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「みのもんたのサタデーずばッと」で日本共産党の小池晃政策委員長が指摘ー後期高齢者医療制度とは何かー

2008-03-10 01:53:43 | 国内政治
後期高齢者医療制度
“うば捨て山”以下だ
TBS系 小池政策委員長が指摘

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 日本共産党の小池晃政策委員長は八日、TBS系「みのもんたのサタデーずばッと」に出演し、政府が四月から実施しようとしている後期高齢者医療制度について各党出席者と議論しました。

 後期高齢者医療制度は、七十五歳以上のお年寄りを国保や健保から追い出し別枠の制度に囲い込むものです。年金から保険料が天引きされるほか、受けられる医療も制限されます。

 小池氏が、「年齢で切り離すというのは、国民皆保険を実施している国では世界でも初めてだ」と指摘すると、みの氏も「うば捨て山だ」と発言。小池氏は、「うば捨て山はお金をとらないのだから、もっと悪い」と強調しました。

 年金からの保険料天引きについても、「『消えた年金』で年金はまともに払わないのに、取り立てだけきちっとやる。振り込めさぎよりひどいくらい」と批判。みの氏は、保険料負担が、全国平均で介護保険料と合わせると月一万円を超える負担になり、保険料を一年以上滞納すると保険証が取り上げられることを紹介しました。

 制度導入時の厚労相だった坂口力衆院議員(公明党)は、「後期高齢者医療制度を維持していける枠組みができたのは評価してもらいたい」と発言。自民党の河野太郎衆院議員も「資産ベースでみれば七十五歳以上が一番大きい。そこに負担してもらうのは間違った制度ではない」と強弁しました。

 小池氏は、年金しか収入のない高齢者が六割だと反論。政府が二〇二五年までに八兆円の医療費削減をいい、そのうち五兆円を後期高齢者で削ろうとしているとし、「お年寄りを狙い撃ちにするのをやめ、むだを削るべきだ」と道路予算や軍事費の削減を主張しました。

 みの氏は、「これから弱っていく方たちを対象にやっていくところに、ちょっと問題があるんじゃないか」とコメント。毎日新聞編集局顧問の岩見隆夫氏も「一番許せないのは隔離政策だ。(後期高齢者医療制度は)隔離政策という思想だ」と批判しました。

(出所:日本共産党HP 2008年3月9日(日)「しんぶん赤旗」)
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今週の国会-参院  与党の横暴を批判しながら、野党・国民の立場で審議正常化へ動く日本共産党-

2008-03-10 01:46:18 | 国内政治
今週の国会
参院 正常化へ動く
共産党、予算・道路で徹底論戦

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 国会は先週、参院予算委員会で二〇〇八年度予算案の審議に入る予定でした。しかし、与党が衆院で採決を強行したのにつづき、参院でも委員長職権により強引に予算委の審議日程を設定、一方で参院最大会派の民主党が欠席戦術をとり、審議入りへのイニシアチブを発揮しなかったことから七日まで四日間にわたり空転がつづきました。

 この異常事態の中、日本共産党は与党の強引なやり方に強く抗議するとともに、与党と民主党の双方に、事態打開のための協議をよびかけました。この努力の中、七日に自民と民主の参院国対委員長会談が実現。十日に予算委理事懇談会を開催することで合意し正常化へ大きく動きました。

 今週の国会は、十日の理事懇談会で審議日程がどのように決められるかが焦点で、早ければ十一日に審議入りする可能性があります。

 日本共産党は、衆院での予算案審議で、道路特定財源、海上自衛隊のイージス艦衝突事故、社会保障費自然増分の毎年二千二百億円抑制政策などを正面からただし、問題点と矛盾を浮き彫りにしてきました。参院では、予算委での基本的質疑とこれにつづく一般質疑、集中質疑を通じ、さらに徹底追及する構えです。

 予算案審議とともに、道路特定財源にかかわる歳入関連法案の審議も焦点の一つです。予算案の審議入りが遅れたことで、ガソリン税の暫定税率十年間延長を盛り込んだ租税特別措置法改定案を審議する財政金融委員会など関係委員会の開催は来週以降にずれ込むことが確実。暫定税率の期限切れとなる今月末までに成立させることは困難な状況になっています。

 自民党の伊吹文明幹事長は六日、「思い切った妥協が必要だ」などとのべたとされますが、日本共産党は、道路特定財源の一般財源化、暫定税率廃止の立場から、徹底した論戦を挑みます。

 また、政府が国会同意人事である次期日本銀行総裁の候補者を七日に提示したことをうけ、十一日に衆参両院の議院運営委員会で総裁候補の武藤敏郎氏と二人の副総裁候補の所信聴取と質疑がおこなわれます。

 元財務省事務次官として、福祉予算削減政策などを進めてきた武藤氏については、日本共産党が「賛成しかねる」(志位和夫委員長)としているのをはじめ、各野党が否定的な立場をとっています。政府は十四日にも衆参本会議での議決をおこないたいとしていますが、野党が多数の参院で否決されれば人事案は白紙に戻ります。

(出所:日本共産党HP 2008年3月9日(日)「しんぶん赤旗」)

国会の視点
審議尽くし問題点明確に
道路特定財源 高まる反対世論

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 ガソリン税の暫定税率を十年延長し、五十九兆円もの税金を高速道路中心の道路建設につぎ込む、政府の道路特定財源関連法案―。政府・与党は二〇〇八年度予算案とともに衆院で採決を強行しましたが、国会論戦を通じて、これに反対する国民世論は増えつづけています。参院では、さらに問題点を徹底審議し、一般財源化に足を踏み出すことが求められています。

深まる不信
 今月に入って発表された世論調査を見れば、多くの国民が道路特定財源に固執する政府案に納得していないことは明白です。

 「朝日」の四日付の世論調査では、一般財源化に「賛成」が59%で、「反対」が30%。前回二月調査よりも「賛成」は5ポイント増え、逆に「反対」は5ポイント減少しました。ガソリン税をめぐる問題での福田首相の姿勢や対応についても、「評価する」18%に対し、「評価しない」は66%にものぼります。世論は政府案に理解を示すどころか、逆に不信を深めていることは明りょうです。

 「毎日」三日付の世論調査でも、「中期計画」に沿って道路整備を進めることには「賛成」19%、「反対」75%と圧倒的多数が政府案に疑問の意思を示しました。

 これらの世論調査には、積算根拠も示せない「中期計画」の問題点や、道路だけを特別扱いして、課税を続ける道路特定財源の不合理さが審議の中で次々と明らかになるなど、あまりにもずさんな政府案の実態が反映されています。

 「中期計画」は、バブル期に作られた一万四千キロの高速道路建設に加え、約七千キロの大型道路や東京湾口道路など六つの海峡横断道路まで候補路線として盛り込まれています。これには、与党議員も「まだつくるのか」と、あきれるほどです。

努力見えず
 国会審議の過程では、政府自身も「見直し」や「修正」を口にする場面が増えています。ならば、政府案を根本から見直させるための徹底審議こそ求められます。

 それなのに、政府・与党は、衆院での採決強行につづき、参院でも、予算委員長が「職権」で、委員会審議の日程をごり押しするなど、まともな審議実現への努力をまったく見せていません。

 一方で、野党の側にも「一週間は審議に入れない」(民主党の山岡賢次国対委員長)というような態度があります。これでは、道路問題での徹底審議でさらに政府を追い詰めるチャンスをみすみす逃してしまうことになります。

 国会にとって、さらに野党にとって最も大事なのは、徹底した審議をおこない、法案の問題点を明確にすることです。とくに現在は、道路問題だけでなく、イージス艦衝突問題、福祉や暮らしの立て直しなど、徹底した審議が必要な課題が山積しており、一刻も早く参院予算委員会での審議に入ることが必要となっています。 (佐藤高志)

(出所:日本共産党HP 2008年3月5日(水)「しんぶん赤旗」)
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日本共産党の志位和夫委員長の報告ー情勢をどうとらえ、どう活動するかー

2008-03-10 01:25:56 | 国内政治
幹部会への志位委員長の報告

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 日本共産党が4日に開いた幹部会で志位和夫委員長がおこなった常任幹部会報告と討論のまとめは、次の通りです。

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 みなさん、おはようございます。私は、常任幹部会を代表して、幹部会への報告をおこないます。

 この幹部会を開いた目的は、昨年9月の5中総決定、12月の幹部会決定をふまえ、この間の情勢の特徴を共通の認識にするとともに、総選挙勝利をめざす活動の強化方向を明らかにすることにあります。

一、情勢をどうとらえ、どう活動するか
 報告の第一の主題として、情勢をどうとらえ、どう活動するかについてのべます。

 5中総決定では、参議院選挙で自公政権が歴史的大敗を喫し、そのゆきづまりを深刻にするもとで、「どの問題をとっても、わが党の綱領と日本改革の方針が、こんなに情勢とかみあい、情勢と共鳴しつつあるときはない」――綱領と情勢とが響き合う新しい状況が生まれていることを強調しました。そのことは、今年に入ってからの情勢の展開によって、いよいよ鮮やかに裏づけられています。

「大企業から国民・家計に軸足を移せ」――この主張が当たり前の声に

 第一に、「ルールなき資本主義」――極端な大企業中心主義の異常をただす、経済的民主主義の改革にかかわるいくつかの問題について報告します。

 小泉・安倍政権がすすめた「新自由主義」の暴走のもとで、貧困と格差が劇的に拡大し、綱領がさししめす経済政策の民主的転換が、いま、これまでにない広い国民の気持ちをとらえ、国民の声になりつつあります。

雇用問題――労働者派遣法の抜本改正へ、いまが攻め時

 まず雇用問題についてであります。

 いま日本社会を覆う貧困の広がりの根源には、人間らしい雇用の破壊があります。この間、わが党は、深刻な社会問題になりつつある派遣労働問題について、抜本的な法改正の必要性を提起し、その実現のために力をそそいできました。全国の労働者のたたかい、わが党の一連の国会論戦をつうじて、派遣労働の規制緩和から、規制強化の方向に踏み出す潮目の変化が生まれつつあることは重要であります。

 とくに衆院予算委員会で、わが党がこの問題を追及し、福田首相に、労働者派遣法の自由化がつくりだした日雇い派遣、派遣労働者の急増などは、「決して好ましいものではない」と答弁させ、キヤノンなどの違法・逸脱行為についての調査を約束させたことは、財界が求めてきた労働法制のいっそうの規制緩和への大きな打撃になるとともに、派遣法の抜本改正を求める世論を広げるものとなっています。

 わが党の質問にたいして、派遣労働という「人間使い捨て」の労働に苦しむ若者などから多くの激励と共感の声が寄せられ、インターネットでも反響がおこっています。法改正にむけて、政治的立場の違いをこえた広い共同がつくられつつあります。派遣法を踏み破る違法・逸脱行為をおこなってきたキヤノンが、国会質問を受けて、直接雇用増の方針を打ち出すなど、一定の手直しをせざるをえない状況もつくりだされつつあります。

 労働法制の規制緩和に一貫して反対をつらぬいたのは日本共産党だけでした。とくに派遣労働を原則自由化した1999年の法改悪に断固として反対したのはわが党だけでした。ところが、その主張がいまや多くの国民と広く響き合い、政府・財界を追い詰める情勢が展開しているのであります。

 この問題は、いまが攻め時であります。もちろん財界による新たな逆流のもちこみも予想され、この問題の帰趨(きすう)は今後のたたかいにかかっていることを、強調しなければなりません。労働者派遣法改正をはじめ非正規雇用の問題の解決を、国民的課題として重視し、職場でも、地域でも、この問題にとりくみ、非正規雇用労働者の結集と組織化、たたかいの発展に力をつくすことをよびかけるものです。

社会保障――後期高齢者医療制度、社会保障費抑制路線の撤回を

 つぎに社会保障の問題についてのべます。

 2006年度に強行された「医療改革」法が、実施に移されるもとで、医療荒廃の深刻化が、社会保障の矛盾の集中点になっています。

 とくに4月に実施が強行されようとしている後期高齢者医療制度にたいする国民の怒りは、燎原(りょうげん)の火のごとく全国に広がっています。制度の「中止・撤回」「見直し」を求める地方自治体の決議は、512自治体と全国の自治体比で27・5%、反対署名は350万人に広がり、自治体がおこなう制度の「説明会」は抗議集会となり、年金からの天引きの通知が届けられるなかで、広域連合や自治体への怒りの問い合わせが殺到しています。

 この制度の最大の不合理性、非人間性は、75歳という年齢を重ねただけで、健保や国保から無理やり脱退させられ、別制度の中に囲いこんで、負担増・給付減を強いるという、世界に類のない差別医療というところにあり、国民の怒りもそこに集中しています。若い世代にとっても、この制度は、現在加入している健康保険が生涯保険ではなくなり、75歳で断ち切られてしまうことになります。「世代間の公平」の名のもとに差別医療を押し付けるこの企てにたいして、若い世代と高齢者が連帯し、国民的連帯を広げて、これを打ち破るために力をつくそうではありませんか。

 わが党は、社会保障切り捨ての根本にある社会保障費抑制路線――小泉内閣の「骨太の方針」以来つづけられてきた社会保障費の自然増を毎年2200億円ずつ削減する路線にたいして、一貫してその撤回と転換を求めてきましたが、この間、厚生労働大臣が「マイナスシーリングをやめたい」と言い出し、首相も「これを続けることは難しい」と認めざるをえなくなりました。「だから消費税増税が必要だ」という議論に誘導しようという動きへの強い警戒が必要ですが、政府がこの抑制路線の破綻(はたん)を自ら認めた意義は大きいものがあります。その撤回と転換を強く求めてたたかうことが大切であります。

道路特定財源――59兆円の「道路中期計画」の是非が問題の焦点

 つぎに道路特定財源の問題について報告します。

 わが党は、この問題の核心は、むこう10年間で59兆円の税金を道路につぎこむ「道路中期計画」――「総額先にありき」という方式で際限なく高速道路をつくり続けるのか、その仕組みをやめるのかにあることを、一貫して追及してきました。

 わが党は、国会論戦で、「道路中期計画」には、1万4千キロの「高規格幹線道路」にくわえて、7千キロ近い「地域高規格道路」が含まれ、その「候補路線」として東京湾口にもう一本の海峡横断道路を架けるなど、全国で6つの海峡横断道計画などもあることを明らかにするとともに、これが採算も見通しもない無謀な計画であることを強く批判し、その撤回を迫ってきました。これはわが党ならではの追及であります。この追及によって、問題の焦点は59兆円の「道路中期計画」の是非にあることが、広く明らかにされたことは重要であります。

 綱領は、「むだな大型公共事業」をただし、「国民のくらしと社会保障に重点をおいた財政・経済の運営をめざす」ことを明記しています。わが党はこの立場から、道路特定財源を一般財源化し、無駄な道路建設を加速している暫定税率は廃止し、「道路中期計画」を撤回することを強く求めてきました。さらに、二酸化炭素の排出量を考慮した環境税の導入を提案してきました。この方向こそ、国民の声にこたえた道理あるものであることが、浮き彫りになっています。

マクロ経済政策でも、「綱領と情勢の響き合い」が

 つぎにマクロ経済政策についてのべます。

 わが党は、「企業が栄えれば、めぐりめぐって家計に波及し、国民生活がよくなる」という、大企業中心の「成長」シナリオを強く批判し、この路線では、国民のなかに貧困と格差を広げるだけでなく、日本経済の前途も立ち行かなくなると警告し、「大企業から家計・国民に経済政策の軸足を移せ」と主張してきました。この論戦は一定の決着がつきました。この間、政府も、「企業の体質は格段に強化された」が、「家計への波及が遅れている」と、とうとう大企業中心の「成長」シナリオの破綻を事実上認めるにいたりました。

 大企業中心、外需頼み、家計置き去りでは、日本経済に先がないということは、いまや広く常識になりつつあります。日本経済新聞の経済コラム「一目均衡」では、「経済政策を『改革』する時」と題して、輸出から内需――家計部門と個人消費に目を向ける重要性を強調し、「大企業から家計へ経済政策の軸足を移せ」と説きました。言葉づかいまで、わが党と「響き合う」論説が出ました。

 少し前までは、政府は、「国際競争力」論などをもちだし、大企業応援政治を合理化してきました。しかしいまや、それは簡単には通用しなくなりつつあります。「大企業は社会的責任を果たすべき」という声が、当たり前の声になりつつあります。ここにも「綱領と情勢の響き合い」がおこっています。

 以上、雇用、社会保障、道路特定財源、マクロ経済政策など、いくつかの角度から見てきましたが、どの問題でも綱領の立場が、広い国民に当たり前の主張として受け入れられる情勢が進展しています。

 この情勢の特徴をよくとらえて、貧困と格差の打開をめざし、各分野での国民運動の発展のために、おおいに力をつくそうではありませんか。綱領がしめす経済の民主的改革の内容をおおいに語ろうではありませんか。

アメリカいいなり、軍事優先でいいのか――ここでも国民世論の変化が
 第二に、異常な「アメリカいいなり」政治――軍事優先政治をめぐって、この間、深刻な問題がつづけておこり、ここでも政治の根本からの転換を求める声が広がっています。

イージス艦衝突事件――軍事優先、隠蔽体質、対米従属の軍隊の本質をただす

 海上自衛隊のイージス艦が、千葉県沖で漁船に衝突・沈没させた事件に、国民の大きな怒りが集中しています。この事件は、防衛省・自衛隊がもつ深刻な体質的な問題点を明るみに出しました。

 一つは、軍事優先体質であります。防衛省の発表によっても、イージス艦は漁船を「12分前」に発見していながら、その後11分間は自動操縦のまま直進し、衝突直前まで何ら回避措置をとりませんでした。艦長は「あの海域で漁船が多いとは理解していなかった」というあきれ果てた発言をしました。ここには「そこのけ、そこのけ、軍艦がとおる」という、許しがたい軍事優先の姿勢があらわれています。

 いま一つは、情報隠蔽(いんぺい)体質であります。防衛省は、当初は漁船を「2分前に発見」と発表していたのを、「12分前に発見」に変えました。その情報も丸一日隠しました。海上保安庁にも断らずに航海長の事情聴取をおこない、その事実を隠し、明るみに出たあとも事情聴取の内容を「覚えていない」などとのべました。発表が二転、三転し、情報隠蔽の体質が露呈しました。

 わが党は、被害者の捜索に手をつくすとともに、真相の徹底究明をおこない、これらのゆがんだ体質を根本からただすことを強く求めます。被害者への補償はもとより、漁を休んで仲間の捜索に全力をあげてきた地元の漁業関係者に、政府が適切な補償をおこなうことを強く求めるものであります。

 防衛省・自衛隊のゆがんだ体質の根底に、対米従属の軍隊としての自衛隊の本質があります。イージス艦は、アメリカの先制攻撃戦略の一翼を担うミサイル防衛の柱とされている軍艦であります。また、米空母の護衛をその本来の任務としている軍艦であります。そこから日本国民の命と安全よりも、米軍事戦略の一翼を担う仕事を優先する姿勢が生まれてくることを、明らかにしていく必要があります。

 さらに、この事件は、東京湾の入り口の横須賀に、巨大な米空母の母港がおかれ、海上自衛隊の基地が存在するという問題を、このまま放置しておいていいのかを、きびしく問うものとなっていることを、強調しておきたいと思います。

米軍基地問題――全国が連帯して、「米軍再編」反対、基地縮小・撤去を

 つぎに米軍基地問題についてのべます。

 この間、沖縄で米海兵隊員による女子中学生暴行事件が起こりました。沖縄では、県議会と全市町村で抗議決議が採択され、怒りが島ぐるみでわき起こっています。被害少女の告訴取り下げにより、米兵が釈放されましたが、起こった事実に変わりはありません。「琉球新報」が「被害者に代わり糾弾を 事件に募る怒り」と書きましたが、これが県民の思いであります。県民大会は、被害者の気持ちを酌み、名称を「米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する県民大会」と変えて、開催されることが確認されました。

 福田首相は、この問題で、来日した米国務長官に抗議もせず、「綱紀粛正、再発防止」を繰り返すだけであります。しかし何度それを繰り返しても解決しないことは、これまでの経過が証明しています。「再発防止」というなら、海兵隊撤退、基地縮小・撤去しか、その保証はないことは、いまや明らかであります。

 「米軍再編」をめぐっては、今年が正念場の年になっていることを、強調したいと思います。山口県の岩国のたたかい、神奈川県の横須賀・座間のたたかいなど、全国の基地強化反対のたたかいを強め、連帯して、「米軍再編」の名による基地強化を許さず、基地の縮小・撤去のためのたたかいを大いに発展させることを訴えるものです。

「日米同盟」絶対論――国民世論にも、世界の流れにも逆行

 これらの問題をめぐっても、政府がこれまで唱えてきた「日米同盟」絶対論が、簡単には通用しない状況が生まれています。

 米軍、自衛隊のあいつぐ暴挙にたいして、「米軍基地が日本に必要か」「イージス艦が必要か」という根本のところから、批判の声がわき起こっています。沖縄の事件がおこった直後に、全国革新懇として抗議の街頭演説をおこないましたが、そこで実施された「一言アンケート」でも、「もう基地はいらない」という声が多数寄せられました。

 さらに東南アジア友好協力条約(TAC)の巨大な発展が象徴するような、アジアと世界でおこっている平和の激動をみれば、日本の異常な逆行ぶりはいよいよきわだってきます。

 軍事同盟もない基地もない独立・平和の日本をめざすわが党の綱領の立場が、国民に広く受け入れられる条件が存在する――ここでも情勢との響き合いが起こっていることに確信をもって、基地問題、海外派兵問題、憲法問題など平和を守るたたかいを、さらに発展させようではありませんか。

「二大政党づくり」の動きの現状をどうとらえ、どうたちむかうか
 つぎに「二大政党づくり」の動きの現状をどうとらえ、どうたちむかうかについて報告します。

 昨年12月の幹部会では、「大連立」の動きを分析して、民主党が自民党と「同質・同類の党」であること、自民党との連立政権を選択肢とする政党であることを自分で証明したと指摘しました。

 いまの政党状況の特徴は、行き詰まった自民党政治を反動的に打開する方策として「大連立」、「政界再編」の可能性を常にはらみながら展開しているところにあります。

 たとえば、今年に入って、自民・民主両党の党大会が、相次いで開催されました。ところが、両党の大会では、あれほど物議をかもした「大連立」の話は、まったく触れられませんでした。そのことを「毎日」は、つぎのように指摘しています。「大連立問題は、どちらの大会でも両党幹部は一言も触れず封印された。……大連立論議を回避する不自然な沈黙が、政界の疑心暗鬼を象徴していた」。あれほど世間を騒がせた「大連立」の問題を、両党ともまったく封印して一言も言わないところに、これがいつでも再燃しうるものであることが、しめされています。

 それから、「政界再編」をにらんだ自公民の国会議員連盟が、雨後の竹の子のように、つぎつぎにつくられています。昨日(3月3日)、自民、民主、公明、国民新党の議員107人が参加して、「せんたく議員連合」なる議員集団がつくられました。報道によれば、今日(3月4日)、中曽根元首相を会長に、自民党の伊吹幹事長、安倍前首相、民主党の鳩山幹事長、前原前代表など両党の中枢政治家が参加して「新憲法制定議員同盟」の新役員体制が発足するということです。この「議員同盟」は、憲法改定にむけて憲法審査会の始動をめざすとしています。

 民主党は、当面は「大連立」を封印し、「対決戦術」をとっています。しかし「対決」というが中身はない。これが特徴です。

 前国会(臨時国会)をふりかえりますと、民主党は、あれほど「憲法違反」と断じて反対した新テロ特措法についても、最後の段階で、海外派兵の恒久法の制定などを規定した、政府案より危険な「対案」を提出し、自公による法案強行を事実上手助けする政治的姿勢をしめしました。

 いま焦点とされている道路特定財源問題でも、民主党が提出した「対案」(「民主党の道路政策大綱」)には、「道路整備計画の見直し」という表現はありますが、59兆円の「道路中期計画」の撤廃を求めるという立場はありません。民主党は、道路特定財源を一般財源化し、暫定税率を撤廃するといいながら、「道路はつくりつづける」という立場ですが、これでは財源の説明がどうしてもつかなくなります。無駄な道路建設に根本からのメスを入れられないという点では、民主党は自民党と同根の弱点をもっています。

 さらに自民・民主両党が、海外派兵の恒久法の制定と憲法9条改定、2009年度を事実上の目標においた消費税増税という二つの国政の大問題で、反動的な接点を明瞭(めいりょう)にしていることを、強く警戒しなければなりません。

 わが党は、自民・民主の合作による、平和を壊し、暮らしを壊す、間違った政治に、正面から立ちはだかり、国民とともにそれを許さないたたかいに全力をあげるものです。

日本共産党という党名にこめられた未来社会への展望を語ろう
 つぎに綱領がしめす未来社会論にかかわって、若干のことをのべます。

 この間、私は、「しんぶん赤旗」の新春企画として、経済同友会終身幹事の品川正治さんと対談をする機会がありました。憲法、外交、経済の問題など、さまざまな分野で、意見の一致をみましたが、この対談の最後に、品川さんが、「資本主義もゆきつくところまできた感じがします。新しい社会主義というものを考えざるをえなくなります。それも日本共産党のいうようにソ連型ではないものを」という趣旨の発言をされたのは、長く経済界の重鎮として活動してこられた方の発言として、たいへん印象深いものでした。

 いまラテンアメリカですすんでいる民主革命の過程においても、ベネズエラ、ボリビア、エクアドル、ブラジルなどの一連の国々で、「21世紀の社会主義」、「新しい社会主義」への探求がはじまっています。その内容は模索の過程にありますが、資本主義を乗り越え、ソ連型社会でない自由で民主的な体制を志向し、新しい社会体制への移行は議会での多数をえて国民合意ですすむということなどでは、共通した方向性がみられます。

 21世紀の世界の資本主義の現状をみれば、地球的規模での貧困と格差の拡大、地球環境問題、投機マネーの暴走など、深刻な矛盾がみられます。これらは、まず資本主義の枠内でも、国際的な民主的規制が探求されるべき問題です。とくに地球環境問題の解決の道筋をつけることは、待ったなしの課題となっていることを、強調しなければなりません。同時に、これらの諸問題は、利潤第一主義という資本主義の体制のもとでは、その根本的解決をはかることは困難であることも事実でしょう。

 こうしたもとで「新しい社会主義」への探求が、世界でも、日本社会のなかからも、さまざまな形で起こっていることは、綱領が、21世紀の世界を、地球的規模で「資本主義を乗り越えて新しい社会をめざす流れが成長し発展することを、大きな時代的特徴としている」と特徴づけていることを裏付けるものにほかなりません。

 こうした世界の大きな動向にも目を向けながら、日本共産党という党名にこめられた未来社会の展望を、おおいに語ることの重要性も強調したいと思います。

(出所:日本共産党HP 2008年3月6日(木)「しんぶん赤旗」)
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