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乗鞍岳への自転車道

40歳で突如、自転車乗りになろうと発心して早15年。CAAD9少佐と畳平へ駆け上がる日はくるのでしょうか。。。(汗)

はじめてのパンク! 笹子峠越え

2006年10月31日 | 自転車旅

輪行も一度体験し、少しは様子がわかってきましたので、

またまた遠乗りに出かけてしまいました。

今回の行き先は、甲州街道の難所として知られる、山梨県の笹子峠です。

と、申しましても、甲州街道(国道20号線)も、中央本線も、中央自動車道も、

全部の路線が長大なトンネルで峠をパスしている現代においては、

笹子峠というよりも、笹子トンネルの名前のほうがなじみがあるかもしれません。

わたくしが目指すのは、旧甲州街道の笹子峠なのでございます。

しかも、当初の予定では、自宅から峠越えまでを、すべて実走するつもりでした。

朝9時、高尾の自宅を出発。

甲州街道を、西へ西へと進みます。すぐに、高尾山を南側から巻く峠道、

大垂水峠の登りに差し掛かりますが、この峠は、ふだんから走り慣れているので

様子はわかっております。

それなりに息をきらしつつも、なんとかパスいたしました。

大垂水を越えて、神奈川県に入り、細長い相模湖に沿って山梨方面へ進みます。

中央自動車道の相模湖ICを過ぎるまでは、大型トラックの交通量が多く、

ストレスを感じる道なのでございます。

わたくしの予想では、相模湖ICを過ぎればトラックも減り、走りやすくなるだろうと

思っていたのでございましたが、、、

ところが、相模湖ICを過ぎても、それなりにトラックが多いのでございます。

藤野駅を過ぎても、上野原駅を過ぎても、トラックの量は減りません。

高速代を節約するために、一般道を走るトラックがある程度はある、、、ということに、

わたくしは、このとき初めて気がつきました。

それでも、いつか走りやすくなることを信じて、必死にペダルをこぐわたくしでしたが、、、

街道沿いで、空気は悪いし、それなりにアップダウンもあります。

オエッって感じなのです。

四方津駅を過ぎ、梁川駅に差し掛かる頃には、もうすでに、

街道走りが嫌になってしまいました。

笹子峠までの残り駅の数を数えてみますと、、、鳥沢、猿橋、大月、初狩、笹子、、、

ウエッ、まだあと5駅もある。

わたくしは、次の鳥沢駅で輪行しようと決めました。

鳥沢駅で時刻表を見ると、ちょうどいい具合に電車があります。

わたくしは急いでCAAD9少佐を袋に入れて、笹子までの切符を買い、

電車に乗り込みました。

車窓を流れる景色を眺めつつ、頭の中で移動距離を思い浮かべます。

鳥沢から笹子まで、20km弱。実に中途半端な距離でございます。

こんなことなら、高尾から輪行すればよかったものを、、、

平日の甲州街道の様子も調べず、飛び出してくるからこういうことになるのです。

Map_3

笹子駅に降り立ちますと、そこは駅前といってとくになにもない、素朴な山里でした。

駅のすぐ前が甲州街道です。

駅から旧道の入り口まで約2.5km。

がんばって走ろう!と勇気をふるいおこし、国道に合流。

もうこのあたりになると、峠に向けて上り坂が始まっています。

トラックに追い越されながら、必死に坂道を上がります。

前方に、笹子峠の行き先を示す看板が見えました。旧道の分岐です。

わたくしは、国道から分かれて、旧甲州街道へと進んでいきました。

旧道に入ると、すぐに道は傾斜がきつくなります。

クルマ一台通るのがやっと、、、という感じの狭い道。

1kmほど進むと、もう人家はなくなり、杉林の中の林道となります。

(あら? この感じ、、、どこかと似ている、、、どこかしら?)

(あ! 和田峠に似ているんだわ!)

そうです。この旧甲州街道は、和田峠に雰囲気がよく似ています。

和田峠ほど急傾斜ではありませんが、山の植生や、道のうねり方などが

実に共通しているのでございます。

高尾陣馬山塊の和田峠と、大菩薩山稜の南端である笹子峠では、

ちょっとスケールが違いますけれども、、、

そうこうするうちに、もうだいぶ上りました。

杉の植林だった周囲の森は、広葉樹に変化してきました。

紅葉には、まだちょっと早いようですが、かすかに色づいた葉に

秋の斜光が輝いて、とてもうつくしいのです。

斜度もそれほどきつくはなくて、ロードバイクでもさして苦労はありません。

ときどき、SCの心拍計がピーピー鳴ったりしますけれども、

実に快適な峠越えです。

ちなみに、旧道に入ってからというもの、一度だけバイクのおじさんとすれ違っただけで、

クルマにはまったく出合いません。

静寂な森の中を、ひたすら登ってゆきます。

やがて前方に、レンガ造りの、古いトンネルが見えてきました。

笹子隧道です。このトンネルは、昭和33年に新笹子トンネルができるまでは、

甲州街道の幹線として利用されてきたものだそうです。

P1010168

入り口付近の解説板によりますと、この笹子隧道ができたのは、昭和13年、

戦前からあるトンネルだったのですね。

有形文化財に指定されている、、、とあります。

このトンネルが掘られる以前は、、、たとえば、明治大正時代なんかは、

尾根を越えて人々が行き来していたことになるのです。

せっかくのなので、少佐入りのスナップを一枚、、、

P1010160

さてさて、、、この先、勝沼方面に下るためには、当たり前のことですが、

このトンネルを抜けていかなくてはいけません。

写真にも写っていますが、トンネルの先に、小さく、反対側の入り口の明かりが

見えています。

延長239mということですが、これがまた、けっこう怖いのでございます。

路面の状態なども、ほとんどわかりません。

とはいえ、無鉄砲なわたくしですから、ここでおめおめと引き返すことなど

できるはずもありません。

わたくしは、エイヤッとばかり、トンネルの中へと突入いたしました。

うひゃ~! 真っ暗です。暗いです。怖いです。

見えるものといったら、出口の小さい円だけ。

自分がまっすぐ走っているのかもわかりません。

しかも、天井が水滴がぽたぽたと落ちてくるたび、ひえ~!っとなってしまうのです。

路面はかなり悪く、ボコッ、ドカッと出っ張りに乗り上げます。

やっとの思いで勝沼側に抜けることができました。

ふう。なんとか、本日のメインイベントを終了しました。

ここからは、甲府盆地へ向かって、長い長い下り坂。

大月側よりも、多少紅葉が進んでいる感じがする気持ちよい林の中を、

さっそうと下っていきました。

そして、新笹子トンネルを越えてきた甲州街道に再び合流し、

一面にぶどう畑が広がる勝沼の町へ。

すっかりお腹も減りましたので、甲州名物の「ほうとう」を食べて、

勝沼ぶどう郷駅から、輪行して高尾へと戻ったのでございました。

実走距離は、前半が39km、後半が25km、合計で64kmでございました。

めでたし。めでたし。

Map2

・・・と、なるはずだったのでございますが、、、

ほうとうを食べ、お腹もいっぱいになって、あとは輪行して帰るだけと思っていた矢先、

お店を出て走り出したとたん、CAAD9少佐のご様子に、なにか不穏なものを

感じたのでございます。

なんだろう、、、この、引きずられるような、嫌な感触は、、、

ふと、足元を確認すると、、、うぉーーー! 後輪がパンクしているではありませんか!

さっきまで、なんともなかったのに。

これは、峠からの下りで、道がけっこう荒れていたので、リム打ちをやってしまったか。

ものすごいショックなのでございます。

しぶしぶ、道脇の空き地へ避難し、スペアのチューブと交換。

わたくし、パンクの修理は、家でシミュレーションしたのを除きますと、、、

つまり、実際にパンクをやらかしてしまったのは、今回が初めての経験です。

頭の中が真っ白になりかけているのを、なんとか理性を取り戻し、

タイヤレバーを差し込んで、タイヤをはずして、、、

どこぞの出版社の『ロードバイクメンテナンス入門』のひとコマを思い出しながら、

手を真っ黒にして、チューブの交換です。

そして、携帯用のポンプでもって、空気を入れていくわけなのですが、、、

入れても入れても、ぜんぜんタイヤが硬くならない。

シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ

シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ

シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ

入れても入れても、硬くなりません。

わたくし、これまで、自転車というものは、下半身の筋力は鍛えられますけれど、

上半身の筋肉はあまり使わないのだわ~、、、などと、悠長に考えておりましたが、

上半身の、、、特に、上腕の筋力というのは、こういう抜き差しならない場面で

有無を言わさず鍛えられるのですわね~。

左手でポンプを押さえ、利き腕の右手で空気を送り込みます。

がんばれ! 右手くん! 夕方までに帰れるかどうかは、君に懸かっている!

ああ、、、しかし、、、右手くんのがんばりも、そう長くは続きません。

今度は、左手くん! 君だ! 君の出番だぞ!

右手でポンプを押さえ、よわよわの左手で空気を送り込みます。

シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ

シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、、、終了。。。

左手くんは、右手くん以上に根性なしなのでございます。

こうして、右手くんと左手くんに、交互にがんばってもらいながら、

CAAD9少佐の後輪は、しだいにいつもの調子を取り戻してまいりました。

まだ空気圧は足りないと思いますが、もう両腕は限界です。

それに、少しはタイヤの感触も硬くなっていましたので、これで駅まで

だましだまし走ることにしました。

リム打ちしないように緊張しながら、勝沼ぶどう郷駅への坂道を登り、

ようやく、駅に到着。

そうして、本日二度目の輪行で、高尾へと戻ったのでございます。

いやはや、、、ひと筋縄ではいきませぬ。

CAAD9少佐と共に進む自転車道は、かくも困難続きなのでございました。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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うり坊様 (End)
2006-10-31 12:51:58
うり坊様

はじめまして。
Endです。

私は6月からマウンテンバイクを乗り始め、ここ2月ばかり峠(神奈川在住のため宮が瀬など)に行くようになり、ロードバイク(R800)が欲しくなりました。そして、ネット検索中にうり坊さんに出会いました。
ブログの楽しさに抱腹絶倒の毎日で、妻にも読めとすすめ家庭円満のネタになっています。
(うり坊さんが走っている場所もわかるので楽しさ倍増です。)

自転車中毒に犯されてる状態で寝てもさめても自転車、自転車で妻と子供にあきれかえられています。
結果、CAAD9 CLRを注文してしまいました。(11月中旬には手元にある予定です。)
息子たちには「2台もどうするの?置く場所ないじゃん。何で買ったの?」と言わていますが、
めげずに欲しいものリストを見てニヤニヤしています。
なんで自転車はあんなに楽しいのでしょうか。
家族にも友達にも自転車の輪を広げていきましょう。

いつの日かシャーッと峠を上れることを夢みて、
これからCAAD9でエッチラオッチラ上っていこうと思います。
(でもツーリング志向のためペダルはMTB用です)

これからも、よろしくお願い申し上げます。



これから、よろしくお願い
返信する
Endさま、コメントをいただきまして、ありがとうご... (うり坊)
2006-10-31 16:03:43
Endさま、コメントをいただきまして、ありがとうございます。
Endさまも、最初はR800をご所望でしたの?
そして、CAAD9のCLRをご注文とは、、、ご縁がありますわ~。
納車は11月中旬でいらっしゃいますか。楽しみですわね~。

Endさまは神奈川ご在住。。。
宮ヶ瀬湖クライムがトレーニングコースなのでございますね。
宮ヶ瀬湖も、いいところですよね。
なんといっても、道路の状態がいいですわ。
和田峠や小仏峠は、自動車用の道ではなく、単に登山道をコンクリートで
固めたようなところがありますから、けっこう路面の状態がわるいのでございますよ。
Endさまと奥様、これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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