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乗鞍岳への自転車道

40歳で突如、自転車乗りになろうと発心して早15年。CAAD9少佐と畳平へ駆け上がる日はくるのでしょうか。。。(汗)

小学生チャリダー おそるべし!

2006年10月13日 | トレーニング

ここ一週間ばかり、富士川ライドへは着いて行くは、八ヶ岳には遊びにでかけるは、、、、

ちょっと、その生活態度は、社会人としてどうなのよ?

アンタ、そんな日常を送れるほど、生活に余裕あるの?

、、、みたいな、世間様のスルドイ視線を、感じている今日このごろ。。。

言い訳してもしかたないのですが、おそらく、世間様の想像以上には、

わたくしなりに、労働もしているつもりなのでございます。

世間様がお休みになっていらっしゃる深夜、わたくしは、2台のPCを

縦横無尽に操り、HDDをブンブンいわせて働いているのでございますよ。

それなのに、、、そんな批難がましい目で見ないでくださいませ。。。

などと、不本意な思いを抱きつつも、トレーニングをサボるわけにはまいりません。

今日は、ランチに巨大なナン付きのインドカレーセットを食べてしまい、

胃のあたりがかなり苦しいのではございますが、、、

とりあえず、小仏アタックを、軽く1往復やっとこうと思い、

CAAD9少佐といっしょに出かけました。

    *    *    *    *    *    *

いつものように、甲州街道から、旧道(小仏道)へと左折。

ここから小仏アタックがスタートします。

前方100mくらいのところには、小学校5~6年生くらいと思われる男の子が二人、

楽しげに会話しながら、並んで自転車で走っていました。

先方は、ギアなんて1コもついていない、ナンチャッテな子供用自転車。

こちらはCAAD9少佐でございますから、当然、すぐに追いつくだろうと思っていたのですが、、、

これが、、、なんとも、、、子供のくせに、ものすごいパワーなのでございます。

けっこうな急坂をもろともせず、ゲラゲラ声を上げて笑いながら上っていきます。

(ど、、、どゆことですの? わたくしのマシンは、フロント2段、リア10段の変速付き、

かつ、アルミニウムの王と名高い、CAAD9少佐なのに、、、)

わたくしは、額に汗しつつ、グイグイとペダルを踏みました。

この小学生男子二人に、異常なまでの闘争心を駆り立てられたのでございます。

しかし、敵もさるもの。短い下りのカーブに差し掛かると、おもいきりクランクを回し、

鮮やかなラインどりで走り去ります。

一方、わたくしのほうは、運わるくトラックとのすれ違いで、一時停止を余儀なくされ、

その間に、小学生男児たちは、ぐんぐんと距離を稼いでいくのです。

わたくしは焦り始めました。

なにせ、あの小学生たちときたら、やたらと命知らずなのでございます。

前方からトラックが来ているのに、その脇に、見事なコーナーワークで突っ込んでいくのです。

フンベツのある大人には、到底、真似のできない荒芸当でございます。

そうこうしているうち、やがて前方に、急傾斜の坂が迫ってきました。

(フッ この急坂で、いっきに追い抜いて差し上げますわ。。。)

わたくしは、ここで勝負をかけることにいたしました。

心拍数が上がり、SCがピーピー警告音を鳴らし始めましたが、

わたくしは、ムキになって必死に坂を上り始めました。

ところが!

ここで小学生男児たちは、必殺技を出してきました。

お得意の立ちこぎです! 

奴らは体重が軽いですし、体が小さいので心肺機能に負荷がかかりにくいようです。

息を切らすこともなく、楽しげに、ダンシングで上り続けていられるのです。

ですが、わたくしだって、CAAD9少佐のメンツにかけても、負けるわけにはいきません。

ポラールのSCは、もはや、ウルトラマンのカラータイマーさながらに、

ピーピー警告音を鳴らしっぱなしです。

(ぜったいに、、、負けませんことよ。。。くぅぅ~、距離が縮まってきましたわ。

もう少しですわ~。ここで、この坂で、抜き去りますわ~!!!)

するとその時、目前の男児二人が、そろってハンドルを右に切りました。

二人の姿は一瞬にして、一軒の家の門をくぐり、その庭先へと消えてしまったのです。

一瞬、何事が起こったのかわからないほど、すばやい行動でした。

そして、数秒後、あの男児たちのどちらかが、この家の子供であり、

友達を家に連れてきたらしい、、、ということを理解したのでございました。

拍子抜けしたわたくしが、その家の前を通過した、まさしくそのとき、

家のほうから、「ただいま~」という、くったくのない小学生の声が。。。

このとき、わたくしは悟ったのです。

嗚呼、、、あの男児たちは、普段の通り、ただふつうに自転車で家に帰りついただけなのだ。。。

特別に速く走ろうという気持ちなど、まったくなかったのだ、、、

それなのに、、、それなのに、、、わたくしは、彼らに負けてしまった。。。

わたくしは、、、CAAD9少佐に乗りながら、自らの貧脚が原因で負けたのだわ。。。

しかも、あのような純粋な小学生を相手に、闘争心をむき出しにするとは、

なんと、わたくしの心のあさましいこと、、、

ガックリです。自己嫌悪です。

そのような、わたくしのあさましさは、百も承知した上で、あえて言わせていただきますと、

高尾の小学生は、侮れません。

恐るべき身体能力です。

ううむ、、、小学生にしておくには惜しい人材です。

そして、、、優れたマシンに乗っていることが、速く走れるということではない。。。

自転車のエンジンは、乗り手(人間)なのだということを、

とことん思い知らされたわたくしでございました。。。

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惨敗! 和田アタック(涙)

2006年10月07日 | トレーニング

しくしくしく、、、

しくしくしく、、、

台風一過の今日、あんまりお天気がよかったものですから、わたくしは仕事も

ロクスポせず、和田アタックを試みたのでした。。。

前回、小仏アタックが思いのほかチョロかったのに気をよくして、

すっかりのぼせ上がっていたのでございます。。。

しかし! 和田峠は小仏峠にあらず!

惨敗してしまいました~(泣)

やはり、、、ノーマルダブルのクランクの、、、それも、アウターが53という

エリート仕様では、わたくしの貧脚にはとても乗りこなせなかったのでした。。。

なにしろ、陣馬高原下バス停の先、最初のカーブで、もはや、インナー&ローを

使い切っていたのでございます。

ところで、わたくし、、、CAAD9.3とテレパシーで交信するときには、

いつも、CAAD9のことを少佐とお呼びしておりました。

つまり、アレですよ。キャノンデールのエリートレーサーのカテゴリーでは、

まずは、SystemSixが、大佐ですわよね。

すると、Six13は、中佐になりますわね。

で、CAAD9が少佐。 CAAD8は大尉なのですわ。

ですから、わたくし、いつも、CAAD9に対しては、

少佐とお呼びかけ申し上げておりました。

少佐も、いつもは気軽にお返事をしてくださるのです。

ところが、、、今日は、、、一言も口を聞いてくれなかったのでございます。

例えばこんな会話でも、、、

うり:「少佐どの。すでに、インナー&ローを使い切っております!」

少佐:「・・・・・・・・(無言)」

******

うり:「しょ、、、少佐どの、、、わたくし、もう足がダメでございます。少佐どのぉぉぉ!」

少佐:「・・・・・・・・(無言)」

******

うり:「少佐どの~。ペダルが重いであります! もう、こげません~!」

少佐:「・・・・・・・・(無言)」

******

うり:「少佐どの~! 心拍数が197でございます! わたくし、死にまする~!」

少佐:「・・・・・・・・(無言)」

↑不出来な部下に対しては、とことん冷酷な少佐どのなのであります。

よく、ロードのレーサーの人が、「足がうりきれていた」などという比喩を

お使いになられますが。。。

もう、今日のわたくしの場合、足うりきれどころか、腕も、呼吸器も、

忍耐と根性も、すべてがうりきれなのでございました。

わたくしは、、、わたくしは、、、和田峠に負けてしまいました~。

うわ~ん!

なんという屈辱感。なんという敗北感。

わたくしは、「うえ~ん」と大泣きしながら、峠道を駆け下りました。

続いて、「うえ~ん」と号泣しながら、陣馬街道をひた走り、

南浅川サイクリングロードに合流すると、

「うえ~ん」と泣きながら時速30キロでサイクリングロードを駆け抜け、

四谷橋のたもとにある、ショップBに駆け込みました。

そして、しゃくりあげながら、「FC-R600ください~」と訴えました。

不運なことに、FC-R600は在庫がなくて、FC-R700(アルテグラ仕様)ならある

というお返事。

もう、わたくしはやぶれかぶれになっていますから、

「それください~」と、叫んでしまったのでありました。

心優しい店長のウッチーが、クランクを取り替えてくださるのを、しゃがんで見学。。。

30分ほどで、交換完了です。

外はもう、真っ暗になってしまいました。

それでも、わたくしの心には、ぽっと明かりが灯ったようでございました。

高尾に戻る道々、、、わたくしは、コンパクトクランクの有難さを実感したのでございます。

ああ、、、テクマクマヤコン、テクマクマヤコン、コンパクトって、偉い!

近いうちに、和田アタックの雪辱戦をいたします。

ちくしょー! おぼえてろよー!(負け犬)

そして、今度こそ!!!

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浅川C.R.

2006年10月04日 | トレーニング

うむむ~。。。東京地方は、秋雨前線の影響を受けて、ぐずついたお天気が

続いております~。

朝7時ごろには一度、雨が上がったのですが、8時半には、またドシャブリです。

ベランダから空を見上げては、ため息ばかり。。。

なんとか、、、5分でも10分でもいいから、CAAD9に乗りたいわけでございます。

午前10時、空の様子が若干明るくなってきたのをみて、どうにもガマンができず、

いそいそとCAAD9を持ち出してしまいました。

こんな天候の中、山へ出かけるのもどうかと思い、今日のところは、

南浅川に沿ったサイクリングロードを走ることに。。。

このサイクリングロードは、一部未舗装の道もありますが、そこを除けば、

きれいに舗装された歩行者自転車専用道路です。

お散歩している人もいらっしゃるので、あまりスピードを出してはご迷惑かと思いますが、

20km/hくらいなら大丈夫なのです。

今日は路面も濡れていますし、ゆっくりと走ることにしました。

ところが、です! 雨上がりって、路面のドロをものすごい勢いで

ハネ上げてしまうんですね!

うわ~ん! あっという間に、愛しいCAAD9がドロだらけです。

しかも、路上に、ミミズちゃんが多いこと!

これを踏んでしまったら、、、わたくしのCAAD9が、、、

あ! いえ! もちろんミミズちゃんの生命のほうが、大事でございますよね。

踏んでしまってはお気の毒なことでございます。

もう、わたくしは必死に避けるわけです。

右だ! 左だ! うわっち! また、ひだりぃぃ~!

遠くからわたくしの走りをご覧になっている人には、どんなにか

不思議な動きに見えたことでしょう。

わたくしの動きは、もはやどなたにも想像できません。

フェイントの連続です。

そんな風に12キロほど走ったところで、空は再びどんよりと重くなってきました。

なんだか中途半端な距離で、納得がいきませんが、大切なCAAD9を雨に濡らす

勇気などない、貧乏性なわたくしなのでした。

しかたなく、Uターンして戻ります。

そして、なんとか雨が降り出す前に自宅マンションまで帰って参ったわけですが、、、

家に入れる前に、ドロを落としておこうと思い、

濡れ雑巾でフレームを拭き始めたその瞬間!

ひぃぃぃぃ~!

見てはいけないモノを、見てしまいました!

それは、、、それは、、、一匹のミミズちゃんが、痛ましくも切断されて、

フロントブレーキの取付ボルトのところに、付着していたのでございます~。

わたくし、、、歳甲斐もなく、「ウギャー!」と叫んでしまいました。

おそらくマンションのフロアいっぱいに響き渡ったと思われます。

大奮発して購入したポラールのSC。

その心拍計が記録した最高心拍数が、この瞬間の数値であることは

言うまでもありません。

CAAD9と共に生きる人生は、かくも厳しく、残酷なのでございました。。。

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CAAD9 で初小仏アタック!

2006年10月03日 | トレーニング

行って参りました!

CAAD9で初めての小仏アタックです。

朝9時半、自宅を出発し、国道20号(甲州街道)沿いに、高尾方面へ進みます。

高尾駅前を過ぎ、西浅川交差点を旧甲州街道へ右折。小仏アタック開始です。

駒木野病院の前を過ぎ、小仏関所跡を越えて、ぐんぐん登ります。

登り坂なのに、けっこうスピードをキープできます。

タイヤの径が大きいせいなのか、、、よくわかりませんが、

グイグイと前へ前へ進んでいく感じがします。

珈琲専門店ふじだなの前を通過して、いよいよ小仏道の核心の坂へと突入しますが、

まだ、最低ギアを使い切ってはいません。

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ええと、、、ここでみなさまにお詫びしなくてはならないことがございます。

わたくし、、、あれほど、クランクセットの選択に迷っておりましたのに、、、

結局、今回のCAAD9はノーマル・ダブルになってしまったのです。

バンビちゃんのお店には、コンパクトのクランクで発注をお願いしたのですけれど、

結果的に、ショップBで購入する経緯となってしまったため、

コンパクトだのダブルだのといっている暇はなく、、、

お店に並んでいるものを、「コレください!」と泣き叫んで買ってしまった、、、

という、ものすごいガサツなパターンに陥ってしまったわけでございます。

以上のような訳で、わたくしのクランクは、39/53。。。健脚仕様となってしまいました。

これまで、ロードバイクに乗ったことがございませんので、

はたしてロードで登る小仏が、どのようなものか、わたくしには見当もつきませんでした。

それで、小仏アタックの核心部に突入し、ひとつ、、、またひとつ、、、と

ギアが下がっていくことに、どうしようもない不安を抱き始めておりました。

この先、小仏バス停を過ぎてから、傾斜はさらにきつくなります。

(ギアが足りない!)

わたくしはドキドキしながら、ペダルを回し続けました。

ふと気が付くと、すでに、リアのギアは一番低いところに入っています。

あ、もう使い切ってしまいました。

これでは、とても最後の激坂を越えられないのでは、、、

そう思ったのですが、、、それが、、、驚くことに、、、行けてしまったのです。

本当に不思議なのですけれど、激坂よりも手前の段階で、最低ギアを使い切った

にもかかわらず、わたくしは、同じギアで、激坂を上がれてしまったのです。

しかも、ふだんMTBで上がっているのよりも、ずっと速い速度で、、、です。

これが、ロードバイクの本領なのでしょうか。

素人なので、うまく言葉にできないのですが、、、一回、グイとペダルを踏み込んだときに

進む距離が、ぐーんと長いのです。

おそらく、わたくしのGTで低いギアを使いますと、ムダにクランクを回転させて

しまっているのでしょう。

脚を回しているわりに、前へ進んでいかない、、、ということなのだと思います。

そうかといって、GTでギアを上げますと、今度は重くて重くて踏み込めないのです。

ところが、CAAD9の場合は、けっこう重いはずのギアでも、グイッと踏み込めるのです。

すごいことでございます。

わたくし、多少、息が荒くなりましたけれども、いつものMTBのときよりは

ずっと楽に、速く、峠に到着することができてしまいました。

これが、CAAD9の、、、というか、ロードバイクのパフォーマンスなのでしょうか。

驚きです。

ただし! 下りはダメでございました~。

ロードバイクが体に馴染んでいないわたくしは、もうビビリまくり!

峠から下る道すがら、ブレーキタコにぎり大会です。

なにもそこまでスピード落とさなくても、、、というくらい、ノロノロ、ソロソロ

ヘタレ・オブ・ザ・イヤー 確定でございます。

いやはや、、、こんなわたくしが乗り手では、CAAD9に対して、

申し訳ないかぎりです。

これから毎日、練習に励み、もう少しはマシな走りができるように、

精進して参りたいと存じます。。。。

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和田アタック

2006年09月20日 | トレーニング

CAAD9納車まで、残り11日!

ロードバイク乗りになるべく、小仏アタックを繰り返しては

体力づくりに励んでいたわたくしでしたが、、、

そろそろ小仏は卒業して、次なるステージへの挑戦を試みました。

そのフィールドとは、、、

高尾山と並んでハイカーに人気の山であります陣馬山の肩。

標高690m和田峠でございます。

小仏峠の標高は400m以下なんでございますから、

これはもう、倍でございますよ。

下記の高低図をご覧くださいませ。ものすごい高低差なんでございます。

Photo_15

小仏峠とは、似て非なるトレーニングコースです。

はっきり申し上げまして、八王子市内にあるオンロードのルートとしましては、

最難関と申し上げても過言ではございますまい。

今のわたくしの実力からいうと、ちょっと無理ではないかと思われますが、

しかし、、、女40歳。これから体は衰える一方です。

今登らずして、いつ登るのか!

私は、敗退覚悟でチャレンジする覚悟を完了いたしました。

朝9時。自宅がある多摩御陵付近からのスタートです。

多摩御陵と多摩森林科学園の間を走る都道をぐんぐん登ります。

一つめのピークを越えて、城山大橋の交差点を左折。

ここからは、東京都が運営する公園墓地の山を越えていきます。

二つめのピークを越えて下ったところで、細い道へと左折します。

直進してもいいのですが、この先にはトンネルがあって、

ちょっと自転車で抜けるのには空気が悪すぎるのでした。

トンネルをエスケープして、三つめのピークを越えて下ると、

いよいよ陣馬街道に入ります。

北浅川に沿って車道を走り、まずは「夕やけ小やけふれあいの里」をめざします。

この道は、車の通行量も少なく、自転車で走るには格好のルートです。

北浅川は上流に進むにつれて、美しい渓流へと変化します。

途中にはマス釣りができるキャンプ場などもあるのです。

道は徐々に登っていますが、息がきれるほどの傾斜ではありません。

多摩御陵からちょうど40分ほど走ったところで、

「夕やけ小やけふれあいの里」に到着です。

ここには、物産品の売店や、食事施設、休憩所などがあり、

長休憩をするのにはぴったりです。

わたくしもたっぷり水分を補給し、ひと息いれました。

さて、、、この施設を過ぎると、道は、陣馬街道と醍醐林道に分岐します。

北浅川もまた、ここで醍醐川と案下川に分岐するのです。

今日は、予定通り、案下川に沿った陣馬街道へとルートをとります。

分岐を過ぎると、道はだんだん傾斜がきつくなってきます。

10分足らずで路線バスの終点・陣馬高原下バス停に到着。

いよいよ、和田アタックのスタートです。

もう一度、水を飲み、深呼吸をし、、、、意を決して、ペダルを踏み込みます。

(とにかく焦らず、ゆっくり行こう。どうにも体力の限界になったら、Uターンすればいい)

事前にフリー地図ソフトのカシミールで高低図を確認していたわたくしは、

ここから先の登りが半端なものではないことを、すでに知っています。

あああ! きました!

ものすごい急坂のはじまりです!

ギアはどんどん下がります。それでもケーデンスを維持できません。

(キタキタキター! 和田地獄だー!)

わたくしは額に汗をにじませ、懸命にペダルを踏みました。

つづら折れの道が続きます。

息が上がってきます。

汗が噴出し、頬をつたって顎からポタポタと滴ります。

昨日の雨のせいでしょうか、小さいカエルが道のあちこちで、

ペッチャンコに踏み潰されています。

おそらく、朝一番で車が何台か通ったのでしょう。

そのカエルちゃんの亡骸を踏むまいと、息も絶え絶えにハンドルを切り、

避けながら登るのは、これまた骨の折れることでございます。

だいぶ登ったと思ったころに、前方に看板が見えてきました。

「和田峠まであと2.5km」

ひえええ! 和田アタックは、全部で3kmなのに、あと2.5kmも残っている!

マジマジマジですか! このきつい登りが、今の5倍も残っているのですか?

わたくしは目の前が真っ暗になる気がしました。

しかし、その予測は間違っていました。残りの2.5kmの斜度は、

今までの傾斜よりも、さらにさらにきついものだったのです。

あああ! ものすごいつづら折れの道です。

コーナーの外側でもこれだけきつい斜度なんですから、

インナーの斜度はどのくらいのものだか、想像もできません。

もうだめです。死んでしまいそうです。

肺に大量の空気を吸い込み、少しでも酸素を取り込もうとするのですが、

使うエネルギー量が多すぎて、完全に悪いスパイラルに入っています。

しかも、ペダルをこぐ力が弱まってきて、ますますスピードが落ちてきます。

自転車って、どうして倒れないで走っていられるかというと、

それはジャイロ効果という物理の法則のおかげなわけです。

しかし、今のわたくしのスピードは、ジャイロ効果を維持できないほどに

遅いのでありました。

もう、フラフラです。

右に左に、ハンドルを切り回し、辛うじて転倒を回避しますが、

地獄のような傾斜のカーブが、次々とわたくしを苦しめます。

(あああ! もうだめです~。)

(お許しください、バンビちゃん。

こんなわたくしに、CAAD9に乗る資格なんてないのですわね?

わたくしは、所詮、ママチャリでお買い物でもするのがお似合いなんですわね?

こんなわたくしがCAAD9に乗ろうだなんて、、、ううう、、、、)

さまざまな思いが脳裏をよぎり、おばさんのくせに、泣いてしまいそうです。

悪魔のような急カーブを曲がりきったところで、とうとうバランスを崩し、

足をついてしまいました。

こうなると、もう駄目でございます。

わたくしは観念して、足をついたまま肩で息をし、数十秒、その場で立ち尽くしました。

ボトルを取り、水を飲みます。

(いや、ここで引き返したら、わたくしの自転車人生に未来はない。

まだ限界とはいえないわ。本当の限界までがんばらなくては。)

↑この妙な負けん気がどこから湧いてくるのか、誠に不思議でなりません。

かくして、わたくしは、またペダルをこぎ始めました。

山の上のほうを見上げると、もう少しで峠なのではないかと思われます。

しかし、ニセピークということも考えられます。

次のカーブを曲がったら、峠かもしれない。。。と思って曲がると、

まだまだつづら折れの道が続いています。

期待しては、裏切られ、、、、の繰り返しです。

もう、本当に限界だー!と思いながらカーブを曲がった瞬間です。

前方に峠の茶屋がチラリと見えました。

と、、、とうげ、、、

やった、、、根性が勝った、、、

わたくしは、最後の力を振り絞って、峠の駐車場へと突っ込みました。

    *     *     *     *     *

時計を見ると、だいたい40分かかっています。

しかし、タイムトライアルが目的ではありません。

今日のところは、峠まで登れただけで満足でした。

わたくしは、、、わたくしは、、、悪魔のような和田峠を制したのです。

記念に写真を撮りました。

Kif_4176

峠の風はそよそよと、わたくしの疲れた体を癒してくれます。

わたくしは、達成感で満たされました。

さて、、、さてさて、、、

ここから、どうルートをとるか。

わたくしは迷っていました。

高尾の方面に帰るには、今来た道を戻るのが懸命な判断ですが、

峠から先、相模湖のほうへと下る道もあるのです。

ただ、相模湖方面に下ってしまうと、高尾に戻るのに、

大垂水峠を越えなくてはなりません。

しかも、藤野から相模湖までも、けっこうな距離があります。

今日は、初の和田アタックです。無理は禁物です。

そこまで判っているのに、わたくしの気持ちは、

相模湖方面へと向いていました。

どうしても、無謀なほうへ、無謀なほうへと進んでしまうわたくしの思考。

(ええい。なんとかなるさ。ゆっくり走れば大丈夫さ。)

わたくしは、GTにまたがり、今登ってきたのとは反対の方向へと

いっきに下りはじめました。

Photo_16

東京側と違い、神奈川側の道は、とてもよい道でした。

なんといっても下りですから、疾風のごとく走ることができます。

あっという間に高度が下がり、上野原方面への道を右に分けて、

藤野方面へと、桐原藤野線を下ってゆきます。

この道もまた、川沿いの気持ちのよい道で、

しかも、東京側とちがって、ところどころ民家もあり、

田園的な風景が広がっています。

すぐ脇を流れる沢井川は↓こんなステキな川なんでございます。

Kif_4178

気分はルンルンです。

わたくしは、この先、大垂水峠という難関が控えているのも忘れて

すっかり上機嫌で走り続けました。

この先で道は、沢井川から離れて、ちょっとした登り坂となります。

道幅のトンネルを越えると、藤野駅のすぐ脇に飛び出しました。

思っていたよりも甲州街道は近かったのでした。

ここからは、甲州街道沿いに高尾まで戻るわけです。

相模湖ICを過ぎると、とたんに大型の車が多くなり、

追い越されるときにはストレスを感じます。

しかし、高尾に戻るには、他に道はありません。

がまんして、ペダルをこぎます。

ようやく相模湖駅前の交差点まで来た頃には、

街道沿いを走るのに、ほとほと疲れておりました。

この交差点で、多少の車は412号線方面へ曲がりますけれども、

それでも、大垂水峠越えをするトラックも多いようです。

急な峠越えを、この大型トラックといっしょに走るのは相当キツイ感じがします。

ここまで来て、わたくしは、相模湖側にルートをとったことを

ほとほと後悔しました。

(和田峠から来た道を戻っていれば、もうとっくに家に着いていたのに、、、)

悔やんだところで仕方ありません。

家に戻るためには、大垂水峠を越えるしかないのです。

えい!っとばかり、わたくしは、峠への坂道を登り始めました。

まあ、、、標高700m近い和田峠に比べたら、大垂水峠など、

せいぜい400mちょっとなんですから、、、、

わたくしの頭の中では、なんとかなる筈でした。

しかし、、、わたくしの体は、和田アタックですっかり疲弊していたのです。

このボロボロの状態で大垂水峠越えは、ハードこの上ないものでした。

しかも、大型のトラックが情け容赦なく粉塵を巻き上げて追い抜いていきます。

思い切り息を吸うこともできません。

わたくしの大垂水峠越えは、思った以上に辛いものになりました。

ヒィヒィいいながらペダルをこいでいると、ふっと右となりに、

黄色のジャージを着たロードバイクのお兄さんが並びます。

お兄さんはわたくしのほうを振り向いて

「少し水を飲んだほうがいいですよ。がんばって!」と声をかけてくださいました。

そして、颯爽とわたくしを抜き去り、ぐんぐんと坂道を上がっていきます。

「はい!ありがとうございます!」

わたくしはそれだけ答えるのがやっとでございました。

目前のカーブに、路肩が大きめにとってあるのをみつけて、

わたくしはそこで足をつき、水を飲みました。

なるほど、ちょっと元気が出た気がします。

もしかしたら脱水気味だったのかもしれません。

(どなた様か存じ上げませんが、貴重なアドバイス、ありがとうございます。)

自転車人は、みんな親切だなぁ~、、、と感激しながら、

わたくしはなんとか、大垂水峠を越えることができました。

ここを越えれば東京都です。

わたくしの住む高尾は、もうすぐです。

峠を下りきったところで、わたくしはお腹がペコペコであることに気がつきました。

そういえば、朝7時にごはんを食べたきり、行動食もなにも口にせず、

12時すぎまで走り続けていたのです。

そこで、高尾山の参道にあるお蕎麦屋さんに立ち寄って、

名物のとろろ蕎麦をいただきました。

元々お蕎麦は好物なのですが、今日のお蕎麦は、また格別です。

ちょっとしょっぱいおつゆも、疲れた体にはありがたく、

最後の一滴まで飲み干してしまいました。

こうして、わたくしの初めての和田アタックは、ゴールを迎えたのでありました。

いやはや、、、大変なことでございましたよ。。。

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