京大学が年収400万円以下の家庭の学生の授業料を全額免除する制度を、独自に実施しています。「しんぶん赤旗」の調査でも明らかになったように、全国の大学が身銭を切って、学生への支援をせざるをえない状況です。

 全学連も、毎年、学費・雇用黒書をまとめ、告発してきました。私も07年の京都での学費シンポジウムで学生から、カロリーの高い菓子パン1個を昼食にしている話を聞いて、学費のために自分の体を痛めつけなければならない事実が、提言をつくるばねになりました。

格差を認める

 国民の世論と運動が、いま政府を、動かしていると思います。6月23日に閣議決定された「骨太の方針2009」は、授業料減免等教育費負担の軽減の方向が明記され、7月3日に出された文部科学省の「教育安心社会の実現に関する懇談会」の報告でも、家計負担の高さと格差を認めるなど現状認識の接近とともに、より具体的に経済支援が盛り込まれています。

 私たちは、国立大学の授業料が、過去30年間に15倍に、私立大学も4・5倍になり、物価指数の2倍と比べ、異常な高騰をしていると批判し、値上げに反対してきました。そうした国会での論戦が生きて、2006年以降、値上げをさせていません。国民的な運動の反映ですが、そこから一歩すすんで、授業料標準額の引き下げ、減免の拡大が、国民的な共通の課題になってきたと実感しています。

 世界が高校、大学の無償化に向かっているとき、自民党政治は、家庭に「世界一の高い学費」を負担させてきました。問題の根底には、自民党政治のゆがみがあります。学費を軽減し、ルールある経済社会をともにつくっていきたいですね。

主張
教育費軽減懇談会報告
政治を変えてこそ実現できる

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 文部科学省の「教育安心社会の実現に関する懇談会」が3日、教育費の家計負担軽減を求める報告をまとめました。

 国の懇談会等が教育費負担軽減に的をしぼった報告をおこなったのは歴史的に初めてのことです。国民の要求と運動が国を動かしたものとして重要です。

負担軽減は国民の願い

 「お金がなくて子どもにまともなコンパスを買ってあげられない」「授業料が払えない。このままでは娘は高校中退になる」――自公政治がもたらした貧困と格差は、国民の子育てを直撃し、各地で深刻な事態が広がりました。教育費負担軽減の願いは切実です。

 日本共産党は、「学費が払えず高校卒業、入学できない若者を一人も出さない」などの緊急提案を連続して発表し、国会や地方で、国民と力をあわせて教育費の負担軽減にとりくんできました。

 報告は、子どもの教育費を「子ども本人任せ、親任せ、学校任せであって良いわけがない」「社会全体で分担すべき」ものと位置づけました。負担が重すぎる現状については、「教育の階層間格差や貧困の再生産につながり、若者の再チャレンジの機会を奪うことにもなりかねない」との認識を示しました。

 そのうえで報告は、幼児教育の無償化、義務教育の就学援助の拡充、高校授業料の減免拡大、大学生の負担軽減、大学院生への給与型経済支援(ティーチング・アシスタント等)など各段階の負担軽減策を示しました。例示された施策は総額1兆3000億円、可能なものから実施すべきだといいます。

 報告には足りない点や問題もあります。もっとも根本的なことは、その内容を具体化する展望がなく、現状では絵に描いたもちでおわることです。

 報告も認めるように、家計負担が多すぎるのは、日本の教育予算がOECD(経済協力開発機構)30カ国中最下位、同平均の7割という低水準にあるからです。

 ところが1日に決定した政府の「来年度予算の基本方針」では、国立大学や私学の予算は前年比1%減、それ以外の教育政策経費は3%減です。重点施策にあてる別枠予算は3500億円しかなく、雇用維持や低炭素革命、社会保障対策など多分野に使われる予定です。自公政府には教育予算の低水準を改める気がありません。

 教育予算が増えない大もとには大企業・財界の意向があります。

 日本経団連は教育や福祉の予算が増えることを敵視し、ことあるごとに教育予算増の動きをつぶしてきました。貧困が社会問題化したさなかの2007年初頭には、文教予算のこれまで以上の削減努力を決めた骨太方針の実行を改めて要求しています。

財界にモノが言えてこそ

 日本共産党は、大企業・財界にモノが言える政党です。国民のくらしを温める政策を実行するため、大企業・大金持ち減税の見直しによる7兆円の財源、米軍への「思いやり予算」2000億円をふくむ5兆円もの軍事費の見直しを提案しています。

 財界にモノが言え、予算のゆがみを正せる日本共産党を伸ばし、教育予算をふやして国民がつよく願う教育費負担軽減の道をひらきましょう。

 それでこそ報告も生きます。

(出所:日本共産党HP 2009年7月13日(月)「しんぶん赤旗」)

教育無償化へ“地殻変動“
お金の心配せず学べる社会に
全国署名スタート

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 「どの子にもゆきとどいた教育を保障し、お金の心配なく学べる社会に」と父母や教職員ら400人が10日、東京・豊島公会堂に集まり、「ゆきとどいた教育を求める全国署名」のスタート集会を開きました。

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 全教や全国私教連、全国私学父母懇連絡会などでつくる「ゆきとどいた教育をすすめる会」が主催。12月の署名集約集会に向け、国の責任による30人学級実現や私学助成の拡充、障害児教育の充実、定時制高校の存続、教職員の増員などを求め、教育費無償化への大きな流れをつくろうと全国で署名運動をすすめていきます。

 開会あいさつした東京父母懇の作本幸秋会長は、経済的理由による高校中退などがマスコミにとりあげられ、国会でも高学費の問題が議題になっているとのべ、「ことしはこれまで以上の署名を」と呼びかけました。

 高校生や父母が次々と発言。神奈川・旭丘高校の生徒たちは「全員で卒業したい」とクラスで私学助成増額を求める「ジャンボはがき」を集め、知事に提出すると発言。生徒の一人は、中学時代に不登校気味だったが高校生活を通じ、大きく変わり、「こうして発表しています」と語りました。岡山私学生徒連絡会の高校生たちは「高校生は無力じゃない」と力を込めました。

 30人学級を求め、上部組織の違う教職員組合など大きく共同が広がっている(東京都大田区)などの発言がありました。

 三輪定宣・千葉大学名誉教授がミニ講演をし、無償教育に向けて「地殻変動」がおきているとのべました。全国私教連の永島民男書記長が「私たちのとりくみが国政も動かしてきた」と基調報告しました。全教の山口隆委員長は「子どもの貧困克服はまったなしの課題」と訴えました。

 「100万」「30万」と署名目標を書いたプラカードを手に都道府県の代表が登壇し、決意を語りました。

(出所:日本共産党HP 2009年7月11日(土)「しんぶん赤旗」)

「私学助成は憲法違反」か?

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 〈問い〉 石原慎太郎東京都知事が、「私学助成は憲法違反」と発言したことが報道されました。これまでも自民党内などにこういう意見があると耳にしたことがあります。どういうことなのでしょう。(東京・一読者)

 〈答え〉 東京都の石原慎太郎知事が、全国都道府県知事会議で「私学助成という、どう考えても憲法違反の制度がとられている」(毎日新聞、九月十日付)などと発言したことが波紋を呼んでいます。

 これは、私学助成は、憲法八九条の「公金その他の公の財産は…公の支配に属しない慈善、教育…に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない」という規定に違反しているからというものです。

 この憲法八九条の趣旨は、私的な教育などにたいする公権力の干渉を排除し、公共の利益に反する事業に公金を支出しないためであって、公教育をになう私立学校への助成を禁止する趣旨ではありません。

 すでに一九四六年の憲法制定議会において金森国務大臣が、私立学校は「公の支配」に属するので私学助成は憲法違反でないと言明しています。それは、私立学校についても学校教育法、私立学校法、私立学校振興助成法など各種の監督規定のもとにあるという考えからです。

 私学助成は、公教育の大きな部分を占める私学経営の健全化、父母の学費負担の軽減化、教育水準の向上のためにおこなわれるもので、当然です。

 九八年の参議院文教科学委員会で町村文部大臣(当時)は、「そういう意味で公の支配にこれは属している…現行の私立学校に対する助成は憲法上問題ない、こういう解釈を伝統的に文部省はとっている」と答弁しています。

 また、八六年の千葉地裁の判決では、公の支配に属する事業とは「教育基本法、学校教育法、私学法等の教育関係法規」により法的規制を受けていることとしています。これは、私学助成が―現状ではまだまだ不十分ですが―憲法二六条等の教育の機会均等を裏づけるためになされた措置だからです。

 私学助成を憲法違反だとする議論は、ためにする議論といわざるをえません。

(出所:日本共産党HP 「しんぶん赤旗」1999・9・23(木))

教育予算 先進国で最低なの?

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 〈問い〉 日本の教育予算は最低水準」「学費の高さは世界一」という演説を聞きました。本当ですか?(大阪・一読者)

 〈答え〉 本当です。世界と比べると、自民・公明の政治によって教育予算がきわめて低くおさえられ、子どもや父母に重い負担がのしかかっていることが、よく分かります。

 たとえば、OECD(経済協力開発機構、30カ国加盟)の国々をみてみましょう。

 学校や大学など教育機関への公財政支出が、GDPにしめる割合をみると、その国がどれだけ教育を重視しているかが分かります。データのある28カ国のうち、日本は3・4%と最下位です。他は、スウェーデン6・2%、フランス5・6%、アメリカ4・7%など、平均5・0%です(『図表でみる教育』08年版)。

 このもとで、家計に重い負担がおしつけられていることも、データは示しています。大学や短大など高等教育にかかる教育費のうち、家計が負担している割合は、日本は53・4%にのぼります。ところが他の国は、比較的高いアメリカでも36・1%。ヨーロッパ諸国はほとんど家計負担がなく、スウェーデンはゼロです。

 とくに、各国の学費に、その差は歴然とあらわれています。たとえば、日本では、大学の初年度納付金(授業料や入学金など)は、国立大学で約80万円、7割の学生が通う私立大学で平均130万円にのぼります。奨学金は利子つきが中心で、まるで教育ローンのようです。

 一方、OECD諸国では、スウェーデンやフランスなど、3分の1の国は授業料が無料です。ドイツのように一部有料の国もありますが、低廉で、返済しなくてよい給付制奨学金も充実しています。アメリカは、7割の学生が通う州立大学で授業料50万円台ですが、44%の学生が、給付制奨学金を利用しています。

 高校の授業料は、アメリカをふくむほとんどの国で無料です。

 日本の学費の高さは、国際的に異常です。貧困と格差が拡大する中、高すぎる学費で、学ぶことを断念する若者が増えているのは重大です。

 教育を受けることは基本的人権であり、経済的理由で妨げられるべきではありません。若者が新しい知識や技術を身につけることは、社会発展にとっても不可欠な営みであり、社会全体にとって貴重な財産です。

 世界の国々のように、教育予算を増額し、「世界一高い学費」を軽減する政治の実現が、切実に求められています。(久)

(出所:日本共産党HP 2008年11月26日(水)「しんぶん赤旗」)

日本の学費 なぜ、こんなに高いの?

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 〈問い〉 いまの大学の学費の高さは異常ではないでしょうか。私の学生時代(1960年代初頭)は国立大学の授業料は年間9千円でした。いまはその何十倍。日本共産党はこの実態をどうみて、どうすべきだと考えていますか?(仙台市・一読者)

 〈答え〉 日本の国立大学の初年度納付金は約81万7千円(標準額)、私立大学は平均で約130万8千円もします。1960年代初めの国立大学の初年度納付金は1万円ですから、実に82倍です。食料品物価が同じ時期に5・7倍と比べると、この値上げは異常です。

 学費が高いために、経済的理由で進学をあきらめる高校生が増えるなど、家庭の所得によって大学進学の格差が広がっています。私立大学では、毎年1万人もの学生が学費を払えず退学しています。「教育の機会均等」が崩されており、放置できない深刻な事態です。

 ところが、政府は、国立大学の授業料の学部間の格差拡大を検討するなど、学費をさらに値上げする姿勢です。

 ヨーロッパでは学費が無償か安価であるのに比べて、この学費の高さは異常です。日本は、高等教育に対する国の財政支援が弱く、公費支出がGDP比で0・5%とOECD諸国(30カ国)でも最低水準だからです。1960年代の高度成長期以来の国民の大学進学率向上にたいして、高等教育を充実する責任を国がはたさず、国民に負担を押し付けてきたのです。

 学費負担を国民に押し付ける口実となっているのが、71年の中央教育審議会答申が打ち出した「受益者負担」論――“教育費は投資と考えて、学生が大学教育によって得る利益を自ら負担しなさい”とする考え方です。これは、憲法が定める「教育を受ける権利」をおびやかし、国の教育への責任をあいまいにする議論です。この答申をうけて、国の教育予算が抑制され、05年までほぼ毎年、国立大学の入学料と授業料が交互に値上げされ続けました。

 私立大学は、国の私学助成抑制によって、経常費の7割を学費収入に頼らざるを得なくなり、国立大学の学費の連続値上げにもおされて、学費の高騰をつづけました。

 日本共産党は、憲法26条の国民の教育を受ける権利を保障するため、欧米の半分に過ぎない高等教育への公費負担を大幅に引き上げ、学費負担の軽減にふみだすことを求めています。国立大学の授業料標準額の引き下げ、私立大学学費を下げるための経常費の2分の1助成の実現とともに、給付制奨学金の導入、無利子奨学金枠の拡大、学費免除枠の拡充をめざしています。

(出所:日本共産党HP 2007年7月18日(水)「しんぶん赤旗」)
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全日本学生自治会総連合が「学費・雇用黒書2009」ー自民党・公明党の高学費政策は人間への暴圧ー

2009-06-17 10:27:11 | 国内教育
「学費が負担」6割に
全学連が「学費・雇用黒書」
家族に苦労 就職の不安も

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 全日本学生自治会総連合は高学費や就職活動について学生の声を集め、「学費・雇用黒書2009」(42学園2930人分)にまとめています。

 58・1%が「学費を負担に感じる」と答えています。負担に感じる内容(複数回答)として、最も多いのが「家族や親せきに苦労をかけていてつらい」(56%)。

 奨学金を「借りている」は32・9%、「借りようとしたが借りられなかった」のは5%、「借りなかった」が54・7%でした。

 86・6%が就職活動に「不安がある」と答えています。不安の内容(複数回答)は「正規職に就けるか」(53%)、「自分の専門や興味を生かせるか」(37%)、「働き続けられるか」(22%)と続いています。

 就職活動による学生生活への支障は「ある」が50・7%、「ない」が49・3%です。内容(複数回答)は「交通費の負担が大きい」(35%)、「講義や実習に出られない」(33%)、「精神的に追い込まれる」(29%)、「アルバイトができない」(26%)などの悩みが寄せられました。

 和光大学(東京)では昨年に引き続きアンケートを取りました(数字は黒書に含まれる)。143人(6月12日現在)から回答を得ています。学費を負担に感じていると64%が答えました。「バイトで睡眠時間を削っている」と答えた学生は25%で前年の倍になりました。8人が「大学に通う意味がわからなくなった」と答え、「バイトが主なのか、学業が主なのかわからない」などの声が寄せられています。

 奨学金を「借りている」は42%、「借りていない」は54%でした。借りない理由として「借金になるから」「利子がつくから」があげられています。

 立命館大学(京都)文学部自治会で集めたアンケートでは、学費や雇用・就職問題について、半数以上が不安を持っており、95%が、「学費を下げてほしい」と答えています。

黒書に寄せられた声

 ◇学費が負担

 「行きたい大学を学費であきらめた」「大学進学をあきらめたり、受験する大学を変えたりする友人がいた」「一人暮らしができず、片道3時間かけて通っている」「テキストが高くてゼミ活動も満足にできない」

 ◇奨学金の返済が不安

 「借りないと家族が生活できない」「卒業後にきちんと就職して返済できるか不安」

 ◇就職が不安

 「自分のやりたい仕事につけるかが不安」「就職活動の早期化で学問に集中できない」「就職しても安定した収入を得続けることができるか不安」

(出所:日本共産党HP 2009年6月17日(水)「しんぶん赤旗」)

交付金削減撤廃 学生への支援を
国大協総会 政府に要望

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 国立大学協会(浜田純一会長)は15日、東京都千代田区の学士会館で総会を開きました。

 総会では、(1)国立大学運営費交付金の1%削減の撤廃と拡充―(2)授業料標準額の減額や授業料の減免の拡大、奨学金の拡充など学生に対する経済的支援の充実―(3)OECD(経済協力開発機構)諸国水準をめざした大学等への公財政支出の拡充―の3項目で、5月から政府や経済財政諮問会議、各党議員など各方面に要望していることが報告されました。

 「要望」は「『安心社会』実現に貢献する国立大学の振興に向けて 活力ある人材育成と教育の機会均等」と題したもの。運営費交付金削減によって「基礎研究や萌芽(ほうが)的な研究の芽をつぶすだけでなく、地域医療の最後のとりでとしての機能や一部国立大学の経営が破たんするなど、高等教育・研究基盤が根底から崩壊し、回復不可能な事態に立ち至ることが危ぐされる」と指摘します。

 また、経済危機によって、大学への進学や修学に向けた学生・保護者の不安は深刻の度を増しているとして、「国際比較の観点からも、日本の学生に対する経済的支援は極めて貧弱であり、教育の機会均等は大きく脅かされて」いる、とのべ、運営費交付金の削減方針を次年度以降撤廃すること、授業料の標準額の減額など必要な措置を講ずるよう、求めています。総会では、授業料・入学料標準額を減額するなど基本的な考え方や学生への支援の意義などを示す「学生納付金の在り方について」の中間まとめが報告されました。

(出所:日本共産党HP 2009年6月16日(火)「しんぶん赤旗」)

学費負担軽減して
全学連が国会要請

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 全日本学生自治会総連合(全学連、小山農委員長)は12日、学費の負担軽減や内定取り消しの再発防止に取り組むことについて国会要請を行いました。約80人が参加しました。

 学費値下げに踏み出すこと、授業料免除を年収400万円以下の家庭の学生が受けられるようにすること、奨学金の無利子枠の拡充と給付制の設立、違法な内定取り消しを厳しくとりしまる体制を整え、再発防止と被害者救済などを求めました。

 信州大学の4年生は経済悪化の下で父親が失職したという友達の実態を紹介。生活費のためにアルバイトに力を入れて単位を落としてしまったため、授業料減免を受けられるか不安、学校に行けなくなるかもしれないと話したとのべました。

 日本福祉大学の学生は、半期分の学費を軽減した独自制度が「このうえない喜びだ」と学生に歓迎されているとのべました。

 就職活動をしている学生は3年生からはじまる説明会参加のための費用、交通費の負担が増え、バイトもできず、授業に出られず、「4年間の集大成として納得できる卒論を書いて卒業したいのにできない」などの声が紹介されました。

 日本共産党から石井郁子衆院議員、井上哲士、山下芳生両参院議員が要請を受けました。官房長官が経済的理由で中退する学生を一人も出してはいけないと答弁したり、文部科学省の懇談会で受益者負担のみでは限界があるとの話が出ているとの変化を紹介。「みなさんの運動が動かしてきたもの。一緒にがんばりたい」とのべました。

(出所:日本共産党HP 2009年6月13日(土)「しんぶん赤旗」)

“学び守る運動を”学生集う
学費軽減10万署名よびかけ
全学連

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 学費負担軽減と就職の内定取り消しを許さないことを掲げた全国学生集会が13日、東京都目黒区の東京大学駒場キャンパスで開かれました。全日本学生自治会総連合(全学連)が主催。41学園166人が参加しました。集会後、アピールウオークをしました。

 全学連の小山農委員長は学費や就職の問題をみんなで共有し、学びを守る運動をつくり、多くの国民に広げようとのべ、新しい「学費の負担軽減、高等教育予算増額をもとめる」署名を年内に10万人分集めようとよびかけました。

 学費と就職活動の早・長期化の実態や各地の取り組みが報告され、「お金がなくて学業を断念することは自分たちや親の責任ではなく、政治の責任だ」との発言があいつぎました。

 東大教養学部自治会の委員長は2クラスで学費問題を自分たちの問題としてとらえて学ぼうという決議をあげたと紹介。

 愛知県の代表は学費無償化をめざす個人加盟のネットワーク「学費ゼロネット愛知(仮称)」の設立を報告しました。

 都内の4年生は友人が内々定を取り消されたとのべ、自身も内定をもらっているが、担当者から「取り消されるかもしれない」と言われていると話しました。

 奨学金とアルバイトで生活費をまかない、4年時の学費をためている福祉系の私立大学2年生は「福祉職は低賃金で卒業後の奨学金返済が不安。学ぶ機会も働く機会も保障される社会をめざして、学生や保護者などと一緒に活動していきたい」とのべました。

 三輪定宣千葉大学名誉教授が講演。日本高等学校教職員組合、新日本婦人の会の代表が発言しました。

(出所:日本共産党HP 2009年6月14日(日)「しんぶん赤旗」)
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自公政権による高学費政策の抑圧-これに対し教育費の無償化を要求する人権運動は条件の平等を保障する力ー

2009-06-10 02:14:43 | 国内教育
ゆうPRESS
高い学費 もう限界

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 日本の大学の異常に高い学費が青年の夢や進路を阻み、雇用と景気の悪化が追い打ちをかけています。学費の負担軽減は待ったなしです。学生自治会でつくる全学連(全日本学生自治会総連合)は12、13の両日、学費の引き下げなどを求めて国会要請行動と集会を開きます。高い学費の影響や引き下げへの思いを3人の青年に聞きました。(染矢ゆう子)

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お金なきゃ勉強しちゃだめ?
■信州大学農学部3年の男子学生(20)

 会社を経営する父の収入がこの不況でさらに落ち込み、昨年冬「学費は払ってあげられない」と告げられました。両親はいつになく暗い表情でした。

 奨学金をすべて学費にあて、教科書代や自分の生活費のためバイトを始めました。

 毎日遅く帰ってくる父に申し訳ない、と思いつつ大学に通っています。大学と高校の受験を控えた妹と弟が大学に行けなくなるかもしれないのに、勉強する価値があるのか、と思うこともあります。

 学生自治会の執行部の一員として、アンケートや大学との交渉をしています。対話すると、家計に負担をかけてしまって申し訳ない、両親がやりくりに苦労していて申し訳ない、と話す学生が多くいます。

 私も13日の全国学生集会に参加します。「お金がある人しか勉強しちゃいけないんですか?」と政府に問いたい。

両親の貯金が底尽きた
■経済的理由で大学を退学した男性(21)

 昨年、父親に「大学をやめてくれないと生活できない」といわれ、2年で和光大学(東京)を退学しました。

 入学したときから、いつかはこうなると覚悟していましたが、「これで終わり」と思うと力がなくなりました。

 両親は共働き。しかし父親の賃金が下がり、ボーナスもなくなり、年収は2人合わせても320万円。学費120万円と仕送り120万円など私のための支出は年300万円を超えていたそうです。

 両親は、貯金を全部使い果たしました。福井県の実家に戻ると、父親は「ごめんな」と謝りました。

 退学し、働き始めると人とのかかわりが減りました。大学ではいろんな人に出会えて友達もできる。学ぶ権利は保障されるべきだと思います。

 大学で学費を下げる運動に出合えてよかった。学費が高いことがおかしいなんて考えたこともなかったので、ぐっときました。出合わなければ今も国立大に行けなかった自分を責め、親を責めていたと思います。

睡眠時間は1~2時間
■関東学院大学工学部2年の女子学生(19)

 母親のパート代だけでは余裕はありません。「自分で払うから大学に行くね」といって入学しました。

 学費と一人暮らしの生活費を奨学金とバイトでまかないます。学費は年128万円。無利子と有利子を合わせて月16万円の奨学金のほとんどが学費でなくなります。まだ足りないので6月分の奨学金が振り込まれるまで納入を遅らせてもらっています。

 週に3~4日、カラオケ店で深夜バイトをしています。睡眠時間は1~2時間です。授業中寝てしまうことも多いです。一人暮らしの費用がたまるまでは茨城県の実家から神奈川県の大学まで片道2時間半かけて通っていました。

 兄も同じように、学費と生活費を自分で払っています。「やりたいことをやるんだからつらい思いをするのは仕方がない」と思っていました。でも、外国では学費が無償だと聞いて「変えられるかもしれない」と気持ちがラクになりました。

 国会要請は授業とバイトで行けませんが、私もできることをやりたい。

運動広がる
 学生を中心に「学費を下げたい」の一致点で加入でき、学費引き下げの署名活動などにとりくむ「学費ゼロネット」の結成が全国に広がっています。

 現在、京都、東京、大阪、兵庫、千葉、愛知で活動。東京では今年、22学園で1000人以上から実態アンケートを集めています。(グラフ)

 吹田市にある大阪大学の学生らでつくるゼロネットOSAKAは、吹田市議会に要請。市議会は全会一致で高学費問題の改善を求める意見書を可決しました。

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 学費ZEROネット東京のアンケート調査に寄せられた学生の声の一部を紹介します。

◆高校の友だちの多くが、学費の問題で進学を断念した(和光大)

◆入学金が準備できず、入学できなかった友人がいる(東京学芸大)

◆兄弟も私立大に通っているので、父が残業を増やし、家に帰ってくる日が週に2~3日(早稲田大)

◆8人兄弟の友人は、下の子たちを高校・大学へ行かせるため、中卒で働いている(東京大)

◆弟も大学進学を考えているので、親は土日も働こうか悩んでいる。働きづめで病気になってしまわないか不安(東京農大)

◆学校がメーンなのか、バイトがメーンなのかわからない生活(和光大)

◆高校までアメフトをやって全国大会で2位になったが、部費、遠征費を払えないので参加できない(早稲田大)

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国会要請ぜひ一緒に
全学連 中央執行委員長
小山 農さん
 不況の影響は深刻です。急いで対策をとらないと大学に通えなくなる学生がたくさん出てきます。

 2008年に東大で世帯年収400万円以下の学生の授業料免除制度ができてから、他の大学でも独自の負担軽減策ができ始め、学費免除枠の拡大や奨学金の拡充を行うなどの動きが広がっています。しかし、そのとりくみは一部にとどまっています。

 12日の国会要請行動では、国の責任ですべての学生に学費負担軽減策を広げることを求めていきます。署名の紹介議員は野党4党に広がっています。

 一方、財務省はさらなる高等教育の予算削減と配分の競争化を主張し、来年度以降の学費値上げが懸念されます。学費値上げの再開か、学費負担軽減に踏み出すのかを左右する重要なときです。

 12日の要請と13日の集会では、人に言えず抱え込んでいる悩みを相談したり、出し合える場にもしたいと思っています。みなさん、ぜひ要請に、集会に参加してください。

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★全学連国会要請行動
 12日(金)

 午前9時30分 会派要請

 午後1時 国会議員要請

★「お金の心配なく学 びたい」「内定取り消 しは許さない」全国 学生集会
 13日(土)

 午後1時30分 開会

 午後4時10分 渋谷へアピールパレード

 場所 東京大学駒場キャンパス

 問い合わせ 042(572)6011(全学連)

(出所:日本共産党HP  2009年6月8日(月)「しんぶん赤旗」)
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自公政権が推進する全国いっせい学力テストー毎年、数十億円もかけて学力荒らす愚行ー

2009-04-20 01:18:27 | 国内教育
主張
3度目の「学テ」
学力荒らす愚行をやめよ

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 全国いっせい学力テストが二十一日に実施されます。今年で三度目です。

 その日、小学校六年生の児童と中学校三年生の生徒は一日中、算数・数学、国語のテスト漬けです。それだけではありません。朝何時におきているか、食事はとっているか、本はどれくらい読んでいるか。プライバシーにかかわる問題にも答えなければなりません。

点数競争にかりたてる
 なぜ全国学力テストをおこなうのか。子どもの学力の調査のためという、文科省の説明は完全に破たんしています。担当官自身が「学力の状況の全国的な傾向の把握のためなら、全員対象の調査でなくてもいい」とのべました。

 いま同省がしがみついている唯一の「理由」は、「各教育委員会や学校が子どもへの学習指導を具体的に改善するのに役立つ」というものです。

 しかし、テストの結果は数カ月先です。「どのようなテストだったか」、忘れたころに返されます。しかもどこでどう間違えたかわかる答案用紙ではなく、「できたかできなかったのかの○×」と全国平均正答率がかかれた個人表です。これで、どんな具体的改善が図れるというのでしょうか。

 全国テストの本当の狙いは、学校を点数競争にかりたてることです。

 文科省は「競争を助長しない」といいますが、実際には都道府県の平均点を発表し、「順位をあげろ」という競争のタネをまきました。市町村レベルや学校ごとの結果公表はさせないとしましたが、守られる保証がありません。大阪府や秋田県などで市町村ごとの公表が進み、鳥取県のある市では学校ごとの開示まで決めています。

 学校長が教育委員会によびつけられ、点数をみせられ、点数が低いことをなじられる。校長は教師を呼びつけ怒る。子どもたちには「予備テスト」や「事前テスト」などのテストが繰り返しおこなわれる。さらには点数を上げるための不正がひろがり、不正をさす「田植え」や「ドーピング」という“学テ用語”までうまれました。

 都道府県・政令指定都市教育委員会の29%が「抽出調査にかえる」などの見直しを表明しています(「朝日」五日付)。国に近い立場の教育委員会として、異例なことです。

 私たちが憂えるのは、「学力は点数で測るもの」という短絡した考えがはびこることです。

 日本教育学会会長などを歴任された大田尭さんは「学力は人間の内面の問題。安易に点数をつけたり、順番をつけるのはおかしい。数量化は参考資料の一つ。学力というのは生存力なのだと、徹底して考えるべきだ」とのべました。

国がすべきは条件整備
 全国いっせい学力テストは、日本の子どもの真の意味での学力と未来を傷つけていることを、私たちは知るべきです。

 学校の現場では、教員は授業準備もできない「多忙化」に苦しんでいます。また、学力の底上げや創造的な授業のための少人数学級の実施が切望されています。

 国の仕事は、数十億円もかけて望まれない、役に立たない事業をすることではなく、日本の将来をみすえて教育条件を整備することです。全国いっせい学力テストの中止をつよく求めます。

(出所:日本共産党HP 2009年4月18日(土)「しんぶん赤旗」)

一斉学力テスト中止を
文科省に 子ども全国センター要請

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 子どもにかかわる団体・労組、個人でつくる「子どもの権利・教育・文化全国センター」は十五日、全国一斉学力テストの中止を文部科学省に要請しました。

 要請には同センター代表委員の堀尾輝久氏、三上満氏、高田公子氏(新日本婦人の会会長)、山口隆氏(全日本教職員組合委員長)らが参加。四氏や小森陽一東京大学教授らが呼びかけ人となった全国学力テストの中止と三十人学級実施などを求めるアピールを、九百四十五人の賛同署名を添えて提出しました。

 四氏らは、学力テストが子どもたちをいっそう競わせ、格差を広げること、大阪や秋田では知事が市町村に結果を公表するよう圧力をかけるなど問題が広がっていることを指摘。学力の実態を把握するなら抽出調査で十分であり、一斉テストに五十七億円をかけるのでなく、経済的に困難な子どもの就学保障や三十人学級などに使うべきだと訴えました。

 文科省側は「学力の傾向を把握するためなら全員を対象にした調査は必要ない」と認めました。しかし、「各学校での指導の改善などのために全員を対象にすることが必要」だとし、テストを継続することを表明しました。

 三上氏は、「これまで二回の全国学力テストを見ても、実施から結果が返ってくるまで何カ月もかかり、指導の改善には役立たないことがわかっている。ごまかしは通用しない」と批判しました。

 要請後の記者会見で山口氏は、学力テストの平均点を上げるために過去の問題を繰り返しやらせる学校があるなど、本来もっと豊かな内容を持つ学力が「テストの点数」だけでみられるようになり、教育活動がゆがめられている現状を指摘。堀尾氏は「学力テストは子ども、教師、学校を競争させ、テストの点数を学校選択の材料にし、学校間格差を広げて統廃合を招く」とのべました。

(出所:日本共産党HP 2009年4月16日(木)「しんぶん赤旗」)
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入学式の季節だけど、自公政権のせいで高学費を強制されて不安と貧困感。

2009-04-08 10:15:59 | 国内教育
私大生・親 ともに悲鳴
平均仕送り額は過去最低
生活費1日あたり1200円
入学費用5人に1人借金
東京私大教連 首都圏で調査

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 「私大生の一日の生活費は千二百円」―東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連、岡野内正委員長)の調査で、首都圏の私立大学に通う学生の深刻な生活実態が明らかになりました。

 調査は昨年五―六月、一都四県の十六大学・短大に入学した学生の保護者を対象に実施。約四千八百人から回答がありました。

 入学直後の出費が落ち着く六月の自宅外通学生への平均仕送り額を見ると、九万五千七百円で、一九八六年の同項目の調査開始以来の過去最低額を更新。仕送り額から平均家賃を引いた「生活費」は、十年前に比べて半減し、三万六千円で、一日当たり千二百円となりました。

 自宅外通学者の入学の年にかかった費用は三百四万円で、世帯の年収の三割を超えています。世帯の税込み年収は十八年前の水準に後退しています。

 自宅通学生も含めて五人に一人が入学費用のために借金をし、借入額の平均は百六十四万円でした。九割の家庭が入学費用を「重い」と感じています。

 日本学生支援機構(旧日本育英会)などに奨学金を希望して申し込んだ家庭は62・9%、「希望する」と「申請した」が、自宅外通学生では初めて七割を超えました。

 アンケートには、「奨学金を借りたくても利子がつくので断念しました」「家庭の収入が少ないという理由で、子どもを大学に進学させないわけにはいきません。授業料への直接助成制度を望みます」など、保護者の切実な声が寄せられています。

(出所:日本共産党HP 2009年4月7日(火)「しんぶん赤旗」)

退学・入学辞退相次ぐ
学生に経済困難直撃
国などに援助要求
本紙大学調査

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 経済的な理由で入学を辞退したり、退学・休学する学生が増えています。本紙が国公私立の約六百の大学に景気悪化による学生への影響についてアンケート調査をしたところ、二十六日までに回答のあった百二十八大学のうち、約一割にあたる十二大学が退学・休学・入学辞退の申請が増えたと答えています。

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 経済的困難で入学辞退者が相次ぎ、緊急に学費減免などの経済支援入試を実施した首都圏のある大学では、「応募者が殺到した」といいます。一方、アンケートに回答した大学の93%が、国や自治体にたいし、授業料免除措置や給付制奨学金の拡充などの援助を求めています。

 景気悪化が学生に与えている影響では、退学・休学申請が増えたほか、回答の七割にあたる八十四大学が「授業料や奨学金についての相談が増えた」と答えています。「内定取り消しなど就職活動が困難になった」と答えた大学も二十四にのぼりました。

 アンケートでは、新入生・在学生への新たな経済支援(入学料・授業料減免、給付制奨学金などの拡充、留学生への支援、内定取り消し被害者への救済など)についても質問。「実施している」(三十九大学)、「検討している」(二十一大学)をあわせて、回答のあった大学の約五割が、支援策に乗り出しています。これに、本紙が二月に実施したホームページによる調査(二月十四日付報道)で実施していることがわかった大学(アンケート回答との重複を除く)五十三大学を加えると、〇九年度から新たな支援策に乗り出す大学は百を超えています。

 首都圏の別の大学では、いったんは経済的理由から推薦入学を辞退した学生が、緊急支援入試を受験して合格。入学金と授業料の半額に相当する給付金を受けることができ、進学の夢をはたしています。

 回答には、国が実施している定額給付金のばらまきを批判し、「私学の現場では、社会正義の成ることを真剣に求めて訴えています」とつづったものもありました。

(出所:日本共産党HP 2009年3月27日(金)「しんぶん赤旗」)

大学9割超「公的支援を」
学費軽減や無利子奨学金拡充
本紙調査 175校回答

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 経済悪化のもと、世界一高い学費が学生生活の困難を加速し、九割超の大学が国や自治体にたいし、学費軽減や無利子奨学金の拡充などの支援を望んでいる―。本紙が実施した全国大学調査で浮き彫りになりました。(三月二十七日付で「中間まとめ」を報道)

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 本紙は、全国の国公私立六百十二大学を対象に、緊急経済支援についてのアンケート調査を二月末から三月末にかけて実施。百七十五大学から回答を得ました。

 回答した大学の八割近くが、景気悪化による学生生活の困難をあげています。

 授業料や奨学金の相談の増加や内定取り消しなど就職活動の困難をあげたほか、休学や退学、入学辞退、授業料の滞納などが増えたとする大学も一割以上にのぼりました。

 一方、学費軽減などの新たな支援策を実施している大学は、私立で42%、国立31%、公立12%。私立では授業料減免や給付制奨学金の拡充の支援策が多く、国立では留学生支援が多くなっています。新たな支援策を検討している大学も少なくありませんが、障害となっているのが、大学予算の削減です。

 経済的に困窮している学生への支援を強めるために国や自治体にどんな援助強化を望むかとの質問(複数回答)には、66%にあたる百十五校が「無利子奨学金の拡充」と回答。続いて、「授業料減免等奨学事業に対する措置の拡充」(八十七校)、「給付制奨学金の創設」(七十七校)、「運営費交付金、私学助成の増額」(七十二校)となっています。回答した大学の94%が国と自治体の援助の強化を望んでいます。

(出所:日本共産党HP 2009年4月5日(日)「しんぶん赤旗」)
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奨学金返済3カ月遅れたらブラックリスト化ー自公政権が学生に同意書強要ー

2009-03-26 01:53:42 | 国内教育
奨学金返済3カ月遅れ
ブラックリスト化
学生に同意書強要
大学院生、「脅迫的だ」

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 政府の方針を受けて、日本学生支援機構(旧日本育英会)は奨学金の返済を延滞した利用者を個人信用機関に通報する制度を二〇一〇年度に導入しようとしています。返還が三カ月遅れると“ブラックリスト”に載せられる制度です。ローンを組んだり、クレジットカードの利用が困難になります。同機構は、いま順次利用者に「同意書」を求めています。これに応じなければ奨学金が受けられないというやり方は「教育基本法が禁じる信条や経済的地位による差別にあたる」との声があがっています。(伊藤悠希)

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 二〇〇九年度日本学生支援機構の奨学金ガイドには次のように記載されています。「奨学金の貸与を受けるには、個人信用情報の取扱いに関する同意書を提出しなければなりません」「同意書の提出をしなかった場合には奨学金の申込資格はありません」。前年度まではなかった記述です。

 「奨学金がないと大学には通えない。同意書を書くしかなかった」と話すのは京都の私立大学に通う一回生のAさん。両親は離婚し、父親と暮らしています。父親は病気で働けず、生活保護を受けています。高校生の時から無利子と有利子の奨学金を利用しています。「将来は不安。返せない人を切り捨てるようなことはしてほしくない」

 同意書に不安を感じ、提出しない人もいます。東京都内の大学院生Bさん(26)は「“同意書を提出しないのは返す意思がないとみなし、継続しない”というのは脅迫的なやり方です」と言います。Bさんは学部生のときから五年間利用しています。現在は博士課程一年。無利子で月十二万円利用しています。アルバイトと奨学金で学費と生活費を支えています。両親は定年退職しており、経済的に頼れません。

 同意書を提出するかどうかはそれぞれですが、AさんもBさんも奨学金延滞者のブラックリスト化に反対しています。

月16万円の生活では
奨学金滞納ブラックリスト化
卒業しても職なく

 政府や機構側は延滞者の増加を、個人信用情報機関への通報制度の導入の理由に上げています。しかし、延滞者の増加(七年で一・四倍)は奨学生が急増(七年で一・六倍)したことによるもので、単年度の返還率は94%、繰り上げ返済を含めれば100%を超えており、機構の業績悪化や奨学生のモラルの低下にあるわけではありません。

■1年契約

 しかも、奨学金の延滞理由は低所得が45・1%、無職・失業が23・5%となっています(表・〇六年度機構調査)。経済的な困難が圧倒的です。

 返済額が四百五十万円、毎月約二万円の返済が二十年続くというCさん(23)は一年契約で働いています。

 月収は十万円。ほかにアルバイトをして、月十六万円で生活しています。年金保険料、必要経費などを払い、奨学金を返済すると自由になるお金はわずかです。

 来年度は契約を更新できますが、次はわかりません。「返せる経済力がない人の場合、ブラックリストに載せたところで、返済ができないことに変わりはありません」

■異議あり

 ブラックリスト化に反対している「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」には、「同意書を提出しなければ奨学金の継続、貸与開始を認めないというのは強制であり、問題だ」「回収率改善の根本的解決策とはならないと思われる」などブラックリスト化反対の声が大学から寄せられています。

 通報制度は二〇〇六年七月に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太方針)二〇〇六」で出された奨学金の回収強化の具体化です。政府と機構側は通報制度に続いて、延滞者の高い大学名の公表、延滞九カ月で法的措置、有利子金利上限(3%)の撤廃などをねらっています。

 奨学金は大学生の三人に一人、大学院生の二人に一人が利用しています。無利子が三割に対し、有利子が七割となっています。

 奨学金は憲法と教育基本法の「教育を受ける権利」に基づいており、経済的な理由で学業をあきらめる若者をうまないためのものです。営利を目的に、返済能力のある人だけに融資する金融事業とは目的も貸し出す対象も全く異なります。

 「給付制の創設や無利子枠を拡充し、返済しやすい制度を国がつくってほしい」と利用者や機構の職員らは訴えています。

(出所:日本共産党HP  2009年3月23日(月)「しんぶん赤旗」)

奨学金の制度と憲法の理念の関係は?

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 〈問い〉 奨学金制度を整備することは、憲法の精神でもあると聞きました。どういうことですか。(東京・一読者)

 〈答え〉 憲法は、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」(第二六条 教育を受ける権利)と定めています。この条項にもとづき、教育基本法は「教育の機会均等」を定め、「人種、信条、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない」「国及び地方公共団体は、…経済的理由によって修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない」(第三条)としています。

 親などの経済力により教育の差別が生じないよう、公的な奨学制度を保障することが国の責務とされているのです。

 ところが現実は、日本の大学の学費は欧米諸国と比してきわめて高額であるにもかかわらず、奨学金制度は最低といえる状況です。政府の奨学金(育英奨学金)は、「優れた」学生・高校生で経済的な困難を抱えるものを対象とするため、成績・家計基準によって、多くの学生が門前払いとなっているのです。フランスでは学費は無償、その上で生活費として給与奨学金が支給されています。高校でいえば、奨学金は給付制が欧米諸国の常識です。

 長引く不況のもと、親の失業などで学費が払えず大学や高校を退学せざるをえない、生活費や学費のためアルバイトに追われる等々の事態が広がっているだけに、奨学金制度の拡充がなんとしても必要です。

 ところが小泉内閣は、奨学金業務を行う日本育英会を民営化することまで検討しています。これは、奨学金を銀行等が扱う教育ローンに変質させるもので、収入が少ない家庭では貸与を受けられないなど、奨学金制度の根幹を掘り崩すものです。憲法の精神にもとづき、希望者全員への無利子貸与、給与奨学金の導入など、抜本的な制度の充実こそ求められます。(田)

(出所:日本共産党HP 2001年9月9日(日)「しんぶん赤旗」)
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世界一高い学費の値下げや大学予算の増額、負担軽減を文科省と財務省に申し入れ

2009-03-13 03:15:53 | 国内教育
学費値下げなど求める
党県委が文科・財務省に
南関東

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 衆院南関東比例ブロックの神奈川、千葉、山梨三県の日本共産党県委員会は九日、世界一高い学費の値下げや大学予算の増額、負担軽減を文科省と財務省に申し入れました。

 申し入れには各党県委員会の担当者と青年・学生三十人余が参加。誰もが安心して学べる大学の実現と憲法で保障された「教育の機会均等」のため(1)国立大の運営費交付金や私学助成など高等教育予算の増額と学費値下げで負担を軽減する(2)無利子奨学金の拡充や返済の必要のない給付奨学金の緊急導入など日本学生支援機構奨学金の拡充(3)家賃や交通費の補助、学割制度の充実など学生生活の負担軽減―を求めました。

 参加した学生は「バイトを三つ掛け持ちし十六万円を得ているが家賃や光熱費だけで十万円消える。奨学金を借りても足りない。授業にいっても眠くなり身が入らない。やりたいこと、学びたいことがやれない学生がいることを知ってほしい」(神奈川の女子学生)、「学費は年百三十万円、四年間で五百万円。奨学金は利子も含めて六百万円借りているがいまの経済情勢で就職できるのか、就職できても返せるのか不安」(千葉の男子学生)など涙をこらえながら実態を訴えました。

 文科省の担当者は「みなさんが悲しい思いをしないよう頑張りたい」とのべ、財務省担当者は「お聞きした実態を参考に予算編成したい」と答えました。

 要請にははたの君枝、えんどう昭子、斉藤和子各衆院南関東比例予定候補、西脇たくや同神奈川15区予定候補が同行。参加者との懇談では小池晃参院議員があいさつしました。

(出所:日本共産党HP 2009年3月10日(火)「しんぶん赤旗」)

新入生支援、62私大に
入学金や授業料を減免

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 親のリストラ、失職などが広がるなか、「大学進学の夢をあきらめないで」と緊急の学費支援を実施する大学が相次いでいます。本紙が私立大学のホームページで調べたところ、今春の入学生に学費軽減の緊急対策をとる大学が六十二にのぼることがわかりました。

 経済危機のもと、世界一高い学費の軽減を大学まかせにするのではなく、国の対策が問われています。

 緊急対策を発表する大学は、今年に入って急増しています。首都圏のある大学では、昨年秋から在学生の学費延納の相談が続出し、受験生や保護者から奨学金制度の問い合わせが相次いだといいます。

 緊急支援で目立つのは入学金免除や授業料免除制度の創設です。国立大学では大分大学が、入学金の全額免除の拡大(対象四十人)を公表していますが、私立では保護者の収入減など経済的困難な学生にたいする入学金免除や授業料免除を緊急に実施する大学は二十六にのぼります。一年限りの大学も少なくありませんが、二〇一〇年度も継続する大学もあります。

 首都圏のある大学では、入学金の全額免除を学生の一割近い五十人を対象におこなう予定。担当者は、「授業料の分納をあわせておこない、学生が親の経済負担なしに自立していけるようにしたい」とのべ、国の予算の増額を求めています。

(出所:日本共産党HP 2009年2月15日(日)「しんぶん赤旗」)

日本の学費 なぜ、こんなに高いの?

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 〈問い〉 いまの大学の学費の高さは異常ではないでしょうか。私の学生時代(1960年代初頭)は国立大学の授業料は年間9千円でした。いまはその何十倍。日本共産党はこの実態をどうみて、どうすべきだと考えていますか?(仙台市・一読者)

 〈答え〉 日本の国立大学の初年度納付金は約81万7千円(標準額)、私立大学は平均で約130万8千円もします。1960年代初めの国立大学の初年度納付金は1万円ですから、実に82倍です。食料品物価が同じ時期に5・7倍と比べると、この値上げは異常です。

 学費が高いために、経済的理由で進学をあきらめる高校生が増えるなど、家庭の所得によって大学進学の格差が広がっています。私立大学では、毎年1万人もの学生が学費を払えず退学しています。「教育の機会均等」が崩されており、放置できない深刻な事態です。

 ところが、政府は、国立大学の授業料の学部間の格差拡大を検討するなど、学費をさらに値上げする姿勢です。

 ヨーロッパでは学費が無償か安価であるのに比べて、この学費の高さは異常です。日本は、高等教育に対する国の財政支援が弱く、公費支出がGDP比で0・5%とOECD諸国(30カ国)でも最低水準だからです。1960年代の高度成長期以来の国民の大学進学率向上にたいして、高等教育を充実する責任を国がはたさず、国民に負担を押し付けてきたのです。

 学費負担を国民に押し付ける口実となっているのが、71年の中央教育審議会答申が打ち出した「受益者負担」論――“教育費は投資と考えて、学生が大学教育によって得る利益を自ら負担しなさい”とする考え方です。これは、憲法が定める「教育を受ける権利」をおびやかし、国の教育への責任をあいまいにする議論です。この答申をうけて、国の教育予算が抑制され、05年までほぼ毎年、国立大学の入学料と授業料が交互に値上げされ続けました。

 私立大学は、国の私学助成抑制によって、経常費の7割を学費収入に頼らざるを得なくなり、国立大学の学費の連続値上げにもおされて、学費の高騰をつづけました。

 日本共産党は、憲法26条の国民の教育を受ける権利を保障するため、欧米の半分に過ぎない高等教育への公費負担を大幅に引き上げ、学費負担の軽減にふみだすことを求めています。国立大学の授業料標準額の引き下げ、私立大学学費を下げるための経常費の2分の1助成の実現とともに、給付制奨学金の導入、無利子奨学金枠の拡大、学費免除枠の拡充をめざしています。(誠)

(出所:日本共産党HP 2007年7月18日(水)「しんぶん赤旗」)

ユネスコの学習権宣言とは?

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 〈問い〉 ユネスコが学習権宣言を採択しているそうですが、どういうものなのですか。(福岡・一読者)

 〈答え〉 一九八五年の第四回ユネスコ(国連教育科学文化機関)国際成人教育会議で採択された宣言を「ユネスコ学習権宣言」といいます。これは万人に共通する基本的権利としての学習権を定義したものです。

 特徴の一つは、学習権とは何かを明示していることです。宣言は、「学習権とは、読み書きの権利であり、問い続け、深く考える権利であり、想像し、創造する権利であり、自分自身の世界を読みとり、歴史をつづる権利であり、あらゆる教育の手だてを得る権利であり、個人的・集団的力量を発達させる権利である」としています。そして学習権は「人間の生存にとって不可欠な手段である」として、貧困や戦争の克服、健康な生活、産業の発達等にとって不可欠であることを記しています。

 特徴の二つは、学習権をすべての人間の基本的権利と規定していることです。宣言は、「学習権はたんなる経済発展の手段ではない。それは基本的権利の一つとしてとらえられなければならない。学習活動はあらゆる教育活動の中心に位置づけられ、人々を、なりゆきまかせの客体から、自らの歴史をつくる主体にかえていくものである」としています。

 これまでの政府自民党の教育政策は、子どもの基本的権利としての学習権保障よりも、経済政策にそった人づくりを重視し、世界にも例を見ない競争教育を強めるなど、わが国の教育をゆがめてきました。宣言はこうした方向を否定し、学習活動は基本的権利として保障されるべきであり、学習による個々人の発達が、社会を形成し歴史をきりひらく力であることを明記しているのです。

 宣言は、文化的生存権としての教育を受ける権利をうたった日本国憲法の精神とも合致しています。(田)

(出所:日本共産党HP 2001年5月10日(木)「しんぶん赤旗」)

日本の子どもの現状についての国連勧告とは?

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 〈問い〉 国連が日本の子どもの現状について、重要な勧告をしているそうですが、どんな勧告なのですか。(愛知・一読者)

 〈答え〉 国連の採択した子どもの権利条約(一九八九年、日本は九四年批准)は、批准国に定期的に実施状況を報告することを義務づけています。国連に設けられた子どもの権利委員会は、その報告を審査し、必要な提案や勧告をします。同委員会は、日本政府の第一回報告書にたいし、九八年に「日本政府への勧告」を出しました。勧告は、日本の子どもの権利について、二十二項目にわたる「懸念事項」をあげた上で、提案と勧告をおこなっています。

 〇極度に競争的な教育制度によるストレス、余暇・身体的活動・休息の欠如のため、子どもが発達上のゆがみにさらされている。過度なストレスおよび不登校・登校拒否を防止し、かつ、それとたたかうための適切な措置を取るべきこと、〇印刷物、電子メディア、視聴覚メディアの有害な影響、とくに暴力およびポルノから子どもを保護するために、法的措置を含むあらゆる必要な措置を取るべきこと、〇学校における暴力の防止、とくに体罰およびいじめを根絶するため、包括的なプログラムを開発すべきこと、〇子どもの権利条約の規定が子どもおよびおとなによって広範に知られ、理解されるように、大きな努力をおこなうべきこと。

 勧告は、そのほかにも、子どもの虐待からの保護、障害を持つ子どもの機会均等などについても重要な問題提起をしています。

 子どもの権利委員会が、日本のような発達した資本主義国にたいし、すべての子どもにかかわる教育制度などで、きびしい警告の文書を送ったのは、異例中の異例事です。それから二年たちましたが、日本政府は勧告をまともに実施しようとはしていません。

 日本共産党は、国連勧告の以前から、受験中心の詰めこみ教育を改める教育改革、暴力や性をむき出しにした映像文化から子どもを守る自己規律の確立などの国民的なとりくみを提唱してきましたが、勧告はその重要性を裏づけています。

(出所:日本共産党HP 2000年 9月2日 (土)「しんぶん赤旗」)

学費無償化が多くの国の「ルール」なの?

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 〈問い〉 学費の無償化をめざすことが多くの国々の「ルール」となっているというのは本当ですか?(東京・一読者)

 〈答え〉 高等教育も含め教育を受けることを「人間の権利」としてとらえ、その機会を均等に保障するため、学費の無償化をめざすことは、いまでは、圧倒的多数の国々のルールとなっています。

 このことを条約として明記しているのが、国際人権社会権規約の中等・高等教育漸進的無償化条項です。

 国際人権規約とは、1966年に国連総会で採択された人権保護を目的とする多国間条約です。自由権規約と社会権規約などで構成されています。

 社会権規約は、第13条1項で「締約国は、教育についてのすべてのものの権利を認める」としたうえで、2項(C)で、高等教育は「無償教育の漸進的(順を追って徐々に)な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること」と定めています。

 この教育無償化条項も含め、社会権規約を批准している国は、148力国(05年7月)に上ります。

 ところが、日本は、社会権規約を79年に批准したのですが、中等教育の漸進的無償化を定めた2項(B)と、高等教育の漸進的無償化を定めた2項(C)を留保(この条項については縛られないと宣言すること)しています。こうした国は、日本とルワンダ、マダガスカルだけです。

 国際人権社会権規約は、各国が5年に一度、規約に定められた人権を実現するためにとった措置を社会権規約委員会に報告することを義務づけています。01年8月、同委員会で日本政府の第2回報告が審議され、無償化条項の留保が議論になりました。社会権規約委員のラトレー氏は、「世界第2位の経済大国に対し、いまなお〔無償の〕中等教育を漸進的に導入する段階に達していないのかと尋ねなければならないのであれば、私はどの国がそれを達成できるだろうかと自問しなければなりません」「経済的手段がないという理由で中等教育へのアクセスを否定される生徒は一人もいないと請け負っていただけるでしょうか。一人の生徒も、です」と日本政府に詰め寄りました。

 こうした審議の後、社会権規約委員会は、最終見解を採択し、「提言及び勧告」の冒頭で、13条2項(B)(C)の留保の撤回の検討を求めました。

 日本は、世界から高学費政策の転換を迫られているのです。

 日本政府は、この勧告に対する回答を第3回報告として今年6月末までに提出しなければならなかったのですが、まだ提出していません。(誠)

(出所:日本共産党HP 2006年10月11日(水)「しんぶん赤旗」)

教育予算 先進国で最低なの?

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 〈問い〉 日本の教育予算は最低水準」「学費の高さは世界一」という演説を聞きました。本当ですか?(大阪・一読者)

 〈答え〉 本当です。世界と比べると、自民・公明の政治によって教育予算がきわめて低くおさえられ、子どもや父母に重い負担がのしかかっていることが、よく分かります。

 たとえば、OECD(経済協力開発機構、30カ国加盟)の国々をみてみましょう。

 学校や大学など教育機関への公財政支出が、GDPにしめる割合をみると、その国がどれだけ教育を重視しているかが分かります。データのある28カ国のうち、日本は3・4%と最下位です。他は、スウェーデン6・2%、フランス5・6%、アメリカ4・7%など、平均5・0%です(『図表でみる教育』08年版)。

 このもとで、家計に重い負担がおしつけられていることも、データは示しています。大学や短大など高等教育にかかる教育費のうち、家計が負担している割合は、日本は53・4%にのぼります。ところが他の国は、比較的高いアメリカでも36・1%。ヨーロッパ諸国はほとんど家計負担がなく、スウェーデンはゼロです。

 とくに、各国の学費に、その差は歴然とあらわれています。たとえば、日本では、大学の初年度納付金(授業料や入学金など)は、国立大学で約80万円、7割の学生が通う私立大学で平均130万円にのぼります。奨学金は利子つきが中心で、まるで教育ローンのようです。

 一方、OECD諸国では、スウェーデンやフランスなど、3分の1の国は授業料が無料です。ドイツのように一部有料の国もありますが、低廉で、返済しなくてよい給付制奨学金も充実しています。アメリカは、7割の学生が通う州立大学で授業料50万円台ですが、44%の学生が、給付制奨学金を利用しています。

 高校の授業料は、アメリカをふくむほとんどの国で無料です。

 日本の学費の高さは、国際的に異常です。貧困と格差が拡大する中、高すぎる学費で、学ぶことを断念する若者が増えているのは重大です。

 教育を受けることは基本的人権であり、経済的理由で妨げられるべきではありません。若者が新しい知識や技術を身につけることは、社会発展にとっても不可欠な営みであり、社会全体にとって貴重な財産です。

 世界の国々のように、教育予算を増額し、「世界一高い学費」を軽減する政治の実現が、切実に求められています。(久)

(出所:日本共産党HP 2008年11月26日(水)「しんぶん赤旗」)

フランスは大学まで学費が無料って、本当ですか?

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 〈問い〉フランスは大学まで無料って本当ですか? 他国はどうですか? なぜ、無料なのですか?(神奈川・一読者)

 〈答え〉フランスでは、大学まで授業料というものはありません。大学では、約2万円程度の学籍登録料などを負担するのみです。学生の3割は、給付制奨学金を受けています。世帯年収、家族構成、通学距離に応じて5段階の等級をつけて、受給額が決まります。経済的に弱い立場にある学生ほど手厚く援助され、大学に低廉な学生寮や食堂なども整備されています。

 こうした国はフランスだけではありません。先進国といわれるOECD加盟30カ国では、高校の授業料が無償なのは26カ国にのぼり、大学は、北欧3カ国など14カ国です。

 大学の授業料を徴収している16カ国でも、13カ国は給付制奨学金を整備しています。

 高校にも大学にも授業料があり、給付制奨学金もないのは、日本と韓国だけです。

 なぜ、欧州では、学費の無償化が進んでいるのでしょうか。

 欧州では、大学も含め教育を受けることを「人間の権利」ととらえ、その機会を均等に保障するには、学費はできるだけ無償にすべきだとの考え方が、社会に根付いています。国際人権規約(1966年に国連総会で採択)の社会権規約13条2項(b)(c)には、“高校・大学は段階的に無償にする”と明記されています。この条項を認めている国は、154カ国にのぼり、学費の段階的無償化は世界の常識です。

 また、欧州では、教育によって利益をえるのは、学生本人のみならず、社会全体だから、社会が税金で負担するのは当たり前だということが、社会的な合意になっています。ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の「21世紀にむけての高等教育世界宣言」(1998年)は、「社会はますます知識を基本とするようになり、高等教育・研究は、今日では、個人、地域社会、そして国家の文化的、かつ環境的に持続可能な開発のための不可欠の要素」と高等教育の公共的な役割を強調し、高等教育・研究への公的な支援は、不可欠であると指摘しています。

 こうした世界の常識からみると、“学費は、教育で利益を受ける学生本人が負担せよ”という「受益者負担」論を教育に持ち込み、「世界一高い」学費を国民に負担させ、奨学金も貸与制しかつくらない自公政治の異常さが浮き彫りになります。(誠)

(出所:日本共産党HP 2009年1月7日(水)「しんぶん赤旗」)
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日本共産党東京都議団が少人数学級にかんする全国調査結果を発表

2009-03-12 10:31:31 | 国内教育
30人学級実施を要求
都議団 全国調査結果を発表
知事と教育長に申し入れ行う

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 日本共産党東京都議団は十日、都庁で記者会見し、少人数学級にかんする全国調査結果を発表しました。調査は二月に実施し、四十六道府県すべてから回答を得ました。

 党都議団は二〇〇七年一月に同様の調査を実施しており、この二年間の変化も明らかにしました。

 調査結果によると、東京だけ未実施で、(1)二年前と比べても、二十五道府県(以下「県」と表記)が少人数学級の実施規模を拡大(2)九割(四十一県)が小学校一、二年生を少人数学級にしている(3)過半数の二十四県が少人数学級のために教員を独自採用し、十一県は独自に正規教員を採用していることがわかりました。

 会見に先立ち、党都議団は、東京都の石原慎太郎知事と都教育委員会の大原正行教育長に申し入れました。

 申し入れで大山とも子都議団政調副委員長は、少人数学級の実施に踏み出した道府県では子どもの学力向上や欠席日数の減少など生活面でも学習面でも大きな効果をあげているとの党都議団の調査結果を紹介。都として三十人学級に踏み出すとともに、他県では認めている区市町村が加配教員の活用や独自の財政負担で少人数学級を実施する場合、認めるよう求めました。

 大原教育長は「教育予算の大半は人件費で、後の年度の負担を考えると実施できるか悩む」と述べ、大山氏らは「財政的な課題には工夫の余地がある」として、教育面で効果の高い少人数学級の実施を重ねて求めました。

 知事本局の大井泰弘総務部長は「趣旨は知事に伝える」と答えました。

 申し入れには大山氏のほか、曽根はじめ、古館和憲、小竹ひろ子、たぞえ民夫、村松みえ子、河野ゆりえ各都議が参加しました。

少人数学級のメリット、デメリットは?

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 〈問い〉 日本共産党が取り組むべきだとしている少人数学級について、私はとても興味を持っています。そこで少人数学級とはどのようなものか。(1) 少人数学級とは何人から何人なのか、(2) ティームティーチングとの違いは、(3) 学力とどうかかわっているのか、(4) 良いところ、悪いところについて教えてください。(東京・一読者)


 〈答え〉 少人数学級とは、とくに何人から何人というきまりはありませんが、日本は国基準が1学級40人なので、それ以下の未満による学級編制をとるものを少人数学級といっています。たとえば「30人」学級(1学級の最大限を30人とする)、「35人」学級などです。

 ティームティーチングは1学級に2人の先生がつきますが、たいがい特定の教科(算数とか)だけです。

 たとえば小学1年生が40人いる学校で考えれば、「30人」学級制だと、20人、20人の2クラスにわかれてすべての授業で20人の授業となりますが、ティームティーチングだと、特定の教科だけで40人の子どもを複数の教員が教えることになります。

 両者の違いの一つは、全部の教科できめ細かく教えられるか、特定の教科に限定するかです。もう一つあげれば、子どものかかえるさまざま不安や悩み、問題行動をきめ細かくみることができるかどうかという点も、大きいと思います。

 少人数学級が子どもの学習に効果があることは、アメリカなどでの研究で明らかになっています。現場の先生方に聞いても、20人台なら、一人ひとりのつまずきがよくわかるが、30人以上になるとそれがむつかしくなるといいます。ちなみに、「学力世界一」で注目されているフィンランドは、「24人学級」(外国語はさらにそれを半分にする)です。

 「良いところ」は、学習面にしても生活面にしても、子どもをていねいに見られるようになることです。

 「悪いところ」として指摘される主な議論は「切磋琢磨(せっさたくま)がなくなり子どもたちの社会性が育たない」というものです。

 しかし、小規模校などでの1クラス十数人の子どもたちをみても、1クラス十数人から二十数人が当たり前になっている欧米をみても、この議論は成り立たないと思います。

 文部科学省の発表した資料でも、約8割の学校がクラス人数を引き下げたほうが、ティームティーチングよりも効果的とこたえています。少人数学級にして、大勢の子どもやおとなたちと交流する場をつくるなどして社会性の面にも気を配るのが、子どものことを考えたやり方だと思います。(喜)

(出所:日本共産党HP  2009年3月11日(水)「しんぶん赤旗」)

少人数学級の教育効果は?

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〈問い〉 昔は、一学級50人以上がふつうだったと思います。いま、少人数学級がいわれますが、なぜですか? 教育効果はあるのですか?(埼玉・一読者)

〈答え〉 昔と今では、教室の雰囲気はだいぶちがいます。突発的にキレる、立ち歩くなど困難をかかえる子どもも少なくありません。また塾通いの有無で「学力」差もひろがっています。これらは子どもの責任というより、大人社会がつくりだしたものです。こうしたなかで、教員が子ども一人ひとりと丁寧に接することができる少人数学級は切実な願いとなっています。

 すでに少人数学級にした地方では、効果がはっきりあらわれています。たとえば鳥取県(小一・二年と中一年の一部で30人学級)では、小学校では、学級担任の96%、保護者の81%が、少人数学級を「大変よい・よい」と答えています。教員からは、「子どもの活躍する場面が増えた。学習の理解度が把握しやすく、理解不十分な子により多く支援をすることができた」、保護者からは、「心の安定、落ち着きが感じられる。私語がなくなった」などの感想が寄せられています。

 少人数学級の教育効果は、世界でも日本でも認められています。

 アメリカの研究で有名なのは、「グラス・スミス曲線」と呼ばれる、学級規模が小さくなるに従って、学習の到達度、情緒の安定、教員の満足度が高くなるという調査結果です。

 日本教育学会の「学校・学級の編制に関する研究委員会」の調査研究(1999年)では、たとえば中学校の数学では「生徒一人当たりの発言回数が少ない」は「36人以上学級」で81・7%ですが、「15人以下学級」は28・4%にへります。生活面でも、「落ち着きのない生徒が多い」とこたえた教員は、「15人以下」学級23・1%にたいし、「36人以上」学級は49・2%です。調査にあたった学者は「学級規模25人前後を境に教育効果は大きく変わる。学級定員の標準は20人程度とすべき」と述べています。(森)

(出所:日本共産党HP 2004年9月23日(木)「しんぶん赤旗」)
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