事業者の参入を狭める指定管理者制度の一体管理
花畑広場は、次の指定管理者選定で、熊本城ホール・地下駐車場との一体管理へ移行すると説明されています。
しかし、指定管理者制度運用マニュアルでは、「指定管理者の選定は、個々の施設ごとに行うことを基本とする」となっています。
一体管理で事業規模が大きくなれば、関われる事業者が限られます。公共事業同様、地元業者を中心に、幅広く事業者が参入できることが必要です。
赤字の時は減収補てんをして、黒字の時はわずかな還元というのは見直しを
花畑広場と一体管理予定の熊本城ホールの指定管理料は、ゼロ円です。しかしこの間、新型コロナの影響による減収分を2020年度・約3億4,400万円、2021年度・約1億4,800万円の指定管理料として支払いました。一方、黒字の場合は、5年間で1億円を市に還元すると協定で決められています。熊本城ホールは、メインホールの想定稼働率が60%ですが、一般的な文化ホールは70~80%程度が稼働率目標です。今後、想定稼働率あるいは一般的なホールの稼働率になればかなりの黒字も想定されます。5年で上限1億円という市への還元は、黒字額に合わせて見直すべきです。
黒字になったときの還元は、2年間で約5億円の減収補てんをしたことを考慮し、市民が納得できる協定内容にすべきです。
一部の民間事業者が長期・独占的に指定管理者となっていることは問題
指定管理者の選定を、「原則公募」としていることは、広く提案を求めることで競争性を担保し、より適切な候補者を選定することを目的にしています。
しかし、今年4月に公募で指定管理者を選定した40件は、件数ベースで94・4%が同じ事業者が指定管理者となっており、公募の指定管理はほとんど同じ事業者で固定しています。
しかも、多数の施設を指定管理している上位4社、1位の㈱パブリックビジネスジャパンはじめ、㈱九州総合サービス、一般社団法人熊本市文化スポーツ財団、石坂グループの4事業者は、公募施設40件のうち30件、75%に指定管理者としてかかわり、更新で継続を繰り返しています。広く提案を求める、競争性を担保すると言いながら、特定の事業者が長期独占的に指定管理を行うような現在の指定管理のあり方は問題です。
上位4事業者は、件数ベースで数えると公募施設40件のうち21件、半数以上の指定管理者となっています。特定の事業者による長期独占的な指定管理は問題です。公共事業では、分離発注、地元企業への受注に配慮されてきましたが、指定管理でも、そういう考え方が必要ではないかと思います。
「ランク別人件費単価表」通りに人件費が執行されておらず、指定管理がワーキングプアを生む現状
各施設の指定管理料における人件費は、「ランク別人件費単価表」によって役職ごと・施設規模別に人件費単価が決められて指定管理料に積算されています。
「モニタリング」が行われていますが、モニタリング結果の内容は報告されていません。これでは、適切に執行されているのか、確認ができません。モニタリング結果を評価結果の一つとして、報告すべきです。
例えば、花畑広場は中規模施設の長1名、同じく係長1名、一般職2名、嘱託職員2名の6人で年間2,955万円が予算化されています。しかし、事業報告では、年間ベースでの比較で執行された人件費は1割近く低く、さらに委員会では、実際はスタッフ10名でやっていると説明されました。要するに、予算では2名の嘱託職員が実際はもっと多いのではないか、責任者の処遇次第では、責任ある運営が確保されているのかも疑問です。同時に、市が指定管理のランク別人件費単価を決めていることも無意味になります。適切な事業実施のためにも、モニタリング結果は公表し、長期に同事業者が継続している施設などは包括・個別の外部監査を行い、事業を検証することが必要です。
市職員OBの天下りでは、指定管理者施設の専門性は確保できない
非公募となっている国際交流会館や現代美術館は、「事業運営の特殊性が重視される施設」として、高度な専門性・長期的な視野に立った人材育成・事業の継続性などが重視されているとのことです。
しかし、非公募でそれぞれの財団法人が継続的に指定管理者となっている中で、専門とは言い難い市職員OBが天下りして、事務部門の要職にいることは問題です。
ここに限らず、多数の指定管理施設に職員OBが天下っている現状がありますが、そのほとんどが出資団体です。
あらためて、それぞれの事業の専門性等を考慮し、真に必要な人材として専門性の高いプロパー職員の採用と育成に力を入れるべきです。
指定管理者制度について、事業の検証をしっかりと行い、真に住民サービスの向上に繋がる運用となるよう、制度の改善を図っていくことを求めました。
花畑広場は、次の指定管理者選定で、熊本城ホール・地下駐車場との一体管理へ移行すると説明されています。
しかし、指定管理者制度運用マニュアルでは、「指定管理者の選定は、個々の施設ごとに行うことを基本とする」となっています。
一体管理で事業規模が大きくなれば、関われる事業者が限られます。公共事業同様、地元業者を中心に、幅広く事業者が参入できることが必要です。
赤字の時は減収補てんをして、黒字の時はわずかな還元というのは見直しを
花畑広場と一体管理予定の熊本城ホールの指定管理料は、ゼロ円です。しかしこの間、新型コロナの影響による減収分を2020年度・約3億4,400万円、2021年度・約1億4,800万円の指定管理料として支払いました。一方、黒字の場合は、5年間で1億円を市に還元すると協定で決められています。熊本城ホールは、メインホールの想定稼働率が60%ですが、一般的な文化ホールは70~80%程度が稼働率目標です。今後、想定稼働率あるいは一般的なホールの稼働率になればかなりの黒字も想定されます。5年で上限1億円という市への還元は、黒字額に合わせて見直すべきです。
黒字になったときの還元は、2年間で約5億円の減収補てんをしたことを考慮し、市民が納得できる協定内容にすべきです。
一部の民間事業者が長期・独占的に指定管理者となっていることは問題
指定管理者の選定を、「原則公募」としていることは、広く提案を求めることで競争性を担保し、より適切な候補者を選定することを目的にしています。
しかし、今年4月に公募で指定管理者を選定した40件は、件数ベースで94・4%が同じ事業者が指定管理者となっており、公募の指定管理はほとんど同じ事業者で固定しています。
しかも、多数の施設を指定管理している上位4社、1位の㈱パブリックビジネスジャパンはじめ、㈱九州総合サービス、一般社団法人熊本市文化スポーツ財団、石坂グループの4事業者は、公募施設40件のうち30件、75%に指定管理者としてかかわり、更新で継続を繰り返しています。広く提案を求める、競争性を担保すると言いながら、特定の事業者が長期独占的に指定管理を行うような現在の指定管理のあり方は問題です。
上位4事業者は、件数ベースで数えると公募施設40件のうち21件、半数以上の指定管理者となっています。特定の事業者による長期独占的な指定管理は問題です。公共事業では、分離発注、地元企業への受注に配慮されてきましたが、指定管理でも、そういう考え方が必要ではないかと思います。
「ランク別人件費単価表」通りに人件費が執行されておらず、指定管理がワーキングプアを生む現状
各施設の指定管理料における人件費は、「ランク別人件費単価表」によって役職ごと・施設規模別に人件費単価が決められて指定管理料に積算されています。
「モニタリング」が行われていますが、モニタリング結果の内容は報告されていません。これでは、適切に執行されているのか、確認ができません。モニタリング結果を評価結果の一つとして、報告すべきです。
例えば、花畑広場は中規模施設の長1名、同じく係長1名、一般職2名、嘱託職員2名の6人で年間2,955万円が予算化されています。しかし、事業報告では、年間ベースでの比較で執行された人件費は1割近く低く、さらに委員会では、実際はスタッフ10名でやっていると説明されました。要するに、予算では2名の嘱託職員が実際はもっと多いのではないか、責任者の処遇次第では、責任ある運営が確保されているのかも疑問です。同時に、市が指定管理のランク別人件費単価を決めていることも無意味になります。適切な事業実施のためにも、モニタリング結果は公表し、長期に同事業者が継続している施設などは包括・個別の外部監査を行い、事業を検証することが必要です。
市職員OBの天下りでは、指定管理者施設の専門性は確保できない
非公募となっている国際交流会館や現代美術館は、「事業運営の特殊性が重視される施設」として、高度な専門性・長期的な視野に立った人材育成・事業の継続性などが重視されているとのことです。
しかし、非公募でそれぞれの財団法人が継続的に指定管理者となっている中で、専門とは言い難い市職員OBが天下りして、事務部門の要職にいることは問題です。
ここに限らず、多数の指定管理施設に職員OBが天下っている現状がありますが、そのほとんどが出資団体です。
あらためて、それぞれの事業の専門性等を考慮し、真に必要な人材として専門性の高いプロパー職員の採用と育成に力を入れるべきです。
指定管理者制度について、事業の検証をしっかりと行い、真に住民サービスの向上に繋がる運用となるよう、制度の改善を図っていくことを求めました。